「真由美の挨拶がなんか変わった。どうも皆さん、白崎香織です。」
「イメチェンよイメチェン。」
「挨拶を変えるのがイメチェンだったらなんでもイメチェンになっちゃうよ!」
「そのツッコミはおかしいと思う・・・・・・・・今回はシアたちハウリア族の里帰りのお話ね。」
「でもタイトルからして絶対にそこまで行けないよね。っと、時間だね。ではいつものを。せーのっ!」
「「さてさてどうなる第14話!」」
要塞兵器 ジーグリンデを破壊し、ホルアドの町に侵攻するのを阻止した真由美達。
そのあと真由美はストライカー後部を再接続し、カムたちに謝罪をした。しかしカムたちは
それにあまり怒っている様子はなく、「守ってくれた方に文句なんてとんでもない」と、むしろ感謝をしていた。
しかし、彼女たちは明らかに疲労していた・・・・・・・・
「すいませんオスカーさん、それにハジメ。私の武器と装備を直してもらっちゃって。」
「いや、いいんだ。これは元々僕たちを滅ぼすために作られた兵器を破壊するためにその力を存分に発揮させた結果こうなったんだ。むしろ感謝しているぐらいだ。」
「それに、俺たちが作った時には見つけられなかった弱点も見つかったしな。まぁ色々改良するさ。」
真由美たちはオスカーの隠れ家へと戻ってきた。今回の戦いで消耗した部品、武器弾薬の補給をするためにである。
念のためストライカーのオーバーホールも行われることとなった。なので現在は動ける戦力がセイバーしかいない状況なのだ。
カムたちハウリア族はオスカー邸の客間で休ませている。オスカーが気を利かせてくれたおかげである。
ちなみに香織はユエとシアを伴ってジーグリンデのパーツを集めている。ジーグリンデの装甲には特別な鉱石が使われているということらしいので
真由美が香織たちに頼んだのである。そして彼女自身も今は義手義足を予備のものへと交換していた。ストライカーと同時に真由美の義手義足もオーバーホールすることとなったのだ。
真由美自身、たった数度の戦闘で本格的な修理が必要となるとは思ってもみなかったらしく、最初は困惑していた。なおハジメの義手も例外ではなかった。
しかし収穫もあった。まずは真由美が魔物の肉と食べて新しい能力が得られるのかという実験と、魔物の肉を食べた際の副作用(ここでは猛烈な細胞破壊)の度合いの実験を行ったところ
真由美は能力を得ることに成功し、細胞破壊という副作用もなかった。ハジメたちのように髪が白くなるということもなく、黒髪のままだった。これは彼女の技能:分解がそう言った負の効果を
分解しているんだろうという見解がなされた。実際食べる前と食べた後では魔力量に若干の差異があったことからも証明できる。そしてもう一つは彼女の技能に直接魔力操作が追加された点にある。
元々彼女の魔法は、カートリッジシステムによって既にオート化されている。その速度は直接魔力操作に匹敵するため、今まで香織たちと肩を並べて戦えていた。しかし彼女のカートリッジシステムは
増設したとはいえ12個分しか保存できないという欠点がある。その問題が解消されたということは戦闘において大いに役立つといってもいい。そのおかげで義手につけていたカートリッジシステムは取り外すことが可能となり
新たな装備が追加されることとなった。
「オスカーさん、これは?」
「題して、グランドディバイダ―だ。」
「グランドディバイダ―?」
その義手の右側、利き腕の方に追加された部分に折りたたまれた状態で収納され、それが展開されるとそれは、まるで丸鋸のようなものだった。
「そう、アザンチウム製の極薄刃を超高速で回転させ、それを魔力刃として撃ちだすことで文字通り地面をも切断できるほどの威力を出すことができる、僕の試作兵器の一つさ。
モードは三種類、『フレイムディバイダ―』『フリーズディバイダ―』『ストームディバイダ―』がある。これは文字通り、炎、氷、風の属性を持った刃へと変化する。一番無難なのは
ストームディバイダ―だろうね。ほぼすべての環境に対応している。それぞれのモードにはそれに対応したスイッチを押せばチャージが開始されるから、試してみるといい。」
真由美は、改良された義手と義足を取り付け、オスカー邸の庭へと出た。するとそこには的が用意してあった。真由美はその右手の義手を前にかざす。
「グランドディバイダ―、展開。」
少量の起動用の魔法を発動し、その義手から折りたたまれた状態で刃が露出する。そしてそれは展開し、丸鋸のような刃に姿を変える。そしてその刃を支える基部には、赤、青、緑とそれぞれの色に分けられた
スイッチがあった。真由美はそのうちの緑色のスイッチを押し込んだ。すると周囲の魔力を吸収し、その刃は魔力刃を形成する。その色は透明に近い。真由美は足を開き、左手を前に突き出し、右手を背後に持っていき
振り上げる構えを取った。
「ストーム・・・・・ディバイダ―!」
そのままその腕を前に振り上げた。刃に収束された魔力刃はそのまま的へ飛んでいき、その的を切り裂いた。
「うん。おおむね予想通りの威力だ。」
さすがにとんでも威力である。いい忘れていたが、真由美のステータスは今このような感じとなっている。
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獅童真由美 17歳 女 レベル 不明
天職:錬成士 魔弾の射手
筋力:計測不能
体力:計測不能
耐性:計測不能
敏捷:計測不能
魔力:計測不能
魔耐:計測不能
