鬼滅の料理人   作:ゆっくりカワウソ

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 今年も残りあとわずか、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
昨年より投稿を始めて、早一年。多くの方に読んでいただけたことやコメントのおかげでこの物語が続けられることに大変感謝しております。
 年末年始回も投稿の予定ですが、新しく始めるパワプロの二次創作も投稿するつもりです。
 今年も残りわずかですが、今年度もよろしくお願い致します。

 さて、今回は村田さん回ですが、ト○セン学園回です(*^o^*)
更にシリアスも多めでカオスなため、非常に変な感じだと思いますが、読んでいただければ幸いです(゚∀゚)


第十四飯 アレッ?ここってトレ○ン学園!?ーみんなもニッコリハンバーグ定食(´∀`)

 秋の雨は一雨ごとに冬へと近づくと言われている。雨が過ぎるごとに寒さが強まり、炊事場での作業中に手が悴むことが多くなった今日この頃。現代であれば水道からお湯が出るので洗い物も楽だったが、ここは大正時代。そんなハイカラなものは存在しない。今日も今日とて手の赤切れにストレスを溜める日々を送る。

「痛っ!……ハンドクリーム作ってもらおうかな…。」

 江戸時代から続く手のケアの方法である牡蠣の殻を粉末にして作ったオイルを使うという手もあるが…、やっぱり現代の良い匂いのする物を使いたい。弥太郎氏に相談すると、

「ホホバオイル*1が必要ですね。ちょうどパット(アメリカ人バイヤーのパトリックのあだ名)に頼んだところなんですよ。…ただ時期が時期なので春先になると言ってましたよ。あとアロマオイルもまだ開発中なので今年は無理そうです。」

「……だよね…。」

「ただ小豆島*2の製造拠点でのオリーブオイルがようやく生産可能と電報が来たのでもう一月ほどすれば保湿用の製品もできます。」

「マジで!?オリーブオイルって保湿の製品あるの!?」

「あるんですよ。現代の話になるんですけど某大手健康食品を取り扱う会社だったり小豆島の会社も取り扱ってるんですよ。近々俺も香川に任務があるのでその際にも実用段階まで持っていけるようにします。」

「…アリガテェ…!」

 そうこうしてると鰤之丞が窓をコツコツと嘴でつつく。窓を開けると開口一番でこのように言った。

「結月、お館様…社長より連絡だ。女学校の建築と校長や教員、入学者も募集完了した。至急隊士である村田と合流し、学校の設備の確認や村田への職務の説明、入学者の入学前説明会の作業の補助を行えとのことだ。」

「…は?何言ってんだこのぶりぶりざえもんは。」

「ぶりぶりざえもんではないっ!!鰤之丞だっ!」

「いや、急すぎるんだよ!てかそれってお館様からいつ聞いたんだよ!」

「今朝だっ、たわけ!…どうやら生徒は1週間後に来るとのことだそうだから今日でも間に合うと言っていたぞ。」

「…店の経営は?」

「1週間は無理だな。…詳しくはこの書類に書いてある。あとは知らん。」

「…知らんてお前…。…わかったよ、貼り紙して休みをもらう。…後の4人は?」

「既に任務や会社の職務中だ。どっちにせよ今日から1週間開店は難しいな。」

「…鴉のくせに開店とかわかるのな。」

「ふっ、私を誰だと思っている。京都東山の名家の最高峰と呼ばれた私だぞ?このぐらい頭に入っているわ、たわけっ。」

 そう言って空へと飛び立ってしまった。

「…とりあえず…お疲れ様です。」

「……モウコレワカンネェナァ……。」

 震える声をどうにかしながら、女学校の仕事内容の書類を読む俺だった。

 

_____________________

 

 村田さんの下宿先へと迎えに行った後、そのまま合流し女学校へと向かう。

「…へ?俺が女学校の事務員兼付き人…ですか?…事務員はわかるんですが…付き人って…。」

「気持ちはわかるが…今は女学校の方に進もう。…それに敬語は要らないって何度も言っただろ?」

「いやぁ…こればかりは…。名前呼びだけでも許してくださいよ、灘さん。」

「…わかったよ。ただ、全てが終わったら腹を割って色々話そうぜ。そんときは敬語は無しだ。」

「…わかりました。」

 村田さん…、別にタメ口でいいのに。

「しかし驚きました。前に言っていた竹取産業に入社することになるとは思ってもみませんでしたよ。」

「まぁ、そうだろうな。村田さんは字の読み書きだけでなく、立ち回り方や後輩達の評価を元にお館様が決めたとのことだ。…付き人の仕事はアイドルという歌や踊りをする女の子の育成や支援、お世話等といったことをすることだ。」

