鬼滅の料理人   作:ゆっくりカワウソ

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 前回の投稿からかなり空いてしまいましたが、どうにか書き終えました(´・ω・)モウシワケナイ
 仕事でかなり忙しかったのとアイディアが思い浮かばなかったため、あまり筆が進みませんでした…!重ねてお詫び申し上げます…_:(´ཀ`」 ∠):
 今作はおはぎ柱兼すけべ柱こと風柱の不死川実弥回でございます。

ゆっくりの投稿頻度になりますが、これからもお付き合いをお願いします^o^


第十飯 おはぎ柱襲来!?ー柔らかな甘さのおはぎ5種ー

 上弦の弐を倒し、早くも二週間が経つ。

 季節は6月の下旬で梅雨の真っ最中、ジトジトした天気や湿気による体感気温の上昇は夏の到来が間近であるのを告げるのと同時に夏の暑さに対する憂鬱な気分へとさせる。ただでさえ鬱陶しい季節なのに上弦の弐を倒したことによって、他の隊士や柱たちがひっきりなしに話を聞きに来るのだ。そろそろいい加減にして欲しいものである。…そのせいで食堂は隊員達で一杯となり、一般客が入れない状態になってる。

「おいおい、そろそろいい加減にしろよ…。あんまり話すことなんてないぞ?」

「頼みますよ!そこをなんとか!」

「…いいか?上弦の鬼を倒すのなんてな奇跡としかいいようがないんだ。今回は俺1人で倒せたが本来であれば皆でも倒せない。…だから当てにはできない。」

「そんな…!」

「だからこそ、日々の鍛錬と思考することを忘れてはいけない。いかに生存能力を上げるかが重要だ。…もし必要なら今度弥太郎氏や柱たちとで合同演習を行ってやる。」

 もちろんこの合同演習はカマバッカ式、地獄の2丁目を目指す訓練だ。…このことはみんなに伏せておこう。とりあえずこれで皆納得したようだが……隊士達はこの選択を後悔したのは言うまでもない。

 

 

「よぉ、こんなとこで何油売ってんダァ?」

 …今会いたくない奴No. 1、さねみんこと不死川実弥が隊士達に圧をかける。…そして俺の近くまでやってくる。

「すっ、スミマセーン!!」

蜘蛛の子を散らすように皆が一斉に去る…。…そして一般の客もただ外からその様子を眺めるだけで寄り付かない。…なんせこいつの見た目がヤーさんそのものだからだ。それに…上弦の弐を倒した後から毎度これを言いに来るのだ。

「よぉ不死川、なんか食いに来たんか?」

「いや、それは後でなぁ。…灘ぁ、俺と今から手合わせしよぉぜぇ?」

 そう、この手合わせ誘いだ。さねみんは作中でもよく血の気の多い描写で描かれていることが多い。現に禰豆子を刺したり、ぎゆたんにブチギレたりetc…。とにかくキレたりしているところしか見ていない。

「断る。これから仕込みでな、こいつのな。」

俺が出したのは大量の小豆だ。これは弥太郎氏が以前北海道の十勝での任務でお世話になった農家から取り寄せたもので、ぼた餅やおはぎにして売り出そうとしていたところだ。

「!!いい艶じゃねぇか!しかもかなり新鮮だなぁ。」

「流石おはぎ愛好家、わかってるな!」

誰がおはぎ愛好家だぁ?あぁぁ?

 小豆は新鮮なものほど豆の目*1が白く、皮も柔らかいため口あたりがよく、なめらかな餡子が作れる。逆に鮮度が落ち、豆の目が黄色や茶色く変色したものは皮が硬くなり、あんこも硬くなってしまうのだ。

「おっとすまん。…だから無理だ、諦めてくれ。」

「それとこれとは話が別だぁ!てめぇ、俺と戦うのが怖ぇんだろぉ!?」

「はぁ……、この死にたがりが…。わかった。ただし条件がある。」

「いいゼェ?で、条件はなんだぁ?」

「弥太郎氏。ちょっとこっちに来てくれ。」

「?どうしたんですか結さん?」

「不死川、弥太郎氏に5発打撃を喰らわしたら相手してやる。」

「ちょっ……、はぁ…。不死川、俺に5発食らわせてみろ。……食らわせるもんならな?」

「上等だぁ!!」

2人は店の外にある屋外訓練所に出て行った。

 

 

〜屋外訓練所、弥太郎視点〜

 結さんに言われて屋外訓練所に着くと早速攻撃をされる。

「危ねぇな…、真剣でやんのか?」

「無論だぁ!」

「…辞めとけ。」

「あぁ?怖ぇのかよ。」

「まさか…。…お前の刀を折ってしまうかもしれないからな。この棒二つと素手でも折ってしまうかもしれないけど。」

「てめぇ….。」

 事実だが…少し煽るくらいが丁度いい。…相手にしやすいからな。キレて斬りかかる不死川を余裕でかわす。

「なっ、テメェ…。」

「なんだ?お遊びか?…もっと本気で来いよ、不死川。お前の弟もお前の家族のように殺されるぞ?」

「殺す!」

何度か避け、腕に斬りかかるが

 

武装色硬化!

