戦姫燈炎SYMPHOGEAR!   作:生粋の名無し

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大ッ変遅くなりました!

他の方が書いている二次小説を読んでいると、自分の作品の出来があまりにも醜く見えてしまって…

今回は前回言っていたチョイス戦までは行けてませんし、出来も自信ありませんが、それでも楽しんでいただけたら嬉しい限りです。


ツナの過去(10年後編):⑨

ボンゴレ!!

 

 仲間達の幻覚に首を絞めつけられているツナを見たスパナが、焦りのこもった声で叫ぶ。

 

『ハァハハハ!!いい眺めだ!!どうだ?自分の信じた仲間(ファミリー)に殺される気分は!!』

「あの野郎、ツナが反撃できないからって好き勝手言いやがって!」

オレも()りたかった!!!あの時、殺ってみたかった!!!

「野郎、ガチで理性が飛んじまってる…!」

さあ落ちろ!!死ね、ボンゴレ!!

 

 幻騎士は、仲間達の幻覚になす術なく苦しめられるツナに怒声を浴びせる。

 ツナはどうにかして幻覚達の手を剥がそうともがいていると、彼の頬に、泣き続けるランボとイーピンの涙がポタポタと降ってくる。

 

『…幻騎士』

 

 そんな彼らの顔を見たツナは、首を絞められているにも関わらず、声を絞り出す。

 

『おまえだけは…死んでも…許さねぇ!!

「良い意気込みだ!…だが、今の状況では…」

『はぁ?何と言った!?死んでも許さないと言ったのか!?己の状況を見てからほざけ!!ボケがぁ!!』

『ぐっ』

『許すも許さぬもあるか!!貴様は仲間の手によってもがき苦しみながら死ぬのだ!!』

「このまんまじゃあいつ、やられちまうぞ!」

「でも、あれじゃツナは手も足も出せない…」

『ハハハ!!死ねぇ!!!

 

 どうすることも出来ず、諦めかけていたその時、ツナが、泣きじゃくるイーピンの頭にそっと左手を添えた。

 

『イーピン…ランボ…いつまでも泣いてないで、どいてくれよ』

 

 そして幼少組に優しく話しかけると、二人はピタリと泣き止んだ。

 

『なっ』

 

 更に二人は、ツナの頼みにコクリと頷き、ツナの首から手を離し、離れ始めたのだ。

 

なにぃ!?

『みんなも手をはなしてくれ…』

 

 その事に幻騎士が驚いていると、ツナが今度は他の仲間達にも話しかける。すると皆、ランボ達のようにツナから離れ始めた。

 

『バ…バカな!!霧の炎で練られた幻覚が、オレの意思に背くなど!!』

「何がどうなってるの!?」

「落ち着けお前ら。皆の手をよーく見てみろ」

 

 先程までツナの首を絞めていた幻覚達が、突如離れたことに困惑する響達は、リボーンに言われて幻覚達の手を確認し、驚く。

 彼らの手は、いつの間にか凍っていたのだ。

 

「凍ってる!」

「ってことは、零地点突破初代(ファースト)エディションか!」

『死ぬ気の炎でできた幻覚なら、凍らせることができる!!』

『手を凍らせちまえば、首をしめることができねーってわけだ。それに、時間もかせげたみてーだな』

 

 ツナは幻覚達が離れたことを確認すると、首を掴まれてから少しずつ出していた柔の炎の勢いを強める。

 

〔ライトバーナー 炎圧再上昇〕

「このアナウンス…X-BURNERだ!」

〔23万…24万…更ニ上昇!! レッドゾーン突入!!

『に…20万オーバー?…ウソだろ?…想定した最大出力を超えてる!!』

〔レフトバーナー 炎圧再上昇〕

『おまえも全力で来い、幻騎士!!』

『なにを!?青二才が生意気な!!』

 

 着々と準備を進めるツナを警戒しながら見ていた幻騎士だったが、ツナの言葉に怒りを露にする。

 

〔レフトバーナー 23万…24万…レッドゾーン突入!!

『コンタクトは大丈夫なのか!!』

『それよりボンゴレの体が…あの炎圧にもつのか…』

ゲージ シンメトリー!! 発射 スタンバイ!!

 

 剛の炎のチャージが終わり、ツナはゆっくりと幻騎士に狙いを定め始める。それに対し幻騎士は、霧の炎で4体の分身体を作り出して横一列にならび、身構える。そして─

 

ハァァ!

X-BURNER (ハイパー)爆発(イクスプロージョン)!!!

 

 上空で、膨大な炎と5本の剣がぶつかった。

 

うおおおお!!

ぬぅぅぅ!

 

 衝突直後、2つの力は互いに勢いを殺さず鍔迫り合いを続けていたが、時間が経つにつれて幻騎士が作り出した分身体にヒビが入りだし、ついに幻騎士の左にいた1体の分身体が砕け散った。

 そしてそれが皮切りとなり、他の3体も同じように砕け散り、炎を止めていた障害が消えたことで溢れだした大空の炎が、幻騎士を左右から挟むようにして飲み込んだ。

 

ギャア゛ア゛!