「…は?」

「…わかるよ。…伊黒も同じ反応してたよ。」

「伊黒…さん?」

「知らんの?蛇柱だよ。」

「……は?」

「ちなみに君も伊黒同様にそのアイドルたちの護衛も仕事に入ってるからな。」

「……待ってください…。本気ですか?」

「本気さ。…そのために俺がいるんだ。君にはこの1週間で鍛え上げる予定だから…今のうちに覚悟してね?」

「…鍛えてくださるんですね。」

「まぁね。…その名も窯芭津化(カマバッカ)式格闘講座。地獄みたいに厳しいけど…頑張れ。」

「…かま…?へ?」

「今日は挨拶とかで忙しいから明日からだな。」

「…とりあえず…頑張ります。」

「よろしくな。」

村田さん、ごめんよ。地獄じゃなくて地獄の二丁目まで行くほど厳しいんだよなぁ。

 

_____________________

 

 さてアレから徒歩で進んだのちに電車に揺られてから、ようやく目的地である女学校に着いた。場所は北多摩郡*3となんとなく妙な予感がする所に

「…でっかっ!!!?」

「…図面でしか見たことないけど…確かにこれはすごいな。」

学校の規模に圧倒されていると校門から人が出てくる。…それも現代のスマホの中でよく見たことのある小柄で二字熟語が会話の最初に出てくる人だ。

「歓迎!!ようこそ都玲専(とれいせん)女学院へ!私は校長の秋川だ!お二人は産屋敷殿から聞いている!さぁ中へ!」

そう、ウマ娘プリティーダービーの舞台であるトレセン学園理事長の秋川やよいその人だ。ただし、学園の名前はとれいせんなので悪しからず^o^

「は、はじめまして。鬼殺隊隊士でこの学校の法人元の竹取産業社員の灘と申します。こっちはここに事務員兼付き人として配属される村田です。」

「む、村田です!…その…お若いのに校長とは…。」

「告白!私は君たちよりも少し年上なのだ!大学も飛び級で卒業済みだ!」

「な、なるほど。」

「ここで立ち話も悪い!どうぞ中へ!」

中は木造ではあるが新しく、ホラーの旧校舎のようにはならないよう明るい雰囲気のまま味の出るように作られている。校長室へ入り、俺たち2人は促されるままにソファーへと座った。

「紹介!改めて、私はこの都玲専女学院校長に就任する秋川やよいだ!灘殿、村田殿、本日はこちらにお越しいただき誠に感謝!」

「いえ。私は特にこちらの学校を開講するにあたり、お手伝いだけなので。…では改めて村田さん、自己紹介を。」

「は、ハイっ!村田です!こちらで事務員と付き人の職に着くとお聞きしました!」

「歓迎!村田殿、よろしく頼むぞ!字の方は書けるか?」

「はい。鬼殺隊に入る前までは学校に通っていたの字はその時に習いました。」

「うむ!…疑問。灘殿、産屋敷殿から…アイドルなる物もこの学園で育成すると聞いていたが…偶像を作るとはどういう事だろうか?」

「さすが校長、アイドルの語源を知ってるとは…。そうですね、あながちその表現で間違いありません。ですがこの偶像を作り上げるのは歌と踊りなのです。」

「歌と…踊りか?」

「そうです。…満員の観客がアイドルたちの演舞を見て聞いて歓声を上げる様を…想像してみてください。そのアイドルが自分達が育てた教え子たちなんだと!」

「………。」

「こ、校長?」

突然黙った秋川理事長(校長)…次の瞬間、お決まりの″激熱!!″扇子を取り出し、

「理解!激熱!それは良いな!」

と答える。

「そう言ってもらえると思いました!…それにここはアイドルだけでなく、科学者や教育者、更には様々な分野にも行ける女性を育てるという役目もあります。」

「疑問?だがこの世の中だと女性は何かと不便だが。」

「だからこそですよ。校長、Pioneer*4という言葉をご存知でしょうか?」

「…開拓者…。なるほどそう言うことか!」

「そう、この学校の精神の一つである開拓者精神です。今の世の中は開拓するところがたくさんある…そこには女も男も関係ないのです。人は皆、開拓者。それを体現して欲しいのです。」

