モチベにつながりますので、どうかよろしくお願いします。まぁ作者のどうでもいい話はここまで。ではいつもの、行ってみましょう!
※2020/12/22 加筆+修正しました。
2021/03/01 衣装に関する部分を修正し、そのあとの部分を少し改変しました。
「もっとまじめにやってよあの作者。っとどうも皆さん、真由美です。」
「あの真由美がふざけなかった・・・・だと!?っと、ハジメだ。」
「失礼ね!私だって真面目に挨拶ぐらいするわよーだ!」
「あはは・・・・・・・・今までのの挨拶を見た人にはにわかには信じられないんだよ。香織です。」
「ユエ。よろしく。」
「?ここはどこだ?っとすまない。ヨルハ二号B型、通称2Bだ。」
「それは僕も気になるよ。やぁ、オスカー・オルクスだ。」
「だって、今日はあなたたちがメインになってくる回だからよ。」
「「???」」
「はいはい、二人して?を浮かべなくていいから。という訳で・・・・・・・・」
「「「「「「さてさてどうなる奈落編第10話」」」」」」」
「ちなみに今回で奈落編は最終話です。」
「・・・・・・もっと早く言えよ。」
「・・・・・・・・ん?ここは?」
真由美の目に映ったのは見知らぬ天井。その部屋は、とても豪華な作りになっていた。現代風にいうなら、アニメで出てくるお城の部屋のようだ。
真由美は自分の周りを見回す。自分は今とても大きなベッドに寝ており、部屋の中でひと際存在感を放つその窓からは、太陽の光が差し込んで・・・・・・・・
ん?太陽の光?真由美は違和感に気づいた。
「太陽の、光?」
ーーーーーーーガチャンーーーーーーーー
彼女が呟くと、その後ろで、何かを落とす音が聞こえた。そこには、お湯が貯まっていたであろう桶を落とし、真由美の方を見つめる香織の姿があった。
「真由美っ!」
「うわっ!?」
香織は真由美を見るなり駆け出し、真由美に抱き着いた。香織は真由美の体にしっかりと抱き着くと、そのまま動かない。それはまるで、真由美がそこにいることを感じているような
そんな感じの光景だった。
「良かった!良かったよぉ!真由美が生きてた!本当に・・・・・・・・良かった!私はあの時何もできなかった!だから、あの夢が本当になるんじゃないかってっ!・・・・・・・・心配でっ!でも真由美は生きてた!良かったよぉ・・・・・・・・」
香織は子供のように泣きじゃくった。それは今の香織の心がどれだけ救われたのかを表すように。彼女の溜め込んだ思いが一気に溢れ、それが止まるまで少しの時間を要した。
真由美はそれを見て、とっさに香織の頭をなでようとする。それはいわゆる母性本能からくるものなのだろう。そこで真由美はまた一つ、不自然なことに気づいた。
彼女の両腕は、分解のキャパシティオーバーによる負荷で爆散したはずなのに、今の真由美にはちゃんと両腕があったのだ。しかしそれは生の腕ではなく、義腕だった。
よく見ると、足も義足がはめられている。しかし、それは外見上全くといっていいほど生の腕と変わらず、皮膚の感覚もちゃんとある。真由美は一瞬、自分の腕が復活したのかと勘違いするぐらいには
そっくりだったのだ。そこにまた人がやってきた。金色の髪をなびかせるその少女、ユエは香織がなかなか戻ってこないことを心配し、様子を見に来たのだ。そして彼女は真由美の起きている姿を見るなり、ハジメを呼びに走ったのだった。
それからほどなくして、ハジメがやってきた。しかし真由美は再び驚くことになった。そう、爪熊との戦いで切られた左腕には、黒い色の義手がはめられている。まだ慣れていないのか操作はぎこちないが、それでも割と使いこなせている。
「真由美・・・・・・・・とりあえず無事でよかった。けどな、あんまり無茶をしてくれるな。お前は俺の”大切”なんだからさ。」
「うん。ごめんね?迷惑かけちゃって。」
「全くだ。でも、それを咎めることはしねぇよ。だって、文字通り命がけで守ってくれたんだもんな、俺たちを。」
「うん・・・・あの時は考える前に体が動いちゃってた。だから、そういってもらえてうれしいな。ユエちゃんもごめんね?」
