火の無い灰に救済を   作:ラウガメア

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追記 2021/02/12
誤字修正
to9for9様、ありがとうございます

追記 2021/02/14
ルビ修正
タチドリ様、ありがとうございます



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『旅人』の講義は順調に進んだ。意外にも順調すぎて面白味が全くなかったので割愛する。強いて特筆すべき場面を挙げるとするならば、灰が『旅人』に自分が遥か昔から来た者であると告げたところだろうか。これにはパイモンは勿論のこと、数々の世界を股に掛けた『旅人』も目を丸くして驚いていた。その膨大なる時間にも驚いたが、1番はそれを『旅人』に打ち明けたこと。何故打ち明けたのかを問うと、曰く、「貴公には開示して置いた方が他人への説明が楽だろう」との事だ。納得した『旅人』はパイモンを連れて騎士団へ報告をするために退室し、灰は『旅人』から渡された『テイワット観光ガイド』なるものに目を通し始めた。またしばらく暇になるであろうと推測した灰は『旅人』に何か暇潰しになるものを求めたのだ。これは灰が単語を覚える大きな助けになるだろう。幸いなことに灰は別に待つことを苦に思わないタイプの人間であった。もし灰の性格がもっとアグレッシブであったならこの部屋のありとあらゆるものが悲惨な状態になっていただろう。具体的に言うとローリングで机や椅子を粉々に破壊するとか。灰は火の時代では聖人レベルに良識的だった。

…ちなみに、この部屋からいくつかの物が無くなったとの報告が後日上がることとなる。

 


 

「―だから、あの人は、大丈夫だと思う」

 

「なんというか、良い奴ーって感じだったぞ!たまーにぶっ飛んだこと言ったりするけどな」

 

『旅人』とパイモンはそう騎士団重鎮の面々―アンバーは除く。彼女は多大なる疲労から一足先にギブアップしていた―に灰のことを報告した。

 

「そうか。ガイア、どう思う」

 

そう答えたのは西風騎士団代理団長のジン。現状の騎士団のトップを勤める女性である。

 

「敵に回してはならない奴、だな。アンバーの言葉によると凄まじい力を持つそうじゃあないか。だが力に溺れている訳でもなく、使い所を見極める頭がある。即座に追い出す必要もないだろう」

 

ガイアの回答を聞いたジンは少し考え込む。

 

「ふむ。リサ」

 

ジンが話を振ったのは図書館司書のリサ。その肩書きに似合わぬ程の実力者であり、かつ怠惰な雰囲気を身に纏う人物である。流石に今はしっかりとしているが。

 

「私は直接見た訳じゃないけど、アンバーちゃんの話を聞く限りではそこまで過敏にならなくてもいいんじゃない?でも1人で行動させるのは止めた方が良いと思うわね」

 

「なるほど。リサの意見に私も賛成だ。性格が善人であることは推測できるが、大きすぎる力というものはそこにあるだけで厄介事を生むだろう。彼には騎士団の誰かを常に1人付けることにしよう。異論はあるか?」

 

そして各々の発言を聞いたジンが今後の方針を纏める。異論を持つものはいなかった。

 

「ではこの方針で行こう。したがって誰を付けるかになるが……」

 

全員がジンからサッと目を逸らす。

 

「言っておくが私は不可能だぞ。外出している余裕などない」

 

そう言ってジンはリサの方に目線を向ける。

 

「わ、私は本の整理に忙しいから……そもそも、件の彼は剣も使うんでしょう?私じゃ対応しきれないわよ」

 

リサはガイアの方に目線を向ける。

 

「俺か?もうすぐ宝盗団の討伐に行かなくちゃ行けないんでな。悪いがパスだ」

 

ガイアは『旅人』の方に目線を向ける。

 

「私はモンド復興の為にあちこち走り回ってるから難しいかな」

 

「おお、これが『たらい回し』ってやつか!」

 

そして視線は巡り巡って―ジンの方へ。

 

「私は比較的友好関係を築けている『旅人』が適任だと思ったが」

 

『旅人』は首を横に振る、ブンブンと。彼女は灰に言葉を教えるついでに灰がどのような所で今まで生きてきたのかを聞いていた。そこで聞いた話は他人に伝えるべきでは無いと感じるほど常識からかけ離れたものだった。確かに彼は善性を持った人だろう。だがそれが『日常』である灰はテイワット民だけでなく『旅人』から見ても狂人であった。加えて、本人に自覚がないのが尚のことタチが悪い。そんな人物と共に行動するなんて真っ平御免であった。

そして『旅人』に天啓が降りる。そう、今ジンは『友好関係を築けている』と言った。自分よりも灰と友好関係を築けている人物がいるではないか。

 

「それなら、アンバーはどうかな。門の辺りで仲良さそうに話してる所を見たよ」

 

「仲良さそう……だったか?」

 

「そういえば、彼はアンバーが連れてきたのだったか」

 

空気が一変する。さながら学校行事の実行委員をクラスから1人選出する際、誰かが「○○君とか良くない?」と言った時のように。

 

「アンバーちゃんね。同じ火元素を扱うみたいだしいいんじゃないかしら。新しい戦い方を見つけるかもしれないし」

 

「連れてきた人が連れてきたものの面倒を見る。道理じゃあないか」

 

ここぞとばかりに波に乗る2人。面倒事を遠ざけることに全力だ。

そしてジンはまとめに入る。

 

「では、件の男は騎士団よりアンバーを監視につけ、モンド内の自由行動を認めることとする。異論はないか」

 

全員がその言葉に頷く。満場一致だ。なお、異論があるであろう人物がこの場にいないことは考慮しないものとする。

 

「では私がこの沙汰を伝えてこよう。彼は今日のところはモンド城内で過ごしてもらう。では解散だ」

 

アンバー(贖罪の山羊)の受難は今暫く続く。




今回から三点リーダー『…』の使い方を変えてみました。これが正しいとされているようなのですが、やはり気になりますでしょうか?気になるようでしたら以前の文章を訂正しようと思っているのですが……。

さて、ようやくモンド日常編に入るわけですが皆さん誰との絡みが見たいのでしょうか。活動報告の方にリクエストの場所置いておくので良ければそちらに御一報ください。登場人物は進行度が魔神任務『序章』中に関わることができる人物(主にドラゴンスパイン組を除くモンド組)でお願いします。忙しくて璃月以降のストーリー全く触れてないのでアルベドとかの人となりがあまりわかってないんですよね…。期間中であれば伝説任務のみに登場する人物や期間限定イベントで活躍した人物、なんならNPCでも構いません。質問があればお答えしますので気軽にどうぞ。あと全てのリクエストに対応できるかは分かりませんのでご了承願います。
以下、リクエスト場所

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=255488&uid=307635

以前の三点リーダー『…』の扱いについて

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  • 気になるがこれから気をつければいい
  • ちくわ大明神
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