鬼滅の料理人   作:ゆっくりカワウソ

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 今回もこの物語を読んでいただきありがとうございます!
 大変長らくお待たせいたしました!(え、待ってない?(´・ω・))
年末から年始にかけて色々ごたごたがあったため、だいぶ遅い投稿になってしまいました。申し訳ございません( ;∀;)
 今話は少しシリアス多めのカオス回になっております。色々とご都合主義成分が詰まっておりますのでよろしくお願い致します!!


第四飯 終柱灘結月就任ー鬼に死神と呼ばれた料理人☆爆☆誕☆ー

 鬼狩りにとって鬼は不倶戴天の敵であり、狩る側である俺たち人間が抹殺すべき存在であるだろう。そして鬼は一般人の目には触れてはいけない秘匿すべき存在であるのと同時に、日々一般人を守るために鬼を狩っている鬼殺隊もまた同じなのである。平安時代あたりから続いている鬼殺隊だが非政府組織であるため、警察や軍部のように隊士自身に特権を持っているわけでは無いので一度刀を抜いたり、騒ぎを起こせば警察にしょっぴかられてしまう。ただし、お館様の一族がめちゃすごいためすぐ解放される……、オォコワイコワイ(ーー;)

 

 

廃刀令とか出てるもんね、仕方ないね^o^(諦観)

 

 だが物事には例外がある。そう、今回俺が受ける任務がそれである。なんと今回は警察と陸軍の憲兵部隊との合同任務なのだ。普通ないよね?お館様が色々権力持ってるのわかるけど、まさかお館様の料理番ってだけでこの任務に抜擢されるとは思ってなかった…ぴえん…(泣)

 そうこう産屋敷邸の客間で考えているとお館様が今回の任務の概要を告げる。

「結月、先日の下田さんから協力の要請が出たよ。今回は憲兵部隊も来ているから実質帝国からの要請での任務になると思う。任務内容は汚職に手を出した憲兵がとある集落で行方不明になったからその捜索をして欲しいとのこと。…それだけでなくその集落では近年行方不明者が多く、我々も調査をしようとしたところにこの件を調べていた下田さんが申し出たんだ。こちら側は君と乙隊士を合わせて5人で集落に送り出すことになっている。君には明日までに準備をしてもらい、鎹烏の指示のもとその集落に向かってくれ…。君の料理が食べれないのが非常に惜しいが…頼まれてくれるかい?」

「もちろんですとも。私は隊士であなた様の子供、お館様の頼みであれば死地にでも赴きましょう。」

「いや…、そこは生きて帰って欲しいかな。まだ1ヶ月弱しか経っていないが、君はすでに大切な存在だ。…私やあまね、息子たちも君の帰りを待っている。だからー。」

心配そうなその顔に俺は笑ってこう応えた。

「もちろんそのつもりです。必ずお館様、奥方様に美味しい料理を作りに帰って参ります。ですのでご心配なさらず、ドンと構えてお待ちください!」

「結月…わかった。では明日からよろしく頼むよ。」

「御意。」

 

 今回の任務先は中部地方長野の山中にある柳川集落というところだ。国家権力の軍部と警察の介入があるため、一時的ではあるが特例で帯刀の許可も出ている。

 共に行くメンバーは炎の呼吸の隊士で策略家の仁支川、風の呼吸の使い手でこのメンバーで経験豊富な最年長の山田、水の呼吸の使い手で慎重派の井上に同じく水の呼吸で肉体派の田中、加えて俺がこの集団のリーダーという感じになっている。

 そして街の食堂にてみんなを集め任務の概要や装備の確認を行い、食事を取り解散する。

 

 次の日、俺たちは列車で現地へと向かっていた。今後の任務について話していたときに2人組の男に声をかけられた。…しかも前世のドラマでよく聞いた声で。

「もし、そこのお方。あなた鬼殺隊の隊士では?」

声に反応して振り向くとそこには某紅茶付きのメガネ紳士と初代肉体派の相方がそこにいた。

(え?!まさかの特○係?!しかもちゃんと大正にあった格好してる∑(゚Д゚))

内心びっくりしてるがすぐに任務の時の状態になる。ちなみに杉下さんはコートとスーツに蝶ネクタイ、亀山さんは動きやすいマントと金田一耕助スタイル(いわゆる書生服)だった。

「えぇ、そうです。…その様子から見ると下田さんの部下の方とお見受けしますが?」

「その通りです。東京府警視庁特別事件対策室の杉下です。」

「同じく亀山です。」

(うわっ、まんま同じ名前だ!しかも口上も!)