「ん。大丈夫、気にしてない。でも、あれだけの無茶をもうしないって約束して。」
「分かったわ。お姉さんとの約束ね。・・・・・・・・ところでハジメ、あの後どうなったのか説明してくれる?」
「あぁ、分かった。」
ハジメは口を開く。なんでも、あの化け物”ヒュドラ”の核を撃ち抜き、肉塊へと変えた後、奥にある扉が開いたらしい。ハジメたちはすでに満身創痍でこれ以上敵が出てきたら叶わない状態になっていた。しかも、まったく動けない真由美を連れていては
とてもじゃないが満足に戦闘できない。だからこそ、ハジメたちはその扉を警戒しながら、どうやって切り抜けるか模索していた。しかし、その奥から魔物が出てくることはなく、いざその扉の向こうに入るとそこには広大な土地と、豪華な城が立っていたという。
ハジメはそこで驚愕する。なんと太陽があったのだ。本物の太陽ではないが、オリジナルと変わらない太陽のようなものが確かに浮遊しており、昼夜の概念も存在するという。ハジメはとりあえず建物の中に入り真由美を適当な部屋のベッドで寝かせると
何か使えるものがないか探したという。するとお誂え向きに工房があったので、持ってきた鉱石と一緒に義手義足を作ったそうな。ちなみに真由美につけているのは試作モデルのため、実戦に耐えうるものではないらしい。
「・・・・・・・・という訳だ。」
「なるほどねぇ・・・・しかしここまでの出来となると、相当高度な錬成士がいたのかな?」
「かもな。少なくとも俺には無理だが。」
真由美はそのままベッドから出る。ここについていろいろと調べたかったからだ。しかし、そこであることを思い出す。
(あれ?私夢の中で誰かに、ある言葉を言ってくれって言われたような気がする。なんだったっけ?えぇッと・・・・)
「・・・・・・・・オートマタ?」
彼女はそう呟く。すると彼女の前に青白い魔法陣が現れた。しかし、真由美はその魔法陣の形に既視感を感じた。そう、その魔法陣の正体とは
「まさかっ!転移陣だって!?」
「なにっ!?ユエ、戦闘態勢だ。何かやばいものが来るかもしれない!」
「ん!真由美は私が守る!」
「私も、真由美を守るよ!」
真由美以外の三人は戦闘態勢に入った。しかしそれを真由美は静止させる。
「大丈夫よ。少なくとも敵じゃないわ。」
真由美はその魔法陣を見続ける。すると現れたのは、なんと真由美をこの世に引き留めた黒いミニスカートのような戦闘服を身にまとい、目隠しのようなもので目を覆い、巨大な剣と白い刀を背負った少女、”2B”だった。
「ここはいったいどこだ?機械生命体の拠点ではないようだが・・・・・・・・」
「やぁ、2B。また会ったね。」
「うん?あぁ、あの時の人間か。挨拶が遅れた。私はヨルハ二号B型。2Bだ。よろしく。」
「うん。私は獅童真由美よ。よろしくね。」
「あぁ、よろしく頼む。」
2人仲良く話すその光景を見て、ハジメたちは戦闘態勢をといた。するとハジメが一歩前に出る。その顔には好奇心という文字がはっきりと見えていた。
「なぁ真由美。ほんとにこれは2Bなのか?」
「私が呼んだようなものだからあっちのとは少し違うかもだけど、本物よ。」
「ほぅ・・・・・・・・そいつは興味あるな。」
「あなた・・・・・本格的に研究者脳になったんじゃない?」
「否定はしない。」
その後、いろいろと紹介を済ませた真由美たち一行は、屋敷の探索をし始めた。すると工房の奥にある扉が目についた。真由美はそれを見て、直感的に何かを感じ取ったのか、ハジメ以外を外で待たせて
ハジメと一緒に奥へと進んでいく。そこは今までとは違い、洞窟のような作りになっている。そうそれはまるで迷宮のよう。真由美とハジメは暗視を使い奥へと進んでいく。すると開けた場所に出た。
よく見ると、その床には巨大な魔法陣のようなものが書かれており、その前には玉座と、そこに座る、服を着た骸がいた。真由美たちがその魔法陣の中に入ると魔法陣が起動した。
魔法陣が淡く輝き、部屋を神秘的な光で満たす。
中央に立つ真由美の眼前に立つ青年は、よく見れば後ろの骸と同じローブを着ていた。
