鬼滅の料理人   作:ゆっくりカワウソ

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 皆様お久しぶりでございます^o^
投稿から約1ヶ月以上空けてしまいましたが、私は元気です。
 …誠に申し訳ございませんでした(泣)
色々忙しかったのと内容がポンポンと出ないため、かなり遅い投稿となりました。…また見てもらえると幸いです。


さて、今回は宇髄天元回。かなりグダグダですのでご注意を!


第八飯 地味とは言わせん!!ー豪華絢爛!皐月のうどん定食!!

 爽やかな風と共に新緑はその色を濃く輝かせる。5月の終盤になるとこの爽やかさはやがて梅雨のジメジメさや来る夏の暑さへと変化する。そんな中でも行楽シーズンである5月はまだまだ終わらない。ピクニックに行ったり、水辺で遊ぶなんてこともできる時期にもなるのだ、行楽シーズン真っ只中と言って良いほど過言ではないだろう。

 当然、人で賑わうこの季節は小売りやサービス業においても繁忙期の一つ、休みなんてものは少なくなるのも当たり前なのである。

 何が言いたいかって?決まっている…

 

 

休みが欲しい

 

 

「……ドリンク作りましょうか?モンスターな奴とか。」

と言う京ちゃんの提案に俺は乗る。

「あ、ありがとぅ……。チカレタ…ヤスミヲクダチィ。」

「「「「オレタチニモクダサイマシィ」」」」

 死屍累々…この場に合う言葉はまさにこれだろう。大量に来た客を捌き、売り上げの計算や掃除など休むひまがなく、さらには通番*1ばかりだったので心も身体もへとへとなのである。

「結さん…、明日から一週間の休みでしたっけ?」

 弥太郎氏が俺にこう言った。実は5月の最後の週は忙しかったこともあり一週間休業することになっている。…材料が少なくなったこともあるが我々従業員の体力が流石に限界ということもあり、急遽このような形で休みを取ることにした。そしてこの休みにはもう一つの理由があるのだ。

「そだよ…、…みんなで温泉行こうよ…。」

「賛成ですぅ…。」

「意義なし…。」

「みんなで女湯覗きましょう!」

「賛成^o^。結さんもいきましょうよぉ」

大ちゃんとあっくんがにちゃおじさんみたいな顔してる…。もちろん一応部下なので止める。

「大ちゃんとあっくん、それはやめようね。」

「「えーっ(๑•ૅㅁ•๑)。」」

「えーっ、じゃないですよ。渡さんや高嶋さん…、もしやったら僕ら他人のフリしますからね。」

春くんの辛辣な一言で(・ω・`)な顔になる2人にため息をしながら弥太郎氏がこう言った。

「それにお前らも覚えているだろう…、ハーレムド派手柱のウェディングプランの提案と花嫁修行…。ハーレムの混浴見て楽しめるか?」

「「オッシャルトオリデス_:(´ཀ`」 ∠):」」

そんな様子を見てなんか申し訳なくなったのでとりあえず謝る。

「…みんなごめんね。」

「「「「「イヤイヤ、ユイサンノセイジャナイデスヨ!」」」」」

 そう、俺たちは一週間の休みの中で宇髄とその嫁3人のために結婚披露宴の打ち合わせや花嫁修行を一週間ですることになったのだ。

 

 

〜あれは5月の初め頃の出来事〜

 

 週に一度の演奏会は常に人が満杯になるほどの大盛況だが、この日は雨のせいか人が疎らだった。そんな日に宇髄が飲みに来ていた。酒と肴を出した後にライブを行ったところ…予想以上に楽しんでいたようだ。

