僕のヒーローアカデミア ~悪戯は人のために~   作:護廷隊

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こんにちは、護廷隊です。

始めに、評価していただきありがとうございます。これまでに評価してくれていた方も気づかなくて申し訳ありませんでした。これからも頑張っていきたいと思います。

さて、前回はついにヴィランが現れましたね。ここからどう撃退していくのか見守っていただければと思います。


8話 巨悪襲来

「奴らは・・・ヴィランだ!」

「え?」

「13号!生徒を守れ!」

 

情報が整理できていない生徒を後ろに庇いながら相澤は指示を出していく。ヴィラン側はというと周囲を確認し話を進めていく。

 

「話には、オールマイトがこの場にいると伺っていたですが・・・。どういう訳かいませんね。」

「どこだよ…平和の象徴。殺せると思ってきたのに。・・・・まぁ、いいか。どうせ出てくるでしょ。・・・子供たちをころせばさぁ!」

 

その一言と同時に視線を生徒の方に向けると相澤がゴーグルを目に掛けながら歩を進める。そして、春水とすれ違う時に一言、

 

「生徒であるお前に頼むことは筋違いだと思うが・・・他の生徒を、頼む。」

 

笠を深くかぶり、表情を他に見せないようにして視線だけ相澤に向ける。

「いいのかい?生徒である僕にそんなこと頼んじゃって。・・・全身黒の脳味噌の奴は要注意だよ。」

「ご忠告どうも。」

 

相澤は階段を駆け下っていき戦闘を始める。

 

「せんせー!・・・春水君、相澤先生はなんて!?」

「皆13号先生の話をよく聞いて行動するように、だって。」

「皆さん!出口はこちらです。焦らず、ゆっくりと進んでください!」

 

緑谷が春水に話を聞きに来るが緑谷の背を押しながら皆の元に戻り、一人13号の下に駆け寄る。

 

「相澤ちゃんから、ここを守れと指示されたから殿につくね。」

「八百万くん。君のことは先輩から聞いてます、お願いします。この場において、僕の権限で戦闘許可を出します。」

「ありがとね。」

 

13号から許可をもらった春水はすぐに最後尾に戻り、ヴィランが迫ってこないか確認に向かおうとした。その時、

 

「させませんよ。」

 

その一言と共に、生徒たちの前方に黒い靄が出現した。

 

「我々はヴィラン連合。僭越ながらオールマイトの首をいただきに来ました。が、当のオールマイトはご不在のようですね。まぁ、どっちにしろ私の役目はこれ。」

 

その声と共に黒い靄が生徒達を包み込もうとするが、直後2つの影が現れて靄が縮小する。

 

「っの前に!俺たちにやられることは考えてなかったか?」

 

切島と爆豪が、靄に対して攻撃を繰り出す。しかし、それにより個性で靄を吸い取ろうとした13号の射線上にはいってしまう。

 

「危ない危ない。流石、生徒と言っても金の卵。ですが、こうしてしまえば。」

 

再度黒い靄が広がり始め生徒を包んでいく。どこかに飛ばされると考えた春水は近くにいた生徒たちを靄の外に押し出し、自身も避難する。靄が収まるとその場に残った生徒は、飯田、障子、麗日、瀬呂、芦戸、砂糖、春水の7人だけになっていた。

 

「障子くん、他の皆の場所は分かるかい?」

「誰がどこにまでは分からないが、皆この施設にいることは確かだ。」

「そうかい、なら。13号先生、サポートを頼みます。」

 

春水は出した脇差を腰帯に挿し、刀を片手で構える。

 

「分かりました。委員長、僕と八百万くんで道を開けますから君は教員を呼びに行って下さい。」

「しかし、クラスを置いてなぞ!」

「行けって非常口!」

「飯田君行って!サポートならこの前みたく私、できるから!」

 

その後も、クラスメイトから声を掛けられた飯田は覚悟を決めた顔をする。

 

「敵前で策を話すとは、私も舐められたものですね。」

「いやいや、案外嘘かもしれないよ?」

「っ!?いつの間に。」

 

目の前の様子に注目していた黒靄は、瞬歩で後ろに回った春水の一太刀により切られるもすぐに元に戻る。

 

「手応えなしかい。その靄邪魔だねぇ、どうだい?一度君の素顔が見たいんだけど。」

「まさかこれほどの術を持つ者が学生にいるとは。あなた、何者ですか?」

「しがない一学生だよ。さて、」

 

一息ついた春水は再度構える。

 

「聡明なあなたなら分かりませんか?私に切りかかっても無駄だと。」

「その聡明な僕だから気付けたんだけど、別に君物理が効かないってことじゃないでしょう。でないと、刀が刺さってあそこまで驚く必要ないじゃない。例えばその、着ている服のところとか。」

「本当に君は・・・聡明だよ!」

 

瞬間、春水の右肘に黒い靄が現れる。何をされるか想像が着いた春水はすぐにその場から離れようとするが、両膝にも同じ靄が現れて移動ができなくなる。

 

「あなたはこの計画に邪魔です。本来はオールマイトのような存在しか切りたくないのですが仕方ありません。死んでください。」

 

その言葉と共に靄が小さくなり始める。本来ならここでもがくのが普通の人間であり、黒霧もそれを想定していた。しかし、予想に反し春水の目は落ち着いており、こちらを凝視している。

 

