戦姫燈炎SYMPHOGEAR!   作:生粋の名無し

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なんとかできました。ついにオリジナルがでます。


標的(ターゲット)3 Ver.Ⅰ世(プリーモ)

それは、奏が助けられる少し前─

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ツナは響を抱きかかえ、通路を走っていた。その間もツナは奏のことを考える。

 

(あの人がなにをしようとしているのか俺には分からない…だけど、あのままだと本当に…っ!)

 

 通路を走り抜け、出口に向かっていると、後ろから微かに歌声が聞こえる。

 

(この歌声は、奏さんの…)

 

それを聞いたツナは超直感で気付く。

 

(この歌は歌わせちゃいけない気がする…まさか!これが奏さんの…!?)

 

 そう考えながら出口に向かうと、近くの広場に大勢の人が集まっていた。そしてツナは近くの人に駆け寄る。

 

「すみません!」

「ん?どうしたのか…な!?大丈夫かいその子!?」

 

 話しかけられた男性は不思議そうにツナの方を振り向いたが、抱きかかえられている響の傷を見て慌てて近寄る。

 

「すみません!彼女のこと、頼みます!」

「えっ、ちょっと!?君は!?」

 

 ツナは響をその男性に預け、意識を失っている響の頭を優しく撫でる。

 

(ごめん…響!)「会場に大事なものをおいてきたのでそれを取りに行ってきます!」

「あ!待ちたまえ君!」

 

 ツナは男性の制止を振り切り、会場に戻る。そして先ほど通ってきた通路に向かうと、遠目で奏を確認できた。

 

(よかった、まだ生きてる!それに、さっき聞こえた歌声も聞こえない…でも、膝をついてるし無事ではなさそう……っ!)

 

 ツナは奏が生きていることを確認して安心するが、その直後、奏に近づくノイズが視界にはいる。ツナはすぐにポケットから─トイレからでる際に鞄から取り出していたX(イクス)グローブと死ぬ気丸を取り出し、ミトン状態のX(イクス)グローブをはめようとした直後、ノイズが襲撃してきた際、なぜ「超死ぬ気モード」にならず、逃げの一手をとったのかに気付く。

 

 

 

 

 

 

(ダメだ!この(状態)だとVG(ボンゴレギア)に耐えきれない!)

 

 

 

 

 

 

 ツナの体は現在、リボーンが来てすぐの頃の状態まで戻っている─つまり、VG(ボンゴレギア)やボンゴレリング以前に、X(イクス)グローブの使い方すら体に馴染んでいない頃まで戻っているのだ。さらにVG(ボンゴレギア)は、作られた際、所有者の肉体にもっとも適した状態になり、そこから使用者が成長するにつれてVG(ボンゴレギア)も強化されている。そんなVG(もの)を今の状態で使ってしまったら、体が負担に耐えきれず、ノイズを倒しきる前に戦闘不能に陥ってしまうかもしれない。その事にツナの無意識領域と超直感が理解していたから、ツナ自身、気付かぬうちに「超死ぬ気モード」になっていなかったのだ。

 その事に気付き、どうすればいいのか考えている間にも、ノイズの集団は刻一刻と奏に近づいてきている。

 

(負担なんてこの際どうでもいい!このまま奏さんを死なせてしまったら、俺はっ!)

 

 

 

 

 

「俺は死んでも死にきれない!」

 

 

 

 

 

 

 ツナが覚悟を決め、再びX(イクス)グローブをはめようとした直後、VG(ボンゴレギア)についている石から光が伸び、ツナの額に小さなボンゴレの紋章を写し出す。その直後、ツナの意識はVG(ボンゴレギア)の中に吸い込まれる。気がつくと、十年後の世界でボンゴレの業を引き継ぐ覚悟が試される試練を乗り切った際に現れた空間にいた。だが、前回とは違い、Ⅰ世(プリーモ)以外誰もいない。いきなり意識が吸い込まれたことに慌てるツナに、Ⅰ世(プリーモ)─ジョットが話しかける。

 

Ⅹ世(デーチモ)─お前の覚悟、しかと受け取った。お前に力を貸そう…」

「え!?」

 

 ツナは、いきなり、初代ボンゴレのボスであり自分の先祖であるジョットから力を貸すと言われ驚きのあまり声を上げる。そんなツナに対しジョットは話を続ける。

 

「お前が「超死ぬ気(ハイパー)モード」になっている間、私の力─私の肉体を貸し与える」

「え、でもそんなのどうやって…あ!」

 