仁支川がこの2人を見て驚いたようにこう言った。

「特別事件対策室…確か英国の名探偵のような凄腕の方がいると聞いたことがありますが…あなた方ですか?」

「正確にはこの人と室長の下田です。」

杉下さんを指差しながら亀山さんは答える。

「亀山くん、あまりない事を言わないでください。下田室長が凄腕なのは否定しませんが。」

「はーい。」

ドラマで見たようなやり取りをする。

「失礼ですが、灘結月さんはどちらに?」

「私です、杉下さん。」

「おや、失礼。かなりお若いですね。…僕たちもこちらにご一緒しても?」

「もちろんですとも。」

俺たちの席の隣に座り、こちらに体を向ける。

「あなた方の噂は聞いております。…悪い噂もですが、かなり昔から存在しているのも。ただあなた方を調べるとどうしても上からストップがかかってしまうんですよ。」

「ええ、我々は非政府組織です。上がかなり力を持っていなければ存続はできませんから。」

「なるほど、やんごとなき人物でしょうか?」

「えぇ、平安時代から続く由緒正しい家系の方ですよ。」

「ちなみに名前はー。」

「それは極秘事項です。全てが終わり、鬼という存在がいなくなった時に初めてお教えします。」

「そうですか、それまで待ちましょう。…それと少しお聞きしたいことがあります。」

「この人の悪い癖なんですよ。気になったらとことん追求する所。」

「亀山君、それは僕のセリフです。…灘さん、お聞きしても?」

「えぇ、可能な範囲であれば。」

「ありがとうございます。聞きたいことは3つ、なぜあなたたちはこの廃刀令が出されてる世で帯刀しているのか、鬼とは何か、そしてその討伐方法についてです。」

「あ、それ俺も気になってたんですよ。教えてくれませんか?」

「なるほど…なぜ帯刀するか、それは鬼を倒すための武器が特殊な刀だからです。我々が討伐する鬼は太陽の光と特殊な鉱石や鋼で作られたこの日輪刀が弱点なのです。」

「なるほど…それで…。」

「そして我々の持つ刀は見た目も特殊です。通常は艶やかな鋼色ですが、持ち主によって色が変わるので色変わりの刀とも呼ばれています。この色によって使う型や"呼吸"と呼ばれる身体機能を上げる方法の適正が見られます。私たち鬼殺隊はこの刀と独自の刀法である"呼吸"と型を使って鬼を討伐するのです。みんな、お二人に刀の色を見せて。」

皆が軽く刀を鞘から抜いて見せる。2人は頷いてまたこちらに話しかける。

「ちなみに…その呼吸法とは?」

「詳しくは説明できませんが、心肺機能を上げて酸素を多く取り込み通常の倍以上の身体機能を上げる方法です。この呼吸と型は大まかに分けると5つの流派に分かれています。流派によっても攻撃特化であったり、防御や攻防一体型の型が存在していますし必ずしも鬼殺隊の隊士がこの5つの流派の型というわけではないのです。私のように基本の流派の2つとその派生の型、そして自分で生み出した型の計4つ扱う者もいます。」

他の鬼殺隊士((((いや、それあんただけ))))

 実を言うと俺は終(つい)の呼吸の他に花の呼吸と水の呼吸、雷の呼吸を扱える。初めに俺は花の呼吸の育手に送られたが、1ヶ月ほどで習得&オリジナル呼吸の開発をしたため水の呼吸と雷の呼吸の育手へたらい回しにされたのだ。ちなみにその水と雷の呼吸の育手は鱗滝さんと桑島さんだった…、メチャンコキツカッタァ…ジヌガドオモッダァ(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

 

さて話を戻そう。

「鬼についてもでしたね。鬼は文字通り、人を喰らう者ですが実はこの鬼は元は人間なのです。」

「なっ?!冗談ではないんですか!?」

亀山さんが良いリアクションをする。

「驚くのも無理はない。…本来ならあり得ない事なのです。鬼になる過程はとある男から鬼になるための血をもらい、摂取するだけで簡単になれます。…恐らく偽名を使いますが…男の名は鬼舞辻無惨、鬼の始祖であり唯一鬼を作り出す存在です。こいつのせいで…。」

