でも、出来れば今日もう一本上げられればとも思ってます。
~2017年4月9日~
学生の新たな学校生活が始まる日である4月の今日、この作品の主人公であるツナこと沢田綱吉は…
A.M.8:30
「やべー!入学式早々遅刻するー!」
彼にしては珍しく、学校に遅刻しそうになっていた。
なぜ彼が遅刻しそうになっているのか。その理由は、今日もいつものように朝のランニングを行っていると、『偶然』野良犬と鉢合わせ、一時間以上もの間追いかけ回された挙げ句、自ら足を滑らせ川に落ちてしまった。その後、野良犬に長い時間追いかけ回されたせいで家からだいぶん離れており、ずぶ濡れのままさらに一時間以上かけて家に戻り、シャワーを浴びたり学校の準備をしたりしていたら、こんな時間になっていたのだ。
「何で今日に限ってこんなにツイてないのー!?」
走りながらそう叫ぶツナ。
そして走り続けること数分、学校まであと少しというところまで来た。
「ハァ、ハァ…これなら、なんとか間に合うかも…」
そう呟き、少しペースを落として学校に向かっていると
「ん?あれって…」
近くの木に誰かが上っていた。その人物を確認するため、ツナが近づくと…
「よしよーし、もう大丈夫だからね~」
「んな!?響!?なにやってるの!?」
木に上っていたのは、ツナがこの世界に来て初めてあった少女であり、今では親友といっても過言ではないぐらいの仲になった少女、立花響であった。彼女はツナの声に気付き、木の上から彼を見下ろす。その腕には猫が抱えられていた。
「あ、おはようツナ!いや~、この子が木から降りれなくなってたからさ~」
「はぁ…ホント、響は人助けが好きだな。…いや、猫は人じゃないか…」
響の癖をよく知っているツナは、彼女の言葉を聞いてあきれ果てる。あきれ果てるツナに苦笑いしていると
「あわ!あわわ!」
木の上でバランスを崩し始め
「うわー!」
「え、ちょっ─グエ!」
響は猫を抱いたまま木の上から落ちてしまい、響の下にいたツナは、仰向けの姿勢で押し潰されるような形で響の下敷きになってしまう。
「イッツツ…あ!ツナ、大丈夫!?」
「ゲホッゲホッ…な、なんとか…響の方は…?」
響は自分のクッションになったツナを気にかかるが、ツナは少し咳をしたあとどうにか無事であることを伝え、逆に響の無事を確認してくる。
「私の方は大丈夫。猫ちゃんも無事だよ」
「そっか、ならよかったよ」
響達が無事であることを聞き、ひと安心するツナ。だがあることを思い出し、鞄から急いでスマホを取り出し、電源をつける。すると画面には
『08:55』
と表記されていた。
「ヤベー!急がねーと!」
そう言いながら響にもその画面を見せる。するとそれを見た響も慌て始め、すぐに立ち上がりリディアン音楽院に向かい走り始める。それを見たツナも自分が通う高校に向かい走る。
「私、呪われてるかもー!」「俺、やっぱツイてねー!」
二人は互いにそう叫びながら学校に向かい、そして─
「立花さん!」
「あ、アハハ…」
響は案の定遅刻し、教師に怒られていた。ちなみにツナの方はというと─
「お、遅刻か沢田。なんだ?犬にでも追いかけ回されたか?」
ツナの担任は心配しつつも笑いながらツナにそう言ってくる。見事に正解している担任の言葉にツナはただただ苦笑いするしかない。
「いや、もしかしたら川にでも落ちたんじゃないですか?何せ、勉強や運動は優秀なのに、他のことになるとダメダメな『ダメツナ』ですから!」
「「「「「アハハハハ!」」」」」
「ア、アハハ…」
そしてクラスメイトにこれまた図星をつかれ、さらに自分の愛称を言われたツナは乾いた笑みを浮かべた。
「ハァー、疲れたー!入学初日からクライマックスが百連発気分だよー。私呪われてる~…」
「半分は響のドジだけど、残りはいつものお節介でしょ」
授業が終わり、苦言をこぼす響に幼馴染み兼保護者であり、同じ寮のルームメンバーでもある小日向未来がそう訴える。
「人助けと言ってよ~、人助けは私の趣味なんだから~」
「響の場合、度が過ぎてるの。同じクラスの子に、自分の教科書貸さないでしょ?普通」
「私は未来から見せてもらうからいいんだよー」
そう言って響は笑う。そんな響に未来は少し不満そうな顔をして