「試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ。反逆者と言えばわかるかな?」
話し始めた彼はオスカー・オルクスというらしい。【オルクス大迷宮】の創造者のようだ。驚きながら彼の話を聞く。
「ああ、質問は許して欲しい。これはただの記録映像のようなものでね、生憎君の質問には答えられない。だが、この場所にたどり着いた者に世界の真実を知る者として、我々が何のために戦ったのか……メッセージを残したくてね。このような形を取らせてもらった。どうか聞いて欲しい。……我々は反逆者であって反逆者ではないということを」
そうして始まったオスカーの話は、真由美が聖教教会で教わった歴史やユエに聞かされた反逆者の話とは大きく異なった驚愕すべきものだった。
それは狂った神とその子孫達の戦いの物語。
神代の少し後の時代、世界は争いで満たされていた。人間と魔人、様々な亜人達が絶えず戦争を続けていた。争う理由は様々だ。領土拡大、種族的価値観、支配欲、他にも色々あるが、その一番は〝神敵〟だから。
今よりずっと種族も国も細かく分かれていた時代、それぞれの種族、国がそれぞれに神を祭っていた。
その神からの神託で人々は争い続けていたのだ。
だが、そんな何百年と続く争いに終止符を討たんとする者達が現れた。それが当時、〝解放者〟と呼ばれた集団である。
彼らには共通する繋がりがあった。それは全員が神代から続く神々の直系の子孫であったということだ。そのためか〝解放者〟のリーダーは、ある時偶然にも神々の真意を知ってしまった。
何と神々は、人々を駒に遊戯のつもりで戦争を促していたのだ。〝解放者〟のリーダーは、神々が裏で人々を巧みに操り戦争へと駆り立てていることに耐えられなくなり志を同じくするものを集めたのだ。
彼等は、〝神域〟と呼ばれる神々がいると言われている場所を突き止めた。〝解放者〟のメンバーでも先祖返りと言われる強力な力を持った七人を中心に、彼等は神々に戦いを挑んだ。
しかし、その目論見は戦う前に破綻してしまう。何と、神は人々を巧みに操り、〝解放者〟達を世界に破滅をもたらそうとする神敵であると認識させて人々自身に相手をさせたのである。
その過程にも紆余曲折はあったのだが、結局、守るべき人々に力を振るう訳にもいかず、神の恩恵も忘れて世界を滅ぼさんと神に仇なした〝反逆者〟のレッテルを貼られ〝解放者〟達は討たれていった。
最後まで残ったのは中心の七人だけだった。世界を敵に回し、彼等は、もはや自分達では神を討つことはできないと判断した。
そして、バラバラに大陸の果てに迷宮を創り潜伏することにしたのだ。試練を用意し、それを突破した強者に自分達の力を譲り、いつの日か神の遊戯を終わらせる者が現れることを願って。
長い話が終わり、オスカーは穏やかに微笑む。
「君が何者で何の目的でここにたどり着いたのかはわからない。君に神殺しを強要するつもりもない。ただ、知っておいて欲しかった。我々が何のために立ち上がったのか。……君達に私の力を授ける。どのように使うも君の自由だ。だが、願わくば悪しき心を満たすためには振るわないで欲しい。話は以上だ。聞いてくれてありがとう。君のこれからが自由な意志の下にあらんことを」
そう話を締めくくり、オスカーの記録映像はスっと消えた。同時に、真由美の脳裏に何かが侵入してくる。ズキズキと痛むが、それがとある魔法を刷り込んでいたためと理解できたので大人しく耐えた。
「なんか・・・・・・・とんでもないお話を聞いちゃったわね。」
「あぁ。でも、これで覚悟は決まった。」
「えぇ、そうね。」
「「腐った神を殺して、元の世界に帰る。」」
この話を聞いた二人は、そう決意した。この理不尽をことごとく潰し、元の平和な日常を謳歌することを胸に抱いて。
「それにしてもハジメ。この魔法は・・・・・・・・」
「生成魔法?鉱物に様々な特性や魔法を付加できるらしいな。」
「これ、もし技能が付与出来たら無限動力機関、作れるんじゃない?」
「・・・・・・・・確かにそうだな。よっし!早速作るぞ!」
