「投稿者がなんか言っているわね。こんにちわ皆さん。みんなのお姉さんの真由美よ。」
「ハジメだ。なんだかこの挨拶も久しぶりな気がするな。」
「さてと、今日は何かとんでもないものと遭遇する気がするわ。」
「・・・・・・・・何かとてつもないフラグの予感がする。気を付けよう。」
「という訳で・・・・・・・・」
「「さてさてどうなる第十二話!」」
真由美たちは現在マギアストライカーを渓谷出口の方へ進めている。ハウリアたちがいた場所が渓谷の上の森だったから、急な坂を上ることのできないストライカーでは迂回するしか道がないのだ。
そして運転している真由美以外のメンバーはというと・・・・・・・・
ハジメは何かよくわからないものを錬成している、香織はウヴァールという名前を気に入らずに改名した電磁加速式短機関銃、ブリッツ(ドイツ語で稲妻という意味)に早く慣れるために構えの姿勢を何度もとっている
ユエは、自身で作ったオリジナル魔法をハジメが作った魔導書的なものに書いていた。これはオスカーの隠れ家にいたときから続いていたらしく、真由美が一度突っ込んでみると本人曰く
「もし私の魔法を習得出来る奴が現れた時用に作っている。」
とのことらしい。弟子を作る気満々である。ちなみにユエのオリジナル魔法の一つである”炎柩”は真由美も試したが、分解ほどではないものの燃費が少し悪いので、その部分を改良し、
インパクトの加速用魔法として腕の記録カートリッジホルダーの中にいれている。
なおこれを作った時にユエから妬み顔をされたことは秘密である。
「そう言えば、真由美さん以外の皆さんのことはなんとお呼びすれば?」
シアが唐突に呟いた。
「ん?あぁ、名前を言ってなかったな。俺は南雲ハジメ。ハジメでいいぞ。よろしくな。」
「私は白崎香織。香織でいいよ。よろしくね、シアちゃん。」
「ユエ。よろしく。」
「はい!ハジメさんに香織さんにユエさんですね。よろしくですぅ!」
シアはうさ耳を激しくたたんで伸ばしてを繰り返している。嬉しいのだろう。
「自己紹介は終わった?そろそろ出発するわよー。」
「出発?この基地は動くのですか?」
「さっき見なかったっけ?まぁいいわ、その通り動くわよ。」
「なんですとぉーーー!?!?!?!?!?!?」
シアは驚愕をあらわにする。当然だ、この世界には車などはない、当然こういうメカメカしい乗り物も存在しないのである。
真由美はそのままシアの家族がいる場所まで向かった。
その途中、真由美はシアに、持っていた疑問を聞いた。
「どうしてあなただけあそこにいたの?」
「家族に言われて。あとは私の”能力”ですかね。」
「能力?」
「はい、簡単に言ってしまえば私の能力は少し先の未来を見ることができます。」
「えっ!?それってすごい能力じゃない!どのくらい先まで視えるの?」
「分かりません。」
「わからない?」
「えぇ。この能力は行使すると魔力がごっそり持っていかれてしまうので、今はせいぜい”5秒先”が限界です。」
「へぇ・・・・・・・・あとで調べてみようかしら。それで、その能力で何を見たの?」
「あなたたちがそのへんてこな乗り物で出てくるところをです。そして、渓谷の魔物たちをたやすく倒しているところを。」
「なるほどね。それでそれに頼ったわけだ。」
「そういうことです。でも、すいません。なんかいいように使ったような感じで。」
「ううん、気にしてないわ。それに、悪事に加担しろって言われたらさすがに嫌がるけど、助けてほしいって言うなら悪い気はしないわ。」
「!?ありがとうございます!」
「いえいえ。みんなもそれでいいわよね?」
「あぁ。お前が決めたんなら俺は構わないぜ。」
「私も。それに、私も助けてあげたいもん。」
「私も、いいよ。」
「みなさんも・・・・・・・・本当に私は恵まれてますぅ!」
「うふふ。喜んでくれたようで何よりだわ。」
そんなことを言っていると、先ほどのハウリア族の集団がいたところまでついた。真由美はストライカーの後部ハッチを開放し、シアを連れて外へといった。
「お父様!」
「おぉ、シア。無事だったか。」
