ラブライブAnotherx2!~新人アイドルに窮地に追い込まれた虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会が奮起し、追いつくまでの話(予定   作:ひいちゃ

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#02『壁は乗り越えるもの』

「全ては、今から半月前、その時から始まったのです……!」

「いやせつ菜先輩。その、いかにもアニメのナレーションのような話し方はいいですから」

 

 アニメのナレーション調に話し出したせつ菜ちゃんだったが、かすみちゃんのダメ出しをさっそく受けたのだった。

 本当に懐かしいなぁ、この光景。本当にこの同好会に帰ってきたんだ、という感じがする。

 

「今から半月前、二人の留学生がこの虹ヶ咲に転校してきたんです。それで、その二人は、私たちのライブを見て触発されたらしく……」

 

 そのせつ菜ちゃんの後を、スイスからの留学生、三つ編みが特徴の三年生、エマ・ヴェルデさんが引き継いだ。

 

「理由はわからないけど、同好会に入らず、二人だけでスクールアイドルを始めたの」

「それで、たちまち人気になったってこと?」

 

 私……高方結友が聞くと、みんながこくりとうなずく。そして、スタイル抜群の三年生、朝香果林さんが話を続ける。

 

「えぇ。私たちが見ても、ドギモを抜かれるようなすごいパフォーマンスだったわ。それでたちまち、私たちの人気をすべてかっさらっていった、みたいな形になって……」

「今じゃ、かすみんたちがライブをしても、固定ファンや、かすみんたちの友達以外には2、3人がぽつりぽつりと来てくれるだけになっちゃったんですよねー……」

 

 そう言って、みんなは沈んだ雰囲気でため息を吐いた。そうとう人気を奪われたのが堪えてるみたい。

 でもその二人、本当にすごいな。始めてすぐ、果林さんが認めるぐらいのパフォーマンスをするようになって、しかも、同好会の人気をかっさらうほどになるなんて。留学してくる前から、ダンスや歌の練習をしてたのかな? それでこの同好会に入らなかった理由も気になる。

 

 まぁ、ともあれ、みんなをこのまま沈んだままにさせとくわけにもいかないよね。

 

「みんな、手ごわすぎるライバルが現れて沈む気持ちはわかるけど、もっと元気出していこうよ! 元気で明るくいかないと、観客のみんなも喜んでくれないよ!」

「そ、そうですよねっ。熱さを忘れてはおしまいですっ! 皆さん、元気とやる気を出していきましょうっ」

「そうそう。あ、久しぶりにストリートライブやろうよ。私、みんながどれだけレベルアップしたか見てみたいな!」

「やりましょう、やりましょうー! このかすみんの魅力で、先輩だけでなく、観客の人たちを釘付けにしちゃいますよー!」

 

 というわけで、私たちはさっそく部室を出て、ストリートライブをしに向かった。

 

* * * * *

 

 そしてストリートライブをしたんだけど……。

 

『……』

 

 再びみんな沈黙。観客は、いつも来てくれる固定ファンの他は、2、3人しか来てくれなかったんだ。もちろん、その人たちはみんな、とても喜んでくれたけどね。

 でもそれよりみんな、観客がたくさん来てくれなかったことに落ち込んでいるみたい。うーん……。

 

 と、そこに。

 

 ~~♪

 

 どこかから、スクールアイドルらしい声。それに混じって喝采も聞こえてくる。

 歌声は、私が知ってるどのスクールアイドルの声とも違う声だ。もしかして……。

 

「ねぇ、歩夢ちゃん。この歌声って、もしかして?」

 

 私がそう聞くと、歩夢ちゃんはこくんとうなずいた。表情をさらに沈ませて。

 

「うん。さっき話した二人の新人。ランジュちゃんとミアちゃんの声だと思う」

 

 こんな近くでライブやってたんだ。でもこれはチャンスかもしれない。私はさっそく、みんなに提案してみた。

 

「ねぇ、もう一度、彼女たちのライブを見に行ってみない? そしたら、何かつかめるかも」

 

 私がそう言うと、みんな、いくらか表情を明るくしてうなずいてくれた。

 

「うん、そうだね。結友ちゃんの言う通り、何かつかめるかも」

「いわゆる敵情視察ってやつだね! いいねいいね!」

「確かに、二人のライブを見れば得られるものがあるかもしれませんね! ライバルから学び取り、さらにレベルアップする。実に熱い展開です!」

「せつ菜先輩のアニメ好きは本当にぶれないですね。でも、かすみんも、結友先輩の意見に賛成です! 彼女たちから学び取って、かすみんのかわいさをレベルアップさせちゃいますよー!」

