大学生になった瞬間、平穏は崩れ去りました   作:99.9%果汁

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どうも果汁です。珍しく1万近くまで書いたせいで長引きました。でも楽しかったので良かったです(小並感)


意識的に変えようとする時上手くいくかは気持ち次第

 いつも通りブラックを通り越したバイトを終え、そのまま帰ることも出来るのだが今回はそうはいかない。

 面倒に思いながらも一室のスタジオの扉をガチャリと開け中に入る。

 

 

 

「あ、やっと来た」

 

「やっとって言いますけどこれでも今の今までバイトしてたんですよ」

 

「知ってる知ってる。結羽君お疲れ様☆」

 

「結羽、来て早々で悪いのだけれどマイクの調子が悪いから変えてきて貰ってもいいかしら?」

 

「調子って何が悪いとか分かります?」

 

「ノイズが出てる気がするわ」

 

「了解です。今確認してきますね」

 

「すみません……ゆ、結羽さん」

 

「いいんですよー」

 

 

 

 湊さんから渡されたマイクを受け取ると来たばっかりのスタジオを出た。途中何故か今井さんがニヤニヤしてたけどなんなんだ?あと、何故か氷川さんは顔赤くなってたしほんとなんなんだ?

 

 

 

「あれ?結羽君もう帰るの?今日はRoseliaの練習を見るんじゃなかったっけ?」

 

「湊さんがマイクの調子が悪いから変えてくださいって替わりのモノを探しに来ました」

 

「マイク?ノイズとかでも出た?」

 

「そうみたいです」

 

「んーじゃあケーブルの問題かなぁ。とりあえず、こっちの使ってみてくれる?」

 

「あーい」

 

 

 

 まりなさんから替わりのマイクを受け取り、再度スタジオに向かった。

 

 

 

「すみません、お待たせしました……って氷川さんはどうしたんですか?」

 

 

 

 スタジオに戻ると氷川さんが何故か顔を赤くさせながら顔を手で覆ってた。いや、ほんとどうしたんですか。今井さんはさっきからずっとニヤニヤ笑ってるし、宇田川ちゃんと白金さんはそんな氷川さんを物珍しげに見てるし、湊さんに至ってはまるで興味がないかの様に僕が持ってきたマイクを受け取るなり調整してるしほんと何があった。

 

 

 

「いやー?どうしたんだろうねー☆」

 

「べ、別に何でもありませんっ!」

 

「……?それなら良かったです?」

 

「ぷくくっ……」

 

「な、何笑ってるんですか!今井さん!」

 

「いやー紗夜ってばまさか『あれ』だけで顔赤くなるなんてちょっとおかしくて」

 

 

 

 ……一体何の話をしてるんでしょうね。『あれ』ってなんの事ですかね?僕が来る前の話かな?まぁ、とりあえず氷川さんが落ち着くまで持ってきたベースでも弾いてますかね。あ、ちなみに今日は前日羽丘で今井さんと話してたRoseliaの練習ということで来てます。

 え?言わなくても分かってた?てか、まりなさんがさっき言ってたって?

 うるせぇ!こちとら未だに女子高生に囲まれた空間に一人でいるのがツラいんだから適当に独り言ぐらい溢させろ!いや、ほんと慣れないよね。こういう空間。

 

 でも、恥ずかしがって赤面する氷川さんはマジ可愛かったです。普段クールな人が表情崩すと本当可愛いよね。ギャップ萌えって奴?(絶対違う)

 

 あと今更だけどさ。いや、ほんと今更なんだけど僕が彼女たちの練習を見る意味あるのかなと思うんですよね。だってさ、僕が出来る楽器ってベースだけよ?それ以外はまだ手も付けてないんだから教えてくれって言われても何をどう教えろと?って感じなんだよね。

 いやね、今までも何度か彼女達の練習は見てきたけどさ。毎回、今井さんの練習をメインにRoseliaの演奏を聴いてどこがズレてるとかそういう指摘しかしてないのよね。教える的な事はしてないのよ。ベースしか。

 

