ラブライブAnotherx2!~新人アイドルに窮地に追い込まれた虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会が奮起し、追いつくまでの話(予定 作:ひいちゃ
「愛ちゃんと果林さん、頑張ってるかな」
そんなことを思いながら、私……高方結友……は、音ノ木坂学院に向かっていた。
頑張って努力して、新しいスクールアイドル、ランジュちゃんとミアちゃんを超えることを決意した翌日、みんなはさっそくさらなるレベルアップを図るべく、行動を開始していた。
中須かすみちゃん、天王寺璃奈ちゃん、エマ・ヴェルデさん、近江彼方さんのQU4RTZは、Aqoursの黒澤ダイヤさん、松浦果南さん、国木田花丸ちゃんのAZALEAと一緒に特訓するために沼津へ。
上原歩夢ちゃん、優木せつ菜ちゃん、桜坂しずくちゃんのA・ZU・NAの三人は、μ'sの高坂穂乃果ちゃん、Aqoursの高海千歌ちゃんに色々教わってレッスンするために音ノ木坂へ。
そして宮下愛ちゃん、朝香果林さんの二人、Diver Divaも、μ'sのBibiの三人、綾瀬絵里さん、矢澤にこさん、西木野真姫ちゃんに色々教わったりレッスンしたりするために、音ノ木坂に来てるんだ。
それで私は、みんなの様子を見に、まずは音ノ木坂に来た。そうだ、後で歩夢ちゃんたちの様子も見に行こうかな。
そう思いながら、Diver DivaとBibiが練習してるという講堂に行ってみると……。
「あはははは、何よそれ、すごく面白いじゃない!」
「まさかにこが、こんなに笑いのツボが浅かったとは知らなかったわ……」
「でも、こんなに受けてもらえて嬉しいよ。あ、結友ぴょーん、こんにちはー」
……愛ちゃんはやっぱりダジャレの練習をしていた。……あれ?
「ねぇ、愛ちゃん。果林さんは?」
私がそう聞くと、愛ちゃんは首をひねった。
「うーん。それが全然来ないんだよ。集合時間から一時間も経つのに……。それで仕方ないから、まず肩慣らしにダジャレの練習をしてたんだけど……」
「果林さんどうしたんだろう……って、あ。もしかして……」
と思ってると、愛ちゃんのスマホが鳴り出した。
「もしもし? あ、果林? もう一時間経ってるよ。どうしたのさ?」
『うん、それがね。道が全然わからなくて……。ねぇ、ここどこかしら?』
そんな会話を聞いて、三者三様の反応をするBibiの三人。
「果林って、そんなに方向音痴だったの……?」
「オトノキに来るまでに迷っちゃうなんて、どんだけなのよ……」
「わけわかんない……」
うん、気持ちはわからなくもないよ。
そして。
「それじゃ、これから迎えに行くから、そこで待っててよ」
『うん、わかったわ。すまないわね』
そして電話は切れた。
「そういうわけでごめんね。ちょっと果林を迎えに行ってくるよ」
「あ、私も行く。部長だし」
と出て行こうとしたところでさらに。
「あ、待って私たちも行くわ」
「そうね。にこも、弟たちが迷子になった時によく探しに行ってたから、迷子探しはお手の物よ」
「あ、私も……」
と真姫ちゃんが言ったところで、絵里さんがそれを止めた。
「ううん、私たちが探してる間に彼女が来るかもしれないから、真姫はここにいて」
「そうそう。ここはにこたちにお任せ♪」
「にこちゃんがそう言うと不安しかないんだけど……わかったわ」
* * * * *
そして私たちは果林さんを探しに出たんだけど……。
「うーん、いないわね……」
「にこの力をもってしても見つからないなんて、一体どこまで迷ったのよ~……」
虹ヶ咲から音ノ木坂学園への道をくまなく探してみたんだけど、果林さんは見つからなかった。にこさんもお手上げということは、よほどなんだろう。でも、一体どこに行ったんだろう……。
