誤字修正
虎徹刀様、ありがとうございます。
誤字修正
鮭類アレルギー様、ありがとうございます。
2021/04/13 追記
誤字修正
赤頭巾様、ありがとうございます。
2021/05/20 追記
誤字修正
リア10爆発46様、ありがとうございます。
アンバーは、久々に休日を満喫していた。
いろいろあって灰の監視役になってしまったが流石に年中無休というわけではない。
騎士団の実力者に交代をお願いしたり、灰の身柄を1日騎士団本部預かりにすることによりアンバーは1日休みを得ることができるのだ。その際、人事課の人に温かい目で見られることには慣れてしまった。このことに気付いたアンバーは一人で静かに泣いた。
ちなみに灰は
ともかく、
「奇古屋って確か骨董屋だったよね……でもどうして?」
ちょうど朝食を食べ終わったころ、アンバーのところに一通の便箋が届いた。差出人は奇古屋。璃月にある骨董屋だ。心当たりはないが、とりあえず封筒を開けてみると中には大小1枚ずつの紙が入っていた。
この度は奇古屋をご利用いただきありがとうございます。
納めていただいた物品ですが……いったい何ですかあれは!?
このような代物は見たことがありません!
現存する資料には存在しない製造方法で作られていて、さらに保存状態も錆が目立つ程度。個人が作った適当なものかと思いきや明らかに量産された痕跡!今まで存在すら匂わせなかった文明が過去に存在したことを表す証拠ですよこれは!
言い値で買い取らせていただきます!これの考古学的価値は計り知れません!
黄金堂 モンド支店
上記の金額をこの小切手と引き換えに持参人にお支払いください
振出人 奇古屋店主 琳琅
今まで確かにそこにあった平穏は、音を立てて瓦解した。
「どうしたんだアンバー。今日はまだなにもしていないが」
アンバーはあの後全速力で騎士団本部へ駆け込み、灰が待機している部屋へ転がり込んだ。灰は珍しくちゃんと部屋にいたようだ。どうやら何か探し物をしているらしい。目元は見えないが、驚いた様子でアンバーを見ている。
「アッシュ?あなたがくれたあのコイン、あれは一体何?」
アンバーの様子は尋常ではない。だが灰はその心当たりが全く無いようで、首を傾げながらアンバーに落ち着くように促す。
「よく分からないが、今は見ての通り探し物の最中でな。少し待ってくれ。その間に息を整えるといい。」
そう言って灰はおもむろに『錆びついた銅貨』を取り出し拳に力を入れる。
「ストップ!それ!それの話!握りつぶすなぁ!」
大慌てでアンバーは灰に飛びかかる。流石の灰もこれは予想外だったようで体勢を崩していた。
「先程からなんなのだ貴公。人間性の限界でも迎えたか?」
呆れた声色で返しながらもひとまず灰は止まった。
「ハァ、ハァ。……あれ、よく見たら銅貨だ。えっと、前にアッシュがくれた金貨があったでしょ?あれがとんでもない額になるんだけどどうしたらいいのかなって」
「好きにすれば良いではないか」
「でも無記名の小切手だよ!?」
「適当に欲しい金額を書けば良いではないか」
「ねぇなんでさっきからそんなになげやりなの!?」
「……貴公が邪魔をしたからだろうに。そもそもそれは確かに数に限りはあるが、私は100を優に超える数を所有している。それにそれは本来こう使うものだ。私にとってはただの消耗品に過ぎない。」
そう言って灰は懐から取り出した『錆びついた金貨』を握りつぶす。
「言ったであろう。売れば金にはなるだろうと。つまり私はそれを承知で渡したのだ。だからその金は好きにするといい」
そう言って灰は捜し物に戻る。アンバーはしばらく呆然としていたが、なんとか消化したのだろう。
「ねえアッシュ、さっきから何探してるの?」
「風の翼とやらについての本だ。『旅人』から翼を貰ったのだが色々と規則があるらしいのでな。リサ司書に聞いたら図書館ではなくこちらに置いているとのことだ」
アンバーは閃いた。これは灰に恩を返し、ついでに自分の凄さをアピールできる絶好のチャンスが到来したのではないかと。ニヤニヤが止まらない。あのアッシュが己に教えを乞う。なんと甘美な響きなのだろうか。
「私が教えてあげようか。モンドの飛行チャンピオンとは私のことだよ!」
話は脱線するが、灰は火の時代において、自身の能力が足りてさえすれば初見の武器であってもまるで熟練の使い手のように扱うことが出来た。これは『ソウルの業』を応用し、武器に宿った使い手のソウルを読み取り、模倣していたからである。だが灰が旅人から貰った翼は新品である。つまり、読み取るソウルがない。灰は初めて『ソウルが宿っていない』装備を手にしたのだ。そしたらどうなるか。
「……なんだか、飛んでると言うより吊るされてるといった方が正しいね」
「……言うな」
こうなる。アンバーの熱心な指導のおかげで即墜落することは無くなったが旋回はぎこちなく、また灰の装備の重さの影響で落下速度の軽減率が著しく低い。なにより体勢が酷い。まるで肩のあたりを何かに掴まれて運搬されているような状態だ。
そう、灰は風の翼を使いこなすことができなかった。できてせいぜい
そして灰は
ちなみに軽装に変えることはなかった。灰にとって最後に信頼できるものは
灰は自身が風の翼を完全に使いこなしている姿を想像する。これがあれば『銀猫の指輪』等では飛び降りれなかった崖を飛び降りることが出来る。ひいては『落下』という不死人の弱点を克服できたのだ。
例えば高所からの急襲。例えば落下時の緊急対応策。立ち回りに幅が出るのは自明である。
だがアンバーにとってはむしろ都合が良かったのかもしれない。陸を支配する化け物が空まで足を伸ばしたら、彼女たちには為す術が無くなるからだ。勿論、アンバーにそのような意図はない。彼女は灰の為に可能な限りの力を尽くし、灰が風の翼を使えるようにサポートしていた。現にそのおかげで多少はマシになったのだから。
ともあれ、アンバーは『旅人』に感謝するべきだろう。もしあの時に『旅人』が灰に風の翼を贈らなかったら灰はそのうち翼に興味を持ち、打ち捨てられたものを直したり誰かから使い古したものを譲り受けたりしていただろう。そうなっていたら灰の暴走は縦横上下無尽になってしまう。もしそうなっていた場合、
その先、ストレスがあるぞ。
遅れました。すいません。
大学生活思ったより忙しいですね……
ちょっとこれからペースはさらに不定期になりそうです。
なるべくそうならないよう頑張りますが。
さて、今回はコメントにて風の翼関連が来ていたのとちょうどアンバーの回だったこともあり、当初の予定に加えて書いた形になりました。
アンケートの結果ですが、結果は『使いこなせない』が多くなりましたが『使いこなせる』もかなり多数の票が集まりました。そのため余裕ができた時に番外編として風の翼をバリバリ使いこなす灰を書こうかと思っています。落下を克服した灰の暴走を乞うご期待。
ともあれ、アンケート御協力ありがとうございました。