「バカ…」
響に聞こえない声でそう呟いた。
「おお!?」
響は未来の言葉に気付かず、机の上にあったポスターを目の前に掲げる。
「CD発売はもう明日だっけ!?」
そう言って手に持っていたポスターを抱き締める。
「やっぱ格好いいな~翼さんは!」
そう呟く響を見て微笑む未来。
「翼さんに憧れて、リディアンに進学したんだもんね。たいしたものだわ」
「だけど、影すら御目にかかれなかった…」
未来が、響がリディアンに入学した理由に少し呆れつつも、努力して入学することが出来たことを称賛するが、響は不満げに返す。
「そりゃあトップアーティストなんだから、そう簡単に会えるとは思ってないけどさ」
そう呟き、胸元にある、音符の『f』の形をした傷跡を見て、ライブ会場で自分を助けてくれた『ツヴァイウィング』の二人のことを思い出す。そして退院後に自分が聞いた話は、大勢の人が世界災厄である『ノイズ』の犠牲になったということだけであることを思い出し、自分が見た光景は幻だったのかと物思いに耽る。
(私が翼さんに会いたいのは、あの日何が起こっていたのか、分かるような気がしているから…あの日一緒にライブ会場にいたツナは何も話してくれないし…)
そこで響は朝のことを思い出す。
「あ、そういえば今日の朝、学校に急いでるツナと会ったよー。ツナにしては珍しく慌ててた。ツナの方は学校間に合ったかな~」
「え?そうなの?ツナにしては珍しいね?」
響の言葉を聞いた未来は不思議そうにしながら考える。
「…朝のランニング中に、野良犬にでも追いかけ回されたのかしら?」
「もしかしたら、そのあと自分で足を滑らせて川に落ちて、びしょ濡れで一時間近くかけて家に帰ってたりして!」
ツナのことをよく知っている二人は、彼の身に起こったことを見事に的中させる。伊達に二年間近く三人でつるんで親友にまでなっているわけではないのだ。
そんなツナはというと…
「くしゅん!」
ちょうど学校の校門を通るところだった。
「なんだろ?風邪かな?それとも響が噂でもしてるのかな?」
見事に後者が的中しているが気付いていないツナは、そのまま帰宅の途に入る。
「あ、そういえば明日は『ツヴァイウィング』の新曲が出るんだっけ」
帰る途中、先ほど響が言っていたこととほぼ同じようなことを呟くツナ。彼は元々音楽は好きな方で、元の世界では通学路でよく演歌を聞いていたが、この世界に来た際に『ツヴァイウィング』の歌を聞いて、彼女達の大ファンになってしまい、今では通学路や朝のランニングでは、よく『ツヴァイウィング』の曲を聞きながら登校やランニングを行うようになっていた。
「にしても、また高校の入学式に出ることになるなんてな~」
そう呟いて、この世界で過ごした日々を思い出すツナ。それと同時に、元の世界の家族や仲間達のことも思い出す。
「…みんな、元気にしてるかな…」
最後にそう呟くと、そのまま家に帰っていった。
その日の夜。
リディアン音楽院近くの山に大量のノイズが発生し、戦闘員と思われる隊員たちが攻撃を行っていた。しかし、銃弾もミサイルも全てノイズを通り抜けてしまう。
「やはり、通常兵器では無理なのか!?」
隊員の一人が、自分達の無力さに悔しさをにじませていると
《Imyuteus amenohabakiri tron…》
どこかから歌声が聞こえ、回りを見回していると、上空をヘリコプターが通りすぎていく。そしてヘリコプターが大型ノイズの近くで旋回すると同時に、一人の女性が飛び降りる。そして降下していく女性の回りに光の輪が現れ、光が女性を包み込むと、外見が変化し、女性はそのまま地面に降り立つ。そしてその女性─風鳴翼にノイズたちが近づいてくる。すると彼女の纏うシンフォギア─天羽々斬の脚部のブレードが展開される。
『翼、まずは一課と連携しつつ、相手の出方を見て─「いえ、私一人で問題ありません」翼!』
翼は命令を無視し、日本刀状のアームドギアを取り出す。
「
翼が歌い始める。
逆立ちと同時に横回転し、展開した脚部のブレードで周囲のノイズを切り裂いていく。
『逆羅刹』
逆羅刹である程度ノイズ達を倒すと、空高く舞う。
「
空間から大量の青いエネルギー剣を具現化し、上空から落下させ広範囲を攻撃しノイズ達を殲滅していく。