「ふふふ、かすみさんらしいね。でも、相手から学び取ることって大切ですもんね」

「あれだけのパフォーマンスをする人たちですもの。きっと、得られるものは大きいはずよ」

「彼方ちゃんも、寝ないで、じっくりと観察するよ~」

「うん、さっそく行ってみようよ!」

「璃奈ちゃんボード『れっつごー』!」

 

 そして満場一致で、私たちは歌声のするほうに行ってみた。

 

* * * * *

 

 そしてその新人二人がストリートライブをしているところに行ってみると……。

 

「うわぁ……」

 

 本当にすごい。ランジュちゃんとミアちゃんらしき二人のスクールアイドルたちが、激しく歌い、踊っている。

 みんなが言う通り、そのパフォーマンスは圧巻。そのパフォーマンスのすごさを前に、周囲の観客たちも大いに沸き、夢中になっている。同好会のみんなも、そのパフォーマンスの前にまた見とれていた。

 そして私はというと、二人のパフォーマンスを見て、一つ気づいたことがあった。

 

 そしてライブは終わった。

 

「いや~、すごかったね~。愛さん、ライバルのライブなのに熱くなっちゃったよ~」

「うん……私もすごいと思った。璃奈ちゃんボード『きらきら~』」

「それで結友ちゃん。あの二人のライブを見て、何かわかった?」

「うん」

 

 そして私は、みんなに、感じたことを話してみた。

 

「うん。あの二人の実力は練習とかそういうものじゃなくて、天賦の才能によるものじゃないかな、って」

「才能、ですか?」

 

 聞き返したせつ菜ちゃんの言葉に、私はうなずいて答えた。

 

「うん。二人のパフォーマンスには、努力によるものとは違う何かを感じたんだ。きっとあの二人、特にランジュちゃんは、アイドルになるべくして生まれてきた子なんじゃないかな」

 

 それを聞いて、みんなが思いっきり沈んだ。かなり打ちひしがれてるみたい。「天才がライバル」と聞かされれば、それは打ちひしがれもするだろう。だけど。

 

「ちょっと待って、みんな。私は二人を天才とは言ったけど、勝てないとは言ってないよ。それともみんな、相手が天才と聞いて、あっさり負けを認めるの? 夢を諦めるの?」

 

 私がそう聞くと、みんな声を揃えて、「そんなことない!」と言い返してきた。うん、その意気だよね。

 

「でしょ? 確かにあの二人はすごい天才だけど、勝てない相手じゃないと思うよ。私たちには才能はないかもしれないけど、頑張る気持ちは誰にも負けてないじゃない?」

「はい、もちろんです!」

 

 握りこぶしを作って即答するせつ菜ちゃんに、私は笑顔で話を続ける。

 

「確かに今は彼女たちには勝てないかもしれない。だけど、彼女たちを研究していいところを取り入れたり、一生懸命練習したりして努力すれば、きっとあの二人に勝てると思う。みんなはそんな子たちだと私は思ってるよ」

 

 私がそう言って話を締めくくると、みんなの表情に明るさが戻り、その瞳に輝きと炎が宿ったような気がした。いつもの皆に戻ったみたい。よかった。

 

「う、うん、頑張るよ!」

「そうですね。私たちの戦いはこれからです!」

「そうだね! 逃げるなんて愛さんたちらしくないよね! 逃走じゃなくて闘争心を燃やさなくちゃ!」

「私も頑張ります!」

「かすみんも頑張ります! 絶対、No1スクールアイドルの座を取り返しますよー!」

「璃奈ちゃんボード『がんばるぞー』」

「ふふふ、相手が強いほど、乗り越えがいがあるってものよね。ねぇ、エマ?」

「うん!」

「彼方ちゃんも、寝ぼけてる場合じゃないな~」

 

 うん、もうすっかり元のみんなだ。このみんなならきっと、あの二人に勝てると思う。そう確信できた。

 

「よし、みんな、あの二人を追いつき追い越すべく、がんばろう!」

「おーーー!!」

 

 夕焼け空に、私とみんなの声が響き渡った。

 




とりあえず、ここまででプロローグ終了となります。
次回からは、前に話した通り、少し不定期気味になりますが、生暖かく見守ってくださると嬉しいです。
よろしくお願いします!
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