「ツナの超爆発(アレ)と張り合った時は少し焦ったが、流石に防ぎきれなかったみてぇだな!」

おのれえぇえ!!!

 

 炎の中で悔しげな声をあげる幻騎士。すると髑髏が砕け、中から現れた本来の幻騎士の目が、ツナを睨み付ける。

 

「あの骸骨みたいな姿って、やっぱり外側だけだったんだ!」

「本当に骸骨になっちゃってたら、怖いものね」

『図に…乗るなよ…所詮、貴様らなぞ…白蘭様…の…掌の上で…踊っているに過ぎぬの─ドワァアア!!!

 

 幻騎士が炎に完全に飲まれると同時に、宙を漂っていた守護者達の幻覚が霧となって霧散する。

 そして幻騎士を飲み込んだ炎は、そのまま天井まで飛んでいき爆発を起こす。

 それにより、周囲の風景を変えていた正体が明らかとなる。

 

「あれって…ナメクジ!?」

「いや、あれはどちらかというと…」

『海…牛?』

 

 爆風によって壁から引き剥がされた(ボックス)兵器─幻海牛(スペットロ・ヌディブランキ)の軍団はそのまま落下していき、下にいたスパナの周囲で爆発し始めた。

 

『!これは…』

「この爆発の仕方…戦ってるときにちょっかい出してたのはこいつらか!」

「そんなことより、スパナさんが!」

『…ウチ…死亡…』

 

 海牛の爆発を見たスパナは死を覚悟してその場で丸くなる。しかしすぐさま彼の元に移動したツナが炎の膜を上に向けて展開したことによって、スパナは爆発から守られた。

 ツナが炎の膜を展開した後も海牛の爆発は続いたが、少しすると爆発は収まりだした。

 

『…ありがと、ボンゴレ』

『よくやったな、ツナ。─もっとも、最後の力を使ってこの場から離脱した幻騎士を見逃したのは気にくわねーがな』

「嘘!?アレをまともにくらって逃げきったなんて…」

「しかも、沢田はその事に気づいていたと…」

「…まぁ、逃げたとしてもアレをくらって無事じゃすまねぇ筈だ。それよりもお前ら、上を見てみろ」

 

 クリスにそう促された響達は、同じタイミングで気づいたツナ達と共に上を見上げると─

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツナのX-BURNER 超爆発が貫いた壁の先に、目的の装置が見えていた─

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロープを結び直し、再びスパナを引き連れたツナは、丸い装置がある部屋まで飛んだ。

 

『これが…オレ達の目的…』

『うん…正一の装置だ』

「近くで見ると、結構大きいね…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『まさかあの幻騎士を倒すとは予想外だった─沢田綱吉』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目的の装置を眺めていたツナ達の元に、その装置の開発者にして、標的にしていた男が、2人の女性を連れて現れた。

 

『入江…正一!!』

「あの人が、入江さん…」

『お前達は…チェルベッロ!?』

「チェルベッロ?」

「後ろの女2人のことか?」

『まずは拳を下ろしてもらおう。話はそれからだ』

『…話だと?』

『聞こえなかったのか?ヘタに動けば─彼らは死ぬぞ』

 

 入江がそう伝えた直後、彼らが入ってきた扉の近くに設置されていた白い長方形の建設物の扉が開き、大型のカプセル装置が姿を表す。その中には、通信が途絶えていた守護者達がいたのだ。

 

『「みんな!!」』

『ナノコンポジットの壁でとり囲み、逃げられなくなった所を催眠ガスで眠らせてある。少しでも抵抗するそぶりを見せれば毒ガスに変更する』

 

 入江が喋る横で、チェルベッロの一人が懐からガスを操作するリモコンを取り出して見せる。

 

『くっ』

『…正一?』

「ずるいぞテメェ!」

『……よし、いいだろう』

『ハッ!』

 

 ツナが拳を下ろしたのを確認した入江が命令を出すと、チェルベッロの操作によってカプセル内のガスが排出され、山本・笹川・ランボ以外の守護者達が続々と意識を取り戻し始める。そして自分達が捕まっていることに気づき慌てはじめ、入江の横にいる女2人を見てツナと同じ反応を見せる。

 

『お前達の命は我々がにぎっている。話をしたいんだ…大人しくしてくれないか?』

『入江正一!!』

『やろう!』

 

 入江の顔を見た獄寺が腰から匣を取り出そうとするが、直後に何かに気づく。

 

『抵抗しようとしてもムダさ。お前達のリングと匣兵器は─全て没収した』

 

 そういって懐から取り出した入江の掌には、大空と晴を除いたボンゴレリングと、その他複数のリングが乗せられていた。

 

「くっ!やはり基地を任されるだけあって、なかなかに切れる…!」

『なんてことだ…これでは…!!』

『…ぐっ…沢田…』

 

 抗う術を奪われ、途方にくれる守護者達。そんな中、ラルが苦しみながらも体を起こし、ツナの名前を呼ぶ。

 