 だから、どうなんですかね。彼女ら的には。まぁ、それでもいいっていう条件で僕もこうやって付き合ってる訳だけどどうなんかなぁ。僕もベース以外の楽器に挑戦した方がいいのかねぇ。そうすれば教えるとまでは言わないけど、まだまともな指摘が出来るのかなって思う今日この頃です。

 ちなみに新しく始めるとしたらドラムですかね。ほら夏祭りの時和太鼓叩かせて貰ったけどさ。結構楽しかったのよね。それにドラムってベースと同じリズム隊だし?まぁ、あとは和太鼓とかドラムとかの打楽器特有の音って心臓というか肺というか要するに胸に響く振動が好きなんですよ。えぇ、理由はそういうことです。てか、これ分かる人いるんかな。分かる人いたら嬉しいな(普通にきもい)

 

 まぁ、家にドラムセットとか無いからCircleとか大学の軽音サークルで叩かせて貰うしかないんだけどね。叩いたら叩いたらでドラム担当の人達湧いてきそうだからサークルじゃ叩かないけどね。

 てか、まずもって軽音サークルには所属してないんだけどね。知らぬ知らぬの内に伊澄君に連れてかれてるだけだからね?決して自分から行ったことは三回くらいしかないです。

 

 あと、絶対誰かしらはドラムより先にボーカル鍛えろよって思うだろうけど別にボーカルに至ってはやりたくてやってた訳じゃ無いですからね?確かにライブの時は楽しかったですけどそれはそれ。これはこれって奴です。普通に人前で歌の恥ずかしいしベース弾くより緊張するんですよね。何でだろ。

 

 てか、まだ話終わらないのかな。って思ってたらいつの間にか話し終わってたわ。なんなら僕が戻ってくるまで全員からめっちゃ凝視されてたわ。ねぇ、なんで声かけてくれないの?何?集団の嫌がらせか何かですか?僕泣きますよ?泣いちゃいますよ?あと、そんなに見ないでください。

 

 

 

「結羽兄っ!ドラムやるのっ!?」

 

「へ?」

 

「わーい!ドラム仲間が増えるよ!りんりん!」

 

「良かったねあこちゃん…」

 

 

 

 なんか知らない間に話しが進んでるでごわす。やるっていってもすぐにはやりませんよ?今は来週に控えてるライブの練習もありますし、とりあえずやり始めるとしたらその後だよね。あと、仲間が増えるって分かって喜ぶ宇田川ちゃんとそれを見守る白金さんマジ可愛いです。僕にも宇田川ちゃんみたいな可愛い妹が欲しかったです。

 妹じゃ無いけど従妹(美咲)がいるだろって?あれは僕をとことん面倒事に巻き込むので駄目です。外面と顔は普通に可愛いのに何でやろね(何が)

 今思ったけど巻き込むというよりは持って来るタイプだったわ。まぁ、どっちにせよなるべく控えて欲しい。嫌ではないんだけど平穏を望む側からしたらせめて一ヶ月……いや二ヶ月に一回くらいの頻度にしてほしい。

 

 

 

「結羽、ボーカルには力を入れないのかしら?」

 

「ボーカルはそうですね…。この先も今のバンドを続けるつもりなら新しいボーカルを入れるか僕を入れるか話し合った上で決まると思いますけど、僕としてはボーカルは苦手というかあまり人前で歌うのは得意じゃ無いんであまりですかね」

 

「そう…」

 

 

 

 あの、湊さん?あからさまに残念そうにするのは何でですか?

 

 

 

「ま、まぁ……もしボーカルとして続けることになったら上手くなれるように頑張りますよ。中途半端にやるくらいなら行けるとこまで行きたいですからね」

 

「そう…」

 

「じゃあ、そろそろ練習しましょうか」

 

 

 

 氷川さんが締めるように言うと皆も準備をし始めて、練習が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Roseliaさんそろそろ時間でーす』

 

「はーい」

 

 

 

 あれからどれくらいの時間が経っただろうか。スタジオに備え付けられている電話に着信が入り、手に取り耳にあてがうと聞き慣れたまりなさんの声が耳に響いた。

 それに続くように時計に視線を向けるとどうやら僕が来てからすでに4時間が経っていたようで時刻は17時を回っていた。バイトも含めると8時間もCircleにいたことになる。まぁ、Roseliaは12時から来ていたから5時間ぶっ通しで練習してたんだけどね。ほんと楽器弄ってると時間が経つのは早いよね!