「あっ待ってハジメ。」
「どうした?」
「ちょっと・・・・・・・・試しておきたいことがあるんだ。それに・・・・・うまくいけば、オスカーさんをよみがえらせられるかもしれない。」
「どういうことだ?」
「まぁ見てて。」
真由美はそういうとアスカロンスラッシュを取り出した。
「武装形態変更、導器。」
アスカロンスラッシュが、先の方に護符のようなものがついた扇子のような形をとる。真由美はそれを一枚取り出し。オスカーの骸に”張り付ける”そして、技能:自動人形(オートマタ) を発動した。
『自動人形作成プロトコル開始。構成元素を選択。人間と同様のものに設定。魔力核の形成をオンに。構成終了。触媒を準備。個体名オスカー・オルクスの骨を検知。該当者の人格と記憶を再構築。エラーチェック。問題なし。プロセス正常に終了。
自動人形、作成完了。』
辺り一帯を白い魔力が覆う。そしてそれは中央部、オスカーの遺体があるところに収束して行き・・・・・・・・オスカーの遺体だったものは完全に”オスカー”へと”変わった”。
「・・・・・・・・んっ、ここ・・・・・・・・は?」
「!?成功・・・・・・・・したの?」
「・・・・・・・・あぁ、成功したぞ!」
この日、真由美は死者蘇生?を成し遂げたのであった。
その後、オスカーにいろいろと事情を説明すると、オスカーはとても興味深そうに話しを聞いてくれて、協力してくれることとなった。そしてその夜、真由美は館の屋上で一人ぽつんと外の景色を眺めていた。
すると、屋上へと続く扉が開く。真由美が後ろを振り返るとそこには、ハジメが立っていた。
「どうしたの?こんな夜更けに。」
「そのセリフそのままそっくり返すぜ。で、こんなところで何やってんだ?あぶねえだろ。女一人なんて。」
「私を誰だと思ってるの?あなたの格闘技の師匠よ?そんじょそろらの賊なんぞにやられる私じゃないわよ。」
「俺はお前を一度も師匠なんて呼んだ覚えはないが。」
「・・・・・・・・うん。そうだったわね。なぁんだ、私ったら。なんか舞い上がってるみたいね。フフッ。」
「・・・・・・・・なぁ真由美。」
「うん?なあに?」
「・・・・その・・・・・・・・さ。お前が過去に何があったかは知らないが、もし俺たちを信頼してくれるなら、その・・・・・話してくれないか?お前の過去。」
「何よ藪から棒に。レディの秘密を聞き出そうとするのは感心しないわね。」
「お前のどこに淑女な要素がある?」
「面と向いて言われると心に来るものがあるわね。・・・・・・・・でも、そうね。あなたには話していいかな。・・・・・・・・聞いてくれる?私の話。」
ハジメは無言でうなずく。真由美はそれを見ると、顔を景色の方へ向けて、口を開いた。
「私ね、元々お嬢様だったの。苗字も獅童じゃなくて、糸井川って言ったんだ。」
糸井川。その名前をハジメは覚えている。糸井川重工といえば、家電製品制作から兵器開発まで幅広くやっている大手機械メーカーだ。
ハジメはふとこんなニュースを思い出す。それは、今から2年前、糸井川重工の社長、糸井川繁里の娘、糸井川真彩とその旦那が殺されたというニュース。そしてその夫婦の娘二人が攫われたという・・・・・・・・
ハジメは気づいた。
「糸井川って・・・・・・・・まさかお前!」
「そう、そのまさかよ。糸井川真彩の娘、糸井川真由美。それが本当の私よ。」
ハジメは苦虫を嚙み潰したような顔をする。あの事件は、殺され方がむごいと、ニュースやSNSで騒がれていた。その娘ということは、その現場を誰よりも近くで見ていたことになる。
「私はあの後、裏社会へ入ったわ。いえ、入らされたのよ。当時中学一年生だった私と深雪は、愛玩奴隷として売られそうになったわ。自分で言っちゃあれだけど、出るところが出てた私は
そう言うのが”好きな連中”には格好の的だったのよ。」
「・・・・・・・・」
「あら。びっくりしちゃった?フフッ。無理もないわね。私もその時はそんな感じだった。」
真由美は、ハジメの方を少し見た後にすぐ視線を戻して、話を続ける。
