英雄《しゅやく》になれぬ筈の槍使いと英雄《しゅやく》に至りし太陽《くろまく》   作:MOGOLOVONIO

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 今回は前話前書にて述べた通り、宗次視点でお送りします。

 因みにこの時点に於いて、原作では校舎裏で宗次と音姫(偽)が会話したのは4月16日、5月9•13•29日の4日間でしたが、本作だと5月4日夜のグラウンドでも対面しておりました。
 この様に原作よりも交流機会を増やしているのは、天道寺英人に対する宗次の好感度が異なる一方で音姫(偽)からの好感度や言動は悪いままな為、本作だと音姫√の可能性を閉ざされる程度には、宗次から彼女に対する好感度が抑えられてしまうからです。



第33.5話下 狙撃兵と反省

 

「ふっ、はっ、せいっ!」

 

 図書室での勉強を終えた後、何時もの校舎裏にて槍を振るう。

 

「はぁっ!……ふぅ、今日はこれで終わりだ。」

 

 明日も、毎週通り授業があるのだ。先週の黒檜山捜索と月曜の休日が特例なだけで、特高生徒に振替休日はなく、土日の出撃があろうとなかろうと平日5日必ず授業が行われる。鍛錬に熱中し過ぎて遅刻したり生活リズムを崩したりする訳にはいかない。

 

「……以前より、突きの回数の、体力的な限界が上がっている。まだまだやれるからと時間を気にせず取り組むのは拙い。」

 

 明日からは、タイマーでも用意して時間制限を厳守するか、否機械に頼らず感覚を研ぎ澄ますべく体内時計や記憶力で対応するか。

 

「当然の話ではあるが、電気代も物価も月々増大傾向だしな。」

 

 今日図書室で見つけた、特高の支出台帳。年毎に生徒や教職員に設備・消耗品等が増えている事を考慮しても、偶々所持していた算盤で計算したら、インフラ費用が上がり過ぎていた。

 それから新聞記事や直近の関連書籍を探して確認すれば、矢張りというべきか電気代・ガス代・水道代の何れも右肩上がりとなっていた。

 

(「海外から必要な物資を輸入するのに高くつき、業界の人手不足、政府からの投資・保障の抑制、対CE戦を優先した資源分配。今の俺もその一因に組み込まれている訳か。」)

 

 幻想変換器がどの程度電力を消費し、どれだけの資源や労働力が注ぎ込まれているか。6月に入ってからも毎日心地良い温度と衛生状態で用意されている風呂が如何に金と水と燃料を食っているか。他にも他にも嗚呼全く。

 

(「……こんな事、昔はあまり考えていなかった。精々節約に努めようとする位で、家計の支出の具体的な数字さえ読もうとしてこなかった。」)

 

 なのに昼間ずっと、図書室に篭る程関心が強くなっていた。柳井司書が話し掛けてくれなかったら閉室時間の訪れを自覚しない程に。

 

(「これも、英人の影響かもな。」)

 

 彼奴は国家や未来の為にと叫びCEを浄滅し、今でも遠くから窺えばフットサルで連携と意思疎通の向上に励んでいる。加えて、外国からの刺客達が、見掛ける限り常に色香で誘惑してきているのに対し、一見慌てながらも映助の如く悦び興奮している()()()を演じつつ、見定める様な視線や情報を自然と吐かせる様な語り口で接しているのだ。

 そうやって懸命に為せる事をやり遂げていく英雄(ライバル)の姿を観察していたから、社会に関して知りたい・知っておかねばならないと意識の変化が生じたのかもしれない。

 

(「此処に来てから、心技体の成長が著しい。俺に幻想兵器の適性があって、本当に良かった。」)

 

 深呼吸を済ませて、顔が綻んでいるのを感じ、然し。

 

(「……その所為で、読むつもりだった物理学の本に手を付けられなかった。折角昨日実現できた事を確実にものにしようと思っていたのだが。」)

 

 項垂れながら、御代田町に於ける新型を要とした群れとの戦闘、その終盤を思い起こす。

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

 突入する為の盾となってくれた麗華とシャロ、巨大コア始め多数のCEを倒してくれた生徒会長達先輩方。彼女達を守るべく槍を振るい、そうして漸く本隊が後方からやって来て安堵した、直後。

 

(「__っ⁉︎何、だ、あれは⁉︎」)

 

 バラけている六角柱の群れの奥の奥、()()視線がCE同士の隙間を幾つも抜いて届いた先に、木々の陰から薄らと明るくっていた。

 

(「__っ、ちっ!」)

 