「派手にすげぇじゃねぇか!こんなの見たことねぇぞ!」

 ド派手な格好だがイケメンな彼は一応俺たちの店の常連のはず…なのだが、こんなに興奮した様子でこちらを見る。

「あれ?あんたこれ見たことないのか?」

「いや、ねぇよ!まさかお前らが楽器とかできるとは思わんだろ?!」

「ははは、一物切り取りますよ?」

「いやこえーよ!?弥太郎に灘、こいつなんでこんな怒ってんだ?!」

「身に覚えがないとは言わせんぞ。嫁が3人、しかも美人であれば嫉妬の炎に燃えるのは当然だろ?」

春くんの猟奇的な言葉に宇髄は驚き、その言葉の真意を伝える弥太郎氏の顔は呆れた表情をしていた。

「そりゃあ、俺が男前だからー。」

「月並みの答えですなっ、落第点。渡くん座布団ボッシュート。」

「かしこまりました!」

「なっ!?おめぇらこういう時の連携すげぇな?!」

「「イヤァソレホドデモォ( ^∀^)」」

「褒めてねぇよ!」

ここで俺が話の路線を戻さないと…。

「んで、本題は?なんかあるんだろ?わざわざ高い酒まで持って来て…。」

「さすが、勘もピカイチかよ。…この話はお館様、お前たちの言う竹取産業の社長からの許可はもらっていることをあらかじめ言っておこう。」

宇髄の言い方に疑問を持つ。それに竹取産業の社長という響きもおかしい。

「?…ちょっと待て…、なぜお館様の許可のことから言うんだ?」

「…灘、単刀直入に言おう。俺と嫁達の結婚式と花嫁修行をしてほしい。」

「…は?」

「もちろん金や時間の用意はこちらでできてる……だからー。」

「わかった、やるよ。…そもそもお館様に許可取ってる時点で一択しかない。…それに常連の門出だ、手伝わせてもらうよ。」

俺がそう言うと宇髄は嬉しそうに俺の背中をバシバシ叩く。

「そうか!!いやありがてぇ!流石に断ると思ったぜ!」

「そこまで腐ってねぇよ。死ぬほど嫌いな奴でなければ俺はことわらねぇよ。」

「僕も一物取るとか言いましたけど、人の幸せを作れるなら喜んで。」

「ハーレム物ら大好物でゲスヨォ( ´∀`)。」

「ただしっ!2次元にのみ限る!!」

「「「「「ソレナッ(=^▽^)σ」」」」」

「オメェら仲良すぎだろう?!」

「「「「「「( ✌︎'ω')✌︎✌︎('ω')✌︎✌︎('ω'✌︎ )」」」」」」

「なんだよそのしたり顔!?」

ひとしきりいじり倒したので悔いはない、そう思う俺たちなのであった。

 

 

〜現在に戻る〜

 俺たちは各自準備をし、翌日の早朝に宇髄家が指定した温泉宿へと向かった。意外に近かったせいか、朝日が山から覗く頃にはすでに旅館に着いた。

「…結構広いですね、結さん。」

「だな…、ここってまさか…。」

「…知る人ぞ知る秘湯、東京藤ノ天(ふじのあま)温泉です。春は桜と藤の花が咲き乱れ、夏は花菖蒲*2、秋は紅葉、そして冬は雪といったように四季の趣ある風景とさまざまな効能のある温泉と美味しいご飯が有名です。また海が近くにあり、海の幸を楽しめるとのことです。ただあまり人には知られていないのようで、秘境の温泉宿の扱いをされているそうです。」

「情報通の宇髄が指定しそうだな…。」

「はいろうよぉ…、考えるだけで疲れちゃったよ…

。」

「大ちゃんの言う通りだな…、入ろう。」

 中に入ると女将が頭を下げて出迎える。柔和でいかにも優しそうな女将に好印象を持つ。

「ただいま宇髄様をお呼びいたします。どうぞ、こちらにお寛ぎになってお待ちください。」

中に入ってすぐの椅子に座る。和の香りを残しつつ、流行の洋風を取り入れた新しい旅館のスタイルを作ろうとしているようだ。…ただ現代知識のある俺たちには少しおかしい感じに見える。どうやら客層を増やそうと考えているようだ。先に口を開いたのは京ちゃんだった。

「…考えてることはわかりますよ、結さん。」

「この時代…もとい明治から洋風を取り入れる文化が始まったのです。まだ黎明期といっても過言ではありません。和洋折衷は先人たちが文化や技術を蓄積し、作り上げてきたからこそ出来たことなんだと今になって思いますよ。…だからこそ今のこの光景に違和感を感じるのは自然です。」

