錬成士と魔弾の射手で世界最強(更新停止中)   作:狩村 花蓮

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「やぁ皆さん、また会ったわね。みんなのお姉さん、真由美よ。」
「お前の挨拶って相変わらずだな。ハジメだ。」
「真由美っていっつもこうじゃない?香織です。」
「ん。もはや病気の類。ユエ。よろしく。」
「マスター・・・・・・・・さすがに擁護しかねるぞ。2Bだ。」
「みんなひどくない!?お姉さん泣いちゃうわ・・・・・・・・」
「はいはい分かったから。ということで・・・・・・・・」
「「「「「さてさてどうなるライセン大迷宮編 第十一話!」」」」」
「最近の私の扱いがひどい気がするわ・・・・・・・・」


第二章 ライセン大迷宮編
第十一話 ハウリア族の残念ウサギ?


小鳥のさえずりが聞こえる。近くに森があるのだろうが、生憎とここには石しか転がっていない。

 

そう。ここは渓谷だ。オルクス大迷宮からほど近い場所に位置する、【ライセン大峡谷】と呼ばれる場所だ。そこには驚くほど何もない。渓谷なのだからそれは当たり前なのだが・・・・・・・・

 

しかし、何もないそこで起きたのは、轟音。まるで大きな岩同士がぶつかったような音だ。崖の部分に止まっていた鳥が一斉に飛び立つ。そのすぐ後、崖の一角が不自然にせりあがっていく。

 

そこから出て来たのはその体を白と青を基調とした装甲で覆っている装甲車だった。

 

 

その青と白を基調とした装甲車、”マギアストライカー”を動かしていた運転手、獅童真由美は次の目的地、ライセン大迷宮を探すためにその装甲車を走らせていた。しかも、装甲車の幅が渓谷の壁ギリギリまであるのに

 

彼女は一切ぶつけることなく、かなりのスピードで走っていた。なぜこんな熟練の運転手みたいな芸当ができるのか。それは彼女の腕にある。

 

その彼女の腕は一見すると生身の腕に見えるが違う。偽装で見た目をごまかしているだけで、今の彼女の腕は義手だ。だからこそ、機械の精密なコントロールを可能にしているのだ。

 

しかし彼女はその運転をやめざる負えなくなった。彼女の移動手段の一つであるこの装甲車”マギアストライカー”には彼女の技能:構造情報知覚を付与し、レーダーとして使えるマップが組み込まれている。

 

そこに点が二つ映った。

 

「真由美、車を止めちゃって・・・・・・・・どうしたの?」

 

そう彼女の運転席の後ろから顔を出してきた可憐な少女は名を白崎香織という。真由美と一緒に奈落へと落ち、生還した少女だ。

 

「いやね、レーダーに何か映ったのよ。二つ。一つは敵で間違いないのだけど。」

「ほう、ここにレーダーに映るほどの生物がいるとは思えないが。」

「そうなのよね・・・・・・・・ハジメ、運転をお願い。」

「任せろ。」

 

彼女が話しかけた相手は南雲ハジメといい、彼も奈落から生還した人間だ。真由美と同じ錬成の天職を持ち、彼が作った武器の数々は、真由美たちの武装の原型となっている。真由美は、ハジメの方を振り返ることなくそう言って、運転席を降り

 

上部ハッチを開けた。ハッチを開けるとその体をひんやりとした空気がなでる。渓谷だからだろうか、やはり少し寒い。真由美は特に苦労することなくその身をハッチの上へと運ぶ。そして技能:構造情報知覚 を使用し先ほどの反応があった方を向ける。

 

するとやはり、二つ反応があった。彼女はそれを確認すると自分の腕の、義手の調子を確かめるようにその腕を振った。特に違和感はなく、これなら戦闘になっても問題ないと思った真由美は赤いフレームをした伊達眼鏡もとい

 

暗視機能付き多機能眼鏡改(香織命名)を付けた。真由美はこの眼鏡をコスプレのつもりでかけていたのだが、つけるならいっそのこと改造してやろうと、この眼鏡を作った。しかもこの眼鏡のフレームは、あのアスカロンスラッシュと同じ素材が使われているため

 

そう簡単に壊れることはない。彼女はそれを付けると、左目のレンズにレーダーを、右目のレンズにレティクルを表示させ、新しい武器の起動コードを口にした。

 