 そこでツナが気付く。

 

「ボンゴレリングの縦の時空軸!」

「その通りだ。縦の時空軸の奇跡で過去から一時的に私の肉体を現代のⅩ世(デーチモ)の肉体に重ねる─いわゆる憑依のようなものだ」

 

 ジョットは説明を続ける。

 

「私の肉体を憑依させている間は、身体能力が強化され、超直感(ブラッド・オブ・ボンゴレ)は、通常時のⅩ世(デーチモ)のハイパーモードの時よりもさらに強くなる。X(イクス)グローブの外見は、Ⅹ世(デーチモ)が『死ぬ気の零地点突破・初代(ファースト)エディション』を使う際に変化する手甲が『Ⅰ』の状態だが、性能はVer.V.R.(ボンゴレリング)と同等だ。そして、『Ⅰ世のマント(マンテッロ・ディ・ボンゴレ・プリーモ)』は憑依する際に一緒に装備しており、『Ⅰ世のガントレット(ミテーナ・ディ・ボンゴレ・プリーモ)』はⅩ世(デーチモ)の相棒の(ボックス)アニマルであるナッツの形態変化(カンビオフォルマ)を使わずに変化させることができる。だが、ボンゴレリングの縦の時空軸の力を使うために、VG(ボンゴレギア)を一時的に原型(オリジナル)のボンゴレリングに退化させる必要があり、その際にナッツの魂も一時的にボンゴレリングの中に収納されて召喚出来なくなる。それでもいいか?」

 

 性能などについて説明し終わり、ジョットはツナに問いかける。

 

「はい!─それに、力を貸してくれるだけでも、とてもありがたいです」

 

 ツナはそう言い、微笑む。

 

「─そうか…」

 

 ツナの言葉を聞いてジョットも微笑む。

 

「お前の技もいくつか使えるようになっている。─行ってこい!我が子孫よ!」

「!」

 

 ジョットがそう言った直後、ツナの意識は現実に戻ってくる。すぐにノイズの方を見ると、意識が吸い込まれる直前の位置にいた。どうやらジョットと話をしていた間、時間はほとんど進んでいなかったらしい。

 

「ありがとう、Ⅰ世(プリーモ)─いや、ジョットさん!」

 

 力を貸してくれた自分の先祖に感謝しながら、ツナは今度こそ手袋─X(イクス)グローブをはめ、フィルムケースから死ぬ気丸を一つ取り出し飲み込む。

 

 

 

 

 

 

 ツナの額にオレンジ色の炎が灯る─

 

 

 

 

 

 

 すると、ツナの姿が変わる。

 身長が伸び、髪も金髪に。さらに服装も、私服からスーツに変わり、マントが羽織られる。そして手袋の形が変わり、手甲に『Ⅰ』と刻まれたX(イクス)グローブ─名付けるなら、『X(イクス)グローブVer.Ⅰ世(プリーモ)』といったところか─に変化、VG(ボンゴレギア)原型(オリジナル)のボンゴレリングに姿を変える。

 

 

 

 

 

 

─ツナは『超死ぬ気(ハイパー)モードVer.Ⅰ世(プリーモ)』になった─

 

 

 

 

 

 

 ハイパーモードになったツナは、今にもノイズに襲われそうになっている奏を確認し、X(イクス)グローブから死ぬ気の炎を噴射し、残像が残るほどの速さで奏の前に移動し、大型ノイズの攻撃を片手で受け止める。その直後、後ろで死を覚悟していた奏が目を開き、こちらを見て驚く。

 

「もう大丈夫だ」

 

 奏に向けてそう言い、ノイズを掴んでいた手を開く。そして一瞬にして大型ノイズの顔の前まで移動し、右手のグローブを『Ⅰ世のガントレット』に変化させ、『ビックバンアクセル』を放つ。『ビッグバンアクセル』をうけたノイズの顔は綺麗に消滅し、残った体も徐々に崩れ去っていく。奏は、いきなり現れた男が謎の武器と炎でノイズを倒したことに衝撃をうける。大型ノイズを倒したツナは奏の方を向く。

 

「残りのノイズは俺が倒す。だから─命を捨てる必要はない」

 

 ツナがそう言うと、奏は安心したのか、意識を失い倒れそうになる。ツナはすぐに奏の元に行き奏の体を支える。その直後、奏が纏っていたシンフォギアが徐々に消滅しはじめる。どうやらシンフォギアは負担に耐えきれなかったようだ。