「く、詳しいね弥太郎氏…。」

「その…近代史…好きなんですよ。」

「弥太郎さんは大学でソ連史とかやってたんですよ。それに映像の世紀*3も持ってましたし。」

「…なるほど歴史オタクなんだね。」

「…本当の歴史オタクに失礼ですよ。」

 そうこうしていると宇髄達がやって来た。やはり嫁達は美人…、羨ましいと思いながらも俺たちは仕事顔で耐えることができた。俺たちでなければできない芸当だね笑笑。

「よく来てくれた!早速だがあんたらの部屋に行って身支度を頼む!嫁達もやる気満々で準備してるからよ!」

「あいよ。」

俺が返事をした後に弥太郎氏達が彼に声をかける。

「宇髄、彼女たちの教育の間に俺と大ちゃん、磯野君と共に結婚式の予算やプランを練ろう。幸い、おや…

社長は建築部門とブライダル葬祭部門を作ろうとしているからな。そこに乗っかることも考えての式になるだろう。」

「ありがてぇ!…てかそんなことしてるのか?!」

 鴉の鰤之丞から聞いていたことをさらっと伝えると宇髄はそれに驚き、腰を抜かした。

「…意外にはっちゃけてるよ、お館様は。それにノリノリに部門増設するって言ってるし。」

「…あんたらの発想も奇天烈だがお館様の勘も相当だな…。まぁいい、じゃあ頼むぞ。」

そう言って俺たちは俺と、あっくんの花嫁修行組と弥太郎氏と大ちゃん、京ちゃん、春君のブライダルプラン組に分かれて行動することになった。

 

 

〜花嫁修行組〜

 宇髄の嫁達と俺たち花嫁修行グループは少し広めの旅館の一室で自己紹介を始める。

「では俺から。今日より一週間料理担当をする灘結月です。短い間ですがビシバシ行くのでよろしくお願いします。また今はいませんが裁縫担当の佐川京一郎と家計簿担当の高島大介が途中合流するので悪しからず。」

「清掃や洗濯担当の渡彰英です。掃除も洗濯もコツコツと、掃除は日頃の精神衛生に。洗濯は心とお気に入りの服を綺麗にする。それが身につくように我々が支援しますのでよろしくお願いします。」

「えっと…須磨です。そのぉ…お手柔らかに…。」

「まきをだ。精神衛生ってなんだい?」

「雛鶴だ。…よろしく頼む。」

ドジっ子、姉御肌、クールキャラの美女達を見て嫉妬で少し血の涙を流しそうになったのはここだけの話。

「では早速だが始めよう!チキチキっ!窯芭津化(カマバッカ)式花嫁修行!」

「イェーイ!!」

「…かま…へ?」×3

「細かいことは後だ、後!んじゃやるぞ!ここではハイしか受け付けん!」

「は、はい!!」×3

地獄の特訓は始まったばかりだ。

 

 

 

〜ウェディングプラン組〜

「さて僕らは僕らでこのような計画を立てました。」

「こ、こいつはすげぇ。」

 彼らはまず先に見せたのは図面と完成予定のイメージ図である。これには派手好きな宇髄は興奮しているようだ。

「建設予定の式場は日本式と西洋式、中華式にも対応している予定です。横浜の海を一望でき、昼間の式のみならず夜景を楽しめるようになっています。デザインは僕と弥太郎さんで行ってます。」

「今は少ないですが、ただいま結婚式場の従業員の教育も行なっております。感動を作るという使命の元、大型挙式だけでなく、将来的には家でもできる小さな挙式にも対応できる出張方式も今後する予定です。」

「宇髄ちゃん、僕らはぜひこの式場でと考えているんだ。もちろん他の計画も考えている。そこは安心して決めて欲しい。だからー」

「おいおい、俺には一択しか見えねーよ!…その式場での一番客…俺たちになるんだよな?」

「当たり前ですよ。だからこそこの式場を案内したんですよ。」

「…いいのか?」

「ははっ、何を今更。」

「と言うか…、ぜひやってほしいが俺たちの気持ちだ。社長も同意見だ。」

「…ありがてぇ。」

彼は目元を覆う。少し声が震えているようだ。

「おいおい感極まるのはまだまだ早いぜ。…さて、ここからはプランの紹介だ。沢山あるから泣く暇はないぞ、宇髄。…ド派手に決めようぜ。」

「!!...もちろんだ!頼むぜ!!」

 涙を拭い、笑う宇髄の顔は晴れやかな様子だった。

 

 

 

 それからの俺たちは地獄の特訓やブライダルプラン会議は続き2日が経過した。

 ブライダル組は滞りなく進んでいるようだが…、どうやら俺たちの窯芭津化(カマバッカ)式花嫁修行が厳しすぎたのか…皆落ち込んでいるようだ。

「……。そうだよな。」

「へっ?先生…どこに??」

「俺たちはかなり厳しすぎた。だからご褒美だ。…ちょうど山の幸も海のものある。天ぷらとうどんの御膳を馳走しよう。」

「でも先生…。」

そう言う須磨は涙を浮かべる。…他の2人も悔しげな顔をしている。

「なぜ褒美を?私たちはまだ何もー。」

「したさ。厳しく俺たちが指導したけどきちんとついて来てくれた。…それこそ宇髄への愛が深いからこそ耐えられたと思ってる。」

「そうですよ。…少しやりすぎましたけど、普通であれば逃げ出す難易度です。それに掃除や洗濯にいたっては基本を既に習得したのであとはじっくりやるだけです。」

「だからこその骨休めだ。今日はゆったりしてほしい。」

「ありがとう…ございますぅ…。」

ふにゃふにゃと3人の力が抜けてゆく。

「宇髄にも伝えときな。今日は豪華なうどん御膳ってな。」

 