『千ノ落涙』
地面に着地すると、大型ノイズの方を向く。すると翼の持っていたアームドギアが変形し、大剣状に変化する。
「
大型ノイズに向かって走り、空高く翔び上がり、アームドギアを振るい、巨大な青いエネルギー刃を放ち大型ノイズを両断する。
『蒼ノ一閃』
翼が着地すると、両断された大型ノイズが一瞬炭化したあと、爆散し、シンフォギアのアーマーから蒸気が噴出される。そして翼は残っているノイズに向かい走り出した…
「自衛隊、特異災害起動部による、避難誘導は完了しており、被害は最小限に押さえられた、だって」
次の日の朝、食堂で未来はご飯をガツガツ食べている響の前で、携帯のニュースを読み上げていた。
「ここから、そう離れていないね」
「うん…」
未来の言葉に同意し、一度食べる手を止める響。すると周囲が先程までとは違ったざわつきを始める。
「ねぇ、風鳴翼よ!」「芸能人オーラ出まくりで、近寄りがたくて…」「孤高の歌姫と言ったところね!」
その言葉を聞いた響は、勢いよく立ち上がり振り返ると、偶然通りかかった風鳴翼が目の前にいた。憧れの存在を目の前にして、息を飲む響。翼はそんな響の方を向く。
「あ、あの…」
響は緊張のあまり、手に持っていた茶碗と箸ごと手を震わせる。すると翼は無言で自分の口元を指差す。
「へ?」
それを見た響は自分の口元に視線をおとし、指で確認すると─
ご飯粒が二つほど引っ付いていた。
「あぁ~…もうダメだ…翼さんに完璧可笑しな子だと思われた…」
「間違ってないんだからいいんじゃない?」
朝の食堂での出来事以降、今日一日ずっと落ち込んでいた響がそう呟くと、未来は辛辣な感想をのべる。
「それ、もう少しかかりそう?」
響は未来にそう質問する。
「うん…ん?あぁそっか、今日は翼さんのCD発売だったね…でも、今時CD?」
未来は昨日、響が言っていたことを思い出し、なぜCDなのか問い返す。
「う~るっさいな~、初回特典の充実度が違うんだよ~CDは~」
「だとしたら、売り切れちゃうんじゃない?」
嬉しそうにしながら未来の問いに答えた響だが、それを聞いた未来の一言で勢いよく起き上がり、未来をおいてCD屋に向かった。
その頃ツナは、
「今日はなんとか遅刻せずに登校できたけど、疲れたな~…」
そう呟きつつも、彼もCD屋に向かっていた。
「昨日のノイズ事件、リディアンからあまり離れてなかったけど、響達は無事だったかな?」
朝のランニング中に、以前「超死ぬ気モード」の特訓をしていた山が封鎖されていたことと、ランニング後の朝食中のニュースを思い出し、響達の心配をするツナ。すると、ちょうど昨日、響と登校中にであった場所で彼女を見かけた。呼吸を荒くしていることからどうやら走って来たようだ。
「あ、響じゃん。どうしたんだそんなに慌てて?」
「急がないと、CDの初回特典が無くなっちゃう!」
響の言葉を聞いて彼女が急いでる理由を理解したツナ。すると突然
「ツナも翼さんのCD買いにいくんでしょ!?なら急がないと!」
「え!?ちょっと、響!?」
そう言って響はツナの手をつかみ全力で走り出す。初回特典などはついてくれば嬉しくはあるが、別にそこまで固執していないツナは、響の行動に驚き制止しようとするが無視され、響につれられ街に向かった。
「ハッハッ、CD!ハッハッ、特典!」
そう呟きながらツナを引っ張り走る響。ツナは、体力はだいぶついている方だが、響に無理矢理に近い形で引っ張られていることから少し疲弊している様子。
そしてリディアンから少し離れたコンビニの角を曲がったところでやっと響が立ち止まり息を整え始め、ツナも呼吸を整える。
「ハァ、ハァ…ちょっとは、落ち着きなって…」
「ハァ、ハァ…ア、アハハハ…ごめんごめん…」
そんな会話をして、息を整えると歩きだそうとする二人。だが、目の前の光景を見て立ち止まる。二人の目の前には─
いたるところに
「「ノイズっ」」
その灰を見たツナ達はその原因に気付く。すると
「イヤーッ!」
どこからか悲鳴が聞こえ、声がした方に向かうと、ノイズに追われる少女がいた。響はすぐさま少女の元に駆け寄り、手をつかんでツナの元に戻ってくる。
(とにかく、できるだけ響達からノイズを遠ざけないと…!)