 

(この人の体、何かが蝕んでいるな…)

 

 シンフォギアが消滅しはじめ、徐々に奏の素肌が露になっているなか、ツナは奏の体を触った際に感じた違和感に気付く。そしてシンフォギアの消滅が胸元まで来ているところで、ツナは自分が羽織っていた『Ⅰ世のマント』で奏の体を包む。そして抱きかかえ、会場内の比較的原型を保っている座席までつれていき優しく横たわらせる。そして再びノイズの元に向かう。

 

「かかってこい!」

 

 ツナがそう言い放つと共に、ノイズが襲いかかる。ツナは手甲でいなし、炎を瞬間噴射して回避しながら、隙をついて殴り、確実に倒していく。その間、ツナは思考をフル回転させる。

 

(響の話だと、ノイズは触れた人間を自分もろとも炭化させるらしいが、X(イクス)グローブで殴っても俺は炭化しない…何故だ……もしや)

 

 ツナはある可能性を思いつき、X(イクス)グローブを通して全身に死ぬ気の炎を纏い、近くのノイズにかかと落としをかます。すると、自分は炭化せず、ノイズだけが崩れ始めた。

 

(やはり、死ぬ気の炎を纏っている所は炭化しない!)

 

 ツナはさらに思考を回転させ、ノイズの特徴を解析しはじめる。

 

(恐らく、こいつらは炭化以外にも能力があるはず。それによって通常の攻撃を無効化しているな!)

 

 ツナはノイズの『位相差障壁』の存在に気付き、考えはじめる。

 

(恐らく、物理法則に干渉して状況によって状態を変化させているはず…そのせいで通常の銃器が効かないのだろう…だが、奏が纏っていたアーマーと死ぬ気の炎はその能力を貫通して相手にダメージを与える事できるようだ)

 

 ツナはノイズの能力について自分なりに纏める。そしてノイズを倒していくが…

 

(クソッ!数が多すぎる!)

 

 ノイズの数が予想より多く、倒しても倒してもわいてくる。対処できてはいるが、このままでは押しきられるかもしれないと思った直後、ツナはジョットが最後にいっていた言葉を思い出す。

 

(そういえば、「いくつかの技は使えるようになっている」といっていたが…本来のハイパーモードの時よりも強化された超直感なら…!)

 

 ツナはある作戦を考え、ノイズに向き直る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 信じられない。それが翼が思った言葉だった。

 それもしょうがない。額から炎を吹き出している見知らぬ男が、奏を庇い、一瞬でノイズの眼前に迫り、シンフォギアを纏わずにノイズを倒したのだから。その際に奏が倒れそうになったが、その男が受け止め、着ていたマントを奏に着せて離れた場所に避難させていた。

 本当ならすぐにでも奏の元に行きたいが、邪魔をするようにノイズが迫ってくる。男は今もなおノイズを倒し続けている。その姿を、戦いながら観察していると、男が空中で止まりノイズに向き合う。

 

(何をするつもりだ…?)

 

 自分の方に来ていたノイズを全て倒しきり、男の様子を眺める。すると、男の額の炎がノッキングしているような動きをし始める。そして男はそのままノイズの集団に突っ込んでいく。

 

(無謀だ!)

 

 翼は男の行動にそう感じた。確かに、普通の人ならそう思うだろう。だが、その心配は必要なかった。

 男がノイズ達の目の前に降り立ち、地面に手をついた瞬間─

 

「なっ!?」

 

 

 

 

 

 

ノイズ達の足元が凍りつき、ノイズ達の動きを止めたからだ─

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『死ぬ気の零地点突破・初代(ファースト)エディション』─それは、初代ボンゴレボスであるジョットが編み出した伝説的な技で、自らの死ぬ気の炎を強力な冷気に変換して対象を凍らせることができる。

 その威力は強力で多重層16300層まで凍らせるほどであり、氷は死ぬ気の炎のような超圧縮エネルギーのため通常は溶けることはなく、死ぬ気の炎以外での解凍は出来ない。

 そしてツナが考えた通り、死ぬ気の炎はノイズの『位相差障壁』を貫通する力をもっており、死ぬ気の炎を変換して作られた氷によって、ノイズ達は身動きがとれなくなった。

 

(これで()が定まった!)

