錬成士と魔弾の射手で世界最強(更新停止中)   作:狩村 花蓮

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UAが4000を越えました!あぁ・・・・・感謝の極みっ!恐悦至極にございます!

「何やら作者が舞い上がってるわね。みんなのお姉さん、真由美よ。」
「いつものことだと思うから気にしちゃだめだよ。香織です。」
「放置安定だな。ハジメだ。」
「ユエ、よろしく。」
「そういえばハジメ、NieR:Automataってゲーム覚えてる?」
「あぁあれな、そういやお前とすっごくやりこんでたっけな。すげーおもろいよなあれ。」
「実はね、今回のお話に、オートマタが出てくるかもなんですって。」
「ほぉー、そいつは見ものだな。」
「お話がまとまったところで、いくよ?せーの」
「「「「さてどうなる奈落編第9話!」」」」
「香織、この挨拶は何?」
「作者の趣味ね。」


第九話 最後の番人と自動人形(オートマタ)

拝啓、父さん。あっちで何をしてますか?さぞかし楽しんでるのでしょうね。えっ?私ですか?私はですねー

 

「何この敵!?固すぎるでしょ!」

 

サソリもどきの魔物とドンパチしてます。

 

「ちっ!これじゃ歯が立たねぇな!」

「こっちもダメ、雷神の力をフルで使ってるけど傷一つつかない。」

 

そう、現在真由美たちは、金髪の吸血鬼少女”ユエ”を助けた後に出て来たサソリもどきと戦っているのだ。そしてこのサソリもどきに3人が苦戦している理由。

 

それはこの敵の表面皮膚の硬度にある。ハジメと香織の超電磁砲”ドンナー” ”ナハト”の直撃をもらってもいまだに目立った損傷は与えられていない。

 

「えぇいまどろっこしい!武装形態変更、両手剣!」

 

真由美がアスカロンスラッシュの武装形態を銃剣から両手剣へと変えた。真由美はエア・ブースターという自分の足元に風を起こし、疑似的に飛行を可能にする魔法(エアロ・ブースト同様、真由美のオリジナルである。)で

 

サソリもどきの上まで上がると、その青白い刀身に風の魔力を纏わせる。

 

「シュラークド・ブレイカー!」

 

文字通り、触れたものすべてを粉砕し破壊しつくさんとする、破壊の権化ともいえるその強烈な一撃は、サソリもどき(真由美たちいわくフェイクスコーピオン)ごと地面を砕き、陥没させた。

 

流石に今の一撃には耐えられなかったのか、フェイクスコーピオンのその堅牢な皮膚に亀裂が走った。それを真由美たちが見逃すはずがなく、真由美はエア・バレッドを生成し、追い打ちをかけるように撃ち続け、ハジメと香織も

 

その銃でもって傷を狙い撃ちにしている。というのも、このフェイクスコーピオンとの戦いが始まって既に2時間は経っている。真由美は外気変換と体力変換があるため息切れはしていないが、ハジメと香織はすでに意気が上がりつつあり

 

その集中力も鈍り始めている。だからこそ、真由美としてはさっさと戦闘を終了したいのだ。

 

「次!武装形態変更、両手銃!ポジション、スナイパー!」

 

両手剣が両手銃へと変わり、バレルが延伸された。すると、周囲の外気を吸収し始める。真由美はその場で静止し、銃身上部のスコープを覗き、例の暗視眼鏡と同期させる。本来あの暗視眼鏡はこのスコープと連動し

 

情報を処理する目的で作ったのだ。暗視の機能がついていたのは、真夜中、新月で月明かりもない場合での狙撃時に、見やすくするためである。暗視眼鏡のレンズ部分にレティクルと着弾予想点が表示され、目の動きに連動して目まぐるしく動いている。

 

その下には、魔力圧縮率がゲージで表示されており、その値はすでに80を示していた。そのゲージはなおも進み、ついにゲージが100に差し掛かった。

 

「圧縮魔力、充填完了。マキシマムエア・ブラスト。シュート!」

 

真由美が引き金を引く。銃身内で圧縮された魔力が解放され、真由美の風魔法最大級の威力を誇るエア・ブラストが、圧縮魔力の加速を受けて、その速度と威力を上げ、それは容易に硬質の皮膚を貫き、魔物の弱点である”核”を露出させた。

 

しかしそれはすぐに修復されてしまった。自動修復的な技能でも持っているのだろう。それを見て真由美は悪態をつく。

 