そう考えたツナは
「こっちだ、ノイズ!」
おびき寄せるように叫び、響達から離れていく。その作戦は成功したようで、何割かのノイズは離れていくツナを追いかけ始める。
「ツナ!?」
「コイツらは俺がどうにかする!今のうちにその子をつれて早く逃げろ!俺は大丈夫だから、心配しないで!」
そう言って、ツナはノイズをつれて走り去っていく。ツナの後ろ姿を心配そうに見ていた響だったが、ツナの言葉を思い出し、すぐに少女の手を掴み、ツナが逃げた方向とは逆の方向に走り出した。
「状況を教えてください!」
とある施設の作戦指令室に入ってきた翼は現状を確認する。
「現在、反応を絞り混み、位置の特定を最優先しています」
確認してきた翼に、隊員がそう話す。それを聞いた翼は、ノイズの反応を映すモニターを睨み付けていた。
「ハァ、ハァ…ここまで離れれば、人目にもつかないし、響達に見られたりもしないだろ…」
囮役としてノイズを引き付けつつ、街の人々が被害に会わないように裏路地を利用して逃げ回っていたツナは、響達がいた所からだいぶ離れた場所まで来ていた。空を見上げると、ほとんどの色を黒が占めており、夕日は沈みかけていた。
彼は息を整え、ノイズ達の方を向く。ノイズは徐々にツナとの距離を縮めていく。
彼は静かに鞄からヘッドフォンとコンタクトディスプレイ、ポケットからミトンと大空のリングを取り出し、身につける。そしてフィルムケースから死ぬ気丸をひとつ取り出し服用する。
─彼の額にオレンジ色の炎が灯る─
それと同時に
「いくぞ」
ツナはそう言うと、一瞬にして先頭にいたノイズの元に近寄り、顔と思われる部位を容赦なく殴る。殴られたノイズは空高く上がり、炭になって消滅する。
ツナは攻撃の手を止めない。最初のノイズを倒した彼は直ぐ近くにいたノイズ達に「Xカノン」を連射する。
Xカノンをくらったノイズは一瞬にして炭化し消滅する。ノイズは反撃しようとするが、ツナは一瞬にしてノイズ達から距離をとる。そんな彼にノイズ達は体を槍状に変形し飛んでくる。それに対し、ツナは
「ナッツ!!
