禁止カード使いまくる子も大好きです。 作:疋倉ヨバラ
ヒントは……「獣」!
(あ、十二は今回ほとんど関係)ないです。
それはそうと、今までの話は全部2ターンで終わってるので、流石にもう少しターンを跨ぎます。
後攻ワンキルしかしてねぇな、こいつら?
更新が遅れたのは、一回書いてたけど、新しい制限改訂でユウくんが禁止カード使う子になっちゃったので書き直してたからです。
ゆえにユウくんの『ヘルテントーチ』デッキは虚無空間へと除外されました。
時はお昼時。
場所はデュエルアカデミアのデュエルドーム。
吹き抜けとなっている天井からは、南天よりやや傾いた日光がドーム中央にあるステージをいっそう明るく照らしている。
ぐるっと360゜囲むように配置された観客席には、多くの教師、そして生徒たちが席を埋め尽くしていた。
その内、南側に座っている数人の生徒は対局にいる選手を、下卑た表情を浮かべて眺めていた。
その視線の先にいる人物、こと我らが小鳥遊ユウはというと……
やべーよ……先生たちめっちゃ見てるよ。
あれ校長先生じゃなかったっけ?その2つ隣の人はたしか生徒会長だよね?
なんでわざわざ見に来るのさ、暇なのかな?
あー……
柄にもなく、緊張していた。
どのようにして、こんな状況になったのか。
これを説明すべく、時を遡る。
具体的には今朝まで。
━━今朝━━
小鳥遊ユウは学生である。
デュエルアカデミア大学部1年、総合学科。
冬季休暇が終わり、本日から新学期が始まる。
入学よりはや8ヶ月、なんとなく話し相手やグループはおおよそ固まり、講義やサークル活動なんかもだいぶ馴染んでくる頃。
「今日も太陽が忌まわしい……太陽浴びると砂になるぅ……」
今日も今日とて太陽への恨み節が止まらない。
朝は太陽みたいなのじゃなくて、辰火ちゃんに起こしてもらいたい、もっと言えばキスで。
「……午前講義だ……よっ……こらせ」
今日は辰火ちゃんも午前中から忙しいらしく、不在なのだ。
うぅ……寂しいよぅ、ひもじいよぅ。
まぁひもじいは嘘だけどさ、さすがに3食食えるくらいの収入はある。
そんなこんなでアカデミアに到着。
いつものことながら時間が早いからか人は少ない。
いるとすれば、ちょっと遠くから来てる早朝から出発するような苦労人か俺みたいな暇人だけだ。
昨夜はなんだかんだ忙しかったので早めに行動しておこうと思ったらこれだよ。
いやはや、人生はうまくいかねぇなぁ……思ったとおりになんねぇやなぁ……
それはそうと、なにやら声が聞こえてくる。
声は三人、どうやら誰かにデュエルを吹っ掛けにいくようだ。
「━━━━これで、こいつの効果でやってやれば」
「うおおおお!マジか!これむしろどうやって負けるんだよwwwww」
「流石あっちゃん!デュエルの天才だわ~ビートダウン学科はヤベーわ~wwwww」
「あんな総合野郎とは
「確かにwwwww」
……うーむ、なんだか盛り上がっているようでなによりなにより。
なんでぇ、てっきり『最高に高めた俺のデュエルタクティクスで、最強のデッキを作り出してやるぜ!!』みたいなご都合的な超展開期待してたのに、失望したぞ名も無き大学生たちよ。
仕方がないから私はそろそろ行くかね、脚痛ぇ座りたい。
「━━━これであの総合野郎を……
そんなこんなで講義の時間である。
偉人みたいな名前した人の口調移ってるけど気にしたら負けというやつなのである、慣れろ。
「なので、シンクロ召喚は他の召喚方法に比べリスクが大きく、安定性にかけると言われています。実際、世界大会でも……」
今はシンクロ召喚の講義中、内容はそこまで難しいこと言ってないんだけどなー、みんな目を閉じてもう一人の自分と対話してるなー(棒読み)
や、俺はいろんなデッキ使ってるから分かることも多いけど、ふつーにやってたらシンクロ召喚はたしかに複雑で難しいかも。
決してイキってないですごめんなさい調子乗りました許してください。
「ここで、不動性ソリティア論について━━」
「邪魔するぜ!」
「な、なんだ君たちは!講義中だぞ!」
教室の前の扉から堂々と現れたのは、今朝楽しそうなことしてたトリオであった。
学校にいたのに授業出なかったのかよ君たち。
んぅー?