と、そのとき。
「あ、そういえば」
「どうしたの?」
すると、愛ちゃんはポケットからスマホを取り出した。
「りなりーに、果林捜索アプリを作ってもらってたんだった。果林のスマホのGPS情報から、彼女の居場所を割り出してくれるっていう優れモノ!」
「そんなのがあるんだったら、早く出しなさいよっ!!」
「まぁまぁ」
そして四人で、愛ちゃんのスマホの画面をのぞきこむ。え、これって……。
その時、同じタイミングで、私、愛ちゃん、絵里さん、にこさんの表情が半目になった。
* * * * *
「あ、いたいた、果林~!」
「あ、みんな……」
果林さん捜索アプリが指し示した場所に行くと、果林さんは確かにそこにいた。涙目になって。
「よかったわ。もうみんなと会えないと思ってた……」
「やだなぁ、そんなに泣くことじゃないじゃん」
「そうよ。だって……」
そこで、にこさんが果林さんの背後の建物を指さした。
「え?」
「ここ、オトノキの裏手よ」
「ええっ!?」
驚いた表情を浮かべて背後を振り返る果林さん。その頬が染まっていたのは見間違いじゃない、と思う。
* * * * *
「さーて、果林も無事見つかったことだし、かわいい仕草の特訓始めましょうか!」
「こーら、にこ。勝手にメニュー変えちゃダメでしょ。今日は歌とダンスの特訓よ。それじゃ、さっそく始めましょうか」
絵里さんがそう言うと、果林さんもいつもの勝気な笑顔を見せた。
「えぇ。絵里ちゃんのダンスは、さすがバレエやってただけのことはあって、見習うべきところがいっぱいあるわ。今回もいっぱい参考にさせてもらうわね」
「えぇ、それじゃやりましょうか」
「ぶーぶー」
「もう、にこちゃん。いつまでふてくされてるのよ。ほら、やるわよ」
そしてさっそくレッスンが始まる。にこさんはふてくされていたが、それでも真姫ちゃんになだめられて、レッスンに励んだのだった。
……時折見せるかわいい振り付けは、やはり意味があるんだろうか?
と、そこに。
「みんな。ジュース差し入れに来たよ~。あ、結友ちゃん、来てたんだ?」
「うん。愛ちゃんたちのレッスンを見てから、歩夢ちゃんたちの様子を見に行こうかと思ってた。あ、そういえば、今日は栞子ちゃんは一緒じゃないの?」
「うん。栞子ちゃん、今日は生徒会の仕事が立て込んでるから、それがひと段落したら合流するって」
「そうか。生徒会長とスクールアイドルやるって、本当に大変だなぁ」
* * * * *
一方そのころ、虹ヶ咲学園の生徒会室。そこで会長席に座った栞子が一人の女子生徒……ランジュと向かい合っていた。
「やっぱり、私たちの同好会に入ってはくれないんですか?」
「えぇ、栞子も、私の信条はわかっているでしょう?」
「はい。そしてあなたが、それを簡単に変えるような人ではないことも」
「それなら、私が同好会に入るわけがないこともわかってるはずよ? 申し訳ないけど」
ランジュがそう軽く謝ると、栞子は首を横に振った。憂いを持った表情を浮かべて。
「いえ……。ですが、あなたの信条ももっともですが、仲間と共に歩むことで得られることもまた多いと思います。私は、同好会のみんなと関わり、歩んできて、それを学びました」
「……変わったわね、栞子。前はそんなことを言う人じゃなかったのに」
「他人と関わると、人は変わるものですよ。でも私は、この変化を悪いとは思いません。うまく言えませんが、そう思うんです」
「そう。まぁいいわ。済まないけど、私はミアと二人で、自分たちのやり方を貫かせてもらうわ。あなたたちの頑張り、見守ってるわよ」
そう言ってランジュは生徒会室を退席していった。
「ランジュ……」
閉じた扉を見つめながら、栞子はそうつぶやいた。