 

 

 後のことは4人に任せて俺は旅館の調理場を借り、料理を作る。自前の包丁を出し、持って来た食材も氷室から出して準備をしていた。

「あんた、どっかで修行してたのかい?綺麗な包丁捌きと下拵えだね。おまけに包丁も業物でよく手入れがされている。オイラこんな綺麗な技術と物は初めて見るよ。」

そんな時俺に声をかけたのはこの旅館の板前である。

「まぁな。今は店を持ってるよ。」

「おいおいすげぇじゃねぇか!なぁ、どこで修行したんだい?オイラ神奈川の相模屋だ!」

「へぇ、通りで美味いわけだ。食事もうまかったし、あんたの腕がすごいのも頷けるな。俺は割烹喜壱(きいち)で二番してた。」

「喜壱って…あの東京の三本の指の名店の…。」

「まぁな…、俺を拾った親父が花板してたんだよ。」

「まさかあんた…、灘結市郎(ゆいいちろう)*4の…。」

「まぁ、義理のだけどな…。」

「…お手並み拝見だな。…なぁ少しあまったりは…。」

「あるよ。この道の職人にも食べてほしいしな。」

「ありがてぇ!」

 見られながらで緊張するが調理を始める。

 塩水と小麦粉を使いうどんの生地を作る。ここまではいいがこの後の踏み*5という作業が重要になる。この踏みという作業はうどんのコシや食感を左右するといっても過言ではないからだ。力が弱くても強すぎてもダメ、ちょうど良いコシの生地の見極めや勘が必要になるのだ。

 うどんの生地を作り終え、今度は付け合わせの天ぷらなどを作る。旬であるエビやウドなどを使い、五月の香りや味を揃える。もちろん天ぷらには良質なごま油*6を使用。また初鰹やトコブシなどを使い、ミニ海鮮丼も。

 うどんの決め手であるツユは昆布や干し椎茸から丁寧に撮った出汁と濃い目の醤油で割り、コシのあるうどんは更にその触感を際立たせるために茹で上がった麺を冷たい水で締める。副菜には出汁をとった干し椎茸と昆布、じゃがいも、こんにゃく、練り物の薄味の煮物。

「味見てくれ。」

「おう。…うめぇ…こいつはすげぇな!!」

「ありがとよ。」

 そしてデザートには夏みかんのゼリーだ。甘酸っぱい夏みかんの爽やかな味が梅雨になる前の爽やかな緑の風を感じさせる。ドリンクはもちろん、今後の時期に出てくる梅を氷砂糖でつけたものをここの地下水で割ったものだ。

 

以下がお品書きだ。

 

 副菜→煮物(干し椎茸、じゃがいも、筍、こんにゃく、昆布、練り物)

 主食→ざるうどん+椎茸と昆布の濃いめのつゆ

 薬味→ネギ、わさびorしょうが

 主食2→海鮮丼(漬カツオ、トコブシ、白エビ、ガリ)

 主菜→天ぷら(エビ、タラの芽、ヤマウド、まいたけ)+藻塩

 デザート→夏みかんのゼリー(寒天を使用)

 ドリンク→梅ジュース(砂糖漬け青梅の水割り)

 

 題して!ドドン 

 

「地味とは言わせない!豪華絢爛うどん定食」だ。

 

 

 太く長く、そして豪勢に。これこそがこの定食のコンセプトだ。派手好きな宇髄がうどんというワードに「地味だ!!もっと派手なものにしてくれ!!」と言われかねないが、この見た目を見ればきっとこの言葉を取り消すことになるだろう。満足、ド派手、そしてうどんのように太く長い結婚生活(?!)が送れるよう祈って作ったものだ。

べ、別に美人の嫁3人とのイチャラブな生活を羨ましくなんて思ってもいないし、うどんのように太く長くって意味はシモネタ的な意味じゃないんだからね!!か、勘違いしねいでよね!!(裏声)