「愛玩奴隷なんてものにはなりたくなかった私は深雪を連れて逃げたわ。それはもう必死に。なりふり構っていられなくなって、お金を盗んだこともあったわ。そして時には私の体を使って、時にはお金をちらつかせて、私は
隠れながら逃げて行ったわ。だけど、ある日、私たちの目の前に追手が来てしまった。その時、深雪は左足を、追手が持ってた銃で撃たれて、歩けなくなってしまった。その時に私の中で何かが壊れた。深雪を、最愛にして最後の
家族である深雪を傷つけられた私は、その追手の銃を奪って、その引き金を引いた。そこから私はおかしくなった。もう、人を殺すのに抵抗がなくなってしまったの。私はそのまま、幾度となく追いかけてくる追手を
その手で殺し、必死に逃げたわ。そして力尽きた。その時私を助けてくれたのは、当時格闘技の名門として知られていた森本道場師範代、森本雄三郎の妻、森本恵子さんだったわ。私は、その人の協力のもと、格闘技を教えてもらって
今私が使っている技を会得したわ。名前がついていないから、つけるとしたら森本流格闘術とでも呼びましょう。私はその後、恵子さんの旧姓である獅童を名乗るようになり、今に至るわ。・・・・・・・・ハジメ。私はね、クラスメイトが思ってるほど
出来た人間じゃないの。人を殺すこと、犯罪に手を染めるのに何の抵抗も後悔も感じない、ただのクズなのよ。だからねハジメ、これはお姉さんからの忠告。いや、経験者からの忠告。その銃の引き金を引くのにためらいをもって。関係のない人まで
手にかけたらあなたはきっと戻れなくなる。だから、迷わずに引き金を引いていい相手は、私みたいなクズだけよ。」
ハジメはただ、絶句することしかできなかったのだ。ハジメと同年代でありながら、これほどの闇を抱えている少女を、ハジメは見たことがない。申し訳ないとは思うが、その闇は恐らく、ユエ以上のものだろう。
すると真由美がハジメに抱き着いた。その顔には涙が浮かんでいる。
「ユエと香織から聞いたわ。あなた、あの二人の告白を、受けたそうね。私が寝ている間に。そしてそのまま夜の経験もしてしまった。」
ハジメは焦る。そう、真由美が寝ている間、ハジメは館の大浴場でゆっくりしていた時に、その場にユエと香織が乱入。そのまま告白され、夜の営みへと発展してしまった。
冷や汗ものだ。これに怒らない人間はいない。だって、自分が寝てる間にそこまでの関係を持っていたら、誰だって何してんだと怒りたくなるものだ。しかし真由美は予想外の答えを返した。
「フフッ。焦ってる焦ってる。でも安心して?私は嬉しいのよ。ハジメが初めて自分の意思で物事を決めたことが。そしてこれは私からのメッセージ、になるのかな?いい?ハジメ。あなたに好意を向ける人
叱ってくれる優しい人が向ける好意には必ず答えなさい。そして助けを求めてる人がいたら助けるの。あなたを叱ってくれる人を含めてあなたに好意を向ける人。それはあなたの内面を見て、全部ひっくるめて
あなたが好きって言う証拠だから。・・・・・・・・ハジメ。目をつぶってくれない?」
「分かった。」
ハジメは目をつぶる。すると・・・・・・・・
ーーーーーーーーーーチューーーーーーーーーーー
ハジメの頬に何かが当たったかと思うとそんな音がした。ハジメはびっくりして目を開けると、真由美がハジメの頬にキスを、していた。
真由美は顔を真っ赤にしながらハジメに言う。
「これは私からあなたへのプレゼントよ。私のことは忘れてもいい。でも、そのプレゼントのことだけは、忘れないでね?」
真由美はそういうと、そそくさと出て行ってしまった。その後ろ姿が、どこか失恋した後の女子のような姿だったのは、おそらく気のせいだろう。
翌日、真由美はハジメとオスカーの助けを借りながら何かを作っていた。それはレス〇ュー〇ォースに出てくるレス〇ュ―スト〇イカ―のようなフォルムをしていた。
「これがお前の言ってた奴か?」
「そうよ。多目的大型6輪式装甲戦闘車両、マギアストライカー。総重量210トン、動力には私の技能、外気変換と魔力変換を付与した特殊エンジン、通称、”マギアエンジン”を搭載。武装は