『かまわん!!貴様の手で装置を破壊しろ!!』

「ラルさん!」

『そうです10代目!!丸い装置を!!そいつをぶっ壊せば、過去に帰れるかもしれない!!』

『……ダメ…』

 

 ラルと獄寺が破壊するよう促すなか、ただ一人─クロームだけは、彼らの意見を否定した。

 

『てめー!この状況で命がおしくなったのか!?』

『ちがう…でも…』

「何でアイツは装置の破壊を拒むんだ!壊したら元の時代に戻れるかもしれないってのに!」

「いや、しかし…沢田が見た夢の中に一緒にいた彼女が否定するということは、何かがあるのでは…」

『全くお前達の無知ぶりにはあきれるばかりだ…この装置を破壊すれば困るのはお前達だぞ』

『何!?』

 

 ツナが入江の発言に驚いていると、丸い装置の蓋の隙間から煙が漏れはじめる。

 

『この装置に入っているのは』

 

 そして音をたてながらゆっくりと開いていき─

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10年バズーカでお前達と入れ替りで消えた…この時代のお前達だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘…だろ!?」

「10年後の雲雀さんに、クロームちゃんも…!」

「今まで入れ替わった、この時代の沢田達がなぜあそこに…!」

 

 蓋が開ききった装置の中には、入江が言った通り、現時点までで過去のツナ達と入れ替わったこの時代の10人が、円を描くようにして納められていた。

 

『もっとも、今見えているのは、照射された立体映像(ホログラム)のイメージであり、実際には分子の状態で保存されているがな』

『ど…どうなってやがる!だって、この時代のオレ達は…』

『10年バズーカの効力で…10年前に行ったはず!!』

『その通りだ。本来は10年バズーカで撃たれたものは、10年後と現在の自分が入れ替わる…だが、この装置により10年後のお前達を過去には行かせず、ここにとどまらせているんだ。この時代のお前達が過去に戻って余計なことをされては、7^3(トゥリニセッテ)ポリシーに乱れが生じるからな』

『トゥリニセッテ…ポリシー…?…つか、10年バズーカを知ってるって…まさか…』

『10年バズーカの弾を当てて、オレ達をこの時代に送り込んだのは…お前か』

『─その通りだ。10年前の僕が、この時代の匣兵器と科学技術を駆使して、お前達に10年バズーカを当てたんだ。たとえば、アルコバレーノであるなら、非7^3線(ノン・トゥリニセッテ)を照射し、身動きをとれなくしてだ』

『…それで、あの時金縛りにあったのか…』

「え!?リボーン君あの時、動けなかったの?動かなかったんじゃなくて?」

『…どうして!?なんでそんなことしてまで、オレ達をこの時代につれてきたんだ!!』

 

 響達が、新たに発覚した事実に驚いていると、ハイパーモードを解除したツナが声を荒げた。

 

『簡単な話だ…白蘭サンがこの世界を手中におさめ、もう一つの世界を創るために、ボンゴレリングが必要だからだ』

「世界を…」「創るだと!?」

 

 入江の話を聞いたツナ達が静まるなか、入江は話を続ける。

 

『この世には、力を秘めたリングが数多く存在するが、中でも「マーレリング」「ボンゴレリング」「アルコバレーノのおしゃぶり」各7つ、計21個のリングを、7^3(トゥリニセッテ)という。そして7^3の原石こそが、この世界を創造した礎だ』

 

 入江の話を聞き、リボーンとラル、そして7^3のことはすでにリボーンとツナから聞いていたシンフォギア組はそこまで反応を見せなかったが、初めてその事実を知った2年前(この時)のツナ達は驚きを隠せずにいた。

 

『そんな…話…』

『信じる信じないは自由だが─少なくとも、7^3を守ることを使命とし、人柱として7^3と同化したアルコバレーノは、この話を否定しないはずだな』

 

 その話を聞いたリボーンとラルは、明らかな動揺を見せる。

 

『な?え?人柱って…何!?リ…リボーン達関係してるの!?』

『話は以上だ。あとはまかせた』『ハッ!』

 

 ツナの同様を無視し、入江がチェルベッロに声をかけると、ツナから入江を遮るようにして前に出る。

 

『沢田綱吉、大空のボンゴレリングを渡しなさい』

『さもなくば、守護者達を毒殺します』

「くそっ!カプセルの制御装置が奴らの手にある限り、ヘタな真似はできない…!」

『話はまだだ、入江。お前の話には納得できねぇ部分があるぞ』

『これは交渉ではない』『命令だ』

 

 リボーンが入江に食い下がろうとするが、それを遮るようにしてチェルベッロは話を続ける。

 

『3秒以外に従わなければ』『全滅はまぬがれない』

『ちょっ、待ってよ!君達チェルベッロでしょ!?』

 

『3』

 

 ツナが必死に説得しようとするが、チェルベッロは彼に拳銃をつきつけ、容赦なくカウントをはじめる。

 

