今回の話はガッツリフロム脳です。
あとシチュエーションをアンケート時から少し変更しました。
それでも良ければどうぞ。
プロフィール追加分はもう少しお待ちください。
追加完了。
2021/05/29 追記
誤字修正
geardoll様、ありがとうございます。
2021/03/31 追記
誤字修正
kaijo様、ありがとうございます。
灰は日没後、1人でモンド城外を歩いていた。本来なら監視のアンバーが傍にいるはずなのだが彼女は夢の中である。起こすのも忍びないので、灰は彼女を置いて出かけていた。朝までには戻るつもりであるし、仮に目覚めたとしても書き置きをしているから大丈夫だろうと灰は考えていた。
そんなこんなで灰は目的地、風立ちの地の大樹の下にたどり着いた。
「やあ、約束の物はちゃんと持ってきたかい?」
木の上からウェンティが問いかける。灰はそれに
「っと。それ、かなりの年代物だよね。いつ頃作られた物なの?」
飛び降りたウェンティが目を煌めかせながら灰に話しかける
「火の時代だ」
「飲めるか!」
ウェンティ、渾身のツッコミ炸裂。だが灰にこうかはないようだ。
「ちゃんと飲んで確かめた。問題ない。どうやら
そして灰は小樽を1つウェンティに投げ渡す。
「意外と大丈夫そうだね。匂いは……うわ、キッツ。度数高くない?」
あまりのアルコール臭にウェンティは顔を顰める。
「貰い物故詳しくは知らない。ただ
「飲めるよ。甘く見ないでよね」
灰にそういった意図は全くないのだが、図らずとも煽ったような形になってしまった。そして大の酒好きであるウェンティがそれに乗らないはずはなかった。
「意外だな。こちらの作法を知っているとは」
「意味まではよく知らないんだけどね。僕の知ってる
得意気な顔で、そしてどこか催促するようにウェンティは笑う。ウェンティの言うその英雄譚が、火防女が記した己の伝記であることを知る灰は、なんだか複雑な気持ちになり、きまりが悪そうに眉間を揉んだ。
「……元々の意味は『太陽が永く有りますように』。平和を願う祈りの言葉だ。そこから派生して、『貴公の旅路に幸あれ』だの『乾杯!』だのと言った意味になる。……そう不満そうな顔をするな。約束はちゃんと覚えている。どのような話をご所望だ。」
灰はウェンティに言語を教わった際、授業料として
「そうだね……英雄譚はもう溢れかえってるし、少し毛色の違った話がいいかな。例えばそう、恋の話とか!」
ウェンティの目は期待に満ち溢れている。対照的に灰はうんざりした顔だ。灰の記憶する限り、恋愛などという浮ついた物はあの殺伐とした世界にほとんど存在していない。歪みに歪んだものならいくつか記憶にある―薬指と生まれ変わりの母とか―が、平和な世に生きる健常な人々には理解できないだろう。だがないと一刀両断できない理由が灰にはあった。灰はウェンティにかなりの恩を感じている。実際ウェンティがいなかったら灰は間違いなく西風騎士達に包囲された時、相手に敵対の意思を有りと断じて容赦なく蹂躙していた。今灰が平和を謳歌できているのは初めてあった存在がウェンティで、かつ初めに交渉の意思を見せてくれ、しかも灰の言語をある程度理解出来たからである。それと、灰の元来の性格がお人好しであったことも影響していた。
「……あれならまだマシか」
長考の末、灰は比較的通じるであろう話をすることにした。どちらかと言えば恋愛より忠誠の話になるが、と前置いて、灰は話を―ある姫とその従者の話を始めた。
ある男の話をしよう。その男の名はカーク。我欲を満たす為に他人を襲い、奪う。そのおぞましさを覚える棘だらけの鎧と残忍さから、周りから、『皆殺しのカーク』と呼ばれる。そのような男だった。
そんな彼はある日病み村と呼ばれる場所に足を伸ばした。その名の通り、病に苦しむ、未来無きモノの掃き溜めのような場所。何故訪れたかまでは分からない。単なる興味本位か、愉悦を感じるためか。何にせよ、ろくな理由ではあるまい。そして彼は会合した。下半身が異形に成り果てた混沌の娘に。如何にしてかは分からない。だが彼女を守る魔女の隙をついて、彼は彼女に会った。そこからだったのだろう。彼の目的が変わったのは。
