午後からは午前に行ったものの報告書を確認したのち、次回の選抜と詳細を詰めていた
「次は潜水艦達にお願いして対潜水艦訓練かしらね」
「いいと思います」
「なら私達駆逐艦の出番ね!」
「そうね。どの娘達にしましょうか」
「初春型で固めて着任したての有明さんの練度アップを目指しては?」
「いいわね。じゃあ相手役をお願いする潜水艦はヒトミとイヨ、それとヨナにしてみようか」
「わかりました」
「なら朝風、五十鈴と初春型、ヒトミ達呼んでもらっていい?」
「わかったわ」
朝風が全体放送で指定の艦娘を呼ぶと5分もかからないうちに全員集まった
「五十鈴をお呼びかしら?」
長良型軽巡洋艦二番艦の<五十鈴>。若干上から目線なところもあるが比較的常識の整った艦娘。戦闘、特に対潜では右に出るものがいないほどの戦果を上げており提督から非常に頼りにされている。そのため対潜訓練の時は彼女に見てもらっている。彼女自身は一日一回は秘書に会わないと気が済まないほどのLOVE勢であり後ろ姿を見れば抱きつくほど
「参ったぞよ、提督、秘書殿」
「こんにちはー!子日来たよー!」
「なんでも言ってくれ。必ず遂行してみせる」
「秘書さーん!」
「おっと」
「来たぜ提督」
初春型駆逐艦一番艦の<初春>。一人称を「妾」、語尾に「〜のじゃ」や「〜なのじゃ」をつける和風お姫様口調な上、他がジュースな中お茶だったり洋食も食べるものの大抵和食を選ぶ古風な艦娘。少々高飛車で他者を下に見るところがあるが基本的に節制を重んじ他の艦を気遣う場面もあり仲間思い周囲の人々を信頼している。提督や秘書とも信頼し合って秘書LOVE勢。貰った扇子を今でも大事に持っている
初春型駆逐艦二番艦の<子日>。見た目より更に子供っぴくノリのいい元気な性格。行儀が悪かったりすると初春に注意され姉妹であるはずなのに性格的には親と子のよう
初春型駆逐艦三番艦の<若葉>。中性的な口調で口数は非常に少ない。実際はただ大人しい性格なだけで一度に多くを語らないだけなのだ。言葉こそ淡々としているが仲間に気を配りる面も持ち合わせている
初春型駆逐艦四番艦の<初霜>。口調は丁寧語と女性的な常体語が半々で非常に仲間思い。その見た目とは裏腹に戦闘には厭わずむしろノリノリ。どちらかというと主力よりも護衛任務をやりたがる。生活面では積極的に、というか無意識にごく自然に秘書とスキンシップを取る鎮守府ない屈指の秘書LOVE勢。以前は恥ずかしくてなかなか踏み出せなかったが一度踏み込んでしまえばもう止まらない、押し寄せる波のように押せ押せな日々になった
初春型駆逐艦五番艦の<有明>。普段の言動は男勝りで非常にリーダーシップに溢れており戦闘時には着任したてでありながら率先して僚艦に声をかけ自分から突っ込んでいく部分がm見受けられる。しかし戦闘以外はからっきし、料理や洗濯、掃除に書類業務など全般苦手
「イェーイ!来ったよー提督!秘書さん!」
「イ、イヨちゃん...!」
「秘書さ〜ん、あなたのヨナが参りました〜」
伊13型潜水艦二番艦の<伊14>、通称イヨ。ハツラツとした見た目通りのハイテンションでエキセントリックな楽天家。常にお祭り気分で騒がしくノリもいい。その見た目に似合わず相当な飲兵衛。しかし例の如く深酒をした先に待っているものをわかっているため節度は守っている
伊13型潜水艦一番艦の<伊13>、通称ヒトミ。大変に気弱で内向的な艦娘。言葉はしどろもどろではっきりせず、悲観的で自信過小な気がある。好きあらば飲酒しようとする問題児な妹のイヨのことをよく気にし素行を嗜めている。そんな気弱なヒトミだが秘書の前では自然になれる秘書LOVE勢