『くそ女が!!─10代目!!オレ達にかまわず、そいつらをやってください!!』

『で…でも、そんなことできるわけ…』

 

『2』『ひっ!』

 

「そんなことしたら皆が!」

『やれ、沢田!!どーせ、そいつらは大空のリングを奪った後、オレ達を全滅させる気だぞ!!』

『でも…』

 

『1』

 

 声を張り上げるラルに対し、ツナはミトンを外しリングをはずそうとする。

 そして─

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズガガン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─え?」

 

 カウントが0になる直前に、乾いた音が部屋に響き渡った。だが、その発砲音が発生したのはチェルベッロが持っている拳銃からではなく─

 

『…………』『入…江…さ…ま…?』

 

 チェルベッロの二人は、自分達の背後にいた男の名を呟きながら、床に倒れ伏す。

 

『悪く思わないでくれ…少し眠ってもらうだけだ…』

 

 そんな二人に、彼女達を撃った張本人─入江は、拳銃をつきつけながらそう告げた。

 

『はぁ~…暑い。もうクタクタだ……一時は、どうなるかと思ったよ…沢田綱吉君と、その守護者達』

「え…あ、え?」

 

 ツナ達だけでなく、シンフォギア組も訳がわからず混乱するなか、入江は髪を乱雑にかき回しながらミルフィオーレの制服を脱ぐ。すると、先程までの雰囲気からは考えられないほど、彼の膝がみっともなく震えだした。

 

『あ…キンチョーがとけて…ヒザが笑ってる…』

 

 入江はそのまま腰を下ろし、一息つく。

 

『ふぅ~─よくここまで来たね…君達を待っていたんだ…僕は君達の味方だよ』

 

 そして、混乱するツナ達に新たな爆弾を投下したのだった。

 

『オレ達の味方だって!?』

『う…うん、そうなんだ…』

 

 ツナの質問に、複雑な表情を浮かべながら答える入江。

 

「そ…それじゃあさっきまでのは、全部演技…?」

『普段、僕の行動は部下と監視カメラによって24時間白蘭サンにつつぬけになってたけど、君達が全てをメチャクチャにしてくれたおかげで、やっとこうしてミルフィオーレでの立場を気にせず話せるよ…はぁ~!ずっとこの時を待ってたんだよ…この基地での、この状況での出会い方こそが、僕らの設定したゴールだったんだから』

『「ゴール…?」』

『な…何言ってやがる!!』

『ミルフィオーレがボンゴレリングを奪うために君達をこの時代に連れてきたのは事実だが、君達がこの時代に来てから僕を標的にして、ここに乗りむようにさせたのは、僕がミルフィオーレに秘密で仕組んだ計画だったんだ─君達を鍛えて、強くなってもらうためにね』

 

 どうにか立ち上がった入江は、まだ整理しきれていないツナ達にそう告げた。

 

「ツナ達を、強くするため…?」

『たくさん、ひどいことをして…本当にゴメン…でも、これから来る戦いに備え、短時間に飛躍的な成長をしてもらうには、この方法しかなかったんだ!!』

『これから来る戦い…?』

『そうだ!!君達の本当の敵は僕じゃない』

『ふざけんな!!作り話に決まってるぜ!!てめーがやばくなってきたんでオレ達を丸め込もうってんだな!!』

『獄寺の言う通りだ!!』『そんな話信じられるか!!』

『ま…待って!!考えててくれよ!!─君達を殺そうと思えばもっと早く殺せたさ!!』

 

 入江の話を否定する獄寺達に、彼は事実を伝える。

 

『いくらミルフィオーレが油断していたとしても、天と地ほどの戦力差だ。君達をいっぺんにじゃなく何人かずつ、この時代の君達と入れ替えたのも、この時代の君達に過去の君達を導いてもらうためだ。この基地に来てからも僕がもっと早く基地を動かして、君達を捕えることもできた。だが、それでは君達が経験を積むことができないからワザとモタついて遅らせたんだ!!』

「…確かに、理には適っているな」

『それだけじゃない…守護者でないイーピン・笹川京子・三浦ハルまでを過去からこの時代に連れてきたのはなぜだかわかるかい?』

「─おい、まさか!」

『─人は守るものがあると強くなれる。そのために必要だと判断したんだ』

「やっぱりかよッ!」

『現に…』

 

 そういって話を続けようとしていた入江に、ツナが勢いよく掴みかかった。

 

『そんな…!!そんな理由で!!もし京子ちゃん達に何かあったらどーするんだ!!』

「沢田…」

『京子ちゃん達だけじゃない!!鍛えられる前に、山本や獄寺君やラル…みんな、この戦闘で死んでたかもしれないんだぞ!!』

「そうだよ!もしそれで誰かが死んじゃってたら…!」

『……その場合は…それで仕方ないんだよ…』

「え…!?」

 

 入江の答えを聞いて、言葉を失う響。

 