気のせいかしら?やったらこっち見てくるんだけど……
「ホモ?」
「違えよ殺すぞコラァ!」
あら違う。
そんじゃなんか要かぇ?
「テメェが小鳥遊だな?」
「そうだよー、どしたの?」
「センセ、こいつ借りてくぜ!」
「え?」
「おら立て!ちょーっと俺たちと遊ぼうか?」
「え?あ、ちょ、待って」
あーお客様!困りますお客様!
引っ張るなよ破けちゃうだろうが!まだあと3年半残ってんだぞ!
あー!あー!
……講義、出席扱いになればいいなぁ……
「して、どしたのチミたち」
「バカには一言で言ってやろう、城戸辰火から手を引け」
「は?」
は?
……は?
あらやだ私ったら、一文字だけのセリフ多すぎ産業だわ。
して、どゆこっちゃ?
辰火ちゃんから手を引けって、急に言われてもねぇ。
「しらばっくれてんじゃねぇ!テメェが城戸辰火にちょっかい出してんのは分かってんだよ!」
「あー……たしかにちょっかいだわ、あれ」
端から見れば、なんなら思春期真っ盛りの中学生レベルのちょっかいだわな、あれ
うーむ、俺としては辰火ちゃんに素直な気持ちを伝えてるだけなのだが、なにがいけないのだ?
あれか?もう少し欲望を隠せとか、そういうお話し?
「あれは俺の女だ、テメェみてぇな落ちこぼれの総合野郎が手ぇ出していい女じゃねぇ」
「……それは辰火ちゃんが言った?」
「どっちでも同じだ」
ふむふむ。
つまりあれか?
『ボクも辰火ちゃん好きー!だけどいっつも近くにいる小鳥遊ユウが邪魔ー。辰火ちゃんもメーワクだろうし、せや!追い払ってボクが辰火ちゃんとくっ付くー!』
ってこと?
ふむふむふむ。
「やなこった!べー」
「この野郎……総合のバカどもはやっぱり、身体に教えるしかねぇよなぁ!?」
え、もしかして俺狙い!?
やっぱりホモじゃないすかヤダー!
「デュエルでケリ付けてやる。俺が勝てば、城戸辰火から手を引け」
「負けたら?」
「俺が総合なんかに負けるわけねぇだろ。今日の昼過ぎにデュエルドームだ」
━━昼━━
そして、現在に至る。
「逃げなかったことだけは誉めてやる」
「ねぇ、なして校長先生とかもいるの?そんな大がかりにする必要あった?」
「生徒は俺が呼んだ。だが先公は俺らじゃねぇ」
まぁ来ちゃったもんは仕方ない、切り替えてこー!
さーてさてさて、来週のサ○エさんは!もとい、今回のデッキはー……これだ!