巡潜丙型七番潜水艦の<伊47>、通称ヨナ。一見しておっとりマイペースなお調子者。独特な感性を有しているがお茶目な部分もある。普段は明るく振る舞っているが自信が幸せになることに一抹の抵抗を覚えているため、自信が幸せを感じたり誰かに優しくされるとバチが当たるかもと少し落ち込む癖がある。しかし秘書からバチが当たったらまた幸せなことが起こると慰めてもらってから秘書LOVE勢の一員
「秘書さんこんにちは!」
「こんにちは初霜さん。今日も元気ですね」
「はい!秘書さんに会えてもっと元気になりました♪」
「それはよかった。しかし今は執務中なので少し控えましょうか」
「え〜...」
「これ初霜。妾達は何かの用があって呼ばれてるのじゃ。もっと慎みを持て」
「初霜は秘書さん大好きだな!」
「イ、イヨちゃん...」
「むむぅ〜、初霜ちゃんあんなに秘書さんとくっついて〜」
「提督!ダメ、でしょうか...」
「みんなには話し合いをしようと思って呼んだからくっついてる分にはいいわよ?」
「ありがとうございます!」
「むぅ〜」
「朝風、お茶お願いできる?」
「わ・か・り・ま・し・た!」
「初霜がすまんの。妾も手伝うぞい」
「じゃあお茶は二人に任せて、みんなで話すってなったらソファでしょ。提督も秘書さんもこっち来なさい」
全員ソファに移動。秘書の左側に五十鈴、膝の上には初霜となり秘書の膝の上に座れた初霜はご満悦のようだ
「あーもう!やっぱりこうなってる!」
「何から何までウチの初霜がすまんの」
「大丈夫だよ朝風ちゃん。秘書さんの膝の上は私達駆逐艦なら二人まで座れるから!」
「それ本当!?子日!」
「うん!」
「じゃあお主が座るとよい、朝風」
「いいの?初春だって」
「妾は隣だけでも十分なのじゃ♪」
「そう?悪いわね♪」
「先越されちゃったね姉貴」
「グスン...」
「いやグスンて...」
「ヨナを放置なんて〜...」
「本当人気ね」
お茶を配り終え朝風は初霜の隣で秘書の膝の上に、初春は秘書の右側に鎮座した
「じゃあ始めるわね。今日集まってもらったのは明日の訓練をみんなにお願いしようと思うの。目的は最近着任した有明の練度向上」
「おう」
「それとヨナの方も回避と練度の向上ね」
「わかりましたぁ〜」
「五十鈴には対潜水艦のトップとして訓練を見てもらおうと思うんだけど、明日は何か予定あったかしら?」
「特にないから大丈夫よ」
「助かるわ」
「別に提督でもできるんじゃないの?」
「私は後ろから指示してるだけだからね。実際に戦闘に出てる娘の方が細部まで助言できると思うの」
「提督。この若葉は何をすればいい?」
「若葉達初春型はヒトミ達の攻撃を掻い潜りながら接近、撃破を目指して」
「了解した」
「でもどっちかと言えば有明のサポートね。特に初春、初霜の砲撃は制限すること」
「わかったのじゃ」
「了解しました♪」
「初霜ちゃんがさっきからずっとキラキラだー」
「これ初霜、大事な話の最中なのじゃ。しっかりと聞くのじゃ」
「聞いてますよー♪」
そうはいうものの初霜の二ヘラ顔は治らない
「流石にこれはダメね。初霜降ろしてもらえる」
「わかりました」
それを見かねてか提督の命令で秘書は初霜を持ち上げ五十鈴の隣の座らせた
「え、え...?」
「ダメよ初霜。ちょっと自粛しましょ」
「そ、そんなー...」
「お話が終わればまたしてあげるので、今はきちんと話を聞きましょう」
「わかりました」
移動されて困惑し提督に注意されて気を落とした初霜だったが秘書の言葉で先程とは打って変わってキリッとした真剣な表情となった
「じゃあ代わりにヨナが〜♪」