『僕だって一生懸命やってるよ!!予想外のこととか起きて大変だったんだぞ!!これは君達が思ってるほど小さな問題じゃないんだ!!』

「だからって、ツナのダチを巻き込んでいい理由なんざあるわけが─」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それに、この計画はこの時代の君の意思でもあるんだ、綱吉君!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「なっ!?」」」」」

 

 入江から伝えられた衝撃の事実に、響だけでなく、シンフォギア組全員が言葉を失ってしまう。

 

『オレの…!?』

『この計画は絶対にバレないように、僕と10年後の君と10年後の雲雀恭弥の3人だけの秘密だったんだ…10年後の雲雀君がこちらの奇襲を予想できたのも、そのためなんだ』

『なんと…』

『そして10年後の君は、関係ない仲間を巻き込むことには最後まで躊躇していたが…最終的に、過去の自分達の成長に必要だと了承したんだ』

『そっ…そんなぁ……オ…オレが…?』

『ありえん!!沢田の性格は知っている!!』

 

 未来の自分が京子達を巻き込むことを選んだと知り、ショックのあまり入江から離れるツナ。そして、中学時代からの彼を知っている草壁が入江の話に反論する。

 

『そーだ!!10代目はチビを巻き込んだりしない!!』

「そ、そうだよ!あのツナが、仲間を危険なことに巻き込むことなんて…!」

『あ~も~!それぐらいヤバイ状況ってことでしょ!?話の流れを察してくれよ!!』

 

 どうやら入江も色々溜め込んでいたのか、獄寺の反論に逆ギレ気味に答え、そんな彼をみたスパナは一人だけ空気を読まず吹き出してしまう。

 

『全てを賭けてこの事態に対処しないと、君達も君達の仲間も全滅しちゃうんだって!!それどころか、もっと多くの人々の…ヘタすれば人類の危機なんだぞ!!』

『人類の…危機…?』

『それと、これから来るっていう戦いが関係してるんだな?』

 

 ショックから少し立ち直ったツナが入江の言葉を復唱していると、リボーンが入江に問いかけた。

 

『え?あ…うん……』

『オレは信じてやってもいいと思ってるぞ』

『リボーン!?』

『オレが感じていた疑問の答えとしては、今んとこ、つじつまが合っているからな』

 

 未だに入江に反論しようとしていた獄寺達だったが、リボーンがそう言うのならばと口を閉ざす。

 

『あ…ありがとう………そうだ…君達の敵となるのは…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白蘭サンだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『やっぱり…』

「え?今ツナ、やっぱりって…」

『あ!』

【オレ、今やっぱりって…】

「どうやら沢田自身ではなく、彼の超直感がすでに感じ取っていたようだな…」

 

 ツナ達が驚いている間にも、入江は話を続ける。

 

『白蘭サンは7^3を集め、この世界を自分のものにするためには手段を選ばない…そういう人だ…』

 

 その話を聞いたクリスは後ろにいる白蘭を睨み付けるが、彼は変わらない笑顔を浮かべていた。

 

『彼はこの意思を"7^3ポリシー"と名付けた…そして、それが達成されれば今の比じゃない地獄絵図を見ることになる…自分の思い通りにならない人間・集団・国までも抹殺するだろう…』

「そんなの、完全な独裁国家…いや、独裁世界じゃねぇか…!」

『だとすると1つわかんねーな。何で今まで白蘭に手をかしてきたんだ?『ん?』おまえが10年バズーカでボンゴレリングをこの時代に運ばなければ、奴の目的は達成されないはずだ。そうすれば最終的に犠牲は少なくて済んだかもしれねーぞ』

『…うん…一時的にはね。でも僕の手などかりなくても彼はいずれ君達を未来に連れてくる…それに、僕がこのやり方にこだわった理由は他にある─彼を止められるのはこの時代だけなんだ』

「この時代だけ…?」

『今、この時代に倒すしか、白蘭サンの能力を封じる手はない!!』

「白蘭さんの能力って、確か…」

「異なった可能性の未来の自分と意識や知識を共有できる能力だね♪」

『説明すると長くなるが…ん?』

 

 今までずっと話していた入江だったが、何かを思いだし声をあげる。

 

『あっ!忘れてた!!』

「うお!?いったいどうしたってんだ!?」

『ボンゴレ基地に何か連絡は?』

『?ないぞ…』

『まだか…そうか、まだだよな…』

 

 連絡が来ていないことを知った入江が一人呟くと、彼の腹からゴロゴロという音が聞こえ、腹を抱えてうずくまった。

 

『また緊張してきた…』

「大丈夫なのか?こいつ…」

「正チャンは神経質だから、何か起こると今みたいにすぐお腹こわしちゃうんだよ」

「…まさか、過敏性腸症候群か…?」

「かびんせい…えっと、それって何なんですか?」

「簡単に説明すれば、過度のストレス等が原因で腹痛を起こす体質のことだ。それが幾度となく起こっているとなれば…」

「相当なストレスを溜め込んでるってことになりますね…」

『どうか…したんですか…?』

 

 入江の体調を心配しつつも、彼が緊張している理由が気になり話しかけるツナ。すると入江は、腹痛をこらえながら、顔を上げて話を続ける。

 