「このままじゃ埒が明かないか・・・・・・・・ハジメ、香織、一気に決める。奥の手行くよ!」

「あぁ!」

「任せてっ!」

「武装形態変更、抜剣!」

 

 

奥の手、それはユエを助ける前に戦った、サイクロプスとの戦闘中にひらめき、戦闘終了後に真由美がそれ用に自分のとハジメと香織の武器に改造を施した

 

某スーパー戦〇のような攻撃手段のことだ。ハジメはドンナーの撃鉄下部にあるスイッチを押し込み、香織はグリップの左横のスイッチを押した。

 

すると、

 

『It's Time for Railgun's Buster』

 

といういかにもなセリフが聞こえ、ハジメたちの周りを包み込む。真由美も回転弾倉上部、解錠アスカロンが刺さっている部分を再度押し込む。

 

『It's Time for Slashing attack』

 

真由美の周りを青白い魔法陣が包む、そしてその刀身に青白い魔力が収束して行く。

 

「二人とも行くよ!」

「おう!」

「はいっ!」

「「「ハァっ!」」」

 

真由美が飛び上がり、ハジメと香織がその引き金を引く。その弾丸は、銃が耐えられる最大級の威力で撃ちだされる。その赤色と黄色の閃光はサソリの核を易々と射抜く。

 

その瞬間、真由美が大上段から縦に一気に切り裂き、そのまま横薙ぎにその刀身をふるう。今更だが奥の手とはつまるところ必殺技である。武器の耐久値を著しく消費する代わりに

 

武器の壊れるぎりぎりまで威力を貯め、各々の武器に合わせた、文字通り必殺級の威力をふるうことのできるシステムだ。真由美はこれをバスターファンクションシステムと名付けた。

 

その破壊力はすさまじく、フェイクスコーピオンは爆発したのだった。・・・・・・・・うん?魔物は爆発しないだろって?

 

・・・・・馬鹿野郎、爆発するからいいんじゃないか!・・・・・・・・ゴホン。その後真由美は構造知覚を使おうとして、その違和感に気づいた。

 

そう、フェイクスコーピオンの情報どころか、その奥の構造まで”視えている”のだ。彼女の技能:構造知覚は強化され、構造情報知覚という、そこに存在するものすべての情報を、有効範囲の制限なく見れるものへと変わっていった。

 

しかも、そこに何がいて、どういうものを持っているかとか、生物の情報まで読めるので、罠などは、よほど緻密に組んだものでない限り、真由美の前には意味をなさなくなった。そしてここで、真由美の技能の一つ、真由美が今まで

 

興味を示さずに放置していたのもあって、鍵がかかっていることは分からなかったが、確かに制約が解除された。そう、”分解”である。文字通り、魔力を消費して、指定したものを原子レベルまで分解する。

 

しかし、その魔法は分解の範囲によって消費量が跳ね上がる。例えば一辺1mの正方形の鉄の塊を分解するのに消費する魔力を1とすると、10mだと100、100mだと10000という風にすこぶる燃費が悪いのだ。

 

いくら外気変換があって魔力が∞とはいえ、真由美が一度に消費できる魔力はたかが知れている。(ちなみに、負荷に見合わないものを分解しようとすると体がその圧力に耐えられず、最悪体の一部が吹き飛んでしまう。)

 

真由美はこの魔法は有事の時以外は使わないと決めた。その後フェイクスコーピオンの殲滅を確認すると、真由美は次の階層に続く階段を探し始めた。ちなみに今回の戦闘で完全空気だったユエは、直接魔力操作という技能が使えるらしく

 

無詠唱で上級魔法が打てるらしい。その後の戦闘は、それはもう数の暴力といわんばかりの数の魔物と戦う階層ばかりだった。そのまま階層を下っていく。すると、地下なのに草木が生い茂る異質な空間が広がった階層に出た。

 

しかもその階層は魔物の反応などが真由美の技能をもってしても見つけることができない。しばらく進んでいると、謎の敵が胞子状のものをばらまいてきた。それをハジメと香織とユエはもろに浴びてしまった。

 

毒の類ではなさそうなので、そのまま放置して、真由美はその生物を”一応”双機銃形態で倒した。(ちなみに真由美はその胞子を分解で消していたが、3人分まで消すことはできなかった。)しかし、その胞子を放置したのが