 皆目を伏せると察したのか杉下さんは

「失礼しました。」

と言い、亀山さんも申し訳なさそうな顔をする。無理もない、俺たち5人全員が鬼によって大切なものを奪われているからだ。それを2人が察してくれたのはありがたかった。

「お気になさらず、仮に鬼を発見した際はこちらにご報告を。鬼は現代兵器でも死なないので。」

「わかりました。」

「では今度は俺から話を聞きたい。」

ベテランの隊士山田さんが今度は杉下さんに聞く。

「なんでしょうか?」

「今回の任務で汚職をした憲兵の捜索も入っていたが…もしかして金絡みだろうか?」

「おっしゃる通りです。彼は軍部のお金の調達や管理の責任者です。先月、不明瞭な支出810円(現代貨幣価値324万円)がありましてねぇ、どうしても軍部はその不明瞭の支出の回収と当人の保護と引き渡しが必要になったんです。」

「俺たちは行方不明者になったそいつを追っていたんですが、どうも柳川集落に逃げたらしいと聞きましてね。」

「なるほど…他の行方不明者と同じ…と?」

「そうです。現地警官からの報告が上がっていたので同時に調べていましたら…当たりだったようです。」

杉下さんは俺たちをドラマで見るときと同じように微笑みながら見つめていた。

 

 列車が現地に到着し、外に出ると雪が降っていた。その量は東京よりも多く、前世と今世の故郷を思い出す。少し感傷に浸っていると、軍人らしき人がこちらに向かってくる。細身ではあるが日本刀のように鋭い雰囲気を持つ精悍な男、が最初に抱いた印象だ。

「はるばる東京から来ていただき感謝する。私は憲兵大佐の東(あずま)だ。杉下殿、亀山殿、そして鬼殺隊の方々、これからよろしく頼む。」

 東さんの案内で柳川集落の詰所の方まで向かった。集落内は温泉街ということもあり、人も賑わいとても暗い事件があるようには思えない印象を受けた。ただ…、何人か表情を取り繕う様子を見せていたのでやはりこの集落での事件は重大であることが伺える。

 

 詰所内に通された俺たちは早速被害状況の確認と行方不明者を最後に見たとされている地点が記してある地図に目を通す。

「…5つの地点に集中していますね…」

仁支川は声にして地図の地点に疑問を持つ。

「仁支川君、よく見てください。此処の5つの地点の真ん中に神社がありますよ。」

田中が神社の存在に気づき、同門の井上はそんなことをする鬼に疑問を持つそぶりを見せる。

「しかし灘さんに杉下さん、俺は奇妙に思うんだ。なぜこの5つの地点に集中する必要があるんだい?」

「おや、そこに気づくとは流石鬼殺隊の隊士。僕もそこが気になっていたんですよ。此処の地図上、この神社がある場所は小さな山、神社を寝床にするのはわかりますが…。」

杉下さんは分からないようだが俺たちはこのようなことをする理由を勘づいていた。

「杉下さん、恐らく鬼が使う妖術の譜面なのかもしれません。」

 そう言うと此処で最年長で神職経験者の山田さんがこう呟いた。

「…なるほど五芒星か。」

「五芒星…安倍晴明の術式や異国の妖魔の儀式に使う図形ですね…。」

「恐らくそれらの類のものを取り込むための図式だろう…。それにここは日本でも霊脈として有名だ。」

俺は初耳だったので杉下さんたちに聞いてみた。

「この集落は日本でも有名な霊脈で"柳川の神域"と呼ばれており、神様と人が共存する豊かな土地と書物にも記されております。ちなみにここの神様は贄を求めず、天の恵みを与える湯と宴を司ると言われています。このことと温泉も有名なため別名"神様に愛された温泉"と言われるようになりました。」

「…なるほど、通りで神隠し…がこの集落で起きているのかい。」

 神域を汚し、人々と共に歩んだ神様と信仰を敬う人の命を弄ぶ鬼に怒りを覚える。沸々とたぎる怒りは久々だった。生きたかった筈の未来を、叶えたかった夢と幸せをすべて奪うやつらを俺は許せなかった。

「すまないがこの件は俺に任せてくれないか?許せん…」

こう言うとわかっていたのか苦笑いをしながら皆口々にこの提案を受け入れる。

「言うと思いました、僕らはこの地区の人を守る役目に徹しますよ。」

「僕も賛成です。東さん、すぐにその神社のある山の入山規制と集落内の巡回の強化を要請してもよろしいですか?」

「構わない、杉下殿、亀山殿。こちらの方を手伝ってもらっても構わないか?」

「もちろんですよ、杉下さん行きましょう!」

「えぇ。灘さん、装備の方は?」

「大丈夫です。あとは現地に向かうだけです。」

「灘さん、頼んだぜ!俺たちもかなり頭に来てるんだ。」

「私もだ…。灘、ここはこちらに任せろ。」

「ありがとう、皆。…杉下さん、亀山さん、東さん、よろしくお願いします。では明日の朝にまたお会いしましょう。」

俺は装備を整えて入山口へと向かった。

 