「明快!貴殿は女も男も区別しないというわけだな!」

「もちろんです。仕事や才能は性別に関係ないですから。ここにいる村田にもその精神を教えてゆくつもりです。今後ともよろしくお願いします。」

「灘さん…。…私からもよろしくお願いします。」

 俺からすれば今の世の男尊女卑や女尊男卑、更には現代日本のフェミニズムは嫌いだ。できる奴はできる

、そこには性別は関係ないと思っている。…だからこそ今の世の中からそんな人材を確保しなければいけないのだ。…色々と壮大だがハッピーエンドのその後をも良い方向にするにはこれしかないのだ。

「承諾!…では学園を案内しよう!たずな!」

「はい、校長。」

「彼女は早川たずなだ!私の秘書兼任の事務室長担当だ!恐らく村田殿の上司になると思うから仲良くしてやってくれ!」

「早川です。村田さん、灘さん、よろしくお願いしますね。」

やっぱりいたよ、ウマ娘疑惑秘書…。おっと殺気が…´д` ;、これ以上は触れてはいけないようだ。

「「よろしくお願いします。」」

「ふふ、では学園の方を案内しますね。」

 

_____________________

 

 たずなさんに案内してもらい、教室や体育館、教務室や事務室などの施設を見学し終える。

「さて、村田さん。ここからは事務仕事の研修と護衛の訓練をしてもらう。研修後、学園の体育館に集合な。」

「は、はい!」

↓それから5時間後

「さて、これからやる訓練は窯芭津化(カマバッカ)式格闘講座は地獄のさらに先の地獄の2丁目まで行くほどの厳しい訓練だ。…逃げ出すことは許されないが…構わないよな?」

「…構いません。…両親のように学生たちが殺されるのはみたくないので。」

「いい判断だ。ならば…いくぞ!釜芭津化式格闘講座、開校!!!」

 その後の村田さんはまさに死んだ顔そのものであった。厳しい走り込みに格闘技、筋力トレーニングに実戦訓練。これを約1週間続ける。…するとどうだろうか、一瞬カマバッカ王国民のようになるが以前と比べると格段に強くなっている。

「村田さん、今回はここまでだ。常に鍛錬を続けることや半年に一度のは窯芭津化式格闘講座を受けてもらうぞ。」

「はいっ!」

「恐らく俺の時よりも厳しくなる。…だが必ずあんたは成長できる。それは保証しよう。それにここまでよく頑張った、君は強い人間だ。共に励んでゆこう。」

「灘さん…ありがとう…ございます。」

 ボロボロになりながらも達成した喜びや辛さで涙を流す村田さん、青春だね^_^

 

 

 

 

 さてこの1週間の俺の仕事は調理場職員の研修や楽団の指導などをしていた。…もちろんサボらずきちんとね( ^∀^)

 

 

〜回想〜調理場、学生到着1日前

「いいか!食材に無駄なところなんて毒や食べられないところ以外はないと思え!野菜の皮や魚の粗は栄養満点のスープの素になるし、学園の肥料にも成る!そして味を怠るのも忘れるな!食べてもらう学生たちを思って作るべし!」

「はいっ、シェフ!!」×大勢

「君たちの料理が明日の日本の女帝たちを作るのだ!その誇りと責任を持って作り上げろ!」

「うぉぉぉお!!!」×大勢

 後に日本料理革命の地として都玲専女学院厨房が日本料理史に刻まれるがそれはのちの話である。

 

〜回想〜楽団指導

「では同じ曲をもう一度。指揮者はテンポと音の調和に注意しながら振ってくれ。各楽隊も自パートと他パートの音をよく聞いていこう。結縁楽団*5の底力を見せる時だ、きっちり突き詰めてゆこう。」

「はいっ!」×大勢

 海外からの演奏家や指揮者からの指導(知り合いのロシア人マエストロ、後のニコライ・マルコとエフゲニー・ムラヴィンスキー*6。胃袋鷲掴み済み)を経て、国内外でも有名になりつつあるこの楽団の力をここで示したいところだ。

「君たちはすごい。…だからこそやろう、未来の女帝たちの花道を飾る音楽を届けようぜ!」

「はいっ!」×大勢

 花道を飾るファンファーレは決まった。あとは未来の女帝やアイドルたちが来るのを待つだけだ。

 

_____________________

 

 当日、俺は調理場にて最終チェックとオーダーを張り出す。

「さぁ、今日のオーダーだ。」

張り出された紙を見て料理人たちが持ち場へと戻る。

昼の給食のメニューは以下の通りだ。

 

 