 本音を言えば、俺にとってうどんは人生の理想に似ていると思っている。よく太く短く生きるや細く長く末永く生きるという表現をしているが、正直そんな人生ってつまらないと思う。なぜ、どうして太く長く生きようと思わないのかと常日頃考えていた。理想に生きたっていいじゃないか。どうせ人は産声を上げた瞬間から死ぬという運命から逃れられないのだ、欲張って生きて何が悪い。それを体現した宇髄にうどんはうってつけの食べ物だと個人的に思っている。

 

 「さぁさぁ、昼飯だ!食堂まで集まってくれ。」

「お、ちょうど腹が空いていたんだ!」

宇髄が昼飯という言葉に食いつき、内容を聞いたためうどんと答えると明らかに嫌そうな顔をする。

「騙されたと思って来いよ。それに食ってみろよ、飛ぶぞ*7?」

「ハッ?うどんでか?」

「もちろんだ。それに他のおかずとかもあるぜ。」

「そいつは楽しみだ。」

 宇髄や他の連中を連れてゆくと、まず声を出したのが窯芭津化(カマバッカ)式花嫁修行組の3人だ。

「すっごい!!!えっ、先生これって!!?」

「嘘‥、これがこの人の実力なのかい…。そりゃすごいわけだ。」

「…基礎を極めるとこんな料理もできるのか…」

「ささ、みんな来たな。」

 次に声を上げたのは宇髄、かなり興奮したようにこちらに詰め寄る。

「何だこの豪勢なうどんは!!?」

「うどん定食といったほうが良かったな。とにかくできたてのうちに食べてくれ。みんなもプランニングや講座お疲れさん、今日は羽を伸ばしてくれ。」

「アザス!!!(^q^)」

そしてや弥太郎氏が号令をかける

「では造り手と頂く命に感謝を込めて、合掌!いただきます!!」

「いただきます!!」×8

「召し上がれ。」

 さてまずはメインのうどんからだ。現代日本香川の讃岐うどんのコシを再現したこれはツルツルシコシコと弾力のある食感と濃いめの汁が食欲を更に引き立たせる。

「何だこの食感は!!?食ったことねーぞ!!」

「天元様!このうどんわさびも合いますよ!」

「何?!それは本当か?」

  ここの冷たい地下水で締めたうどんは更に弾力を上げ、旅館で栽培していたわさびがうどんを更に美味しくする。もちろんしょうがもここで取れたものである。そのため、このうどんはここの旅館だからこそ美味しく仕上がったのである。もちろん俺自身の腕もあるが、ここの食材を管理しているあの板前のおかげもある。

(乾物や食材の管理が完璧…、さすがここの板前だな。)

 次は天ぷらだ。濃いめのめんつゆにつけても良いが、俺は藻塩で食す。藻塩の海そのものの豊かな味わいと香り高い食材で作った天ぷらが組み合わさり、…オッスゴイ( ^ω^)

おっと失礼、語彙力が低くなってしまった。

「オッスゴイ。」×5

どうやら転生組も同じことを考えているようだ…。本当に美味しいものって語彙力なくなるんだよね…、自画自賛だけど。

 

 その後の彼らの様子はというと、

「おいし~い!!この煮物、お出汁が効いてて最高(#^^#)」

「本当にこれはすごいねー!この寒天は甘酸っぱくてキレイだな!!」

「この梅の飲み物、…爽やかだな。」

「この丼も最高だな!!!てかこんな豪華なうどん定食食ったことねぇよ!!」

「そいつはよかった。おかわりもあるが?」

「ほしい!!!」×9

「…はいよ。」

 豪華な昼食タイムはまだ続くようだ。…過労死しそう…。

 

 それからの4日間は皆集中して講座やプラン相談を進めた。皆、前日のような死んだ顔ではなく生き生きとした顔をしている。質問回数や予習復習をしているようで俺たちが教えたことをすぐに実践し、料理と掃除のスキルが強化されていて、意外にも須磨が料理のスキルが飛躍的に上がっているようだ。どうやら弥太郎氏がコツやわからない部分を補習を兼ねて教えていたらしい。須磨は料理、まきをは掃除、総合的な家事能力なら雛鶴といった評価だろう。これには講師陣である俺たちと宇髄もにっこりだ。

 そして宇髄たちもプランを煮詰め、来年の11月に挙式をすることになった。

「僕が今後挙式の責任者として宇髄さんと話を進めておきます。」

 春くんが式場の責任者になったのには必然であった。なんせ前世でのサービス業経験というのが式場のプランナーと飲食系の仕事である。しかもこのことはお館様には知られていないはずなのに彼に任命されたのだ。…おっかないね、産屋敷の勘は…(´-﹏-`;)

