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団栗504号様 、Gジェネラー様
ありがとうございます
「―っ!ッ!」
灰が
遠くではアンバーと紫電の鳥が何かを話している。
「あなた、まだあるのでしょう?見せなさい。この断罪の皇女が審美してあげるわ! 」
口調こそ高圧的だが顔は完全に戦隊シリーズを見る少年のそれである。灰は左手を『呪術の火』に持ち替えてから少女に離れるように伝え、地面に
少女のボルテージは最高潮に達し、興奮からか両腕を胸の前でブンブンしている。灰も灰で目覚めてから初めてちやほやされた為かこれ以上ないほどに張り切っている。このまま放置していると大惨事が待つのは明らかだ。だが
「そういえばアッシュは冒険者協会のことは知ってる?」
朝、アンバーは思い出したかあのように灰に尋ねる。
「いや、知らないな。その、ボウケンシャとはどのようなものなのだ?」
それに対し灰はアンバーに問いを返す。火の時代には冒険者という概念がなかったため知らないのも無理はない。
「えっと、簡単に言うなら何でも屋って感じかな。採取から討伐、迷い猫探しまで色々あるよ。モンドの安全に直接的に関わるものは騎士団が担当するけどね」
アンバーの説明から灰は大体理解し、そして興味を持った。
「協会の登録は私でも可能か?」
それを問われたアンバーは考える。灰は身分を証明する類のものを持っていない。今でこそ西風騎士団がそばにいるから大概のことを何とか出来ているが、この先ずっと監視するわけにはいかない。今のうちに冒険者登録を済ませておいて、身分証明書を持たせておくのもいいだろう。騎士団の口添えがあれば人となりの確認もスルー出来るはずだ。実力も申し分ない。
「できるはずだよ!なんなら、今日作りに行く?」
そういうわけで出された提案に灰は頷き、二人は準備を済ませた後、騎士団本部を出た。
もちろんこのことは代理団長に許可を取ってある。アンバーは見習いのころ、彼女の恐ろしさをその身に叩き込まれたことがある。普段は優しいがジンは怒るととても怖いのだ。報連相は大事。社会人の基本である。
「……手際良すぎない?」
受付のキャサリンからの指示に従うどころか、必要書類を言われる前に要求する灰にアンバーは言った。キャサリンも若干戸惑っている。
「似たような組織に所属していてな。ある程度の勝手は分かっている」
実は灰の素性は傭兵である。不死になる前、円滑に依頼を受けるために傭兵ギルドに所属していたのだ。冒険者協会と傭兵ギルドは請け負う依頼こそ違えど、形態は似通っていた。
「手始めに簡単な依頼を頼む。一通り流れを押さえておきたい」
手続きを終えた後灰はキャサリンに伝える。アンバーも特に反対の意思は無いようで成り行きを見守っているようだ。
「では、こちらを。危険度も低いですし、アンバーさんもいらっしゃるようですので万が一も起こりえないでしょう。」
そう言ってキャサリンが提示したのはスライム駆除の依頼。駆け出し冒険者御用達のものだ。
「スライム……遭遇したことは無かったがここにも蔓延っているのか。危険度が低い……?確かに対処を知っていれば強敵ではないか?」
「いいんじゃない?スライム。アッシュなら手こずるような相手じゃないでしょ?」
2人の間で齟齬が生じているが、勿論テイワットのスライムは異様に物理防御の高い意思持つ腐肉の塊ではない。可愛らしい顔をした元素を秘めるプルプルゼリーである。
「噂によれば結構美味しいんだとか。熱心に布教しようとしている方もいらっしゃるくらいなんですよ!」
「食べる!?正気か!?」
「あー、私も食べたことあるよ。初めは受け入れ難いけどだんだん癖になるんだよねー」
「……まともなのは私だけか」
「あんたが言っていい言葉じゃないわよアッシュ」
鋭いツッコミがアッシュを襲った。
そうして若干灰はアンバーから距離を取りながら依頼を受け、スライムを適当な呪術で焼き払っている所をたまたま皇女を名乗る少女に目撃され、冒頭の様子となったのである。おっと灰が明らかにヤバそうな
「ストォォォップ!!!!待ってそれはシャレにならない!ほら、自己紹介!お互い自己紹介まだだよね!?まずそれをしよう、ね!?」
それもそうかと灰は斧を収める。少女の方も納得し佇まいを整えた。
「私は断罪の皇女。名はフィッシュル。運命に導かれてこの世界にやってきたわ。あなたも名乗りなさい。特別に私の助手として認めてあげましょう!」
「お友達になってください、と言っています。そして私はオズヴァルド・ラフナヴィネスと申します。以後お見知り置きを」
「―オズっ!」
少女もといフィッシュル、真っ赤な顔を誤魔化すようにオズに怒鳴る。その様子をアンバーはなんだか暖かい目で、灰は多少疑問を含んだ目で見ている。
「私はアンバー、偵察騎士よ」
「……アッシュ。新米ボーケンシャだ。友誼を結ぶとは、むしろこちらから願いたい。先達の言はためになるのでな。……どうした?ふむ。別に構わんが」
ここでアンバーが何かイタズラでも思いついたのか悪い笑顔で灰にあることを吹き込む。灰はそれをする理由はないが、断る理由もないので乗ることにしたようだ。フィッシュルの前で
「誓いをここに。我が力、汝が剣となりて、立ち塞がるもの全て討ち滅ぼさん。」
灰のその動作は洗練されていた。姫と騎士、そして誓いの言葉。それはまるで御伽噺の挿絵のように美しく、そして厳かなものになっていただろう。
フィッシュルが興奮のあまり
・フィッシュルについて…
不思議な少女だな。ソウルは間違いなくただの少女だが、実力はその発言に相応しい。少々不安定な点が目立つが……オズヴァルド・ラフナヴィネスと言ったか。あれが上手く彼女の弱点を補強している。私の知る限りでは、1番敵に回したくない人物だ。数は力だからな。
・灰について…
彼は騎士にして助手。わたしと共にこの世界を解き明かす物。……くれぐれも、無礼はないように。彼への狼藉は、わたしの侮辱に繋がると思いなさい。
彼の一挙手一投足全てがお嬢様の琴線に触れてしまっているようでして……
遅くなりました。
大学生活が忙しいこともありすますが1番苦労したのはフィッシュルの口調です。違和感がありましたら申し訳ないです。
ゴールデンウィーク中にもう一本あげることができるよう頑張ります。
あと、アンバーに関する灰のプロフィールを忘れてました。こちらも合わせてゴールデンウィーク中に書き上げたいと思います。