「お父様もご無事で何よりです!」
「それでシア、こちらの方々は?」
「私たちを助けてくれたお方です!」
「では、先ほどの魔物を貫いた閃光は・・・・・・・・?」
「はい、私がやりました。」
真由美はお父様と呼ばれたひとの前に出る。なんというのだろうか、年相応の貫禄があるひとだった。
「これはこれは・・・・・・・・我らの窮地を救っていただき感謝します。私の名前はカム・ハウリア。ハウリア族の長を務めております。」
「これはご丁寧に。私は獅童真由美。しがない旅人です。」
真由美も自己紹介をする。名前を名乗るのは大事だ。古事記にもそう書かれている。
「お父様、この方は凄いんですよ!イドウキチ?なる動く拠点を動かせるんです!」
「なにっ!?動く拠点だと?・・・・・・・・ぜひ我々にも見せてもらいたいのだが・・・・・・・・」
「えぇ、構いま・・・・・・・・せん・・・・・・・・よ?」
真由美がそう言おうとした途端、近くで何かが落ちるような音がした。それと同時に真由美の方に大きな影が伸びていた。
真由美が上を見上げてみるとそこには・・・・・・・・
「なんじゃァあれはぁ!」
巨大な石の動く像、すなわちゴーレムがいた。
「カムさん、とりあえず話はあとです。こっちへ!」
「わ、分かった!」
真由美はカムたちを連れストライカーへと向かう。後部スペースには幸い全員が乗れた。真由美はコクピットへ戻る。
「あれは・・・・・・・・ゴーレムか?」
ハジメが呟く。
「おそらくね。ストライカーに搭載している生物のみを感知するレーダーに映らなかったんだから恐らくは。」
真由美は急いでストライカーの全システムを立ち上げた。
「作っておいてよかったわ。緊急時の全システム強制起動ボタン。さぁ、飛ばすわよ!」
真由美はアクセルペダルを思いっきり踏み込んだ。ストライカーはおよそその巨体に似合わない速度で加速を開始する。その速度はすぐに時速200kmをマークする。
しばらく走り、ここまで離せば行けるだろう。そう思っていた真由美に香織が問う。
「ねぇ、真由美?」
「何!?」
「ゴーレム、心なしか近づいてきてない?」
「えっ!?」
真由美は後ろを振り向く。するとなんということだろうか、ゴーレムが砂煙を巻き上げながら向かってきているではないか。
「くっ!仕方ない。フリージングキャノン展開、迎撃開始!」
ストライカーの両脇から砲身が展開する。それは後ろを向くと、冷凍の属性を持った魔力弾を放つ。これはユエの魔導書にあった氷属性の魔法を砲身機関部に使っている
親和性の高い鉱石に生成魔法を使って付与したものだ。”当たった部位を急速冷凍する”という効果を持った魔力弾は次々にゴーレムに着弾する。しかしそれでもなおゴーレムは追跡をやめない。
どんどんスピードを上げ、ストライカーへと迫ってくる。そして、その巨腕を振りかぶり、地面へとたたきつける。それはどんどんストライカーの近くに当たり、真由美は回避を迫られていた。
そんな時だった。
「きゃぁ!」
「香織!?どうしたの?大丈夫!?」
「いててて・・・・・・・・大丈夫だよ、少し頭を打っただけ・・・・・・・・」
「ちょっと香織、あなた頭から血が流れて来てるわよ!」
「えっ?・・・・・・・・本当だ。血が出てる・・・・・・・・。」
「ユエちゃん、治療お願いできる?」
「うん。任せて。」
なんと先ほどの衝撃波で香織が頭を打ったようだ。頭から若干血が流れている。
真由美はそれを見た後、ストライカーを反転させる。
「真由美、どうしてストライカー・・・・・・・・を?」
ハジメが質問しにかかる。しかしそれは中断されることになる。彼女の、真由美の顔がすべてを物語っている。
「もうあったまきた!よくもやってくれたわねぇ!」
ついに真由美の堪忍袋の緒が引きちぎれたのだ。
「リミッター解除、バスターファンクション準備、ターゲットサイト、目標をマーク!」
マギアストライカーが180度反転した。それと同時に両脇のキャノンの銃身部分がどんどん延長していき、その中で魔力が収束されていく・・・・・・・・!