・白米

・野菜と肉たっぷりのデミグラスハンバーグ

・にんじんとエンドウのバター焼き

・具沢山コンソメスープ

・かぼちゃプリン

・ほうじ茶

 

 

名付けて!ドドンっ

「都玲専女学院名物!デミグラスハンバーグ定食!」

 

 コンセプトはやっぱりウ○娘。名簿見た限りだと神保瑠那(シンボリルドルフ)や柄本胡桃(エアグルーヴ)、成田茶々(ナリタブライアン)の生徒会組はもちろん、春野麗(ハルウララ)や目白真穂子(メジロマックイーン)、更にはルーシー・ゴルドブァ(ゴルシ)と合致するような名前の奴らがいるのだ。人参ハンバーグ定食とまではいかないがそれっぽく再現しなければトレ○ン学園じゃないよね。(*^o^*)

 だが味の方は落としてはいない。2日前から煮詰めたデミグラスソースに新鮮な野菜とお肉で作ったジューシーなハンバーグ、コトコト煮込んだコンソメスープはベーコンや野菜の旨味エキスが滲み出た逸品である。味見の時点で既にOKサインを出している。甘味はお馴染みのカボチャをプリンにしたものだ。

 

 もうね、ウ○娘要素にんじんとハンバーグしかないよ。w

…さて、腹ペコな女学生たちを征腹しちゃいますか!(*^o^*)

 

 

 

 

〜体育館、村田視点〜

 この1週間はまさに地獄だった。午前10時から午後4時ごろまでの事務作業の講習兼実務、ここはまだいい。たずなさんや他の事務員の優しさが胸に染みるし、飯もうまい。あの灘さんが監修した飯だ、不味いなんてありえない。

 それに俺の住んでいる部屋、おかしいだろ…。暖房完備、共同の厠(灘さん曰く洋式という座ってするやつ)と風呂完備。極め付けは部屋には家具一式に広々としたベットまであるのだ。…俺は外国にいるのかと錯覚してしまう。

 …ただその後のか、かまばっか式?格闘訓練講座が厳しいのだ。全集中常中をわずか1時間以内で会得、その後は打撃技に掴み技、基礎体力訓練、実践訓練と内容盛りだくさんな地獄の特訓だ。…時々女言葉が出るほど厳しい…地獄の2丁目のような訓練…、灘さんの言う通りだ。

 …けれども約半分が過ぎた4日目からはその訓練に耐えれようになった。自分の成長を感じられたのは素直に嬉しかった。特訓が終わった後はすごく泣けた。辛かったけど嬉しくて…そして少し物悲しい気持ちになった。なによりも俺を強いと言ってくれた彼の言葉で涙が溢れたのだ。

「いやいや、あんたが頑張ったからだよ。…村田さんの美徳は目立たなくてもきちんと頑張れることだ。地味な事でもそうキチンとこなせるのはそう簡単な事じゃないんだよ。」

そう言って無邪気に笑う彼は俺たちと同じく、年相応の人間に見えたのだ。

 

 そして生徒が来ると当日、玄関にて案内状を生徒に渡しつつ何かをしようとする灘さんに声をかけた。

「灘さん。」

「お、村田さん。調子はどうだ?」

「ぼちぼちです。さっきので最後の生徒だったので今のところ暇ですね。」

「そうか、なら村田さんも体育館に来てくれ。予行演奏とかやるから楽しみにしといてくれよな!」

「え、演奏?」

 

 体育館に行くとそこには大勢の楽団が準備をしていた。

「す、すごい…。」

「本番前のリハーサルだ。みんな、気張ってこうぜ!」

「はいっ!!」×大勢

 圧巻の演奏だった。今まで洋楽器の演奏は灘さんの店でしか見たことなかったが…ここまでの演奏は初めてだった。

「いつの世も音楽は文明と人類の叡智の積み上げを象徴する。…だから聞いていてくれ。この音楽は彼女たちの人生を彩るところを…。」

そう言った彼の言葉…とても印象的であった。

 

_____________________

 

 さて、予行演習はすんだ。後はたずなさんの入場の言葉で演奏が始まる。

「では、生徒入場です。」

 次々と生徒が入場する中、流れてくる音楽は威風堂々。未来を作る彼女達に合う選曲だ。驚きつつも行進する彼女達を見て、ようやくハッピーエンドのスタートラインが見えた気がした。

「さぁ、基盤はできた。後はじっくり期を待とう。」

 