 すかさず俺は、先輩方の護衛を増援に任せ、槍を消して身軽になって動いた。音姫が俺へと接触してくる際の振る舞い、気配遮断の技法を脳裏に描き真似ながら、六角柱の間を狙われないようすり抜けてゆき、途中で意識されかけたらヘッドセットを投げて注意を逸らし、無事に群れを突破し森の中へ入ってみれば。

 

「__まさか……っ⁉︎」

 

 透明ではあるが幹や岩に溶け込んだ色合いの六角柱が5体、然も1番手前のコアは会長が真っ先に蒸発させた個体と同等の巨大さであった。更に5体は、通常のCEよりも先程の群れよりも暗く薄く赤い光を灯っており__

 

(「ずっと溜めている……⁉︎拙い、倒さねば!」)

 

 発射前に討つべく走った。巨大コア型の光が強まった際は、背後で戦うエース隊を巻き込まぬよう高く跳んで、巨大コア型の向きを上方向に逸らした。そして、装甲車内からヘッドセットのディスプレイ越しに見ていた、グルファクシスが貫かれた時と同じ位の距離で、光線が放たれた。

 

(「滑衝、断熱、併立展開っ!」)

 

 直撃した光線が胴体ど真ん中に当たり、押し込められて背後の大木にぶつかった。

 

(「ぐぅあアァァーーっ‼︎強す、ぎる、意識が……っ!」)

 

 先月の初陣で撃ち込まれた正二十面体の光線とは比べ物にならない衝撃、熱量、そして精神を収奪される感覚が伸し掛かって、装甲の消失と生命の危機を覚悟し……

 

「__だが、嗚呼、……まだだっ!」

 

 英雄の放つ黄金光が脳裏に過ぎった。ライバルの扱うエクスカリバーがCEの光線に被った。ならばこそ、 適応し乗り越えて更に向こうへと進む好機と認識してみせた。

 

「う、お、おおォーーっ‼︎」

 

 そして俺は、英人との2戦目に実行した の要領を活かし、胴体へ撃ち込まれている光線のエネルギー、その力の流れとムラを感覚的に掴み取って、防御本能を集中させた。

 

 __そのお陰で、受け続けていた筈の光線の圧力と熱が一切感じられなくなり、意識も薄まらなくなった。

 

 更に、長々と浴びせられ続けていた光線が、弱く細くなってきたので、反撃に出た。

 

「はあぁーーっ!」

 

 樹木を踏み台にきて飛び出し、這鯉登の要領で光線の上を跳び、巨大コア型に接近した。

 

「はぁっ!」

 

 そしてコアへ向けて飛び蹴りをかまし、衝撃がやや薄い結晶の外殻を貫いて通常の2倍以上ある赤色の球体に響けば、何とか粉砕できた。

 

カチカチカチッ

 

「武装化っ!」

 

 更にそこから蜻蛉切を呼び出し、罅割れていた残り4体を、逃亡も攻撃も許さず即座に撃破したのであった。

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

(「……それで、特高に帰還してから改めて奴等について報告して、エース隊員に公表されずに済んだものの、京子先生や大河原先生、それに弓月分隊長にも咎められたな。」)

 

 緊急性故か其処迄厳しい口調ではなかったが、誰にも伝えず独断専行に及んだ事、ヘッドセットを紛失した事、何より幻子干渉能力を空にする程の無茶をした事。何れ1つとしてぐうの音も出なかった。

 

(「実際、今思い出しても、極めて危うかった。あの場の巨大コア型も六角柱も、かなり脆くて直ぐに砕けたが、もし通常レベルの耐久性だった場合、どうなっていたのやら。」)

 

 思い返せば、体力・幻子干渉能力も底をつきかけていたあの状態で、5体連続撃破を果たせたのは奇跡に近い。

 

(「恐らく、あの光線を1発を長時間放っていた所為だろうか。会長が倒してくれた個体は、10秒毎に1発ずつ撃っていたが、奴等はそうしなかった。」)

 

 加えて、1体目は数百体ものCEに支えられ、エネルギーを共有し充填していたが、2体目の方は4体だけだった。何時から彼処に留まり、どれ位の時間充填していたのかは不明だが、あの戦場で奴等の方角から撃たれる事は一度もなかったから、相当長い時間待ち続けていたのかもしれない。そしてその分あの場のCE全てが、群れのCEよりもエネルギーを消耗し弱体化していた、という訳になるか。

 

(「……ともあれ、俺は更に成長できた。両刃型以外のCEなら、無傷で倒せるだろう。」)

 