 

素手で掴む。

「なんだぁ!?その黒い手は!!?」

「俺の特殊能力だ。……任務はあと1ヶ月は無理だな。」

刀をガラスのように割る。…造作もないことだ。

「今のでお前は一度死ぬ。刀のないお前では呼吸しか使えねぇただのか弱い人だ。」

「つくづくイラつかせやがるなぁ!!」

「俺はあえてそうしてるんだよ。なんだ?お前の本気はその程度か?…柱に近いと呼ばれている奴が聞いて呆れるぜ!何が弟はいねぇだ!その程度の覚悟で、鬼舞辻を倒せると思ってんのか!ガキンチョが!」

「テメェ…死にテェようだなぁ!」

 人間って面白いよな、怒らせると普段の何倍もの力を出すのに物事が見えなくなるんだものな。…こいつの煽り耐性がなくて本当に楽だ。

 殴りかかる不死川の動きは単調で読みやすい……、腕を掴み背負い投げを喰らわせる。受け身はきちんと取れたのか俺から距離を取る。

「ほぅ…、思ったよりも見てるな。少し見直したよ。」

「ほざけ!俺はテメェよりー。」

「その程度で誇るのか?…いいだろう今までが2割程度だったが…、5割くらいの力でやってやる。ついて来れるか、鬼狩り?体力は十分か?」

「よく言ったな、家具屋!テメェの技を悉く破ってやる!」

 大人気ないのはわかっている。…ただ弟を守るためとはいえ、唯一の肉親を傷つけることをしているのだ。精神を全治1ヶ月ばかり折り、完膚なきまでの敗北を与えても良いだろう。

 

 

 1時間後…。

 ただ立っている俺に対して不死川は死体のように転がっていた。ただ話せる程度の元気はあるようだ。

「てめぇ、なぜ柱にならねぇ…。それほどの力がありながらなぜ乙のままなんだぁ!!」

「…まったく、…俺の実力を認めた途端そんなことをいうのか…。俺がお館様に頼んだんだよ。それに俺以外のあの4人も同じだ。……上の立場ってのは好きじゃない、特に命に関わる組織だとな。」

「それだけの理由かよ!」

「…まぁな。…俺は人に命を預けられたくないんだ。…死ぬなら俺1人で十分だ。」

「…何を言ってー。」

「……人は鬼とたいして変わらない。ただ人を食うか食わないかだけの話だ。…その獣性もただ単に強調されているだけなんだ。…けれども人の営みは美しさで溢れている。その美しさは人間だけの特権なんだ。…その美しさだけは失わせるようなことはするな。それに俺はその特権はない。」

「なにを言ってー。」

「鬼になるのは俺だけでいい。…お前は人間としての美しさと強さをを貫け。…それと力で解決できると思うな。その頭についている脳みそを使うよう心がけておけ。」

「…。」

「お前はまだ守るものがある。俺たちとは違う。…いや、俺とは違う。」

「冨岡みてぇなことを言ってんな。」

「違いない。ただあいつのことは誤解しないでほしい。相手はお前を馬鹿にしているわけではない。…言葉が足りないだけだ。」

「それは信じられないなぁ。」

「…まったく。これ以上やるかい?言っとくけど俺より強いぞ、結さんは。」

「…やらねぇよ…。あぁ…腹減ったなぁ…。」

そう言うと天を仰ぎ、脱力したように呟いた。

「そうか…。腹が減ったならついて来い。お前の好きなおはぎを用意して待ってるだろう。」

「半殺し*2だろぉなぁ?」

「残念、両方だ。ただ5種類あるから楽しみにしてー。」

 食い気味で、

「ぐずぐずすんなっ!行くぞぉ!」

と返答する。…なんてことだ、あれだけやられたのに立ち上がるとは流石おはぎ柱と思ってしまう。…まぁ、結さんの飯うまいからそれだけ期待が高まるのは無理もないだろう。

「流石おはぎ柱。」

ボソッと言ったので聞こえていない模様、…よかった。これ以上戦うのはだるいからな。

 

 