 新入生の代表である神保さん(シンボリルドルフ)の言葉を言っている間、他の学生たちを見る。エアグルーヴやナリタブライアン、ビワハヤヒデらしき女生徒がいるが、多作品の奴らも多くいる。メイ○ラゴンやToLo○eる、い○ご100%などと盛りだくさん…コラボしてるのかと思いたくなるくらい他作品のキャラがいるのだ。加えて甘露寺ちゃんとしのぶさんもいると…。これ…みんなが見たら卒倒するんじゃないかな。

 

「歓迎!諸君の言葉、しかと受け取った!そして静聴!これよりこの学園の理事長である方の代理人にお言葉をいただこう!灘殿!よろしく頼むぞ!」

ここまでは予定通り、ここからは秋川校長に変わり俺の番だ。

 マイクの位置を変えて、皆の前に立つ。

「…ふぅ。」

息を整えて、閉じた目を開ける。そして…俺は言葉を発する。

「当校にご入学予定の皆さん、この度は当校の入学前登校においでいただき誠にありがとうございます。先ほども軽く校長が触れましたが、私はこの学校の理事長に当たる方の代理と開校前の準備のお手伝いに来ました、灘と申します。恐らくこの日以降はお会いすることはまずありません。しかし、私自身この学園設立にあたり、多くの思いがあります。昨今、この大日本帝国は欧米諸国に肩を並べるため、多くの犠牲を払い、さまざまな文化を取り入れた結果、急発展により歪みが生じております。恐らく皆さんの生活にも顕著に出ているはずです。都市部と農村部の格差に娯楽の無さ、更には女性の権利や教育にも問題が多く存在しているのを皆さんは知っているはずだ!」

 静まり返る中、皆は息を呑み、こちらを見続けた。

「その歪みの中、女性や男性関係なくこの国の歪みを無くし、新たな分野の開拓と未来を創造する人材を育てるため、この学園の創立に携わりました。…君たちにはこの学園で多くの知識の探求や実践、研究、社会活動を通して、この国を変える開拓者になってもらいたいと思います。そのために私たち大人や先生、事務、そして校長が君たちの未来を切り開ける支援を惜しみません!」

 そう言うと皆、大きな歓声と拍手をこちらに送る。

「ささやかではありますが、今日の美味しい給食とオーケストラの楽団をお呼びしました。そして…この歌を貴女たちに送ります。聞いてください、【人生は夢だらけ】。」

 ピアノの儚いメロディーが辺りを包む。椎名林檎の繊細でどこか大胆な歌詞とメロディーは今の世の中とどこかリンクするところがあるように思えた…。

 

大人になってまで胸を焦がして(胸を焦がすほどの気持ちは大人になっても)

 

ときめいたり、傷ついたり、慌ててばかり(心を動かし、傷つけては惑わせる)

 

 

 いつの世も人は心に左右される。けれども胸を焦がすほどの感情は情熱を伴い、太陽をも焦がし尽くす。

 それは男でも女でも関係はない。物を作る人、学ぶ人も、恋も、全てにこの感情は存在するのだ。

 

 

喉元過ぎれば(人生という道を進んでゆけば)

 

 

ほら酸いも甘いも、どっちも美味しいと(全てが美しいと思える様になるさ)

 

 

|それが人生!私の人生!あぁ鱈腹味わいたい!《全てを喰らえ!楽しみ!笑え!》

 

 

誰かを愛したい!私の自由!(君達の自由は誰にも縛られない!だから!)

 

 

 軽く酸欠の脳味噌に酸素を与える…。夢に賭ける想いを、この世界を作る彼女たちにこの歌を!

 そして歌詞にこの想いを全てぶつけるんだ!

 

 

この人生は夢だらけ!!(君たちの夢を望め、そして謳歌せよ!!)

 

 

 オーケストラが盛り上がるのと同時に生徒たちも目を輝かせ、歓声を上げた。この先の行方は夢ばかり、彼女たちの覇道の入り口に花を添えるこの歌を届けることができたことに誇りを持とう。

 

_____________________

 

 歌を歌い終えた後はまさに興奮の嵐。楽団も成功の余韻に浸っている様子だ。

「感動!灘殿の熱い想い、仕方と受け取った!では諸君!灘殿がささやかだが豪華な食事も用意している!食堂へと向かおう!」

 そう言うと教職員たちが彼女たちの案内を始めた。

 

↓少女移動中…

 

 食堂に着くと皆、目を輝かせながら席へと着く。

「オイシソー!」

「モウタベラレナイヨ!(?!)」

等という言葉が多くでている。…食ってみな、飛ぶぜ?