技能:遠隔配置 風力操作 外気変換 疑似瞬間移動 完全偽装 錬成 質量置換 詠唱簡略 新技能習得 分解
暗視 情報構造解析 飛行 自動人形作成 疑似思考回路作成 直接魔力操作 気配遮断 言語理解
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思いっきり人間をやめている。そんなこんなでちゃっかり技能が増えた&進化した真由美は、様々なものを作った。その一つが”電磁加速式グレネードランチャー”
通称『パハーブ』である。(ドイツ語で放物線という意味)これは文字通りのグレネードランチャーで、電磁加速することによって現存するグレネードランチャーよりも飛距離が
圧倒的に長くとれる設計になっている。これは真由美が香織用にと作ったものである。次に、宝物庫改め『アイテムパック』である。これは良くゲームであるなんでも入るバックを想像して
真由美が作ったものである。なんでも入る。人間すら入れる。ただし取り出すときは要注意。中の時も止まっているので生モノを入れても腐る心配はない。万能袋である。
自身の装備も改修した。ヘルグザッパーⅡである。従来のモードに、ランチャーの系譜に当たるカノンモードとマシンガンの系譜に当たるアサルトモードが追加され、本体強度も
前身機よりも向上し、照準機能も最適化されている。義手義足に関しては、オスカーの作ったグランドディバイダ―のほかに、アンカーショットが内蔵された。これは両手両足それぞれに一基ずつ内蔵され
人一人ぐらいだったら余裕で支えられるほどの強度を誇る。ソードモードには魔力を流し込むことで強度を増加させるブーストモードが内蔵された。ガンモードはエア・バレッドをはじめとするエア系統の
魔法が撃てるように改良が施された。ナックルモード(通常モード)ではアースブレイクインパクトの根本的な見直しがされ、威力と魔力効率が改良された。分解に関しても、燃費が少々上がった。
神結晶の魔力タンクは神結晶の増加+質量増加に伴って総量が劇的に増えた。義手義足自体の強度もジーグリンデのパーツを一部使用したためとても高いものとなっている。
カートリッジシステムは左腕の一基のみになったが、直接魔力操作ができるようになったのであまり影響はない。そしていろいろあったその日の夜、真由美はまたオスカー邸の屋上へと足を運んでいた。
その手には一枚の設計図が握られていた。それを持ち、ただ何もせずそこにいるだけで、もし手元にタバコがあったら火をつけて吸いそうな勢いである。そんな中真由美が呟きを漏らす。
「ねぇ、父さん。私がやってることは、深雪のためになってるかな?これで、良かったのかな?」
その呟きはまるで疑問を投げかけているようだった。しかしここには一人しかいない。誰も答えれる人はいない。
するとそこにハジメと香織とユエがやってきた。どうやらハジメたちも何かをしに来たらしい。
香織が声を上げる。
「真由美・・・・・・・・いたんだ。」
「うん。ここにいると、色々思い出せるから。」
「そっか・・・・・・・・ねぇ、真由美があの糸井川の娘だったって言うのは本当なの?」
「・・・・・・・・ハジメから聞いたのね。その通りよ。私は糸井川の娘だった。」
「寂しくは・・・・・・・・ないの?」
「・・・・・・・・どうなんでしょうね?そんなの、考えたことなかったわ。ただ生きるのに必死だったから。」
「・・・・・・・・ごめん。」
「いいのよ。気にしないで。」
香織が聞いたこと。真由美はその質問に答えることができなかった。しかしその目には確かに一筋の涙が流れていた。
翌日、真由美はオスカーのもとへ向かった。その手には昨日の設計図が握られていた。
「オスカーさん。これ、作れないでしょうか?」
「どれどれ・・・・・・・・なっ!?こっこれは君が考えたのかい?」
「えぇ。どうでしょうか?作れそうですか?」
「作れないことはないが、相当かかるぞこれは。」
「いいんです。これは使わないに越したことはないので。でもどれだけかかってもいいですから一応制作をお願いします。」
「分かった。新たなカテゴリー3のビークルとコンセプトは同じだ。やってみるよ。
「よろしくお願いします。」
真由美はそのまま修理が完了したストライカーに乗った。がそこにはハジメの姿はない。セイバーの方にいるのだ。香織とユエもそちらにいる。
真由美はストライカーについている通信機を取った。
「ハジメ、準備はできた?」
『あぁ、こっちはいつでも問題ない。』
「了解。じゃ、行くわよ。」
真由美たちはハウリア族の生まれ故郷、亜人族の里フェアベルゲンへと進路を取った。
道中、大きな戦闘はなく。真由美たちはフェアベルゲンがあるという森、ハルツィナ樹海へとやってきた。
ここには大迷宮があるらしい、主目的はシアたちの護送だったが、ついでにここの大迷宮も見て行こうという話になり、本来の目的を忘れそうになったのは別のお話である。
樹海の外から見る限り、ただの鬱蒼とした森にしか見えないのだが、一度中に入ると直ぐさま霧に覆われるらしい。
「さて、カムさん。これからどうするの?お尋ね者なんでしょう?」
「えぇ。ですから私もそこまでのことは考えておりません。」
すると、その樹海の奥から何かが出て来た。 その相手の正体は……
「お前達……何故人間といる! 種族と族名を名乗れ!」
虎模様の耳と尻尾を付けた、筋骨隆々の亜人だった。
今回はここまでです。ここまで読んでいただきありがとうございました。