 

 どうにかこの1週間を終え、最後の日には宇髄たちから報酬の金や有益な情報などをもらい、礼を言われながら旅館をあとにした。ついでに旅館に何点かアドバイスを残したのは言うまでもない。

 そして…いつもの日常が戻る…。そう…思っていた。この報告を受けるまでは…

 いつものようにお館様の言葉を鰤之丞から伝えられた。

「結月、貴様が危惧していたことが起きたぞ。ー。」

その場にいる全員が凍りついた。

 

 

 そう…

 

 

胡蝶カナエが…童磨と邂逅し、殺される要因となる任務を受けたのだ。

この最初の死亡フラグを…へし折らなければ俺が目指すハッピーエンドは完遂できないのだ。

 …俺は生きているのであれば神様を殺せる…、けれども今だけは……。

 

どうか、彼女を救える力と…幸運を!!

 

 

 

 

場所:???

君たちに幸運を(´∀`)

最高のハッピーエンドを!!

そして幸せを!

^o^がんばぇー!!

 

 

場所:清廉なる境界

あら?初めての分岐ね

…悪夢を切り裂く

それがあなたの力

だから…

負けないで

また…夢で会いましょう?

戦うコックさん♪♪

 

 

ー取得トロフィー&フラグー

・ゴールデンウィーク後の食堂ー労組真っ青の繁忙期

・宇髄常連の初ライブー派手に最高じゃねぇか!!

・派手派手の依頼ー花嫁修行とウェディングプラン

・地獄の花嫁修行ーその名は窯芭津化(カマバッカ)

・大正の挙式革命計画始動

・意気消沈ー窯芭津化(カマバッカ)は地獄の2丁目(!?)

・名門割烹出身の板前ー違いのわかる旅館の男

・派手派手に行こうぜ!ーうどんと人生

・地獄を超えてー手に入れたのは技術と鋼のメンタル

・最悪の知らせー原作キャラ死亡フラグをぶっ壊せ!

・君を見守るー物語の行く末を観測する者

*1
始業時間から営業終了時刻まで通しで勤務をすること。小売店などでよく使われる言葉。余裕で10時間超の勤務になることも…。

*2
あやめのこと。紫や白色がよく見られ、付け根の色が黄色だとハナショウブといわれている

*3
NHKのドキュメンタリー番組。第一次世界大戦から現代の歴史を取り上げているが主に戦争や現代の内戦の元になっているいざこざがメイン。歴史の教科書(近代史)と合わせて見るとイメージしやすくなるが、死体などグロテスクな映像が出るため注意。

*4
主人公の義父。料理の腕は東京のみならず日本一とまでと言われた男。道具のみならず食材にもこだわり抜いており、全国各地やアジアにも出向くほどである。そのため放浪癖があり、割烹や周囲の人間から異端児扱いされていた。和食のみならず中華や九州・沖縄料理の主人公に仕込んだのもこの人物である。

*5
お馴染みのうどんを作る時に見られる作業。生地を足で踏むことによって小麦粉に含まれるグルテンの特性を利用することであのコシが生まれる。

*6
関東ではごま油で天ぷらを揚げるのが一般的と言われている。その理由は江戸時代に青魚などのクセのある匂いを消すために使用されていたからである。一見くどい味になるように思えるがごま油で揚げたことによる胡麻の豊かな香りや意外にあっさりと食べれるのがこの天ぷらの特徴である。一度は賞味すべき味と言える。

*7
長州力が食レポで使った言葉。うまかったときに使う言葉であるため応用が効く。




〜大正コソコソ次回予告^o^〜

 今回は宇髄家の女子力向上や結婚式のプランニングをした灘君たち。ちなみにカマバッカ式花嫁修行はあのカマバッカ王国で過ごしたサンジの様子やレシピ争奪戦から来てるんだって。…難易度は激ムズだから地獄の雀の紅閻魔もニッコリのレベル\( ˆoˆ )/オワタ

 さて次回予告は真面目にいくね。
 最初の分岐、胡蝶カナエと童磨の邂逅により死亡フラグイベントが遂に襲来!これを回避するには童磨を倒さなければこのフラグをへし折ることができない!
 この難題を灘君たちはどう解決するのか?!

ー次回!ー
第9飯 胡蝶さんを救え!ー死神と酒呑童子と愉快で恐怖な仲間たち(鬼視点)(仮)
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