 何せ幻子装甲が、あの超威力の光線を無力化する域にまで強化されたのだ。極めればCEから幾ら撃ち込まれても、全部滑るように受け流して消耗を限りなく0に近付けられる筈だ。しかも内包する熱すら内部に通さないとあらば、無敵と呼んでも過言ではなかろう。

 

「尤も、驕るつもりはないが。」

 

 たとえ撃たれる限りでは無敵を誇ろうとも、装甲の維持に気力や干渉能力を費やす事に変わりはない。それにこれまで六角柱の光線や幻想兵器の攻撃を防げて、「無敵」と謳われた麗華先……麗華の聖なる加護が巨大コア型の光線で解除された様に、現状の滑衝・断熱甲を打ち破る脅威に抗わねばならない恐れもある。

 

(「そう、他ならぬライバルの様に。」)

 

 昨夜、体調への懸念により京子先生や大河原先生から日課の鍛錬を禁止されたので、折角だからとスマホで動画を__午前中に金木記者が話していた英人の活躍を視聴した。

 俺のクラスの担当区域外、前橋市の市街地で、避難中の市民が撮った映像には、タケコプターを頭上に付けて浮遊しながら剣から光を発射する、「聖剣使いの英雄」が居た。

 

(「2度も対峙した俺には分かる。あの黄金光、出力も精度も持続時間も、試合の頃より抜群に上達していた。」)

 

 あの日から1ヶ月程経った現在では、そしてやがて日本に勝利を齎す日には、天と地以上の差にまで成長している事は、想定に難くない。

 

「……俺、は……」

 

 __そんな、自衛隊すら傷1つ付けられなかったという長野ピラーをも浄滅する、絶対強者に登り詰めた英雄の雄姿が、思い描かれてくるから。

 

「……く、くくくっ、ははっ……」

 

「__何笑ってんのよ?」

 

「__っ‼︎??」

 

 突然掛けられた声の方向へ、槍を構えれば。

 

「……音姫か、こんばんは。」

 

「こんばんは。反応遅かったじゃない。油断し過ぎよ。」

 

「……そうだな、つい気が抜けていたらしい。」

 

 安堵と自嘲の笑みが溢れると、音姫が溜息を吐いた。

 

「全く、幾ら新型CE相手に、“英雄”抜きで無事に勝ったばかりだからって、弛み過ぎでしょ?」

 

「ぐうの音も出ないな。確かに、格段に強くなれて、成果を感じ取れたものの、常住戦陣の心構えを疎かにしては意味がない。」

 

「いや、そこまで大袈裟に忠告したつもりはないけど。」

 

 そうして話しているうちに、さっき迄高揚していた気持ちが落ち着いてきたので、此方から質問を投げ掛けてみる。

 

「そういえば、お前と会話するのも 週間ぶりだな。昨日1年A組は校内待機だったと聞いたが、ひょっとして何かあったのか?」

 

「……何でそう思うわけ?」

 

「いや、お前が接触してくる日は大体当日か何日前かに何らかの事態が生じていたし、妙に少し疲れていそうな様子だと思ったから。」

 

「……別に、何でもないわ。貴方の見立ても気の所為よ。」

 

「そうか、ならいいが。まぁ不満が溜まってたら、俺には好きなように愚痴吐いてくれ。王様の耳が何であろうと漏らす真似はしないから。」

 

「あっそ、物好きなのね貴方。」

 

 気が緩んだのか呆れ顔を見せてくる音姫に、やれやれと思い……

 

(「それにしても、俺の方こそ随分気を許しているのだな。」)

 

 正直な所、此奴に対して俺は嫌っていると__幾ら訳有りだとしても、英人について、俺より身近な立場にずっと居ながら、散々貶して軽んじる様な態度を取っている輩と、こうして快く会話できるなんて信じ難い気持ちだ。

 

(「……恐らく、麗華が神近生徒会長の側面を話してくれたお陰だろうか。」)

 

 1年の立場からだと優雅で完璧で令嬢像の体現者に見える生徒会長にも、抜けている部分や普通の少女らしい素顔があるのだと、身近で親しい立場故に知り得る一面がある。

 それと同様に、試合と保健室での2日間しか接していない俺には分からない、近しい距離で長期間付き合う関係の者にとって、うんざりさせる様な男でもある可能性は、決して否定できない。

 ならばこそ、天道寺英人を俺より知っている立場の彼女に、彼奴の扱いの悪さを咎める権利などないのだろう。

 

(「或いは、俺の今の気分が良いから普段より寛容になっているのかもな。」)

 

 兎に角、本人が何でもないと主張しているのだ、これ以上心配の言葉を投げかけても却って逆効果だろう。一先ず話題を変える事にする。

 