『ターゲット、ロックオン』
車両搭載型のAIはどうやら日本語をしゃべるらしい。真由美は懐からカードを取り出した。そしてそれをハンドルについているカードリーダーにスラッシュし読み込ませる。
そして、叫んだ。
「バスターファンクション、フリージング・ブラスター、発動!」
『フリージング・ブラスター』
その瞬間、両脇のキャノン部から瞬間冷凍の性質を持つ収束砲が撃ちだされた。それはゴーレムに当たるとその巨体を一瞬で凍り付かせ、崩壊させた。
「すごい・・・・・・・・」
「あぁ、まさかここまでの威力とは・・・・・・・・」
「しかも、凍らせただけ。これは強い・・・・・・・・」
香織、ハジメ、ユエがそれぞれの感想を述べる。かくいう真由美もその威力にびっくりしていた。
(オスカーさん、さすがにここまでの威力のオーダーは出していないよ・・・・・・・・)
と真由美はボソッと心の中でつぶやくのだった。
真由美たち一行は、ライセン大渓谷の出口へと再び進み始めた。カムたちがこの先のフェアベルゲンという亜人族たちの住処まで行きたいというので
護衛を兼ねて向かっているのだ。護衛といっても並みの魔物ではマギアストライカーに太刀打ちすることは不可能なのだが・・・・・・・・
現にその道中、何回か魔物と遭遇したが、マギアストライカーの正面ライト下部に設置されたエア・バレッドでことごとく粉砕☆されている。
するとシアがそわそわし始める。そしてそれは出口に近づいて行くごとに、大きくなっていく。真由美は何事かと思い、シアに聞いた。
「ねぇ、シアさん。どうしてそんなにそわそわしてるの?」
「・・・・・・・・いえ、もし帝国兵がいたらと思うと、気が気でなくて・・・・・・・・」
当然である。自分たちを奴隷としか見ない人種ばかりの帝国兵のことを気にするなというのが無理な話である。
「気にするな・・・・・・・・とは言えないわね。大丈夫よ、あなた達を帝国兵の手に渡すような真似はしないから。」
「いえ、それもあるんですが・・・・・・・・」
シアにはまだ懸念事項があるようだ。
「ん?まだ心配事があるの?」
「・・・・・・・・帝国兵はあなた達の同類です。もし戦闘になったとして、あなた達に負担をかけてしまうのではと・・・・・・・・」
シアの危惧はもっともだ。真由美たちと帝国兵は同じ種族。ということはもし戦闘になった場合、同族殺しに等しいことをしなければならない。
嫌悪感と抵抗があるというのは当然の話だ。しかし、真由美は言った。
「・・・・・・・・私たちはね、同じ人間同士でも平気で争うの。だからそう言うのはあまり感じないわ。」
「えっ?」
真由美たちにとって、人殺しは確かに忌み嫌うものである。しかし現代では、戦争という形で同族殺しが横行している。
真由美自身も、いくら相手が汚れていたとはいえ、人を殺している。そう言う観点から見ればそういった普通の感性はすでに真由美の中から消え去っている。
そんなことを話していると、出口についた。しかしそこに帝国兵の姿はない。どういうことかと辺りを見回すと、以前は人の形をしていたであろう死体があった。
見るも無残な形で放置されている。その近くには鎧が落ちていたので恐らく帝国兵だったのだろう。真由美はストライカーを降り、その死体の調査を始める。
その死体は何かに潰されたような死に方をしていた。
(やけに死体の匂いがしない・・・・・・・・死んでまだそんなに立ってないのかな・・・・・・・・?)
そんなことを考えているときだった。後ろから大きな地響きがする。その音の方を振り返ってみると・・・・・・・・先ほどのゴーレムの数倍の大きさはあるであろう巨人が、そこにいた。
幸いにもまだこちらには気づいていないようだ。しかしその巨人の進んでいる方がまずかった。
(あっちって確か・・・・・・・ホルアドの町がある方じゃ?まずいっ!?)
真由美はストライカーの方に急いで向かい、ストライカーを急発進させた。
「シアさんごめん、予定を少し変更する。」
「何があったんですか?」
「あのゴーレム、ホルアドの町に向かってる!」
「何!?」
ハジメが驚く、香織も声こそ出ていないが凄く驚いていた。
「あのゴーレムをを止めなきゃ・・・・・・・・行くよ!」
真由美たちはゴーレムを破壊すべく、ゴーレムの後を追った。
ここまで読んで下さりありがとうございます。展開が少し変わりましたね。さてさて皆さんではまた次回お会いしましょう。さよーならー