車体中央部、エンジンルーム上部に格納された、フリージングカノン。車体前方、ライト部分の下部に設置された牽制用エア・バレット。後部は格納庫になっていて、人員は最大50人。乗用車サイズの
ものが2機格納可能よ。ちなみに、この車両には、カードスラッシュによるコマンド制御型のバスターファンクションシステムが搭載されているわ。」
「ほう・・・・・・・そいつはすげえな。」
「僕にはこれがさっぱりわからないんだけど、とりあえずすごいというのは分かった。」
「あ、そうだオスカーさん。あなたはここに残るの?」
「うん、そのつもりだよ。」
「であれば、設計図を今から渡すので、今からその二機を作ってもらいたいのです。」
「えぇ!?あのスケールのものをあと2機も?」
「大丈夫ですよ。設計図の通りに作れば失敗しませんし、専用のオートワークステーションを作りますから。時間がかかってもいいから、お願いします!」
「・・・・・・・・分かった。君みたいな美少女の頼みはミレディ以外は断らないようにしてるんだ。錬成士として僕はその依頼を受けよう。」
「ありがとうございます!」
こうして真由美が構想した戦闘車両シリーズ、通称マギアシリーズは、オスカーの手で作られることになった。その後、真由美は車両を外に出すための
専用リフトを作り、その出口はライセン大渓谷に出るようになった。
その後、彼女は武器を新造することにした。彼女の武器”アスカロンスラッシュ”はヒュドラとの戦闘ですでに限界を迎えていた。
そのため早急に新しい武器を開発しなければならなくなった。そして出来たのが通称”ベルグザッパー”初期形態はツインガンで形状変更により、ライフル、ツインダガー、ツインソード、バスターソードへと変貌する。
(ちなみにベルグザッパーにもバスターファンクションシステムが搭載されている。)この武器は従来のエア・バレッドを撃ちだす方式ではなく、魔力弾を撃ちだす方式へと変わっている。これまで同様、魔力の圧縮度合いや出力次第で
弾丸の連射能力、強度、火力が調整できるようになっている。これは彼女の義手に後述するあるものが組み込まれたため、必要ないと判断されたからである。
ちなみにその真由美の義手義足はハジメとオスカーの合作で完成した。
手のひらに当たる部分と足裏に当たる部分には生成魔法で、エア・ブースターを付与した、噴射モジュールが内蔵され、両腕両脚部には神結晶(ハジメたちが舐めていたあの液体を生成したもの)と呼ばれる魔力を貯蔵できる鉱石が使われている。これには生成魔法で
真由美の技能 外気変換が付与されている。これにより、真由美本人からの魔力供給+外気からの直接魔力変換ができるようになった。そのため、分解に回せる魔力キャパが増えたために、ヒュドラの極光レベルであればギリギリ分解しきれるようになった。
そのうえでそれに指向性を持たせることにも成功しており、ベルグザッパーの放つ魔力弾に付与することも可能になった。彼女の義手はまさにとんでも兵器とかし、その上その義手義足にはあのアスカロンスラッシュが形を変えて組み込まれている。
真由美がベルグザッパーを作っている最中に「捨てるのがもったいない」と呟いたからである。
カートリッジ式の記録魔法の展開機能はそのままに、ナックル・ソード・ライフルの3モードの固有技を撃ちだせるようになっている。(なお、カートリッジを格納するための回転弾倉は使用上二基に増設されている)
そのため両腕部にはライフルモードで言う銃口が展開方式で格納されていたり、右腕には展開式の高硬度高周波ブレード(ハジメ命名)が格納されてたりする。それにしてもこの少年、やりすぎである。
ハジメはドンナーの対の武器となるシュラークと電磁加速式狙撃砲シュラーケンと電磁加速式機関砲:メツェライを作り、ハジメ自身も義手にいろいろ細工をし、乗り物として魔力二輪、四輪駆動車を作った。
香織には真由美から電磁加速式サブマシンガン:ウヴァールが贈られた。香織の体形と身体能力からこのぐらいがちょうどいいと真由美が判断したためだ。