ー食堂、主人公視点ー

 今回はおはぎ柱兼すけべ柱(?!)の大好物であるおはぎの5種を作ってゆく。こしあん、つぶあん、うぐいす*3、ゴマ餡、きなこに米の粒を残した半殺しと餅状にした皆殺しの計10個を作り上げる…。…もうこの時点で「ハイ覚醒!*4」だよね^o^

 あんこの甘い香りにうぐいすの芳しい香り、胡麻の香ばしい香りときな粉の深煎りした濃い香りだけで涎出てきちゃうよ…。

 さて甘いものときたら渋いお茶と大根の漬物は欠かせない。ん?なんで漬物だって?ふっふっ、下手っぴだな読者のカイジくんたちは。甘いものを食べるのが下手っぴだよ。スイマセンチョウシコキマシタ泣。お汁粉に漬物をつけるよね、あれの由来はいまいち知らないけど甘くなった口をちゃんとリセットしてくれるからいいよね(´∀`*)。それにうまい漬物でリセットしてまた甘いもの食べるとさらに美味しく感じるよね。…多分この組み合わせを発見したからこんな感じになってるんだよね、きっと…(´・ω・)。

 ちなみにお茶は静岡の知り合いのお茶農園から融通してもらったもので、大根は竹取産業の食品部の農場で作ったものだ。この漬物、ご飯にも合うから無敵じゃないかと思う…、自画自賛だけどもw

 

 

さて、今回のお品書きは以下の通りである。

 

・おはぎ5種半殺しと皆殺し

 (つぶあん、こしあん、うぐいす、ゴマ餡、きな粉)

・大根の塩漬け(大根菜有り)

・静岡県産緑茶(渋め、冷)

 

名付けて!ドドン

「甘々柔らかおはぎ5種^o^クッテミ?トブゾ?」

 

 今回の題名とお品書きが手抜きだって?ははっ、何を言っているんだい、みんな(明後日の方を向く作者と灘君)。

 ともかく今回はすけべ柱の好物であるおはぎを作ってみた。…今回のコンセプトは優しき思い出と哀愁。彼の末路は知っている。最愛であるがために拒絶していた弟を最終決戦で失い、自身は1人生き残ってしまったことを知ってる俺たちから見ればバッドエンドに他ならない。少しでも良い、彼が弟との頑固な溝を埋めてもらえるきっかけをこのおはぎで作れたらと思う。

 

 

 「…これは…。」

帰ってきた不死川はボロボロであったがおはぎを見るなり目を輝かせ、明るい表情を見せた。

「そこに布巾あるから手と顔拭いてから食べてくれ。」

「ありがテェ!いただくぜ。」

まずは粒あんの半殺しおはぎを口にする。すると……、普段からは想像できない優しくも悲しげな顔でおはぎを平らげる。お茶を一口飲み、今度は全殺しの粒あんを食べる。…噛み締めるごとに大粒の涙を流し、言葉を発する。

「おい灘ぁ。…塩っぱいじゃねぇか、このおはぎ。」

「……そうかい。…うまいか?」

「……あぁ…。」

静かに涙を流す彼を笑うものはなく、彼の家族への想いと後悔の嗚咽だけが響くのであった。

 

「…灘ぁ、このことはー。」

「言わない。これは俺たちだけの秘事だ。…なぁ不死川、お前…弟いるんだよな?」

「…いねぇ。」

「嘘はいけないな。……怖いのか?母親と弟と妹たちのことをまだー。」

「いねぇつってんだろうが!」

「…そうか…。1つお前に話をしてやる。俺が料亭にいる頃の話だ。…客の中で喧嘩別れした弟を亡くした奴がいてな…。そいつすごい後悔してたよ。…なんせなくなった弟の手記には兄への後悔と謝罪、愛情を記していたからだ。……後悔するようなことだけはしないでくれ。全てを失った俺たちのためにも…。」

「…。」

「…すまんな。他のもあるしお土産もある。ゆっくりしていってくれ。」

不死川は黙ってはいたがどこか憑き物が落ちたような表情であった。

 

 

 