 山に入ると、そこには陰険な雰囲気が漂っていた。本来なら神聖な場所である筈がどこかまとわりつくような気持ちの悪い空気しか感じなかった。夕闇がさらにその気持ち悪さを助長しているような気もする。探索しているとその空気の大元らしき木を発見した。本来ならこの時期に見ない青々とし雪すら積もっていない樹木、そこから鬼の嫌の気配がしているのだ。刀を抜こうとすると木が暴れ出したので余分な枝を切り落とし、死の線に沿って日輪刀で斬りつける。案の定、鬼が消滅するときと同じようにボロボロと崩れて消え去る。

「…木を切ったが嫌な気配が収まらない…。それにー。」

 真っ直ぐ神社へと向かっていた筈なのにいつの間にか迷っていたようだ。この状況に吹雪も吹き始めたので俺の心情は焦るばかりだ。

(方向音痴ではない筈…方向感覚が狂わせられているのか?…どちらにせよまずいことには変わらない…)

 状況を打破しようと考えようとしていた時に子供の声が聞こえた。

「こっちだよ!鬼狩り様!」

声をかけたのはまだ10歳ぐらいの男の子だった。

「君は…。」

「兄ちゃん、鬼狩り様だよね?こっちの方に神社があるんだ。俺が案内するからその胸にしまっているお菓子ちょうだい。」

 胸ポケットに入っていたべっこう飴を指差してそう言った。

「…鋭いな、これをあげるから案内してくれるか?」

「もちろん!」

 少年と神社に向かう間、様々なことを話した。最近食べた美味しいものや俺が言った任務先の話、親が行方不明になってから1人で働きながら暮らすようになったことなどと言った内容だ。

「ついたよ…でも通れないんだ。」

鳥居から先は結界が張られているようである。試しに石を投げたら鳥居から石が跳ね返って来たのだ。だけど俺にはそんなこと関係なかった。

 直死の魔眼で見えた死の線を日輪刀で切り裂くと結界はいとも容易く解除された。

「君はここで待っててくれ。……君のご両親と君自身を助けるから。」

少年は俺の言葉に微笑み、

「ありがとう…鬼狩りの兄ちゃん。」

 吹雪とともに少年は姿を消したのだ。…初めから気付いていた…、彼がこの行方不明事件の被害者でこの世のものではないことを…。一歩ずつ鳥居の中を潜る度に怒りが湧き出した。あの少年の無念、悲しみを思う度にその思いが溢れ出す。親父や割烹の皆、そして犠牲者の未来を奪ったあいつらへの怒り全てを返す…それが鬼狩りになった俺の覚悟なのだ。

 

 神社の境内の前に神職の格好をした鬼がいた。他の鬼とは違い、身なりは綺麗であることから十二鬼月かそれに近い存在であることは間違いなさそうだ。

「ほぉ、この大結界を破るとは…大したものだえ。」

「…大したことない。お前の結界は穴だらけだったからな。」

「減らず口を。まぁ良い、お前もこやつらとともにこの木と呪術の養分へと成り果てるんだえ。」

そう言うと境内近くにある御神木に触る。するとその御神木から血管のようなものが浮き出し、心臓が波打つように動き出した。

「この大呪術を完成させ、我も上弦の鬼へと成り上がるのだ!!」

その言葉で俺の怒りは山に吹雪いている雪のように激しさを増した。

「そんなみみっちぃことにか、屑野郎?」

「…なんだと?」

「そんなことのためにこいつらを殺したのか?…だっさ、これだから鬼は犬畜生にも劣るんだよ。」

「…取り消すんだえ。」

「嫌だね、お前たち鬼や鬼舞辻は至高の生物ではないんだ。その事実を認められないお前は愚かな屑なんだよ。」

「そうかえ、…ならば死ね!」

【血気術呪木鋭槍!!】

御神木が脈動すると木の枝や根が無数に動き出し、こちらへ突き刺そうとする。けれども…全てスローに見える。

「直死…、呼吸を使う必要もない。」

全ての根と枝を刈り取る。手札を全て見てからなんてごめんだ、ここで決める。

「ふざけるな!【血気術挿木連だー」

 