ユエはその手先の器用さで、真由美たちの服を作った。そしてついに、地上へと戻ると決めた日がやってきた。(ちなみに2Bもオスカーと残ることになった。マギアシリーズの開発を手伝ってもらうためだ。)
やってきたのだが、ハジメは地上に戻る前にどうしてもツッコミたいことがあった。それは・・・・・・・
「なぁ真由美?」
「ん?なぁに?ハジメ?」
「なんでそんな真っ黒い衣装なの?」
「この素材が一番いろいろな耐性が強かったからよ。」
「アッハイソウデスカ」
そう、今の真由美の恰好はどこぞの死神代行を彷彿とさせる黒一色のローブ状の服だったのだ。しかし頭にあるフードを見るとシスターを彷彿とさせるからもう訳が分からない。
しかもこの服に使われている繊維、毒、酸、火などに対する高い耐性を持つほか、耐刃、耐衝撃、耐魔法などを持っているほか、着用者の筋力を若干アシストしてくれるパワーアシストまでついているというチートっぷり。
なお、これは分解で消し切れないものからのダメージを防ぐためにと、真由美が色々技能やら耐性やらを付けた結果の産物というのがまた恐ろしい。
真由美はこれからのことを考える。
「さて、ここからどうするかな。」
「なら、ライセン大迷宮へと行ってみるといい。あそこにいるやつは・・・・・・・・正直いけ好かない奴だけど腕は確かだ。」
とオスカーが提案する。
「どちらにせよみんなのもとに戻る前に色々準備しておいたほうがいいか・・・・・・・・分かったわ。そこに行ってみることにする。ありがとねオルクスさん。」
「構わないさ。それに、君から頼まれたものも、恐らくすぐできるから。」
「楽しみにしていますね。」
「任せてくれ。錬成士としてしっかりと役割はこなすさ。」
「じゃあオルクスさん、そして2B。後をよろしくね。」
「任せてくれ。」
「この身に変えても守ると誓おう」
真由美たちはマギアストライカーへと乗った。真由美は既定の手順に従い、エンジンを始動させる。すると風を吸い込むような音が響きだした。
エンジンが魔力の変換を始めたのだ。それはすぐに最高レベルに到達し、真由美はアクセルを踏む。この時、マギアストライカーは初めて動き出した。
その中で真由美は、ハジメたちに声をかけた。
「この世界に来てしまった事実は変えられないけど、帰る手段は必ずある。だからその方法を探しに行きましょう。」
「そうだな。早く元の世界に帰りたい。」
「その時はユエちゃんも一緒に連れて行こうね。」
「うん、私も真由美たちのいた世界に興味がある。」
「いい?私たちは4人で最強、この4人ならだれが来ても勝てるわ。」
「あぁ。」
「えぇ。」
「ん!」
「・・・・・・じゃあ、行きましょうか!」
「「「おー!」」」
(待っててね深雪。からなずあなた達を迎えに行くから。)
こうして、真由美たちは地上へと戻るのだった。
その頃、深い渓谷のそこで、頭にウサギの耳のようなものを生やしたウサギが、今か今かと何かを待っていた・・・・・・・・
第一章 迷宮編 Fin
駆け足気味でかいたから今回2Bの会話が少なかったような・・・・・・・・ということで原作では生きていなかったオスカー・オルクスを真由美さんは自動人形というチートスキルで生き返らせました。しかしこの能力はポンポン使えるとチートなので、次の回が上がるまでに新しい設定を考えておきます。
2Bの戦闘に関しては、ライセン大迷宮編が終わったらになると思います。今回で第一章は終了です。それに伴い、檜山の処遇についてのアンケートは終了とさせていただきます。皆さまご投票ありがとうございました。
次回、第二章、ライセン大迷宮編でお会いしましょう。(次に上がるものがそれとは限りませんが(;^ω^))
檜山はこのまま死んだほうがいい?それとも魔人族の一味になって襲い掛かってくる展開がいい?(奈落編終了まで)
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このまま死すべし慈悲はない
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復活させるよ?イイネ?