「準備できたよー、そっちは?」
「……その生意気な口も今日までにしてやんよ!」
「「デュエル!!」」
ユウ 8000LP VS ビートダウン学科生 8000LP
「俺が先攻だ!俺は『
可変機獣ガンナードラゴン
星7/闇属性/機械族
ATK 2800➡️1400 / DEF 2000
「こいつはリリースなしで召喚できる、攻撃力は半分になるがな。俺はカードを1枚伏せてターンエンド」
「俺のターン!ドロー!」
さてどうしよっか━━
「永続罠発動!『スキルドレイン』!ライフを1000払う代わりに、フィールドのモンスターの効果は全て無効となる!これにより、ガンナードラゴンの攻撃力は元の2800に戻る!!」
ビートダウン学科生 8000LP➡️7000LP
あー……そういう。
この手札だと……このターンで突破はできないねぇ。
こーゆー時は耐えるに限る。
「フィールド魔法『ドラゴニック
加えるのはいいんだけど、出せない。
上級メインのデッキはこれだから怖いのだ。
時械神?この場合じゃほとんど機能しなくなっちゃうでしょうが。
「カードを3枚伏せて、俺はターンエンド」
「ククク……おいおい、デッキの作り方を知らねぇってのはナシだぜ?」
「へーへー」
しっかしどうすっかな……防戦一方ってのもなんか納得がいかん。
スキルドレインとガンナードラゴンってのはいいと思うけど、完全に勝った気でいますねくぉれは。
腹立つから分からせてやるぅ!次のターンにな!
「俺のターン!ドロー!俺はもう1体ガンナードラゴンを召喚するぜ!スキルドレインにより、攻撃力も2800のままだ!さぁ……死ねぇ!総合のクズが!ガンナードラゴンで攻撃!」
「永続罠カード『真竜皇の復活』!墓地から真竜モンスターを特殊召喚する!『真竜凰マリアムネ』を墓地より特殊召喚!」
「関係ねぇ!ガンナードラゴンの方が攻撃力は上だ!ガンナードラゴンたちよ!行けぇ!」
「痛ぇ」
ユウ 8000LP➡️5200LP
痛ぇよ!バカだけど痛ぇんだよ!
心がよぉ……痛ぇんだよ、ジョン……
ジョーーーーン!!カムバーーーック!!
早めに早めに。
早めにウチに嫁に来て辰火ちゃん。
※ここまで全部声に出てます
「た、ターンエンド……なにこいつ(ドン引き)」
聞こえてるよこの野郎。
客席からもだいぶブーイングが飛び交っているが、この私はそーゆーの気にしない人だから!
……うん、気にしない、気にしない……うん……うん
えぇい!とりあえずデュエル進行じゃオラァ!
「俺のターン!ドロー!」
……よしよし、やっと動き出せるね。
見せてやろう!総合の落ちこぼれでも荒療治すれば嫌でも強くなれるということを!努力で人は結構強くなれるということを!!
「ドラゴニック
真竜皇バハルストス
星9/水属性/幻竜族
ATK 1800 / DEF 3000
「ナニッ!総合のクズがレベル9の、しかも守備力3000のモンスターを召喚しただと!!バカな!」
「……バハルストスは水属性のみを破壊して特殊召喚した場合、相手の魔法・罠カードを2枚まで選んで除外するよ」
表側のスキルドレインは当然として、伏せていたのはモンスターを復活させる『リビングデッドの呼び声』。
これは除去してからで正解だった、あれを残しておくと面倒なことになっていたことだろう。
「破壊されたバハルストスの効果により、デッキから『真竜皇リトスアジム
真竜皇リトスアジム
星9/地属性/幻竜族
ATK 2500 / DEF 2300
「更に速攻魔法『
真竜皇アグニマズド
星9/炎属性/幻竜族
ATK 2900 / DEF 1900
「そんな……バカな……!?」
オオォーー!!
客席からは歓声が上がる。
先程までブーイングをしていた生徒、同じ総合の生徒、果ては教師までもが一様に上げる喝采。
だが、ここじゃない。
本当に盛り上がるべきは、ここじゃない。
「俺は!アグニマズド、リトスアジム、バハルストスの3体でオーバーレイ!」
Vicarius━━━
「3体の真竜皇でオーバーレイ・ネットワークを構築!」
Filii━━━
「エクシーズ召喚!」
Dei━━━
「黙示録に記されし厄災よ、今こそ復活の時。六つの白翼翻し、六つの眼で神意を見極め、六つの頂きに君臨せん!