「合掌!いただきます!」

校長の号令が響くと後から女生徒たちのいただきますがこだまする。一口食べるとそこには幸せな顔をした生徒たちがそこにいた。ついでに村田さんも目を輝かせながらハンバーグを食べている。

「灘さん、これ美味しいです!このソースも濃厚でさらにご飯が進みます!」

 皆が幸せそうに食べるのをじっくり見つめる、料理人の特権を味わいながらこの時間を過ごすのであった。

 

_____________________

 

〜小豆島、とある廃村入口前〜弥太郎視点

 

 オリーブオイル工場の視察もひと段落し、本業である鬼殺隊の任務のためこの廃村の入り口にいる。

 今回は磯野くん、高島、渡の3人での任務だ。内容は小豆島にある農村が一夜のうちに壊滅した原因の調査と解明、鬼であれば討伐せよとのことだ。

「しかし…彼岸島*7とまではいかないが…人間牧場とは…。」

 廃村の小屋からは女性が犯される声や泣き声、下卑た男や女の笑い声が響く。…次第に怒りが込み上げてくる。…怒りを理性で押さえつけ、作戦を開始する。

「…作戦名、彼岸島壊滅。初動だが高島はあの中心部に藤の花エキス入り爆竹の投下、出てきた鬼を磯野くんがスニークキル、渡は大量に出てきた鬼をぶっちぎってくれ。後はいつも通りだ。…恐らくだが十二鬼月がいる可能性が高く、前回のスタンピードに匹敵する。」

「前回言ってた奴だよね?なるほど、だから僕たちなんだ。」

「スニークキル…で大丈夫ですか?」

「問題ない、見つかったらいつも通り処理してくれ。」

「了解です。渡さん、僕が合図を出すので陸ノ型

電轟雷轟でお願いします。」

「了解、じゃあ行きましょうか。」

「…じゃあ行こうか。鬼殺隊特殊部隊黒水(こくすい)…、殲滅開始。」

 皆が鬼の面を被り、廃村へと入って行くのであった。

 

 

 村の中心に爆竹を破裂させると鬼たちが出てくる。藤の花エキスで、悶える中で磯山くんがスニークキルをかまし、その混乱が冷めぬ間に轟音を響かせながら鬼を切り倒す。

 

 

水の呼吸参ノ型 流流舞

雷の呼吸陸ノ型 電轟雷轟

 

 

「僕もやっちゃうよ〜。」

 

見聞色スナイパー

 

 見聞色の覇気を使い、撃ち漏らした敵を処理してゆく。近づく敵は大太刀で切り、散弾銃で薙ぎ払う。

 

「がぁぁぁぁあ!」

「ここは我々の土地、家畜をどのように扱っても構わんだろう?あのお方への献上品もあるのだ。あまり騒がないでもらおうか?」

図体のでかい自我のない鬼と彼岸島の雅*8のような格好をしている鬼が廃屋敷から出てくる。

「ふざけるな…、か。そっくりそのまま返してやる。…その前にそこの洋服を着てる奴、お前…十二鬼月だな?」

「…くっくっく、ご名答。あのお方より上弦の陸の名をいただいた、名は雅だ。」

「…オメェ、その名前の重さをわかっているのか?」

「…なんだと?」

「聞こえなかったのか?オメェにその名は似合わないと言っているんだよ、小物が。」

「貴様…どうやら死にたいようだな?行け。」

 自我のない鬼に命じると体を変容させ、次第に見たことのある邪鬼*9となり、襲い掛かる。が、余裕で避ける。

「その程度か。」

 前世なら言わない言葉だ。戦うたびに強くなることに自信を持つようになったが…ここまで言葉に出したのは初めてだった。この言葉が出た時点で踏ん切りがついた。…まぁここで死ぬことはないけどね。

「………。」

 俺は悟ったのだ。…みんなと一緒に大円団を迎えることはできない。けれども……ハッピーエンドにする事はできる。それに俺の能力は何もワ○ピースの覇気とかだけではない。それを出すのは…本当の最後の手段。今はまだ、見せられない。

 

「見せてやるよ。酒呑童子と呼ばれた理由をな。」

 

 

覇王色開放

 

 