 

 

 

 

「皆さん、そろそろ時間らしいです。片付けしましょうか」

 

「もうそんな時間なのね」

 

「あ!ねぇねぇ結羽君!今日って暇?」

 

「え?まぁ、暇ですかね」

 

「このあと皆でファミレスに行く予定なんだけど結羽君もどうかな?」

 

「そうですね。夕飯作るの面倒なんで僕も行きます」

 

「じゃあ、さっさと片付けて行こうか☆」

 

「さくr…んんっ。……確か結羽さんは一人暮らしでしたっけ」

 

「えっと……まぁ、そうですね」

 

 

 

 さっきからなんというか氷川さんの様子がおかしい気がする。というか完全におかしいよね?

 そういえば氷川さんってさっきから僕のこと名前で呼んでる気がするけどなんというか珍しいよね。氷川さんが人の事を名前で呼ぶなんて。いつも名字でしか呼ばないのに。

 あ、もしかして罰ゲームか何かか?それなら今井さんが笑ってたのも頷けるし、うん。多分そうだ。きっとそうだ。

 まぁ、とりあえず触れないようにしとこう。でも、やっぱり一言だけ言わせてください。

 

 赤面した氷川さんマジカワユス(語彙力崩壊)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結羽君は何食べる?」

 

「……そうですね。無難にパスタ系にでもしようかなと思ってます」

 

「パスタ系で言うとこっちの欄ですね」

 

「ミートソース、ナポリタン、カルボナーラ、イカスミ、ボンゴレ…結構種類豊富だね~」

 

 

 

 氷川さん、今井さんと一緒にパスタのメニューが載った欄を見ると今井さんの言うとおり確かにパスタ系だけでもかなりの種類がある。スープパスタもあるのか。ファミレスにしては珍しいな。

 王道で行けばミートソースなんだろうけど、やっぱり僕の中ではカルボナーラの方がいいかな。あっでもガーリックトマトも捨てがたい。

 ……うん、イカスミにしよう(なんで?)

 

 はい、そうです。言わずもがな某ファミレスにRoseliaと来てます。まぁ、さっきの話の流れ的に行くよね?これで帰ってたらさっきのやりとりはなんなんだったんだって言われるよね。しかし、時間も時間だからそれなりに混んでくる中ですんなりと席まで通されたのは良かった。正直、待たされる位なら多分他の店か家に帰ってたと思う。

 

 あと、一つだけ言わせて?この状況何?いや、よく考えてみてくれ。さっき僕は何て言った?思い出して欲しい。僕はさっき氷川さんと今井さんと一緒にメニューを見てるって言ったんだ。まぁ、六人でのご飯だし六人席に通されるのはファミレスに行ったことがある人なら分かるだろう。実際僕も昔は飲食店というかファミレスでバイトしてましたし?まぁ、分かってはいましたよ。

 

 ここで問題というか質問です。貴方が僕の立場なら席のどこに座ります?通路側、真ん中、壁側。まぁ、三択なんだけどさ。僕だったら是非とも通路側の端を陣取ります。

 そして、今日もそのつもりで氷川さんを先に座らせたんですよ。えぇ、そこまでは良かったんです。

 まぁ、気づいたら真ん中に座らされてますけどね☆

 

 しっかり氷川さんと今井さんに挟まれてます。

 

 

 

 ……いや、ほんとどうしてこうなった。

 

 

 今井さん、貴方普段から湊さんの隣にいるのに何でこういうときだけ僕の隣座って、しかも逃げないように何逃げ道塞いでくれてるんですか。

 別に真ん中が嫌って訳じゃ無いのよ?別に座る位置にこだわりとかないしね。ただ、周り全員年下でめっちゃ可愛い女の子なんですよ。もうここまで言えば分かると思いますけど、メンタルがクソみたいに強い奴か顔も性格もイケメンな奴かそれかただのバカじゃない限りかわいい女の子に囲まれて飯を食べるなんて出来ないんですよね。性格が超絶後ろ向きで自虐的な人間は挟まれたら終わりなのよ。陰キャは挟まれたら何も出来なくなるんですよ。誰か助けて……。