「ベルグザッパー、起動。武装形態、ツインガン。」

 

本来起動コードを言う必要はないのだが、これを言うと彼女の心は戦闘状態へとスムーズに移行できるため、彼女は切迫した状態以外ではもっぱら言うと決めている。

 

真由美の手には青と黒に塗り分けられた片手銃が握られた。彼女はそれを確認すると、義足に内蔵されたブースターを起動させる。一気に空中まで上がると、レーダーが指し示す方へと向かった。

 

 

真由美が飛行し始めてからさほど立たない頃、恐竜みたいな魔物に追いかけられてる人がいた。いや、正確には、人のような何かがである。

 

その髪は水色をしており、何とも露出度の高い服を着ている。そしてなんといっても、その頭にきれいに生えそろっている”うさ耳”が彼女にはあった。

 

真由美はその光景を見て、手前の子は敵じゃないなと判断し、その後ろの恐竜のような魔物の方を一瞥する。そして彼女はその両手の銃を変形させる。

 

「武装形態変更、ライフル。」

 

真由美はその両手の銃を互いにくっつけるようにした。するとその銃は変形をはじめ、ライフルの形状を取る。するとその銃口に魔力が収束して行く。真由美の眼鏡のレティクルは彼女の目線に合わせ目まぐるしく照準を修正していく。

 

そしてそれが固定された瞬間、真由美は息を止め、引き金を引く。撃ちだされた魔力弾は寸分たがわず、恐竜型の魔物の核を打ち抜き、魔物を狩った。その前を走っていたうさ耳少女は何が起こったのかわかっていないようだ。

 

今も目をこすったりしている。彼女はベルグザッパーを待機状態にし、そのうさ耳少女のもとへ降りていく。と、その後ろからマギアストライカーが姿を現した。ゆっくり走っていることから、まだ運転に慣れていないことがうかがえる。

 

もっとも、初運転であそこまで上手に動かせる真由美の腕が異常なのだが。そのうさ耳少女はまたもや目をぱちくりさせている。そしてこれは夢と何度もつぶやいていた。真由美はさすがにまずいと思ったのか。声をかけた。

 

「大丈夫だった?けがは無い?」

「はえ?・・・・・・大丈夫です。それよりあなたは?というか今空から降りてきませんでしたか!?」

「まぁ、飛んでたからね。それよりあなたのお名前は?」

「あっはい、シアです。」

「わかった、シアね。私は獅童真由美よ。よろしく。それでここに何故いたの?」

「そうだっ!あなたにお願いがあります!私たちを助けてください!」

「ちょっと待って、落ち着いて。分かったから話をしましょう。」

 

そのうさ耳少女、シアの話によると シア達、ハウリアと名乗る兎人族達は【ハルツィナ樹海】にて数百人規模の集落を作りひっそりと暮らしていた。兎人族は、聴覚や隠密行動に優れているものの

 

他の亜人族に比べればスペックは低いらしく、突出したものがないので亜人族の中でも格下と見られる傾向が強いらしい。

 

性格は総じて温厚で争いを嫌い、一つの集落全体を家族として扱う仲間同士の絆が深い種族だ。また、総じて容姿に優れており、エルフのような美しさとは異なった、可愛らしさがあるので、帝国などに捕まり奴隷にされたときは愛玩用として人気の商品となる。

 

そんな兎人族の一つ、ハウリア族に、ある日異常な女の子が生まれた。兎人族は基本的に濃紺の髪をしているのだが、その子の髪は青みがかった白髪だったのだ。

 

しかも、亜人族には無いはずの魔力まで有しており、直接魔力を操るすべと、とある固有魔法まで使えたのだ。

 

当然、一族は大いに困惑した。兎人族として、いや、亜人族として有り得ない子が生まれたのだ。魔物と同様の力を持っているなど、普通なら迫害の対象となるだろう。

 

しかし、彼女が生まれたのは亜人族一、家族の情が深い種族である兎人族だ。百数十人全員を一つの家族と称する種族なのだ。ハウリア族は女の子を見捨てるという選択肢を持たなかった。

 

しかし、樹海深部に存在する亜人族の国【フェアベルゲン】に女の子の存在がばれれば間違いなく処刑される。魔物とはそれだけ忌み嫌われており、不倶戴天の敵なのである。

 

