誤字修正
フィディリー様、ありがとうございます。
Gジェネラー様、ありがとうございます。
2021/02/03 追記
誤字修正
zzzz様、ありがとうございます。
灰は、率直に言って暇を持て余していた。
応接間のような部屋に案内されたは良いものの、そこから先一切の音沙汰は無い。扉の前に2人ほどの気配はあるがそれらは微動だにせずただそこに立ち尽くしている。見張りのようなものなのだろう。
完全に放置されている。少なくとも灰はそう感じていた。
ちなみに実際は灰の処遇についての話し合いが混沌を極めているだけである。当たらずとも遠からず、と言ったところだろう。
あまりにも暇であったため、灰は部屋の中を物色し始めた。探索は不死者の嗜みだ、そもそも客人を放置する方が悪い、とでも言わんばかりに堂々と。そうして手頃な本を手に取りおもむろに開く。生憎文字はこれっぽっちも理解できないが、地図のようなものと所々にある挿絵やそれの周りにある説明文のようなものを見るに、これは観光ガイドのようなものなのだろう。地理の把握の重要性をよく知る灰は、大体の地理を把握するためにそのページを読み込む。灰は
灰は読書を終えて一息つくと、扉の前の気配が増えていることに気がついた。耳を済ませるが残念ながら何を話しているのかまでは聞こえない。だが声の調子から新しく増えた気配の1人は女性であるようだ。増えた気配はもうひとつあるのだが…。灰はそれがどのようなものかは見当がつかなかった。まあ悪意は感じられないので大丈夫だろうと高を括っているうちに扉が開く。そこに居たのは全体的に白を基調とした服を着た小柄な女性と宙に浮いている小人のような謎のなにか。
「おお、本当にいたぞ!いつ見ても変な格好だな!」
浮いている奴が突然失礼なことを口にした。
なんだこいつ喰ってやろうか。
何故か自然とそんな思いが灰の胸に浮かんだ。
「失礼だよ、パイモン。…謝った方がいいんじゃない?」
「ヒィッ!お、オイラは美味しくないぞぉ!」
ここで灰は冷静になった。そもそも灰の素性は騎士ではないので別段装備の誇りといった類のものは持っていないからだ。そしてあの小さいのはパイモンという名らしい。何故見るからに食に適さないであろう姿をしているのにもかかわらずあそこまで自然に食べようと考えたのだろうか。そこまで考えたところで少女の方が口を開く。
「…えっと、うちの
「逆!逆だぞ!」
つまるところ事情聴取である。至極納得出来る理由だ。故に灰は素直に応じようとし、だが思いとどまり『旅人』に問いかけた。
「それは、騎士団の、意思か?」
灰が確認したかったところはそこである。灰は『旅人』が只者ではないことは立ち振る舞いから理解しているが彼女の見た目は少女。そして己の姿が不審人物(非常に遺憾であるが)のそれである。もし騎士団が己のような不審者(非常に遺憾であるが)の対応を子供に押し付けるような組織であるならば…。灰は騎士団を見限る腹積もりであった。
「ううん、これは私の意思。騎士団は…関係無くはないけど無理を言って代わってもらった。」
そして返答はその灰の予想を裏切るものであった。であるならば答えても良いだろうと、灰は適当なところにあった椅子を差し出し、座るように促す。そして己も椅子に腰掛け、相手の質問を待った。
「えっと、私が聞きたいことは一つだけ。あなたは。…あなたは、《旅人》ですか?」
彼女の言葉は質問の形を取っていたが、その目は疑問を提示するようなものではなく、確信を持っている者の目だった。
旅人。恐らく言葉通りの意味ではないのだろうと灰は考える。その上で自分に当てはめる。自分は遥か昔の人間だ。時間を旅した者、と言うことも可能だ。恐らく彼女の言う《旅人》はこういったものを表す隠語だろう。そこまで思考した灰は素直に頷いた。
「ああ、私は、《旅人》だ。」
「…さっきから何話してんだ?」
灰がそう答えると『旅人』はどこか安堵したような表情を浮かべ、そして直ぐに疑問を感じたように灰に話しかける。
「言葉、少しぎこちないけど。もしかして来たばっかり?」
「おい、無視すんなよ」
灰は恐らく彼女も自分と似たような境遇であると予想した。先程の安堵は仲間を見つけたが故のものであろうと。つまり彼女は正しく己の先輩だ。この世界における。そして灰の悩みを解決し得る人物である。それに気づいた灰は頭を下げて彼女に頼み込んだ。
「ああ、言葉に、苦心している。…どうか、教えて貰え、ないだろうか。」
彼女も《旅人》であるというのなら、1からここの言語を覚えたということにほかならない。ウェンティから言葉を習った灰であったが、彼の教えは些か大雑把すぎた。そもそも母語を多言語の人に教えること自体難しいことである。それに彼の性格が加わり彼の授業は常人には理解し難いレベルであった。だが彼女なら。ここの言語を1から覚えた彼女なら。少なくとも己にとっての最高の先生になる。そう思ったが故の行動であった。
「え、えっと、それはいいんだけど。…もう少しあなたの事を教えてくれないかな。名前も分からないよ」
ちなみに『旅人』の視点だと名前も素性もしれない全身鎧の成人男性が突然頭を下げてきた、という状況である。ドン引きして当然であった。
そして灰も自己紹介を未だしてないことに思い当たった。
「…失礼した。私の、ことは。…灰、と。呼んでくれ。」
少し羞恥を感じた灰は、それを誤魔化すようにバイザー越しに眉間を押さえた。
「こっちの発音だと、『アッシュ』が1番近いね。わかった。詳細は言葉をしっかり使いこなしてからでいいよ。話しにくいでしょ。…えっと、テイワットの言葉は助詞で主語、述語が…」
そうして『旅人』によるテイワット語講習が始まった。彼女は文字通り世界を股に掛ける旅人である。故に多数の言語に精通しており、灰の母語の特徴と比較しながらテイワットの言葉を教えることが出来た。それ故にこの授業は灰にとって非常に理解しやすいものであり、彼が完全にテイワット語を理解するのはそう遅くないだろう。
その授業の傍ら、パイモンは部屋の隅っこで丸くなっていた。
まず、遅くなったこと、お詫び申し上げます。共通テストが終わった後、燃え尽きてました。
それとこれは小説と全く関係ないことですが。
私はやったんだああああああああ!!! (生物97/100)
はい。自慢したかっただけですすいません。今年の生物は平均点が異常に高かったですね。流石に酷いということで点数に調整が入るほどでした。
ちなみに結局数学が足引っ張って志望校で何とか戦える程度に落ち着きました。
ともかく応援してくださった方々、ありがとうございました!
これから私は2次に向けて勉強しなければならないので投稿頻度は目も当てられないほどになりますが、気長にお待ちくださると幸いです。