大空のリングからナッツを呼び出すと、『Ⅰ世のマント』に変化させ、ノイズ達の攻撃を防ぐ。ノイズの『位相差障壁』に干渉することができる死ぬ気の炎と、すべてを『調和』する「大空の炎」によって、『Ⅰ世のマント』に触れたノイズは位相差障壁を無効化され、「大空の炎」によって空気と「調和」され崩壊する。
それを見た残りのノイズ達は、一ヶ所に集まり融合を始め、大型ノイズに変化する。
ツナは大型ノイズに一切怯まず、ノイズを倒すための準備を行う。
「形態変化
「ビッグバンアクセル!!!」
球状に収束した死ぬ気の炎を纏った拳をノイズの顔に叩きつける。するとノイズは殴られた部位が爆発し、炭化して崩れ落ちる。大型ノイズの崩壊を見届けたツナは、周囲にノイズが残っていないこと確認すると、形態変化を解除する。
「これで俺がおびき寄せた分は終わりか…急いで響の元に向かわないと─っ!」
ツナが響を探すため周囲の確認を行おうとした直後、工場の方から光の柱がたった。それを見たツナは、その光は響が起こしたものだと『超直感』で感じた。
「ナッツ!形態変化!」
すぐにツナはナッツを形態変化させ、戦いで使った時とは違う、手の甲にボンゴレの紋章が刻まれたガントレットに変化する。ツナはナッツの形態変化が完了すると同時に、ものすごい速さで光の柱がたった工場に向かった。
時は少し遡る。
ツナと分かれたあと、響は少女を引き連れ路地裏を走っていた。だが─
「嘘!?」
路地裏を出ると、そこには大量のノイズが待ち伏せていた。ノイズは徐々に響と少女に近づき始める。
「お姉ちゃん!」
「大丈夫、お姉ちゃんが一緒にいるから…」
少女は怯えて響にしがみつく。響は声を震わせつつも少女を安心させるためそう呟く。そして周囲を確認し、少女を抱き寄せて目の前の川に飛び込んだ。そして響は少女を抱き締めたまま川の向こう岸に向かう。そして数分後─
「ハァ、ハァ…シェルターから、離れちゃった…」
川を渡りきったあと、響は少女を背負い、工場地帯まで走って来ていた。
だが、走り続けたことによる疲労から躓いてしまう。その際に背負っていた少女も放り投げられた。
響は息を整えようとしつつ、自分達が来た方向を確認する。すると
『生きるのを諦めるな!』
かつて奏に言われたことを思い出す。そして立ち上がり、再び少女を背負って工場の中に逃げ込む。
(あの日、あの時、間違いなく私は、
逃げつつも、心のなかで言葉を紡ぐ。
(私を救ってくれたあの人は、とても優しくて、力強い歌を口ずさんでいた)
そして梯子を上りきり、少女と一緒に仰向けに倒れこみ息を整える。
「…死んじゃうの…?」
少女がそう呟く。それを聞いた響は、上半身だけ起き上がり、少女に微笑みかけ、首を横に降る。『君を死なせないよ』と言わんばかりに…
だが、響が後ろを向くと、その希望を打ち砕くように、大量のノイズが迫っていた。それを見た響は後退り、少女は泣きながら響にしがみついた。
ドクン…
(私に出来ること…!)
ノイズはどんどん近づいてくる。
ドクン…
(出来ることがきっとある筈だ…!)
近づいてくるノイズを見て、少女は響に強くしがみつく
ドクン…
「生きるのを諦めないで!」
響が少女を抱き締めながらそう叫んだ。その直後─
─頭の中に歌が聞こえた─
響はその歌を口ずさむ…
《Balwisyall Nescell gungnir tron…》
すると突然、彼女の胸元─『f』型の傷跡が光り始め、光の柱が天高く上った。
「反応絞りこめました!位置、特定!」
「ノイズの輪っか内に、高出力エネルギーを検知!」
「波形の照合、急いで!」
隊員の報告を聞いた女性─櫻井了子は、すぐさま照合を開始させる。
「まさかこれって…アウフヴァッヘン波形!?」
その波形の正体を確認した了子はモニターを見上げる。するとモニター上にひとつの単語が現れる。
《GUNGNIR》
それを見た男─風鳴源十郎は
「
驚きのあまり叫んだ。そして彼の後ろにいた翼は、自分のパートナーであった天羽奏の、消滅した聖遺物の名を見て、ショックを受けていた─
響が、自分の体を光の球体のようなものが覆っていることに驚いていると、彼女の心臓を伝って、細胞が変化を始めるーー
響が苦しみ始める。そして彼女の服がプロテクトスーツに変化すると、背中から二度、機械のようなものが飛び出し、アーマーが装着される。そのアーマーは、かつて奏が纏っていたものと、とても酷似していた…
本編見てから標的0の内容を少しいじることにしました。
追記(5/25)
フォント変換してみました。