終の呼吸 壱の型 泡沫

 

 呼吸の技を使い、鬼の反対側へと一瞬にして移動する。

「?何もされて…。」

「はいっ、もう切っちゃいました…なんてな。」

「?!?!!」

 俺が編み出した終の呼吸の壱の型は神速の居合。静かに、そして儚い夢のように生を刈り取る技だ。どうやら自分が切られたことすら分かっていないようだ。鬼の体から首がずるりと落ち、死の線に沿って切ったところもぼろぼろと崩れてゆく。まじまじと消滅する様を見ているとどうやらこの鬼は下弦の壱であることがわかった。

「…われ…は……わしは…。」

「もう時期お前は逝く、下弦の壱…いやお前の真名を教えてくれ。」

「…わしは……芦村清満……あり…がとう…家族に…またー。」

吹雪が吹き荒れると共に体が消滅していた。

血気術に使用した御神木のあった場所には大きな穴があり…、そこには無数の骨が埋まっていた。大小大きさの違う骨が混じっているので恐らく生き残りはいないようだ。…死体の山に手を合わせる。

「討伐…完了。……無惨の呪いはあの世にはない、罪を償ったら家族に…会えよ。それと…みんな…済まなかった。もっと早ければ助けられた筈なのに。…鰤之丞。」

呼ぶと漆黒の夜の空からこちらへと向かってくる。

「呼んだか、結月?…早い討伐だな。」

「まぁな。…すまないが急ぎの連絡を頼む。この地域を担当している隠たちに後始末の要請を。それと麓にいる隊士たちに鬼の討伐完了と伝えてくれ。」

「了解。…珍しいな、あだ名で呼ばないとはな。」

「…あまりふざけていい場面じゃないからな。…行方不明者は恐らく全てその穴の中にいる、…助けられなかった。それに神域も…。」

「そうか…、あまり気に病む必要はない。この瞬間しか助けられなかったのだ。……あの水の呼吸の男のように無理をしては助けれるものも助けられんぞ。私は行くがよいか?」

「あぁ、頼む。…ありがとうな。」

「ふん、女に言われれば嬉しいがな。」

鰤之丞らしい余計な一言を加え、冬の空へと羽ばたいて行くのであった。

 生存者を境内の中でも探したがいないようだった。

「今日はここで夜を過ごすか。……神様、ここで一夜を過ごさせてください。」

暖を取るための日本酒を一杯煽った後に瓶ごと神体に捧げ、カバンの中から毛布と非常食のべっこう飴と干し肉、水筒を出し朝方まで徹夜をする…そのはずだった。

 

 「ここは?」

目の前に広がっていたのは真っ平らな雪景色だった。空は淡く光り、雪がほろほろと優しく降る静か風景はどこか神々しくも悲しいものだった。

「明らかに夢だな…こりゃ。」

「ふふ、そうね。これはあなたが見ている夢に過ぎないわ。」

「そうかぁ……ん?」

声をかけられた方向に振り向くとそこには…白い美しい着物が似合う直死の魔眼の泡沫少女、両儀式がいたのだ。…しかも口調からしてFGOの剣式だとすぐにわかった。

「こんばんは、ようやく会えたわね結月くん。」

「あぃえー!!なんで!?なんで式さんがここに?!!!俺、黒桐さんじゃないのに?!」

「あら?私や黒桐君のことを知ってるの?」

「え、えぇ。まぁ、俺の前世といいますか、そのぉ。」

慌てる俺の様子を微笑みながら見つめる。

「ふふっ、その話はまた今度にしましょう。改めて、私は両儀式。…その…幻系無敵お姉さんって覚えて欲しいわ。」

「ぁ。あぁ、それはご丁寧に。…俺は灘結月、何故か貴女と同じ魔眼が使える料理人です。」

「私は貴方が生まれた頃から知っているわ。…私は貴方の夢から出ることができないから応援しかできないけど…、必ず生き残って。」

「もちろん。…貴女が見守ってくれるんだ、必ず生き残るよ。」

「ありがとう、結月くん。……夜が明けるわ。さぁ、起きて。これからも貴方はあなた自身の物語を描くのだから。」

「…式…。」

「またね、結月くん。」

 

 目が覚めると神社の中にまで朝日が差し込んでいた。扉を開けると広がるのは雪化粧で白くなった大地と朝日の美しい晴れやかな青空だった。昨日までの吹雪と曇天の空とは違い晴れやかな天気であったのだ。