「……は?」

不死川が帰った2時間後、外を見ると行列が10軒先まで伸びていた。

「…まさか。」

「そのまさかだ、結月。」

「ぶりぶりざえもん。」

「誰がぶりぶりざえもんだ、たわけ!……あのすけべ柱が噂を広めたみたいだ。隊士のみならず、周辺地域に広めたらしいぞ。」

「……クソすけべ野郎…、後でケツに1発蹴りを入れてやる。…在庫は?」

在庫を確認すると大ちゃんと春君が答える。

「100人前分は大丈夫です。全てテイクアウトにすれば捌けます。」

「お釣りやレジのやつは問題ないヨォ!あとあんこもきなこも問題なさそうだよ、結さん。」

「よし。作戦名はおはぎ全戦!おはぎ以外のお客様は1割引の割引券配布にして帰ってもらい、おはぎは全てテイクアウトにしよう!幸い竹の持ち帰り器もたくさんあるからじゃんじゃん売ろう!小豆の方も豆単体もあるから明日以降も問題なし!配置はレジ受け渡しは春君とあっくん、詰め作業は大ちゃんと京ちゃん、俺と弥太郎氏はおはぎ作成で行こう!!さぁ、全員持ち場に!ここが腕の見せ所だ!!」

「はいっ、喜んで!!」×5

 

行くぞはらぺこなお客様よ、腹の容量は十分か?

 

 

 

 その後、この出来事はおはぎ騒動と名付けられ、竹取インドストリアホールディングス(竹取産業)の社史やコアな歴史好きに知られることになったのはここだけの話である。

 

 

 

 

ー不死川邸、不死川実弥視点ー

 

 …俺にとっておはぎは家族が作ってくれた大切な思い出だ。…玄弥や母ちゃんが作った味とは違ったが…、温かい味がした。一口食べるたびに家族との思い出が溢れてくる。

"「兄ちゃん、美味しい?」"

"「あぁ、日本一うまい。」"

 唯一の生き残りである弟の笑顔、あの味が忘れられない。…だからこそ遠ざけ、わざと俺を恨むように仕向けたのに…。あいつは…鬼殺隊に入ろうとしている。それに……あいつらの言葉が心の中にずっと残っているのだ。

 

「あぁ、やっぱり塩っぺぇな。」

後悔と懺悔、…それは俺の方だ。……後悔しない生き方……、くそっ。思い出しただけでイラつくぜ。後で胡蝶にあいつに仕返しする方法聞いとくか…。

 

 ただ…また食べたいな…。

 

 

 男の心は未だ晴れぬまま。けれどもその心には温かい夏の雨の如く優しき火が灯る。今はただ、この男の最愛の家族との思い出を壊さぬ優しい静寂が彼のいる空間に広がっているのであった。

 

 

 

ー習得トロフィー&フラグ(仮)ー

・上弦の弐討伐がの食堂ー質問攻めの大繁盛

・約束された地獄の2丁目ーエクスカリバーってレベルじゃねぇぞ!

・おはぎ柱襲来ー蜘蛛の子散す強面隊士

・おはぎオタクの真贋的中

・前哨戦?!ー相手は酒呑童子

・酒呑童子のトラッシュ&デストロイーオレ、2ワリシカダシテナインダヨネ

・折れた心と刀

・おはぎの力は偉大なりーフッカツハヤスギンヨ〜

・おはぎの愛ーやさぐれ多心の一筋の雫

・歴史の教科書、はじめました!♪ーおはぎ騒動勃発

・行くぞはらぺこなお客様よ、腹の容量は十分か?ーEMIYA♪

・やさしき静謐の世界ーやさしき甘さと涙の味

 

*1
小豆だと白色になっているところが豆の目と呼ばれている。枝豆なら黒い点みたいなのがそれに該当する。

*2
おはぎの米の状態こと。徳島県や群馬県の一部地域で呼ばれている。米が餅状でなく、つぶつぶを残した状態のことを半殺しと言われており、滑らかな餅状のものは全殺しや皆殺しと言われている。…どれも美味しそう(小並感)

*3
青えんどうの豆で作る餡。仙台のずんだ餅のずんだがそれに当たる。あんこよりも豆の味が強く、鼻から抜ける豊かな香りは一度賞味知る価値あり。ちなみに枝豆でも作れるのでぜひお試しあれ!

*4
とある YouTuberがうまいものを食べる前や食べた時に使う言葉。…少し使いたかったのでご容赦ください…泣




〜コソコソ大正次回予告^o^〜
 おはぎ騒動で忙しくなった灘君たち!
実はこの作戦、知っての通りカナエ姐さんの入れ知恵なんだって。
「あらあら、そこはナイショの話よ。悪い子は…分かるわよね?」
こ、こ、こ、この話は……忘れてね。(´༎ຶོρ༎ຶོ`)チュウシャコワイチュウシャコワイ

 さて次回は鬼殺隊で納涼祭をやるんだって!それに向けていろいろ準備や発表とかもあるらしいよ!^o^
 …ちょっと楽しみだね(๑˃̵ᴗ˂̵)

 次回!
第十一飯 鬼殺隊大宴会!ー食って歌って飲みまくれ!竹取納涼祭!

次回も見てね!!
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