「それはそうと、転校生の方は大丈夫なのか?クロムウェルについては、現状特に不審な点が見当たらずに済んでいるが。」

 

「……一応、上手く付き合えてるわ。」

 

「そうか。」

 

 一瞬だけ疲れが見えたのは気の所為か、或いは何か問題でもあったのか、不安に思うも流石に尋ねはしない。

 

「というか、今の貴方妙に上機嫌じゃない?さっきだって私の気配まるで気付けてなかったし。」

 

「そうだが、よく分かったな。」

 

「いや、声掛ける迄1人で笑ってた訳だし、今の感じも随分朗らかだし。全く気味悪かったわよ。」

 

「そうだったか。確かにな。……昨日、CEの襲撃があっただろう?」

 

「ええ。“私達の英雄”を欠いた戦場で、大変だったけど一部の隊員が機転を効かせて勝った、とは聞いたけど、それが嬉しかったの?それとも今度は犠牲が出なかったからかしら?」

 

「……それもあるがな。」

 

 シャロや麗華達と協力しての作戦で巨大コア型中心の群れを瓦解させた事、それは間違いなく喜ばしい。

 5月13日の戦いと違って、急な脅威の登場にも関わらず、今度は1人も意識不明者を出さずに全員生還できた事、それも大変喜ばしい。

 だが、其れ等以上に素晴らしかったのは。

 

「1番嬉しかったのは、今回の戦いで格段に成長できた事だ。」

 

「ふ〜ん、成長ね。それって態々口にする程なの?」

 

「嗚呼、そうだな。かなりはっきりと、そして心地良い感触を覚えたさ。」

 

 思い起こすのは、あの苦しくて得難い時間。

 

「はぁ、随分大袈裟に言うのね。何か切っ掛けでもあった訳?」

 

「そうだ。一言で言えば、死にかけたお陰かな。」

 

「__は?」

 

 そう、今なら分かる。初試合で黄金光を受け止めた時、初陣で正二十面体に追い詰められた時。

 命の炎が今にも消えかけた、その絶望と焦燥……

 

「新型CEによって昏睡へ追いやられて、それを踏み台にし、幻想兵器使いとしてもっと強く、巧くなれた。」

 

 あれこそが、真の英雄へと近づいた瞬間だったのだ。

 ただの幻想兵器使い(エース隊員)から、幻想兵器使い(伝説の体現者)へと変わりかける好機に他ならない。

 

「だから実感しているんだ。次も次もその次もと生死の境を踏破すれば、その度に更なる高みへ登れるから。」

 

 常識を打ち破り、可能性を解放すれば、如何なる困難にも限界にも負けない超越者(ヒーロー)へと到達できる(並び立てる)

 

「もっと危険を恐れず挑戦し__」

 

パァン‼︎

 

「………え?」

 

 数秒経って平手打ちされたのだと気付き、正面の音姫を見遣れば、一度も見た事がない位に冷たい無表情であった。

 

「__冗談にも程があるわよ。」

 

「……音姫?」

 

「まさか貴方から、そんな戯言が聞けるなんて思わなかったわ。それとも、今度は自分の方から嫌がらせようとでもしてきたつもり?」

 

「それは__」

 

 淡々と、然し厳しい口調で問われて、何時の間にか陶酔していた思考が落ち着いてきたから。

 

「……いや、酷い冗談だった。済まない、忘れてくれ。」

 

「あっそ、ならいいわ。もう二度と吐かさないでよ。」

 

「……分かった。」

 

 この場は彼女の方が正しいと判断し、口を噤んだが、ふと先月最初の日曜夜に於ける会話が思い起こされた。

 

「……ところで、機密事項だったり失礼だったりしたら答えなくていいのだが、1つ尋ねてもいいか?」

 

「……何かしら?」

 

 英人宛ての感謝の伝言を頼んだ理由を語っていた中で、「長野」に対して反応していた姿。それが、俺に平手打ちを放った際の雰囲気と重なって見えたから。

 

「……親しい人をCEに殺された事はあったのか?」

 

「___は??」

 

「いや、“天道寺英人の幼馴染”という事なら、最初の幻想兵器使いである天道寺刹那は身近な犠牲者となるかもしれないが……」

 

 ……硬直している姿は初めて見たな。聞いては拙かった質問か?