国の規律にも魔物を見つけ次第、できる限り殲滅しなければならないと有り、過去にわざと魔物を逃がした人物が追放処分を受けたという記録もある。また、被差別種族ということもあり、魔法を振りかざして自分達亜人族を迫害する人間族や魔人族に対してもいい感情など持っていない。

 

樹海に侵入した魔力を持つ他種族は、総じて即殺が暗黙の了解となっているほどだ。 故に、ハウリア族は女の子を隠し、十六年もの間ひっそりと育ててきた。だが、先日とうとう彼女の存在がばれてしまった。その為、ハウリア族はフェアベルゲンに捕まる前に一族ごと樹海を出たのだ。

 

行く宛もない彼等は、一先ず北の山脈地帯を目指すことにした。山の幸があれば生きていけるかもしれないと考えたからだ。未開地ではあるが、帝国や奴隷商に捕まり奴隷に堕とされてしまうよりはマシだ。

 

しかし、彼等の試みは、その帝国により潰えた。樹海を出て直ぐに運悪く帝国兵に見つかってしまったのだ。巡回中だったのか訓練だったのかは分からないが、一個中隊規模と出くわしたハウリア族は南に逃げるしかなかった。

 

女子供を逃がすため男達が追っ手の妨害を試みるが、元々温厚で平和的な兎人族と魔法を使える訓練された帝国兵では比べるまでもない歴然とした戦力差があり、気がつけば半数以上が捕らわれてしまった。

 

 全滅を避けるために必死に逃げ続け、ライセン大峡谷にたどり着いた彼等は、苦肉の策として峡谷へと逃げ込んだ。流石に、魔法の使えない峡谷にまで帝国兵も追って来ないだろうし、ほとぼりが冷めていなくなるのを待とうとしたのである。

 

魔物に襲われるのと帝国兵がいなくなるのとどちらが早いかという賭けだった。

 

しかし、予測に反して帝国兵は一向に撤退しようとはしなかった。小隊が峡谷の出入り口である階段状に加工された崖の入口に陣取り、兎人族が魔物に襲われ出てくるのを待つことにしたのだ。

 

 そうこうしている内に、案の定、魔物が襲来した。もう無理だと帝国に投降しようとしたが、峡谷から逃がすものかと魔物が回り込み、ハウリア族は峡谷の奥へと逃げるしかなかった。そうやって、追い立てられるように峡谷を逃げ惑い……

 

「……気がつけば、六十人はいた家族も、今は四十人程しかいません。このままでは全滅です。どうか助けて下さい!」

「・・・・・・・・OK、事情は分かったわ。ちょっと待っててね、必要なものを持ってくるから。」

「・・・・・・・・え?助けてくれるんですか?」

「?何、当り前のこと言ってるのよ。そこまで聞いたんだもん。ここで投げ出すなんてマネをしたら軽蔑するわ。自分のことを。」

「あっ、ありがとうございますっ!」

 

真由美はマギアストライカーへと戻った。そしてハジメたちに先ほどのことを伝えた。

 

「私は助けたいと思う。みんなはどう思う?」

 

真由美が問う。

 

「いいんじゃねぇの?ってか、お前なら絶対そう言うと思ってたからな。気にすんな。手伝うぜ。」

 

と、ハジメ

 

「私もハジメ君に賛成。あの子がかわいそうだもん。助けたいよ。」

 

と香織

 

「皆が助けたいって言うならそれに従う。もとより反対する気はない。」

 

とユエ

 

「じゃあ決まりね。ハジメ、ストライカーの運転を任せられる?」

「分かった。任せてくれ。」

「ユエと香織はストライカーの上部ハッチから外に出て。敵は複数いると思うから、その都度狙撃してくれて構わないわ。」

「「分かった。」」

「じゃあ、シアさんを連れてくるわね。」

 

真由美はそういって外へと出て行った。そして数分後、真由美はシアと呼ばれるその少女を連れて戻ってきた。

 

「ななななんですかここは。私が見たことないようなものがいっぱいですー。」

「ここは‥‥そうねぇ、私たちの移動基地よ。」

「イドウキチ?」

「そう。まぁ、住むところよ。」

「へぇー!すごいです!」

 

はじめてみるものに興奮を押えられないシアを横目に、真由美はマップを開く。

 