 

 まだね?氷川さんはまだ大丈夫なの。美人だし、近づかれたらドキッとはするけど基本的に怖いというか厳しいイメージとかがまだ多少はあるから普通にしてれば別に問題は無いのよ。ただ今井さん貴方は駄目です。先に言っとくけど見た目云々の問題じゃ無いから。

 じゃあ何が問題かって?それはですね。

 

 

 

「結羽君決まった?もし違うのだったら一口ちょうだいよ☆」

 

「」

 

「ちょっ今井さん!また、貴方は!」

 

 

 

 まぁ、そういうことですよね。こう言っちゃなんですがスキンシップというか男を惑わせるのが上手いというかもう色んな意味で僕の精神をゴリッゴリの削ってくるんですよ。これが僕だけにやってたら「あれ?これ僕のこと好きじゃね?」とか勘違いしてもおかしくは無いのよ。てか、普通に勘違いしちゃうよね。

 同類というか似た人だと香澄さんとか弦巻さん、北沢さんとかも該当するんだけど今井さんの場合、狙ってやってても不自然さが無いのがほんと凄いよね。勘違いさせちゃう系女子って奴?罪ですね。まぁ、僕の場合は詰みなんですけどね。

 

 でも、今井さんの場合幼馴染の湊さんにも普通にこういうことしてるんですよね。だからまぁ、僕にこういうこと言ってきても勘違いはしないんですよ。ただ、やっぱりこういう場面で隣に座られた上でそういうこと言われると多少なりとも来るモノがあるんですよ。同じ男だったら分かるだろ!

 まぁ、口には一切出しませんがね。口に出したら社会的に僕の人権が無くなりそうですし。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせしましたー」

 

 

 

 とかなんとか自分の中で勝手にあーだこーだ言ってたらいつの間にか頼んだ料理が来てました。湊さんはミートドリアで宇田川ちゃんはハンバーグセット、白金さんはオムライスを頼んだみたいです。なんというか宇田川ちゃんのハンバーグセットも美味しそうなんだけどなんかさっきから『これが魔牛の死した肉を捏ねて焼いた物か』とか中二っぽい言い方なんだけどなんだかなぁ。それ言われると食べづらくなるんだけど……。

 一歩間違えたらただのサイコパスだよな(白目)

 

 ちなみに今井さんは煮物定食で氷川さんはポテトを食べてます。ファミレスに煮物定食なんてあるんだ……。あと、氷川さんそれだけでいいんですか?嬉しそうに食べてるから何も言えないけどほんとにいいんですか?あ、いいんですね。

 それはそうと僕の前には何故かボンゴレパスタが来てました。……うん、なんで?

 

 いや、ほんとに何で?僕確かカルボナーラ頼んだよね!……あれ?イカスミだったっけ?まぁ、どっちでもいいけどなんでよりにもよって僕の食べれないボンゴレなんだよ!せめて、ミートソースかガーリックトマトにしてくれよ!(結局どれだよ)

 店員さん間違えたのかなって思って伝票見たらしっかりとボンゴレパスタって書かれてて普通に自分のオーダーミスでした☆

 

 

 

「あれ?結羽兄食べないの?」

 

「…………食べます」

 

 

 

 悲しい現実に打ち拉がれていたら真ん中……要するに僕の目の前でハンバーグを美味しそうに頬張ってた宇田川ちゃんが不思議そうな目で見つめてきました。うん、そんな目で見つめられたら食べない訳には行かないよね。例え苦手な物でも食べないと行けない気がする。てか、食べなかったら心配される上に皆の目線が集まる。ていうか、すでに集まってた。

 やめて!皆そんな目で見ないでください!視姦しないでください!僕視姦される側じゃなくて立場的には視姦する方だから!犯罪だからしないけどね!したらしたらで隣に座る氷川さんに社会的に殺される気しかしないから絶対しないけどね!