 

 ツナが『死ぬ気の零地点突破・初代(ファースト)エディション』を使ってノイズの動きを止めたのは、()()()を使うためだった。ツナはノイズ達から離れ、未だ戦っている翼が斜線上に入らない位置に向かい、準備をはじめる。

 

 

 

 

 

 

 右手を後ろに向け、柔の炎を放出し姿勢を制御し、左手に爆発的なエネルギーを持つ剛の炎をチャージし始める。本来であれば2つの炎の的確な制御が必要な技であり、専用のヘッドフォンとコンタクトディスプレイを用いなければ失敗して吹き飛ばされてしまう。

 だが、Ver.Ⅰ世(プリーモ)になったことで強化された超直感によってその二つを用いなくても力の調整ができるようになるのではないかとツナは考えたのだ。

 その考えは見事に的中。柔の炎の放出量と剛の炎のチャージ量のFV(フィアンマボルテージ)を完全に把握できている。

 その事を理解したツナは、右手にチャージしている剛の炎のFV(フィアンマボルテージ)を徐々に上げはじめ、それにあわせて左手から放出している柔の炎のFV(フィアンマボルテージ)も上げる。そして柔の炎と剛の炎が規定値─数値でいうと25,000FV─まで達し、左手をノイズに向け─

 

 

 

 

 

 

X(イクス) BURNER(バーナー)!!!」

 

 

 

 

 

 

 橙色の炎がノイズ達を飲み込む。放出された剛の炎は、ノイズ達を『死ぬ気の零地点突破』の氷もろとも包み込み─

 

 

 

 

 

 

 炎がおさまると、ノイズ達は一つ残らず消滅していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翼は目の前で起こったことが信じられなかった。何せ、男がノイズ達の足元を凍らせたかと思ったら、ノイズから離れ、右手を後ろに向けて炎を放出し始め、少しして左手をノイズに向け、男が叫ぶと共に炎がノイズを飲み込むと、シンフォギアでしか倒すことが出来ない存在であるノイズが、完全に消滅していたのだから。

 その光景に放心していると、男─ツナは奏を抱え、翼の目の前に立っていた。それに気付いた翼は反射的に、数歩下がり身構える。

 

「彼女のことは任せた」

 

 そんな翼に対し、ツナはそう言って奏を引き渡そうとする。翼は最初、罠の可能性を考えた身構えていたが、ツナの目を見ると、心を優しく包まれたような感覚になり、気付けば構えを解き、ツナに近づいていた。

 ツナは翼に奏を託し、奏に着せていたマントを上手に取り外して羽織ると、その場から立ち去ろうとする。

 

「待て!お前は何者だ!その力はなんだ!?」

 

 翼は、立ち去ろうとするツナにそう問いかける。

 

「すまない…その質問に答えることは、今は出来ない……だが、あなたとはいずれまたどこかで会える気がする。そのときは、俺の事やこの力の事について全て話そう…」

 

 ツナはそう言って、グローブから死ぬ気の炎を噴射し、空を飛んでその場から離れる。

 離れていくツナの姿を、翼はただ見つめていた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あんなことが起こったからダメかと思ったけど、無事でよかった~!」

 

 ツナは今、最初に翔ばされた場所であるトイレにいた。ノイズを倒し、翼の元から立ち去った後、ツナは隠れて死ぬ気モードを解き、自分の荷物を回収するためこの場所に戻ってきていたのである。向かっている途中、ノイズの襲撃が起こったことで壊されたのではないかと考えていたので、とても安心したことだろう。

 

「それにしても…『ノイズ』、か…」

 

 ツナは、元の世界からもってきた鞄を回収し会場の出口に向かっている途中、そう呟く。

 

(あいつらと戦って気付いたけど…あいつらは生き物じゃなくて兵器に近い存在だ…お陰で遠慮無しで戦えたけど…あんな奴らがいつ出てくるか分からない世界か…俺、無事に戻れるかな?ていうか、そもそも元の世界に戻る方法すら分からないし…)

 

 考えるとどんどん出てくる負の思考の連鎖によってどんどん落ち込んでいくツナ。すると、

 

「ガウッ」

 

VG(ボンゴレギア)と融合しているツナの(ボックス)アニマル─ナッツがツナを励ますように吠える。

 

「そう…だよな。こんなところで落ち込んでてもダメだよな。それに、リボーンがいたら『情けねぇぞダメツナ』っていって来るだろうしな」

 

 そう呟き、顔を上げるツナ。すると、ちょうど出口の手前にいた。ツナは出口を駆け抜け、避難した人達の中に向かって走っていった。




大分長くなってしまった…なんか途中言葉混乱してそうな気がする…
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