 

真由美たちの最大の油断だった。

 

「どうしたの?疲れた?」

「まじか。疲れてるんだったら言えよ?無理は禁物だ。」

「・・・・・・・・違う。」

「じゃあどうしたの?」

「「二人とも逃げてっ!」」

「「っ!」」

 

ユエはその手から魔法を、香織はナハトを、それぞれ撃った。そう、”真由美達に向けて”

 

よく見ると、二人の頭には花のようなものが開花しており、その後ろから草で出来た体を持つ魔物”ドライアドがその姿を現した。

 

ドライアドは真由美たちの方を見ると、頭を傾げた後、すぐに獲物だといわんばかりの目を向けた。しかし、これもまた最大のミスだった。そう、”敵にとって”

 

真由美の内から、大量の魔力が溢れた。真由美のトレードマークであるその赤い瞳には完全に光がなく、その目は細められている。そう、キレたのだ。

 

彼女にとってもう一人の妹みたいな存在のユエと、大切な友人の香織を勝手に操るという行為を彼女が看過するわけないのだ。

 

真由美がその右手を横に振りぬく。すると二人の頭から花のようなものが消え去った。それとともにハジメでさえ体がすくむ程の強烈なプレッシャーが辺り一帯を飲み込む。

 

真由美は疑似瞬間移動で香織たちの横に行くと、ドライアドの胸部に掌底突きを放った。そして二人の耳元で一言囁く

 

「あとは任せて。」

 

真由美は二人を疑似瞬間移動でハジメのもとに飛ばす。そしてまだ息が残っているドライアドに向かって殺気を放つ。

 

ドライアドは金縛りにでもあったかのごとくその体を硬直させた。そこに光の鎖が巻き付き、ドライアドの四肢を固定する。

 

真由美はアスカロンの武装形態を”大砲”形態にし、チャージを開始する。その圧縮率は前に使った時の比ではない。

 

真由美は解錠アスカロンを押し込んだ。その姿はもはや死神だった。

 

『It's Time for blasting attack』

 

無慈悲にそう告げる。それはまるで終焉を告げるラッパのごとく。

 

真由美の周りを青白い魔法陣が包み込み、砲身部分に収束して行き・・・・・・

 

真由美は引き金を引く。その瞬間、無慈悲に解放された破壊の権化はドライアドが苦し紛れで展開したツタのバリアを容易に貫通し

 

その体を襲う。

 

ーーーーグギャァァァァァァァァァァァァァァァアアアーーーーーーーーー

 

絶叫。ドライアドは死体をその場に残すことも許されず、その場からきれいに”焼失”した。

 

ハジメたちはその光景にただただ戦慄を覚えた。自分の周りにいる人間を傷つけたものに対してあそこまで冷徹になれるのが驚きだったからだ。それは心が壊れて歪に固まったハジメでさえ

 

その心を折られるレベルであった。

 

「おい真由m・・・」

「さぁ、邪魔者はいなくなったことだし、先に行きましょ?」

 

ハジメはまた固まってしまう。そして誓った。絶対に真由美を怒らせないと。もし本気で怒らせようものなら、それこそ”終焉”誰も勝てない、神ですら敵ではない、文字通りの魔王が降臨してしまう。

 

そう思ったがゆえに、ハジメは真由美のことは注意しながら行動するようになったのはまた別のお話。

 

真由美たちはドライアドだったものを無視して、最後の階層へと向かった。

 

 

真由美達の前にそびえ立つは大きな扉。真由美は構造情報知覚を使う。そして階段がないことを確認し、ここが最後の部屋だと確信した。

 

「ここで最後のフロアよ多分。階段がなかったからね。」

「そうか、やっとここまで来たのか。」

「うん・・・・これで地上に戻れるのかな?」

「多分ね。これ以上、下がないとするならそう考えていいと思うわ。」

「そっか・・・・・やっと戻れるんだね。」

「でも、ゲームで言ったらこういう時って大体ボスがいるじゃない?」

「だな。RPGの基本だ。」

「この先に生体反応があったわ。しかもこれまでに見たことないスケールよ。」

「・・・・・・・・大丈夫。ハジメたちは負けない。私も頑張る。」

「ユエちゃんにそこまで言われたんじゃあ、お姉さん頑張らないと!」

「よし、行くぞ皆。」

「「「おー!」」」

 