 

 とりあえず呼吸を止めて一口。……うん、呼吸止めて食べるとか普通に無理でした☆

 いやね、口に入れてもぐもぐと咀嚼してからの飲み込むまではまだいいのよ。ただその後に鼻から空気吸ったときの匂いが地獄でした☆

 まぁ、ボンゴレの食感とか見た目も全て嫌いなんだけどね。ボンゴレ好きな人には悪いけどボクマジニガテ。パスタにも匂い移ってるからかなり完食するまでに時間が掛かりそうです。誰でもいいから全部食べてください。あぁ、ドクペが欲しい。口直しに欲しい。絶対口の中にボンゴレの匂いと甘い味が混ざって余計まずくなりそうだけどとりあえず今は何でもいいから流し込みたい。

 って、思ってたら水あるじゃん。一先ずお水をぐいーっと。

 

 

 

「……あっ」

 

「え?」

 

「結羽君それ燐子の水だよ」

 

「え?」

 

「結羽さんのはこっちですよ」

 

「…………」

 

「」

 

 

 

 あー…なるほど。もしかしなくても僕やらかしましたね。さてとー切腹の準備でもしますかー。あ、その前に土下座かな?アハハー(白目)

 白金さんめっちゃ顔赤くなって俯いてるしでこれ絶対殺されるか泣かれるよね。いやほんとごめんなさい。謝っても許されるか分からないけどごめんなさい。わざとじゃないんです。右手の近くにあったから僕のだとばかりに……。あの、白金さん?さっきから返事無いけどもしかして僕の処遇をどうするか考えてらっしゃるので?

 

 

 

「りんりんだいじょ……って固まってる!?」

 

「燐子も初だねぇ」

 

「えぇ……(困惑)」

 

 

 

 なんか知らんが白金さんはどうやら突然のことでショックで固まって気絶してました。気絶してたおかげなのか僕が社会的に消えるような事は無かったので安心したけど、しっかり謝って新しいグラスを取りに行った上でデザート奢りました。ビックリさせた上に不快な思いさせたんだから当たり前だよね。

 

 

 

 

 

 

 

「ところで結羽君。今日一日を通して何か気づかなかった?」

 

「というと?」

 

 

 

 ちなみにまだファミレスにいます。といっても白金さんが戻ってきてから数分も経ってないんだけどね。ちなみにパスタは完食したけどしっかり今井さんに1口取られました。いや、正直今回に限っては恥ずかしさ云々より感謝しかねぇ。なんなら全部食べていいよって言ったら断られたけど一口でも食べる分が減ったのはありがてぇ。

今は僕の奢りというかなんというか白金さんに奢るって言ったら宇田川ちゃんが「じゃああこもー!」って乗ってきてさらに、今井さん湊さん、氷川さんといつの間にか皆の分も奢る感じなって漸く注文したデザートを食べて口直ししてるところです。まぁ、一人だけに奢るって言うのもアレだもんね。やらかしたのは僕だけどまぁ、別にいいかって感じで皆でデザート食べてたら突然今井さんが意味深なこと言ってきた。

 何か気づかなかったって言うけど言うて変わってることなんて無いよね。強いて言うなら氷川さんが僕のことを名前で呼ぶようになってたって位だし。他に変わったこと何てあっただろうか?

 

 ……ふむ、無いな。Roseliaの中で僕の事を名字で呼ぶのは確か氷川さんと白金さんだけだったはずだし。他に何か言うとしたらなんだろうか?