「ヨナも初霜と同じ感じになるじゃん。ダメダメ」
「ぶぅ〜」
「というわけでほら姉貴」
「えっ!?」
「ほーらー行ってきなって」
「うぅぅ...」
イヨの綺麗なサムズアップと恥ずかしいのか顔を赤くして涙目で秘書を上目遣いで見るヒトミ
「私は構いませんよ?」
「そ、それじゃあ...」
ヒトミは恐る恐るゆっくりと秘書の膝の上に座った
「...♡」
「じゃあ続きね。この後解散後初春組と潜水艦組それぞれで作戦を練るようにね」
「了解じゃ」
「わかりました〜」
「有明は何か質問ある?」
「んー、とりあえずやってみないとわかんねぇな。頭ん中で考えるとかできねぇからよ」
「それでも最低限はできるようにならないといけないのよ。みんなが同じようにして理解して誰が旗艦をやっても崩れない。それがここの理念だからね」
「わーってるよ」
「頑張ろうね!有明ちゃん!」
「この若葉に任せろ」
「あぁ。頼りにしてるよ、姉さん方」
「ヨナは?」
「作戦は勝利条件で変わると思うんですが〜、勝利条件はなんですか〜?」
「今は伝えないわ。明日の訓練開始直前で発表するわ」
「そうですか」
「だから様々な事態を想定した作戦を考えること」
「提督、作戦自体には私や初春姉さんも助言してよろしいですか?」
「それは構わないわ」
「わかりました」
「でも気をつけてね。初霜達に合わせた作戦で有明が動けないと元も子もないから」
「大丈夫です」
「これまでも新人との訓練など何度もしてるのじゃ。問題ないわ」
「五十鈴も明日はよろしくね。なんなら姉妹も連れていいから」
「了解よ」
「なら今日は大丈夫ね。これで終了にしましょう」
「うーーーん、終わった終わった」
「若葉ちゃんこれからどうする?」
「自主訓練に決まっている」
「さすがは姉貴」
「秘書さんはまだお仕事ですか?」
「そうですね。まだ仕事があります」
「そうですか...」
「こればっかりは流石にどうにも。我慢してください」
「はい」
返事はするものの気分は下がってしまう初霜
「ほら姉貴。ヨナも早く部屋戻って明日の作戦考えるよ」
「う、うん」
「ヨナはまだ秘書さんとイチャイチャしてないよ〜」
「ならヨナよ。妾と変わるかの」
「いいの!?」
「妾は十分堪能できたからの♪秘書殿、またの♡」
「えぇ。明日はよろしくお願いしますね」
「ほれ、お前達も帰るぞよ」
「はーい!提督、秘書さんまたね!」
「え、ちょっ!初霜はまだ!」
「お前はもう十分堪能しただろ」
「いいから行くぞ姉貴」
「待って!私はまだ!秘書さぁぁぁぁん!!!」
若葉と有明に腕を掴まれて足をバタつかせながら執務室から出て行く初霜に続いて初春と子日も出て行った
「イヨ達も...「秘書さ〜ん。ヨナ寂しかった〜」」
「おーよしよし。すみません」
「秘書さん、私も...」
「おっと失礼しました」
秘書は抱きついてきたヨナとそれを見て自分もと催促する目で訴えるヒトミの頭を撫でる
「ちょっと秘書さん!朝風には!?」
「え、えっと...」
「無理は言わないのよ朝風」
「司令官ー」
「朝風、ちょっと来なさい」
涙目になっている朝風を五十鈴が呼び、体を屈めて誰にも聞こえないように小さい声で話す
『何よ』
『今、秘書さんがどんな気持ちでいるかわかる?』
『どういうこと?』
『秘書さんは艦娘全員を平等に考えてくれてる。今朝風に辛い思いさせてるって心痛がってるのよ』
『それって』
『後で何か、いいことあるかもよ?』
『っ!?』
その後ヒトミ達が帰ってから五十鈴の言う通り秘書のナデナデを堪能した。五十鈴も五十鈴でちゃっかり後日のデートを取り付けていた