真由美たちが部屋に入ると、入ってきた扉が閉まり、壁で埋められる。そして、目の前の石像らしきもの(正確には胴体とそれを守る殻)から首が生えてきた。いや、出て来たというべきか。

 

そしてその何かはハジメたちの方を見ると、その口を開き、何かのエネルギーを貯めていた。

 

「!?避けて皆!」

 

真由美がそう言い、各々が避けた瞬間、先ほどまでいた場所に白い光線が当たり、地面を削った。

 

「あの攻撃はやばい!皆!絶対に当たらないでよ!あの光線の威力は多分私の火力と遜色ない威力がある!」

 

それを聞いた一同は驚愕の表情をあらわにする。真由美の、ドライアドに撃った一撃。それと同じ威力とは何の冗談だ?皆は同じことを思っていた。

 

ハジメと香織はその敵”ヒュドラ”の胴体に愛銃で攻撃していく。その威力はやはりいかんなく発揮され、もうすぐ胴体の甲羅が割れそうなところまで行ったその時

 

「なっ!?」

 

ハジメは再び驚愕することとなった。なんとさっきまでダメージを与えていた部分が再生されたのだ。見ると、6本の首の内の一本(緑色の頭をした首)が回復魔法のようなものを使っていた。

 

「皆、悪い知らせだ。どうやらあの回復する首を何とかしないと永遠に回復されちまう。」

「だったら・・・・・・」

「そうね。その首をはねるだけだわ!武装形態変更、両刃剣!」

 

真由美は武器の状態を、真ん中に柄が来るタイプの両方に刃がついてる剣の状態へと変化させた。そして持ち手上部、回転弾倉近く、柄に最も近い部分のスイッチを押し込んだ。

 

『It's Time for Slashing attack』

 

その直後、両方の刃に青白い魔力が収束されていく。ハジメと香織もそれぞれのボタンを押し込む。

 

『It's Time for Railgun's Buster』

 

2人の魔力が、赤い閃光とともにその銃口に収束して行く。

 

「「ハァ!」」

 

2人は引き金を引く。魔力が通常の倍近く収束され、銃が耐えうる最大威力にまで高められたその銃弾が、ヒュドラの首に迫る。その閃光は容易に首の根元に大穴を開ける。ヒュドラそれを回復しようとする。

 

しかし、真由美はそれを許さなかった。

 

「させるものですか!」

 

直線上で限界まで加速した彼女はもはや音速を越えており、その勢いのまま、両刃剣の前と後ろをすれ違いざまに振りぬき、二連撃となって、その首を刈り取った。

 

「ユエちゃん、残りの首の足止めをお願い!二人はその援護!少しだけ時間を稼いで!」

「ん!火葬!」

「武装形態変更、大砲」

 

ユエが最上級魔法、火葬を放つ。するとヒュドラの首の周りに火炎で出来た円ができており、それはどんどんサイズを縮めていき、ついにヒュドラの首に当たった。その炎は

 

ヒュドラの皮膚を容易に焼き、その奥の肉の部分を焼く。ハジメと香織はそのあらわになった肉の部分に弾丸を打ち込んでいく。真由美は、ランチャー形態となったアスカロンスラッシュの引き金の隣のボタンを押し込んだ。

 

『It's Time for blasting attack』

 

ドライアドを跡形もなく一瞬で消し飛ばした破壊の権化は、真由美の操作により、先ほどよりもよりワイドレンジとなり、ヒュドラに襲い掛かる。その威力はいかんなく発揮され、残りの首を跡形もなく消し去り

 

その胴体に風穴を開け、中の核を消滅させた。

 

「勝った・・・・・・・・の?ねぇ、勝ったの?真由美。」

「勝ったと思うけど・・・・・・・・」

「あぁ、勝ったと・・・・・・・・思うぞ?」

 

そして皆、体を縮こませ、手を上に上げた。

 

「「「「やったー!!!!」」」」

「やったよ皆!勝ったんだよ私たち!」

「あぁ、勝った。勝ったぞ俺たちは!」

「んー!勝った。」

 

香織はユエとハジメに抱き着き、喜んでいた。ハジメとユエは目を合わせると、仕方ないかというような目で香織の背中に手をまわした。しかし、真由美の中では何かが引っ掛かっていた。

 

そう、それは先のヒュドラの状態を調べたときと、今のヒュドラの状態を調べた値が一緒なのだ。つまり、今あの化け物は真由美達が入ってくる前と同じ状態・・・・・・・・まさかっ!