「それでシアさん。あなた達一族がいるところはどこ?」

「えっと・・・・・・・・ここら辺ですね。」

 

シアがマップに指をさす。するとそこには赤い点が表示され、それが真由美の眼鏡に反映される。

 

「ここね。了解、ハジメ。私はこのまま先行するわ。」

「そうか。分かった。気を付けてな。」

「分かってるわよ。それじゃあね。シアさん、あなたの家族は絶対に救うわ。」

「ふぇ?・・・・・・・・はい!」

 

そう言うと真由美はストライカーから降りた。彼女は再度、義足のブースターを起動し、シアが指定した座標へと飛翔した。ハジメはそれを確認すると、マギアストライカーを動かし始めた。

 

 

真由美が指定座標の近くまで来ると、案の定魔物がいた。飛行タイプなのであろうその魔物は、執拗に何かを襲っていた。その視線の先に目をやるとやはりそこにはシアと同じ耳を持った人、亜人族の中の”ハウリア族”だった。

 

「やっぱりかぁー、ほんっと、早く来て正解ね。んじゃま、仕事を始めましょうか。武装形態変更、ライフル。」

 

彼女はメガネの照準機能を起動した。それと同時にベルグザッパーをライフルモードに変える。そして横のスイッチを押した。すると

 

『It's Time for blasting attack』

 

と毎度おなじみの音声が流れ、彼女の周りを青白い魔法陣が包み込む。それと同時に、照準が固定される。真由美は空中で直立し、息を止め、その引き金を引いた。周囲の酸素を取り込み分解し、陽電子へと変え、放つそれはもはや陽電子砲であり、それは魔力を帯びながら

 

ハジメと香織のレールガンをも上回る速度で目標を貫いた。彼女の義手に内蔵された魔力タンクの魔力が1/4ほどなくなる。たったこれだけの分解でこれほど魔力を消費するのだから、やはりもうちょっと最適化と効率化をするべきだなと心の中で

 

若干後悔する真由美。しかし、その体はまだ戦闘をやめることはなかった。まだいたのだ。先ほどの陽電子砲を、生物的本能で、真由美が貫いた一体以外はかろうじて避けたのだろう。真由美は、義手の性能を試すために、その魔物に肉薄する。

 

「カートリッジ、エアロ・ブースト選択、ロード!」

 

彼女がそう言うと義手の部分から音がする。(彼女の服の袖はすでに捲られている)義手に仕込まれていた魔法記録カートリッジを仕込んでいた回転弾倉が回転して、その魔法を起動(road)した音だ。それと同時に義手の拳の先には見えない空気の塊が

 

魔力による圧縮を受けて、どんどん収束していた。

 

「これ使うの久々ね。必殺!アースブレイクインパクト:エアロ・ブースト!」

 

彼女はその魔物の核を正確に捉えていた。ゼロ距離まで近づき、渾身の一撃を、その両腕から一撃ずつ放つ。ただでさえ一発で必殺級のアースブレイクインパクトを二発も叩き込まれては、魔物が敵うはずがなく、その魔物は体を爆散させた。

 

それを見て逆上したのか残りの二体が真由美に襲い掛かってきた。しかし真由美は焦ることなく、その顔にいたずらな笑みを浮かべると、一気に上へと向かった。その瞬間、残りの二体を赤い閃光と白い閃光が貫き、その体を炎が焼き尽くした。

 

その発生場所に目をやると、マギアストライカーの上に立つ、ハジメと香織とユエがいた。真由美はマギアストライカーの方へと降り、ハジメたちにねぎらいの言葉をかけた。

 

「さすがね三人とも。ハジメと香織の精密射撃には舌を巻いたし、ユエのその無詠唱魔法の威力も目を見張るものがあったわ。」

「まぁ、伊達に練習してたわけじゃないしな。」

「わたしは・・・・・・・・うん、あの地獄のような練習をしてたらいやでも上がるよ。」

「・・・・・・・・ん、もっと褒めて。」

 

三人とも別なように聞こえて、根っこは同じというような回答をした。その後、シアを連れ出し、先ほどのハウリア族の前へと向かった。




今回はシアとの遭遇から始まりましたね。原作乖離が激しいですがそこは容赦ください(;^ω^)それにしてもシアの残念要素はどこへやら・・・・・・・・ではではじかいもごあいどくしてください!(何言ってんだこいつ)
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