 「‼︎」

邪鬼や周りの鬼たちが倒れる。

「もぉー、僕らの見せ場をとらないでヨォー。」

「そうですよぉ…。」

「…まぁ俺は早く終わればそれでいいよ。」

「すまんすまん。…早く終わらせよう。」

皆がブーブー言う中、偽雅の方を見る。

「…どうなっている…。」

偽雅は焦りと恐怖の表情を浮かべている。

「何、ただ威圧しただけだ。…まぁ、お前が知っても死ぬのには変わりないな。」

「!!動かない…だと?!」

覇王色の覇気に当てられたのか動く事ができないようだ。

 

酒の呼吸 弐の型 火酒酣酔(ひしゅかんすい)

 

 火酒はウィスキーのような蒸留酒の強いお酒、酣酔は十分に酔うと言う意味の言葉。強い酒を飲み、酔った人間が刀で乱れ切る様を型にしたものだ。

 邪鬼と偽雅を切り捨て、ついでに倒れている鬼たちも斬り殺す。まだ消えていない偽雅の目から見ているであろう無惨にこう宣言する。

「…無惨、よく見ろ。これがお前が招いた結果だ。きちんと精算してもらうからな?あと、俺たちに手を出したらわかってるだろうな?日の呼吸の剣士以上に貴様の心を砕いてやる。…人間を無礼るなよ、小物。」

 精一杯の覇王色の覇気を浴びせてから斬った、このぐらいでちょうどいいだろう。

 

 

 生存者の保護や後片付けを終え、帰る頃に生存者の女性が俺たちに詰め寄る。無理もない、貞操を奪われ犯され続けたのだ。

「なんで今まで助けに来なかったんだい!どうして今頃……あたしゃ…あんな奴らに……。」

言葉に詰まる皆の代わりに俺が答える。

「…申し訳ない。……謝罪では満たされないし、元の生活に戻るのは…不可能に近い事は分かっています。……ただこれだけは知っていてほしいのです。我々も…あなたたちと同じである事を。…石を投げてもらっても構いません。…必ず私たちでこんな惨劇を終わらせー。」

「ふざけるんじゃないよ!私は…私はどうするのさ!!」

 馬乗りになり、俺をガムシャラに殴りつける。殴りつけるたびに拳から憎しみや悲しみが滲み出てくる。

「なんで……なんで私なのさ…。ぐす、ぐぅぅぅ…。」

 堪えきれず泣き崩れてしまっている。……隠の人たちが女性を引き離し、どうにか説得をしているようだ。…このまま殴られて死ぬのもよかったが…今は死ねない。…確実なハッピーエンドを作れないからだ。

「……弥太郎さん…。」

心配そうに3人がこちらを見る。笑みを作り、皆を心配させないようにする。

「…大丈夫だ。みんなが傷つかなくてよかった…。さぁ…帰ろう、東京に…。」

 帰路に着くまで…、あの女性から殴られた傷は…大したことはなかったが…じくりと胸が痛くなった。

 

…早く帰ろう…、……心休まるあの場所に…。

この死にたくなる気持ちも…きっと治る…、そう思うのだ。

 

 

 

 

〜???〜

 …そんな…。どうして彼が……。…抑止力…、なぜ彼なんだ。灘君たち同様にあの子にもハッピーエンドを送りたいのに…。…僕は…どうしたらよかった…?何か手があるはずだ…。絶対に…見つけ出してやる。

 

 

 

〜無限城、無惨の一室〜

 …小物だと?私が?…ふざけるな!!!

無礼るなだと!?貴様だけは特別に生きながら心を殺し続けてやる!人間である事を後悔させてやる!!

 

なお、覇王色の覇気のせいで体が安定せず、無限城内で暴走している模様。

 

 

 

 

 刻一刻と迫る運命の時、絶対的なハッピーエンドを掴み取れるかは…未だわからないままである。

 けれども、冬の寒さはいずれ春の暖かさへと変わるように物事は良い方向へと進むことがある。今はまだ、見えないだけなのかもしれない。

 

 

 

 

 

ー習得トロフィー&フラグ(仮)ー

・はーやくこい〜ホホバオイルって…すごいんだね

・ト○セン学園?いいえ、都玲専(とれいせん)女学院です^_^

・村田さん、最強の事務員への道を逝く

・カマバッカ式戦闘訓練〜地獄の二丁目ご案内(*^o^*)

・この人生は夢だらけ〜もちろんプロですから(゚∀゚)

・美味しい給食〜モウタベラレナイヨォ(゚∀゚)ハチミー

・小豆島の任務〜特殊部隊黒水

・彼岸島村襲撃〜とりま殲滅しますね〜

・してはいけない覚悟〜犠牲はゆるしまへんで!