 

「みんな離れて!まだ生きてるっ!」

 

その直後、先ほどまでとは色の違う首がその口の中に先ほどの光線”極光”を今にも撃ち出さんとしていた。それを見て真由美はとっさに体が動いた。いや、動いてしまったのだ。真由美はハジメたちの前に立つと、技能:分解 を発動した。

 

(初めて使う。さっきの説明にあった通りなら、私はあれを”視ている”し、情報もある。お願いもってよ!私の体!)

 

その瞬間、ついに極光が放たれた。それは射線上の障害物を消し去りながら、真由美の張った分解の壁に激突した。ぶつかったと同時に分解が発動、極光を分解していく。

 

最初こそ分解できていたが、段々体中から血が溢れてくる。そう、魔力キャパシティを越え始めたのだ。しかし彼女は分解を解除しなかった。

 

(ここで私がこれを解除したら、間違いなくハジメに当たる。そうなったら今度こそ彼は死んでしまうっ!ならばどれほど痛みが来ようとこれを解除しない!ある人物が言っていた。”戦闘には感情は不要”とっ!ならば痛いという感情を私は捨てるっ!

もうこれ以上・・・・・・・私の前から大切な人を奪わせないために、私はこの場だけ、感情を捨て去る!)

 

彼女の決意に反応し、一つの技能が追加される。その名は自動人形(オートマタ)彼女の感情を消すという行為は、戦闘をする感情なき兵士、人形に成り下がるのと同義だった。だからこそのオートマタ。もっともこの時の彼女にそのようなものを見る時間はなかったが。

 

極光がやむ。彼女は見事極光に耐えきったのだ。しかしその代償は高くつくこととなった。

 

ーーーーグチャーーーーーーーーー

 

辺りに血が飛び散る。その音にハジメたちは閉じていた目を開け前を見る。その目の前に彼女が、自分たちを守ってくれたあの少女がいるはずだ。しかし、彼らの目に彼女が映ることはなかった。その代わり、彼らの足元には凄惨な状況が待っていた。

 

「なん・・・だと・・・!?」

「そん・・・・な・・・・・。」

「・・・・・・!?」

 

三人が目撃したもの。それは、分解のキャパシティに耐えられず、四肢のすべてが爆散し、それぞれから血を吹き出す真由美の姿だった。

 

「真由美!真由美!まゆみ!返事をしてっ!お願いまゆみぃ!」

「死んじゃいやっ!お願いだよ!目を開けて!」

 

香織とユエは必死に呼びかける。が、真由美の返事はない。香織の額には涙と汗がにじんでいた。先ほどから何度も回復魔法をかけている。が、傷口がふさがらなかったどころか血が止まる気配がなかった。

 

「お願い!そのあっけらかんとした声を聞かせてよ!カオリンって言ってよ!皆のお姉さんよって言ってよ!・・・・・・お願い!死なないで・・・・死なないでよぉ・・・・・・」

 

ついに香織の魔力が切れる。これ以上の治癒行為はできなかった。そこにヒュドラがその首でもう一度極光を放とうとした。しかし、それは不発に終わった。否、相殺されたのだ。ハジメの手で。

 

ハジメの手には、真由美が使っていたアスカロンスラッシュが大砲形態で握られていた。彼の右目から血が流れる。相殺したとはいえ、それは完全ではなく、ハジメの右目をつぶしたのだ。しかし、今のハジメにはそんなことは

 

”どうでもよかった”のだ。ハジメは先ほどから自問自答をしていた。

 

(真由美が倒れた。)

(真由美が死にそうになっている)

(どうしてこうなった?)

(真由美のせいか?否違う、慢心していた俺のせいだ。)

(ここに落ちてきてからずっと真由美に助けてもらっていた。)

(それに甘えていた。)

(それゆえに真由美に重荷を背負わせた。)

(負荷をかけすぎた。)

(俺のせいだ。俺が油断さえしなかったら。)

(あいつを殺せていたら。)

(あいつは真由美を傷つけた。)

(じゃあ傷つけたあいつは何だ?)

(敵だ。じゃあどうする?邪魔をするあの敵を。)

(邪魔者は、殺す)

(殺して殺して殺しまくる)

(たとえ身内であろうと)

(たとえ仲間だろうと)

(敵は・・・・・・・・)

(殺す!)