『君達がここに辿り着くことが白蘭サンを倒すための1つめの賭けだった…それを第一段階だとすると、クリアすべき第二段階があるんだ!!』

「なっ…まだやることがあるのかよ!」

『まだ戦うの!?』

『へっ?─あぁ、いや…ちがうよ。君達にはしばらく傷をいやしてもらうつもりだ…もっとも、それができるかどうかは、この第二段階次第だけど』

『何なんだ?その第二段階って』

『聞いてるだろ?ボンゴレは今日、全世界のミルフィオーレに総攻撃をしかける大作戦に出るって』

『あ…そういえば』

『その作戦が失敗すると全ては一気に難しくなる…一番のカギとなるのは…イタリアの主戦力だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さあ、怪我人を緊急用ベッドへ』

『みんな、大丈夫!?』

『10代目!!おケガは!?』

 

 入江の説明が一区切りすると、カプセルに閉じ込められていたメンバーが解放された。重傷を負っていた山本や了平はベッドに運ばれ、二人と比べれば軽傷だった獄寺はツナの元へ駆け寄る。

 

「よかったぁ…誰も死んでなくて…」

「にしてもようやく休憩か…ツナの奴、守護者達と別れて以降、強敵の連戦だったからな」

 

 響やクリスも、激闘の連戦により張りつめていた糸が切れ、一息ついていた。そんな中、翼が白蘭に話しかける。

 

「ちょうどいいタイミングだ…白蘭。沢田達の戦いも一区切りついたようだし、今のうちに気になっていることを聞いてもいいか?」

「あ、私も!一つ気になったことが!」

「うん、いいよ♪響チャンと翼チャンは何が気になったのかな?」

 

 白蘭がいつもと変わらぬ笑みを浮かべる中、翼は響に先を譲る。

 

「立花から先に聞いていいぞ」

「あ、すみません…あの、さっき戦ってた幻騎士さんが作りだした、獄寺さん達の幻…幻騎士さんは、あの幻達は本物の獄寺さん達と命が繋がってるって言ってたけど、あれって本当なんですか?」

「そんなわけねぇだろ!あんなの、ツナを騙すための嘘に決まって─「それが嘘とも言いきれねぇんだ」なんだと?」

 

 響の質問に食いかかるクリスの言葉を遮りながら、白蘭の代わりにリボーンが答える。

 

「このメローネ基地での戦いの後、アジトに戻ってきたファミリー達に話を聞いたんだが…捕まっていたメンバー全員が、意識を失っている間、ツナの首を締める夢を見ていたらしい」

『!!?』

「それはつまり、あの時の幻と本体は、意識が共有されていたというのか…!?」

「そう考えてもいいだろうな…幻騎士はそんだけすごい幻術を使えるやつだ。『命が繋がってる』っていうのも、あながち本当だったかもしれねぇな」

「それじゃあ、もしあの時、ツナが獄寺さん達の幻ごと幻騎士さんを狙ってたら…」

 

 もしもの光景を脳裏に思い浮かべた響達は、獄寺達を見て顔を青くする。

 

「幻の手を凍らせて引き剥がした沢田の行動は正解だったわけか…それでは、次は私だ」

 

 翼も少し顔色を悪くしたが、なんとかこらえ、白蘭に顔を向け自分が気になっていることを聞く。

 

「私も幻騎士に関することなんだが…奴が沢田が仲間達の幻に苦しめられていた時に叫んでいた言葉の意味はいったいなんだ?」

 

 翼はどうやら、ツナが幻に首を絞められていた時に幻騎士が言っていた、『オレも殺りたかった!!!あの時、殺ってみたかった!!!』という言葉が気になっていたようだ。

 翼が白蘭に質問すると、それを聞いたユニが、顔に影を落とす。

 

「どうしたのユニちゃん?顔色が悪いけど…」

「んー…その質問に答えるには、まずは君達が知っておかなきゃいけないことがあるんだ。ね、ユニチャン?」

 

 白蘭がユニに話しかけると、彼女はコクりと頷く。

 

「はい─幻騎士…彼は元々、ジッリョネロファミリーの一員だったんです」

 

 ユニからの衝撃の告白に驚く響達に、白蘭とユニは幻騎士のことについて話し始める。

 彼が元々の霧のマーレリングの守護者であったこと。かつてワクチンの存在しない流行病に感染して死の淵を彷徨っていたこと。そんな彼に白蘭が本来開発されていないはずのワクチンを与えたことで生き延び、それ以来白蘭に忠誠を誓うようになったこと。そして─

 

「そして、彼の裏切りによってジッリョネロファミリーとジェッソファミリーが合併し、ミルフィオーレファミリーが出来たんです」

「裏切りって、一体どんな…」

「事の発端は、マーレリングが欲しかった僕が、幻チャンにどうにかしてユニチャンと話せないか頼んだのが原因なんだけど、それが結構手間のかかることをしててね?偶然近くに仕事で来てたスクアーロクンに戦いを挑んで、()()()負けて傷だらけの状態でユニチャン達の隠れ家まで帰ってから、僕達ジェッソファミリーに襲われたって嘘をつく事で、ユニチャンを僕との話し合いの場に引きずり出してきたんだよ」