 

「……そうね、私は“天道寺英人の幼馴染”だから、彼の家族と近所の数名位よ。それだけ。」

 

「……そうか、いきなり不躾な問いを投げつけて済まなかった。」

 

 一先ずそういう事にしておけば、“音姫”が何時ものチェシャ猫の様な意地の悪い笑顔に戻った。

 

「ま、取り敢えず今日はそれなりの気分転換にはなったわ。……精々死なない事ね。」

 

「嗚呼、必ず生き残ってみせる。」

 

 決意を表明すると、彼女は夜の闇へと帰って行き、それを見送ってから深呼吸する。

 

「……命大事に、だな。」

 

 思えば、死の際へ追い込まれてからの覚醒による成長を重ね過ぎた所為で、成功体験への依存や危機感の欠如に陥っていたのかもしれない。

 恐怖に負けずに命懸けで取り組むべき仕事はあるが、それは自身の命あってこそのもので、そもそも自分を大事にしない者や恐怖の欠落した者は、その仕事に相応しくない、とはどの本で読んだ文言だったか。

 

(「英人に常勝無敗を誓った。陽向さんと生存を誓った。分隊長やクラスの皆に麗華達、先生方や爺ちゃん婆ちゃんに故郷の人達の為にも、生き残る気概と慎重さ、それに死地での覚醒に頼らぬ地道さを、改めて強く抱かねばならない。」)

 

 そう、反省し決意して……ふと、昨日金木記者に彼奴の話を尋ねられたからか。

 

(「……英人は、彼女に対しても色々隠したがっているから、まだまだできそうにないのだが。」)

 

 「天道寺英人の幼馴染」がたとえ単なる設定に過ぎないとしても。

 

(「願わくば、彼女と、英人について深く語り合ってみたいものだ。」)

 





 感想や質問に指摘等、何時でもお待ちしております。

 おまけ:もし宗次の衝動を遮るもの(=本人の理性や自制心&CEの襲撃)が無かったら (※台本形式、1100文字以上注意)

 金木「~~彼の好きな物とか、付き合っている彼女はいるのかとか、何でもいいから教えてくれない?」

麗華「……はぁ、邪魔しないで__」

宗次「分かりました。俺が英人について知っている事はほんの僅かですが、紹介しましょう。」

麗「__えっ?」

金「ホントにいいのかい⁉︎ありがとう!……「英人」?」

宗「はい、先ず俺が初めて彼と出逢い、知り合えた入学日の事ですが~~」

〔1時間後〕

宗「~~と、この様に英人は、不撓不屈、頭脳明晰、俺が好敵手(ライバル)と名乗るのも烏滸がましいかもしれない位、英雄たり得る男です。」

麗「へ、へぇ、そうなんだ……(雄弁で楽しげで誇らしげに語る宗次君の姿、初めて見た……)」

金「な、成程、凄いお話聞かせて頂きました。(学園の人気者だとか、女子を救ったとかのエピソードが欲しかったんだけどな……)」

宗「ええ。どうですか先輩?斯様な後輩がいる事に、CEとの長き戦いに光明が見えてきたと、同じ特高生徒としても最初期のエース隊員の1人としても感じられますよね。」

麗「そ、……そうだね、うん。というか、もうそろそろ店出た方がいいんじゃないかな。」

宗「それもそうですね。では会計の後別の場所で続きを話しましょう。」

麗・金「「えっ??」」

〔カフェを出て公園のベンチへ〕

麗(「宗次君、歩いてる間もずっと喋ってた……」)

金「(隣の人、あまり彼の勢いに乗れてないな、ていうか男だと思ってたけど女子だよね、性別言及する前に気付けてよかった……)き、貴重なお話聞かせてくれてありがとう。それじゃあ次に、好きな物とか付き合ってる人とか、知ってるかい?」

宗「好きなもの、と呼んでいいかは分からないですが、祖国と努力と正道に向ける情熱は人生で類を見ない程凄まじいですね。英雄たり得る存在とは、志も姿勢も気高いものだと大層感動致しました。」

金「そ、そうなんだ。……い、いやそういうのじゃなくてさ、その、好きな食べ物とか趣味とか、特に知りたいのは恋人なんだけどね?」

宗「まさか。英人に限って、恋愛にうつつを抜かすなんてあり得ませんよ。よく容姿端麗と評価できる程の女子達か、アプローチを受けておりますが、常にどんな相手に対しても、気遣い楽しませながらも一線を越えぬよう対応して突き放しております。またその面々の一部には彼を異性や英雄としてでなく上官や主君の如く敬い従っている様に見える時もありました。恐らく、人心掌握術にも相当長けている筈です。」

麗・金「「………」」

宗「兎に角、天道寺英人という男は、それはもう~~」

麗(「……知らない一面を見せてくれたのは嬉しいけど……」)

金(「……思ってたのと違う……てか、何時迄語るつもりだ此奴……」

本作品に触れる前に、原作となるネット小説は読んだことあるか

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