・無礼るな〜皇帝さん、お借りしました(゚∀゚)

・神様困る〜どうしてこうなった….°(ಗдಗ。)°.

・無惨、覇気を浴びる〜覇王色半端ないって!

 

*1
ホホバと呼ばれる植物の種から抽出される油のこと。髪の皮膚の保湿や日焼け止め、更には軟膏などの医薬品にも使われるほど万能とのこと。アメリカ南西部やメキシコ北部が原産でホホバはスペイン語。

*2
香川県にある地域。オリーブオイルが名産で日本におけるオリーブ栽培発祥の地である。

*3
現在の府中市。ウマ娘のトレセン学園のモデルであるJRAトレーニングセンターがここにある。

*4
パイオニア。開拓者、先駆者という意味の英単語。ある分野や業界などを開拓したりする言葉として使われたり、業界を始めた企業やとある分野を始めた人間にも使われる。余談だが同じ名前で家電音響メーカーであるPioneerという会社が存在している。(リアルガチ)

*5
結婚式場結縁館がもつ楽団。オーケストラのみならずギターやロックなどジャンル問わずに演奏するので巷では変態楽団と呼ばれている。その技術はかなり高く、国賓を招くような場面でも演奏を任されるほどである。後の世ではカグヤアンサンブルオーケストラとして活躍する。

*6
実在したウクライナ人とロシア人の有名指揮者。前者はソ連以外にもヨーロッパ諸国で指揮や教育をしてきたのに対して、後者はロシアでの活躍が目立つのが印象的である。後者のムラヴィンスキーは1950年代に日本に来日しているが、この世界線ではルカの知り合いとして来日している。彼についての日本でのエピソードは印象的なので一度見てみる価値あり。ちなみに作者は音楽史にはあまり詳しくなく、ロシア=芸術の国、なら音楽もすごいだろの知識しか持っていないので悪しからず。

*7
松本光司作のホラー漫画。ざっくり要約するとグロホラー漫画で、絶望しかない中で主人公が敵である吸血鬼を斬りまくるお話。因みに吸血鬼になる方法が鬼滅の刃と似ており、吸血鬼の体を摂取してしまうとなってしまう。ここと違うのは始祖の血じゃなくても感染するため、蚊を媒体に吸血鬼ウィルスを感染することが可能に…。ただ個人的にはおすすめの漫画なので拝読を推奨。

*8
漫画彼岸島のボス。かなりチートじみたキャラで脳波干渉という精神操作も扱う。しかし意外にドジなところもあるため、主人公の宮本明に敗北寸前まで追い込まれることも…。無惨同様、頭無惨の節は否めないが無惨ほど小物ではない様子。

*9
彼岸島に出てくる吸血鬼が血を一定期間飲まなかった時に変身する化け物。変身後は元に戻れず、鬼のボスである雅以外の言うことは聞かなくなる。いろんな種類が登場するが今回は痩せ型。




〜大正コソコソ次回予告(^o^)〜
 シリアス多めなのはゆるしてくだちぃ…。
…こほん、今回の偽雅だけど童磨の後釜として入れたらしいよ。なんでも無惨は偽雅に対して玉壺や半天狗よりは期待していたらしくて、将来的には上弦の参候補と考えていたらしいんだって!
 でも今回で酒呑童子もとい、湯沢くんの実力を知った事で更に行動に制限をかけることに。
 ちなみに前半のト○セン学園の校長をヘッドハンティングしたのはなんとお館様なんだって!なんでもお館様が女学校の設立にあたり、鬼殺隊に恩のある家系の人で1番教育に強い人を勘で選んだとのこと。w
 あとね、灘君の歌だけど…、生徒たちに大評判だったんだって!しのぶちゃんに至っては灘君の歌声に少し蕩けた顔をしてたらしいよ?「トントンッ」おっと誰か来たよう……今の話題は忘れてくだせぇ、おねげぇします。…しのぶちゃんにー
「ハヤクジカイヨコクヲシテクダサイ、ハナシハソレカラデス」「ハ、ハイ( ; ; )」

 さて次回は、年末年始の身内での大宴会。しのぶちゃんと甘露寺ちゃんのユニットがついに始動!美味しい料理に歌と今年の厄を祓う大宴会が今ここに!(*^o^*)

次回、
第十五飯:感謝感謝の年忘れと新年!〜お鍋とオードブルと紅白歌合戦!( ´Д`)y━♪

次回もお楽しみに!(*≧∀≦*)
「ア、ソコハサシチャダメッ!(;´Д`A」
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