「なんと無茶で手間のかかることを…」

「というかスクアーロさん、一体何してたんだろう?」

「仕事の詳細は聞いてねぇが、幻騎士との戦いは『剣帝への道』にも入ってたな」

「なんなんだ、その怪しいの…」

「スクアーロが仕事先での戦いの状況を撮ったDVDだ。撮る度に毎度山本に送ってきていて、全100戦もあるぞ。山本にはその動画も見せつつ、特訓させてたな」

「それって、自慢で送りつけてるんじゃ…」

「まぁそのスクアーロも、幻騎士が手を抜いてたことには気づいてたみたいで、その戦いを含めた全100戦分にプラスαで101戦目が収録されてたぞ」

「とにかく、幻騎士の過去については理解した。だが、肝心の質問の答えは聞けていない」

 

 少し話が逸れたものの、どうにか元の話に戻す翼。

 

「僕の口から言わなくても、翼チャンなら薄々気づいてるんじゃないかな?その答えがなんなのか」

「……」

 

 白蘭の言葉が図星をついたのか、沈黙する翼。そんな彼女に対し、白蘭の代わりにユニが答えた。

 

「幻騎士は、本当は自らの手で殺したかったんです…私のことを」

 

 またもやユニの口から衝撃の事実が飛び出し、驚きで固まる響達。そんな彼女達の反応を無視するように、白蘭が話を続ける。

 

「そもそも、幻チャンがわざと怪我して隠れ家に行った本当の目的が、怪我をして帰ってきた自分を見て混乱するであろうファミリーの隙を突いて、ユニチャンだけじゃなくてジッリョネロファミリー全員を殺して壊滅させる算段だったんだよ」

「そんな…!同じ仲間なのにどうして…!」

「僕に心酔してた彼にとって、ファミリーは邪魔物以外の何者でもなかったんじゃないかな?幻チャンって元々器が小さい男だし」

「…もしそうだったとしたらばなぜ、奴はジッリョネロファミリーを壊滅させなかったんだ?奴程の実力があれば容易だったはずだ」

「そこは僕も分からなかったんだけど…さっきの綱吉クンとの戦いをみてて分かったよ。幻チャン、綱吉クンやユニチャンの()に怖じ気づいたんだ」

「目に…怖じ気づいた?」

「君達は、綱吉クンと話してる時に何か感じたことはないかな?例えば、綱吉クンの目を見てると、まるで自分の心を見通されてる気がしたりとか」

 

 その問いかけに彼女達も心当たりがあるようで、一斉に頷く。

 

「さっき僕、『幻チャンは器が小さい男』って言ったでしょ?たぶんユニチャンの目を見て怖くなったんだよ。自分の心を見透かされてるみたいでね。まぁ一番の理由は、ユニチャンが既に彼の思惑なんてお見通しで、彼が壊滅させようと動く前に、僕との話し合いに乗ったからなんだけど」

「そうか…」

 

 幻騎士が暴挙にでなかったことに安心しつつも、先程の幻達の話を思いだし重い空気が漂う。

 その時、過去のツナ達に動きがあった。

 

『たった今、ジャンニーニからイタリアの主戦力の情報が入ったぞ─XANXUS(ザンザス)が敵の大将を倒したらしい』

『マジっすか!?』

「スゲーじゃねぇか!そのXANXUSってやつ!」

 

 リボーンからの報告を受け、歓喜の声をあげるボンゴレファミリー達とシンフォギア組。そんな中、一人だけ違う反応を示している人物がいた。

 

『せっかくのニュースに水を差すようだが、喜ぶのはまだ早いな…』

 

 入江はゴロゴロなっている腹を押さえながら、リボーンの前に立つ。

 

『大将を討っても兵力に圧倒的な差がある。ミルフィオーレが新しい大将をたて、長期戦になれば…』

『その心配もねーぞ。敵は撤退をしはじめたそーだ』

『おおっ!』『え!?』『ってことは!』

『勝利じゃないか!』

『まーな』

『これならいける!!ボンゴレの戦力は想像以上だ!!主力部隊を追い込むなんて!』

『急に興奮しやがって…』

「だが、彼が歓喜するのも理解できる。自軍の部隊が敵の主戦力を退けたとなれば、それだけでも味方の指揮が高まる筈だ」

【すごい…!!さすがヴァリアー…さすがXANXUSだ!!あとは、白蘭を倒すだけ─】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔いいや、ただの小休止だよ〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 喜ぶツナ達の耳に、第三者の声が響いた。

 

〔イタリアの主力戦も、日本のメローネ基地も、すんごい楽しかった〕

 

 突然聞こえてきた声に警戒するツナ達の前に─響達と共に振り返っている彼にとって、過去でもあり未来でもある姿─ホワイトスペルの隊員服を着た白蘭が、ホログラムで現れた。