 

ハジメはポーチの中から黒い筒状のパーツを取り出した。それはハジメの銃”ドンナー”の先端にはまるような形をしていた。

 

ハジメはそれをドンナーにはめる。すると

 

『docking All ok』

 

機械的なアナウンスが流れ、ドンナーは巨大な片手銃となった。ハジメはスイッチを押す。その瞬間、彼の赤い魔力が赤い閃光とともに収束されていく。

 

『It's Time for special shoot Buster』

 

先の必殺技の比ではない、それこそ魔力収束率は、真由美の大砲のそれに近い。ハジメはそれをヒュドラの核があった部分へと向けた。もうすぐ傷がふさがるところまで直されてはいたが、確かにそこには核がしっかりと存在した。

 

「せいぜい、あの世で後悔するんだな。じゃあ、死ね。」

 

言霊というものがある。今のハジメの声はまさしくそうだった。その言葉を呟くと同時に引き金を引く、通常でもとんでもない破壊力を誇る弾丸が、通常の必殺技の比じゃない威力で撃ちだされる。それは治りきっていないヒュドラの皮膚を容易に貫き

 

複数あった核をすべて粉砕した。ヒュドラはその余波で大きく吹き飛ばされ、肉塊へと変わった。それを見たハジメはその場に膝をついた。その目には確かに、涙が流れていた。

 

 

「ここ・・・・・は?」

 

真由美は不思議な空間で目を覚ます。そこには何もなくただ真っ白い空間が続くのみだった。

 

「確か私はみんなをかばって・・・・・・・・それで・・・・・・・」

 

彼女は思い出す、そのあと自分がどうなったのか。

 

「そっか、ここは死後の世界か。私、死んじゃったのね。ごめんハジメ、香織、ユエ。強く生きて。私はここでリタイアするけど、しっかり帰らないとお姉さん怒っちゃうよ?だから、どうか無事で。私はもう行くよ。」

 

真由美は再び目を閉じる。否、閉じようとした。

 

「待ってくれ。」

 

そう、誰もいないはずの空間に声が聞こえたからだ。真由美はその方向を見る。するとそこには、元の世界、地球で全世界のゲームファンを魅了した太ももの持ち主が立っていた。

 

「あれ?私いま目がおかしいな。何で目の前に2Bがいるの?」

「あなたの心がそう願ったからだ。」

 

その黒いミニスカートのような戦闘服を着た少女、2Bははっきりとそう言った。

 

「あなたは一時的に感情を消した。我々と同じような存在となった。だからあなたには、自動人形(オートマタ)という技能が付加された。」

「えぇ?」

「しかし、あなたはこちら側に来るべきじゃない。あなたはまだれっきとした人間だ。”こちら側”に落ちようとするのは感心しない。だからこそ、私たちはあなたに協力する。」

「どういう・・・・・・・・こと?」

「あなたが”人間らしくあるため”に私はあなたに力を貸す。だから、二度と、自ら感情を捨てようとするのはやめてくれ。」

「なんだかよくわからないけど・・・・・・・・分かったわ。」

 

すると、何も無かった白い空間に亀裂が入っていく。

 

「どうやら時間のようだ。あなたは、元居た場所に帰るんだ。」

「どういうことっ!?意味が分からない・・・・・・・・せめてもう少しっ!」

「もし戻ったら、オートマタ、と言ってくれ。そしたら、私はまたあなたに会えるだろう。」

 

崩壊は進み床にも亀裂が走る。

 

真由美はその中に落ちてしまった。

 

「・・・・・・・・人類に、栄光あれ。」

 

その少女、2Bは最後に確かにそう言った。




いやー、最近になって、この前売ってしまったニーアをどう買い戻そうかなと思っていて、YouTubeに上がってたゴーバスターズを久々に見て、ネタを使いたくなって、無理やり今回にねじ込んだ作者です。ナニヤッテンダコノサクシャ。今回も今回とて少し駆け足になってしまいましたね。そしてついに次回で奈落編は終了です!次回が投稿されると同時にアンケートは終了させていただきます。あと、オリキャラが三人ほど増える予定がありますので、その時は、また出したよこの作者ぐらいに思っててください。ではまた次回!

檜山はこのまま死んだほうがいい?それとも魔人族の一味になって襲い掛かってくる展開がいい?(奈落編終了まで)

  • このまま死すべし慈悲はない
  • 復活させるよ?イイネ?
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