 

 

 

「本当に分からないの?」

 

「んー氷川さんが僕の事を名前で呼び始めたって事くらいですかね?他は特には思いつかないですかね」

 

「……ふーん。あっ結羽君。デザート追加で食べてもいいよね?」

 

「えっ」

 

「ゆ、結羽さんそれは流石に無いです」

 

「えっ」

 

「あこもそう思うー!」

 

「わ、私も……」

 

「えっ」

 

「結羽本当に気づいてないの?」

 

「え?……え?」

 

 

 

 待ってください。え?皆分かるの?いや、分かるからそう言ってるのか。普通に皆の反応を見た感じ氷川さんのことは当たってる。だけど何で今井さんが不機嫌になるんだ?もしかして今井さんにも変化が合ったとか?今井さんのイメージは……ギャル特有のネイルとかか?それとも化粧?といっても今井さんは普段からそんなに化粧をしてるイメージというかしててもかなり薄めの化粧してるくらいだからなぁ。

 あ、先に言っとくけど毎回今井さんの事を見てるわけじゃないからね?さっき視姦するなら自分の方だとか言ったけどそういう意味でじゃないからね!うちの大学にいる女子学生と比較しただけだから!通報とかやめてください!

 

 こほん……話しが逸れた。とはいえ外見じゃないとするとなんだ?ベースの技術が上がったとかか?でも、そんなのは毎日のように練習してる今井さんなら技術が上がってもおかしくはないし、なんなら今日も褒めたくらいだ。ベース関連でもないとすると一体何なんだ?

 

 

 

「…………はぁ、結羽さん。確かに私が貴方のことを名字から名前で呼ぶようにはなりましたが、それは私だけじゃないんですよ?」

 

「……というと?」

 

「今井さんも同じです」

 

「…………は?」

 

 

 

 氷川さんの思わぬ答えに気の抜けた声が出てしまった。いや、そんな事はこの際どうでもいい。え?今井さんって僕のこと最初から名前で呼んでなかったっけ?あれ?名字だっけ?

 あっ名字だったわ。おもっきし『桜岡君』って呼ばれてましたわ。

 

 

 

「気づいていなかったんですか?」

 

「全く気づいてなかったです。なんなら、氷川さんみたいな不自然さが無い分いつも通りだと思ってました」

 

「えぇ…(困惑)」

 

「ぷふっ…」

 

「リサ、何を笑ってるの?」

 

「だ、だって…紗夜みたいな不自然さがないって確かにその通りだなって思って」

 

「ちょっ今井さん!また貴方は笑って…っ!」

 

「ごめんごめん~」

 

 

 

 なんというかよく分からないけど今井さんの機嫌も治ったようなので良かったのかな?まぁ、僕を挟んでの口論はやめて欲しいのだけれどね。しかし、なんでいきなり名前で呼ぶように?やっぱり罰ゲームか何かかな?まぁ、そうじゃないにせよどっちでもいいんだけどね。家帰ったら枕に顔うずめて濡らすだけだから。僕はなんも気にしませんよ。えぇ、気にしませんとも(震え声)

 

 

 

「ちなみに結羽君なんでアタシ達が結羽君の事を名前で呼び始めたか分かるかな」

 

「全く分かりませんよ今井さん」

 

「そう、それだよ!」

 

「どれですか?」

 

 

 

 今井さんの『それだよ』って顔めっちゃ可愛いんだけど、指差すのは行儀悪いですよ?今井さんじゃなく伊澄君だったら指の向き逆に折ってましたよ?人に指差すのは駄目ってこれ誰でもマザーなテレサかは分からないけどマザーに言われてるはずだから。

 で、ちなみにそれとはどれの事なんですかね?

 

 

 

「昨日羽丘でヒナたちと合同文化祭のことで話してたじゃん?」

 

「えぇ、そうですね。腹黒(伊澄君)のおかげで事務の人には通報されかけ、羽丘の女子生徒には写真やら動画やらとにかくカメラ向けられましたからね(白目)」

 

「一体何があったのよ」

 

「首輪付けられ羽丘まで連れて行かれました」

 

「結羽兄にそんな趣味がっ」

 

「……あ、あこちゃん」

 

「うん、宇田川ちゃん。僕にそんな趣味はないし僕がしたくてしたわけじゃないからね?だから、スマホを取り出すのはいったんやめようか?何しようとしてるか考えるだけでも怖いから」

 

「事情はよく分からないけど正直どうでもいいからリサ話を進めてちょうだい」

 

「」

 

「あ、あははー結羽君大丈夫?」

 

「……大丈夫です。続けてください今井さん」

 

「じゃあ遠慮無く……それでね?途中からだけど紗夜と燐子が羽丘に来て二人を生徒会室まで案内したじゃん?」

 