 

『…こ…こいつが…』

『白蘭サン!!』

「今の白蘭さんと比べると、少し大人びてるような…いや、あまり変わってないような…?」

〔ボンゴレの誇る最強部隊の本気が見れちゃったりして、前哨戦としては相当、有意義だったよね♪〕

 

 ホログラムの白蘭は、響達が知るいつもと変わらぬ笑みを浮かべながら話を続ける。

 

〔メローネ基地で僕を欺こうと必死に演技する正チャンも面白かったなぁ〕

「気づいていたのか!?」

『じゃあ僕が騙してたのを…』

〔うん、バレバレだよ〕

 

 騙していたことが既にバレていたことを知りショックを受ける入江。

 

〔確かにこの戦いを逆に利用して、敵に寝返る計画はよくできていたし、正直、ボンゴレと手を組むなんて思ってなかったけど─正チャンがいつか敵になるのは想定の範囲内だったからね─だって、昔からずーっと正チャン、僕のすることなすこと、いつも否定的な目で見てたもん〕

「それじゃあ、入江さんが今までしてきたことは…」

『─あなたは…間違ってる!』

〔ほーらきた!まあ好きにすればいいよ。どっちが正しいかは今に分かるし─しっかし、正チャンもつくづく物好きだよね─まだケツの青いボンゴレ10代目なんかに世界の命運をあずけちゃうなんてさ〕

【世界の命運…?】

〔本当はこのまま、息つく暇なく戦力を投入して、ボンゴレを消すのは簡単なんだ。でも、ここまで楽しませてもらったのは確かだし〕

 

 そこで白蘭は入江に視線を向ける。

 

〔それに信頼してた副官に裏切られたとあっちゃ、リーダーとしてのプライドにかかわっちゃうだろ?だから、そろそろちゃんとやろーと思って〕

 

 白蘭はいつもは閉じている瞼を開き、笑顔で言いはなった。

 

〔沢田綱吉クン率いるボンゴレファミリーと、僕のミルフィオーレファミリーとの─正式な力比べをね〕

「正式な…」

【力比べ…?】

〔もちろん7^3をかけてね。時期的にもぴったりなんだ─正チャンやこの古い世界とのお別れ会と─新世界を祝うセレモニーにさ♪〕

『待ってください白蘭サン!そう簡単にいくでしょうか!?』

〔お!元気だなー、正チャン〕

『あなたはこのメローネ基地に4人、イタリアに1人、計5人の6弔花を送り込み、7つのうち5つのマーレリングを失っている…もはや、あなたは翼をもがれた鳥だ』

「え!?そんなに!?」

「そうなんだよねー。日本に送った隊員の内、正チャン、グロ・キシニア君、γ(ガンマ)クン、幻チャンの4人がそれぞれ晴・雨・雷・霧の。そんで、イタリアに送ったジルクンことラジエル君が嵐。これで、僕の手元に残ってるリングは大空と雲だけになっちゃったんだよ~」

「おいおい!そんなに減ってんならもう惨敗じゃねえか!なのに何でこんなに余裕そうなんだ…」

〔「ま、それが本物ならね」〕

 

 クリスの困惑に、二人の白蘭が同時にそう答えた直後、入江の持っていたリングにヒビが入り─石を残して砕け散った。

 

「これは…まさか!」

『ニセモノ!!』

〔もちろん、それもランクAのスゲー石なんだけどね。7^3はもっと特別なの〕

 

 白蘭はそう言って、身に付けていたマーレリングを自慢げに掲げる。

 

『だけど…』

〔悪いけど、正チャンには秘密で他に組織してあるんだ〕

『!?』

〔正チャンに会わすには刺激が強すぎると思ったから伏せといたんだけど、もう敵同士だからいいよね〕

 

 白蘭の頭上に歪みが発生する。

 

〔紹介するね〕

 

 そして写し出されたのは─

 

一人は、後ろで束ねた青緑色の長髪と、アイメイクが特徴的な青年

一人は、溶岩のように真っ赤な髪と、剃り残しのような無精髭が目立つ男性

一人は淡い青色のロングヘアーに、硝子細工のような髪飾りをつけた少女

一人は、鬼のような仮面をつけ、怪しげな雰囲気を醸し出している大男

一人は、顔に大きな傷があり、手には包帯を巻いているセミロングの少年

一人は、鎖で縛られ、酸素マスクらしきものをつけられている男

 

─と、それぞれ印象の強い見た目の6人。

 

〔彼らが本物のミルフィオーレファミリー6人の守護者─(リアル)6弔花♪〕

『リ…真6弔花!?』

〔うん♪彼らこそが、僕が新世界を創るために選んだ─真のマーレリング保持者(ホルダー)にして、僕の本当の守護者達だよ〕




うーん…やっぱり「次回は○○まで行きます!」とか書いても、その目標に到達できる自信がないなぁ…まぁでも、この調子なら次回はボンゴレ匣入手までは行ける可能性が高いので頑張ってみます。
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