『真竜皇
真竜皇
ランク9/闇属性/幻竜族
ATK 3000 / DEF 3000
曰く、真。
曰く、竜。
曰く、幻。
曰く、皇。
曰く━━獣。
その姿に、この場にいる者は凍りついた。
ただ1人、それを繰る者以外は。
「バトルだ」
「俺の負けだ…」
んえ?
なんだって?
俺は難聴じゃないけど、流石に数m離れた人の独り言を聞き取れるほどヘルテンペスト耳じゃないのだ。
ほらほら、大きな声で?
「俺の負けだっつってんだよこの野郎!!」
「こらこら、デュエルは最後まで諦めないマインドじゃよ?天馬もそう言った、俺もそう言った」
「うるせぇ!こ、攻撃力…3000なんて!勝てるわけぇだろ!第一そいつを突破できる手段なんかねぇっての!」
「えぇ…(困惑)」
辰火ちゃんだったらこの状況でも問答無用で殺しにくるけどねぇ。
手札補充えげつないからまぁ、手札に止めるカードがほとんど来てるの。
この戦術も10回に1回、すんなりと通るかどうかってところですしオシース、通ってもそこから結局なにも出来なくなってやられたことも1度や2度じゃない。
…まぁあの子と比べるのはなんか違う気がするが、まぁヨシ!(指差し確認)
と、校長先生が立ち上がって拍手をしてくれた。
そしてなにか言いたげに咳払いをひとつ。
「見事なデュエルだった、二人とも」
あ、これはご丁寧にどうも。
「さて…ルール上、サレンダーは対戦相手が認めて始めて成立する。総合学科の小鳥遊ユウくんと言ったね?サレンダーを認めるかね?」
そういやそんなルールがあったねぇ…
今はもう辰火ちゃん御用達カード(隠喩)だけど、昔にヴィクトリー・ドラゴンというカードがあって、それがマッチに勝利する効果を持ってたから制定されたルールだとか。
俺も辰火ちゃんから教わっただけだから細かいトコ知らないけどね。
「いっすよー、サレンダーを認めまーす」
「そうか、では…勝者!総合学科の小鳥遊ユウ!!」
なんだかなぁ…
俺ってば、最近まともな勝ち方してないなぁ…
その後、辰火ちゃんから話があると言われ取り敢えず帰路を共にする。
いつの間にか時はたち、時間にして既に16時を回っていた。
冬場は日が落ちるのも早いこと風の如しとか考えてたら、辰火ちゃんが不意に話し始めた。
「また
「…はい」
「面倒になるからやるなって、言ったよな?」
「…はい」
「申し開きは?」
「辰火ちゃんは自分の女だと言われて、カッとなってやりました」
「それだけ…?」
「はい」
「…まぁ面倒なの追い払ってくれたのは助かる」
「わーい」
それっきり辰火ちゃんは口を閉じる。
俺がやらかしたら、ここまでいつものことなのだ。
…いつものことになるくらい、俺がやらかしてるとも言える。
夕日に煌めく辰火ちゃんも好きです。
結婚して。
「んじゃー」
「ん」
かくして、夕日に憂う辰火ちゃんは今日もかわいいのであった。
今回はユウくんが真竜皇を使うのでした。
混ざりものもあるが気にするな。
Vanisher……消し去る者
Fuhrer……支配者
Disaster……厄災
この三柱が揃うとき、『
って深夜テンションで思い付いた。
真っ黒い体なのに白い翼してるのとか、デザインとしても使うにしても大好き。
らしくない、カッコつけた書き方したけど後悔はない。
一応ユウくんが使うデッキには法則性があるので、もしかしたらって思ったら、それっぽいテーマをコメントしてみてね。
今のところ判明してるユウくんのデッキ
・時械神
・メタファイズ
・真竜皇
要望も受け付けるかも。
法則性に会わなかったとしても、他のキャラに使わせる予定でござる。