「そうですね」

 

「その時ちょっと気になったのが結羽君ってアタシ達のことは名字で呼ぶのに日菜の事は名前で呼ぶんだーって思って」

 

「まぁ、氷川さんと名字同じですし何より初めて日菜さんと会った時に名前で呼ばないと話しが進まなさそうだったからですね」

 

 

 

 僕ね毎回思うの。日菜さんもだけど香澄さんも同じタイプでね?圧が強いのよね。名前で呼べって感じの圧が。弦巻さんも最初に会ったときから圧が強かったけどあの子の場合はまだミッシェルとか勝手に興味湧いたことにスタコラと行っちゃうから呼ぶ前にどっか行ってから名前で呼ばなくても特に気にしなくなったんだけどね。

 まぁ、今でもたまに「結羽はなんであたしの事を名前で呼ばないのかしら」って首傾げて行って来るけど彼女の場合は適当に話を逸らせば行けると理解したんで大体適当に話逸らして逃げてるってだけの話なんだよね。

 

 それに僕の場合、会話に支障が無ければ呼び方なんて何でもいいんですよね。例えば、伊澄くんとかだと腹黒くんとか呼ぶし、まりなさんにも本人の前では呼ばないけど悪魔とかゴリ名と同じ筋力を持った人とか言ってるからね。あっちなみに今のは二人に内緒ね?絶対倍返しされるから。伊澄君は精神的にだけどまりなさんの場合はノールックで物理的に来るから覚悟とか気を抜いた瞬間やられてますからね。皆内緒だからね!(必死)

 

 

 

「じゃあ、会話に支障が無いなら呼び方変えても問題は無いよね」

 

「え?まぁ、そうですね?」

 

「では、今度は結羽さんが私達の事を名前で呼んで見てください」

 

「……はい?」

 

「ほらほら早く~」

 

「えぇ……(困惑)」

 

「結羽は紗夜の事を名前で呼ぶのは嫌のかしら?」

 

「別に嫌って訳じゃ無いですけど改めて呼び方を変えるって思うと恥ずかしさはありますよね」

 

「そうかな?まぁ、でも確かに改めてって考えると恥ずかしさはあるよね」

 

「なんというかいm…り、リサさんは凄いですね。もちろんひ…じゃなくて紗夜さんも凄いと思いますけど」

 

「結羽兄!あこはあこはー?」

 

「あ、あこちゃんも凄いと思うよ?あっり、燐子さんと友希那さんもね」

 

「……あ、ありがとうございます」

 

「変な感じね」

 

 

 

 うん、本当にいm…じゃなくてリサさんとかあこちゃんみたいに純粋にコミュ力高い人は凄いよね。もちろん努力していく紗夜さんも凄いと思うんだけどね。あと、めっちゃはずいので今すぐ帰りたみが強いです。なんなんでしょうね女子高生5人に囲まれ、1人ずつ改めて名前で呼ぶこのよく分からない状況は。

 

 あと、リサさんめっちゃニヤニヤしてますけど顔赤くなってますからね?今更恥ずかしさ出すのやめてくれません?こっちもつられるんですけど。ちなみにリサさん、紗夜さん、燐子さん、僕の4人が無言で赤面するという謎の時間が数分間訪れました。

 

 その後ある意味で濃くなった一日を頑張って忘れようと無意識的に動画撮ってました。ついでに言うと後日その動画を投稿したら珍しくバズり、チャンネル登録数がさらに増えて今10万人を超えた上いいね数が5万を超えたことに驚愕しすぎて壁に頭をぶつけました。桜岡結羽です。登録ありがとうございます(合掌&土下座)

 10万超えた祝いでリサさんと紗夜さんからクッキー貰ったけどめっちゃ美味しかったです。

 




最初から相手のことを名字で呼んでた後にいきなり名前呼びに帰るって相当な勇気が必要だよねって常々思ってます。あと、それを平然とやってのけるコミュ力高い人達にも敬意を持ってます。
名前呼びでも気にしなかった小学生くらいに戻りたいとも思ってます。

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