彼女―蜘蛛姫は、常に苦しんでいた。彼女は病み村に住まうモノ達を憐れみ、そして救う為。姉や周囲の制止を聞かず、『病の膿』を呑み込んだ。その果てに、見ることも動くことも出来なくなった。彼が彼女に何を思ったのかもまた分からない。哀憐か、恋慕か。だが彼は、己の名乗りを変えた。『皆殺し』から、『トゲの
それから彼が奪う物は変わり、ただ1つ、『人間性』のみを集めるようになった。それだけが、彼女の痛みを一時の間和らげることが出来たからだ。幾度も侵入を繰り返し、数多くの不死人達から人間性を奪い集めていたそうだ。かく言う私も、3度相対した。……1度目と2、3度目では、事情が変わっていたがな。
彼の行いは、決して褒められるべきではなかっただろう。後ろ指をさされてもおかしくない。やっていることは悪党と変わりないのだから。だが、私は彼を『騎士』と評したい。ただ1人のためにあそこまで動ける人を、私は見たことがない。
だからこそ、時を経て、ソレが仕える主を変えていた所を見た時、私は驚愕した。彼は『ロザリアの指』になり、生まれ変わりの母ロザリアに仕えていたのだ。ロザリアの指はただロザリアに舌を捧げ続ける集団。その舌は大概他人から奪った物だ。そんな集団の1人に、ソレは成り下がっていた。『中指のカーク』と名を変えて。刃を交えながら問いただした。蜘蛛姫はどうしたと。だがソレの瞳に理性は無く、既に亡者に成り果てていたのだろう。問に答える事無く、消えてしまった。
これは後に知ったことだが。ソレは『幻肢の指輪』を装備していなかった。この指輪はロザリアから指達に送られる制約の絆の証で、他の指達はまるで誇るかのように必ず身につけていたものだ。それを彼は、装備していなかった。
そして、燻りの湖のその先で、件の蜘蛛姫は風化していた。……見間違うはずもない。あれは間違いなく彼女だった。
彼の行いは間に合わなかった。だが彼は止まらなかった。『人間性』ではダメだった。彼女は冷たくなってしまった。故に、『残り火』を求めた。もう一度熱を取り戻してもらう為に。彼はかつてと同じく奪い集めた。そして恐らく、奇しくもそれがロザリアの指の活動に酷似していて、指達の目に留まり指の一員となった。その頃にはもう、ほとんど正気を失っていたのだろう。だが最後の小さな反抗として、『騎士』を捨て、『中指』を名乗った。俺の真なる主は貴様ではないと、言外に告げるために。
もっとも、これは遺されたソウルから得た断片的な情報を元に推測したに過ぎないが、と灰は締めくくる。
「詩の参考にしようと思ってたんだけど、これは難しいね。」
困ったように笑うウェンティだが、その瞳には強い意志が宿っている。故に灰は、黙って続きを促した。
「でも、これは僕たち吟遊詩人の仕事だ。任せて。いつか必ず詩を完成させてみせるから」
その言葉を聞いた灰は、どこか肩の荷を下ろしたかのように笑った。
「ところでこのお酒もうないの?」
「……数が限られている。勘弁してくれ。」
・ウェンティについて…
彼のような神が実在するとはな。人のことを思う神など、聖職者達の謳う空言とばかり思っていたが。……何?私の言うような神々は少数派と。旅人たる貴公が言うのであれば確かなのだろうが、納得はしかねるな。
・灰について…
・ん?アッシュのこと?……何処まで話してもいいのかな。簡単に言うと、彼の立ち位置は君と酷似している。ただし、君が『横』の旅人なのだとしたら、彼は『縦』の旅人かな。これ以上は有料だよ~。
どうも、私です。
第2志望の大学から追加合格の通知が届きてんやわんやしております。
入学関係の書類を渡された当日その場で書けと言われたり4月5日までにかなりの高スペックノートパソコンを用意しろと言われたりでバタバタしていて投稿が少し遅くなってしまいました。これからしばらく忙しいのでペースが落ちそうです。ご了承願います。
さて、話は変わりますが一つアンケートを取ろうと思います。
『灰は風の翼を使いこなせるか否か』です。
コメントにてご指摘いただき、かつそのことを全く考えておりませんでしたのでいっそのこと皆様にゆ委ねようかと。ご協力のほどをよろしくお願いいたします。
灰は風の翼を使いこなせる?
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yes
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no