「こりゃ参ったねぇ。動けないよ。」

「そうでしょうとも。むしろ抵抗するために暴れると思っていたくらいです。」

「はは、確かにその通りだ。ところでさ、少しいいかい?えっと・・・」

「何ですか?あぁ、自己紹介ですか?どうも初めまして、私は黒霧と言います。そして、さようならしがない一学生君。」

「いやぁ、そうじゃなくてね。君、僕に集中しているようだけど、これは何も・・・

 

 

 

 

 

 

              一対一

 

 

 

 

 

 じゃないよ。」

 

黒霧は、春水の視線が自分ではなく後ろに向けられているのに気づき後ろを振り向くと13号が指のカバーを外し、こちらに個性を使う所であった。

 

「ナイスです、八百万くん。あとは僕に任せて!」

「なっ、しまっ・・!」

 

指からブラックホールが発生し、春水についていた靄と一緒に黒霧が吸い込まれ始める。

 

「飯田君は今のうちに!」

「はい!」

 

13号の声に飯田が反応し、駆ける。無論、黒霧も応援を呼ばれたくないのでドアの前にゲートを作るが、それが上にずれる。

 

「なんか知らんけど、これ掴めばええゆうことやんね!?」

 

13号が個性の使用をやめたことによる慣性による重心のずれで態勢を崩したところに、麗日がその手で黒霧の首元の鎧を掴み、宙に上げる。すかさず、瀬呂がテープを貼り付け逃げられないように固定したところで飯田は扉を開けて教員棟に向けて走り出した。

 

(このままでは・・・ゲームオーバーに・・・)

 

それを見た黒霧は個性を自身に使い、その場から消えるのであった。

 

「皆さん、よくやってくれました。八百万君も腕と足、大丈夫ですか?」

「僕の方は大丈夫だよ。助かったよ、13号先生。」

 

ヴィランを退けた皆は13号の声にほっとする。それと同時に、少し血を流しながらこちらに歩んでくる春水の様子に応急処置をしようと皆が集まってくる。

 

「大丈夫ってお前、血出てんじゃねぇか。とりあえずこれで縛っとくぞ。」

「本当に大丈夫だよ、少し皮膚が裂けちゃっただけだから。」

 

瀬呂が自身のテープを春水に巻き付けようとした時、相澤がいたはずの中心部で轟音が鳴り響いた。その音に反応して皆が中心部を覗きに行く。すると、そこには片腕を握られながら頭をを地面にたたきつけられている相澤の姿が遠目ながら目に入った。近くの池に緑谷と、峰田、蛙水も確認できる。

 

「ヒッ!!」

 

そう言ったのは誰だろうか。皆現実を受け入れられず、顏を青褪めている。短い時間であったが、厳しくもしっかりと指導してくれる相澤先生が、ボロ雑巾のようにヴィランに蹂躙されている。また、これまで生の現場を見たことがない生徒達からしたら、ヴィランに蹂躙されるヒーローなんてのはメディアが取り上げないから見たこともない。15の少年少女には、あまりに衝撃的な光景であろう。実際、麗日や芦戸は目に涙を浮かべている。手だらけのヴィランが蛙水にその手を伸ばそうとしたところで春水は動く。

 

「13号先生、僕は行くよ。」

「いや、いくら君でも――――」

 

その言葉を言うと、返事を待たずしてその場から消えた。

 

 

 

 

 

 

――――――――

 

 

 

 

 

 

 

中心部では手だらけのヴィラン『死柄木弔』が蛙水の顔にその手を乗せようとしていた。近くにいた緑谷、峰田は固まったまま動けず、ただただ蛙水に伸びる手を見ることしかできなかった。

その時、相澤を捕えていたヴィランがいなくなったかと思えば壁に激突し、轟音を鳴らした。

 

「あ?」

 

その音に死柄木が後ろを振り返ると、誰もおらず、前を向きなおすとそこに居たはずの3人もいなくなっていた。

 

「死柄木弔、あそこに。」

 

黒霧の言葉を聞き、少し離れた水辺を見ると、桜色の着物がたなびく青年が4人を地面に降ろしている所だった。

 

「大丈夫かい?梅雨ちゃん」

「ケロ、ありがとう春水ちゃん。」

「峰田くん、緑谷くん。二人を頼むよ。」

 

そう言い、春水はヴィランの方に振り向くと刀を構えた。

 

「ちょ、おま無理だって!相澤先生やられてんだぞぉ!」

「今飯田くんが先生たちを呼びに行ってくれてる。その間くらいの時間稼ぎはできるさ。」

「でも春水君一人じゃ――――」

「ガッ・・・ゲホッ!」

「「「相澤先生!!」」」

「バ・・・ろう。な・・・き・・・」

「相澤ちゃん言ってたじゃん。皆を頼むって。入口前は13号先生に任してきたし、こっちで梅雨ちゃんが危なかったから来たまでだよ。まぁ無茶はしないから・・・見ててよ。」

 

相澤に言葉を掛けると他の3人の方を見る。

 

「3人とも、相澤ちゃんを入り口前まで運んであげて。そこに13号先生がいるはずだから。」

 

それだけ言うと春水はヴィランの下に歩いて行った。

 

 

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございました。先生が生徒に託すとかありえないと思う方もいるかもしれませんが、できれば暖かい目で見てもらえるとありがたいです。
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