「皮肉だな。誰1人救えなかった次の日がこんな空なんてな…。」

 すぐに下山を済ませ、他の奴らとも合流を済ませた。少し休んでから事件の詳細や犠牲者の位置を東さんや杉下さんたちにも報告し、すぐに集落の人たちにもそのことを知らせた。

「…皆さん、この度はー。」

「良いんです…鬼狩り様。あなた様のおかげであの子たちも…本当に…ありがとうございました。」

そう言って長老は俺たちに頭を下げる。皆も頭を下げ、俺たちに石を投げる人は1人もいなかった。

「慰めにもなりませんが、この歌を歌わせてください。これは…死した人だけでなく失った人への鎮魂歌です…。この曲を捧げさせて下さい。」

俺が歌ったのは"花は咲く"だ。3.11の津波で亡くなった人と大切な人を失った人たちへの鎮魂歌である。…死者への来世の幸せを、生きている人々の安らぎを祈り歌う。

 辛くても強く生きていかなければいけないが、今だけはそっと涙を流し、大切の人の幸せを祈るのであった。

 

 その後俺たちは炊き出しや後始末を行い、杉下さんたちと別れ、集落を後にするのであった。

 

〜産屋敷邸〜

 「以上が柳川集落での任務のご報告でございます。」

「そうか…ありがとう。でも無茶は良くないよ、結月。今回はうまくいったけど…正直生きた心地がしなかったよ。」

「申し訳ございません、お館様。」

「…生きて帰ってきたから水に流すよ。…よく帰ってきてくれた。」

「ありがとう存じます。」

「…さて、今回の件で下弦の壱を倒したことで柱になる条件が達成されたね。」

「え、あ、はい。…え?」

「これまでの討伐数は50を超えてる。これも加味して本日より結月を終柱の就任を命ずる。今まで以上に負担をしいると思う。…私たちにとって君は始まりの呼吸の剣士以来の…いわば切り札のような存在になっているんだ。他の隊士の死亡率も君の提案や支援のおかげで下がっているんだ。…お願いだ、頼まれてくれないかい?」

(まじかよ……でもまぁ…ハッピーエンドを目指すならこれしかない…。)

「承りました。私、柱として鬼殺の道を邁進いたします。…ところで親方様、本日は何をいただきますか?」

「そうだねぇ…、今日はあったかいお鍋がいいな。」

「かしこまりました。下拵えがございますのでこれにて失礼いたします。ご挨拶も省略させて頂きますが、よろしいでしょうか?」

「わかったよ、結月。楽しみにしているよ。」

こうして俺は15歳で終柱に任命され、アクの強い奴らと仕事をすることになった…。

 今からそんなことを考えたくない俺は、お館様が食べるお鍋の準備をしながら現実逃避をするのであった。

 

 

ー取得トロフィー&フラグー

・世の中やっちゃいけないことあるよねー廃刀令コワイー

・爆速の信頼獲得ー灘君の株が急上昇なう((((;゚Д゚)))))))ー

・某相棒達との出会いー大正時代に合わせちゃいました!^o^ー

・合同任務ー異例の国家権力とのコラボ!!ー

・遭難する主人公ー主人公じゃなきゃ死んでたよ((((;゚Д゚)))))))ー

・べっこう飴の少年

・結界を切り裂いちゃったー^o^これには無惨もビックリー

・瞬殺の十二鬼月ー下弦の壱、倒しちゃいました!ー

・犠牲者の行方

・神社でお泊まりー神様も許した救世主ー

・両儀式との楽しい(?!)夢ー泡沫少女が来ちゃった(・_・;ー

・花は咲くー朝日と青空の鎮魂歌ー

・ついに就任終柱!ー流されてしまった灘君ー




^o^大正コソコソ次回予告^o^
 とうとう柱になってしまった灘君。隊士の中でもアクの強い柱たちに揉まれて死んだ目になるのも時間の問題だね!
 それと今話で灘君は歌を歌っているけど、実は灘君は歌がかなりうまく、前世では料理修行をしていた場所や自分のお店で弾き語りなどをしてたんだって^o^その時の歌声は話している時の声と違い、艶のある低音ボイスへと変わるとのこと。ちなみに歌を歌う日にはお客さんがいつもの数倍来るくらい人気があるらしく、常連からは「艶声ライブ」と呼ばれるほどなんだって。∑(゚Д゚)
 さて次回はあの蝶が似合う美人姉妹が登場するよ!なんでもお姉さんの方がなんでも柱候補とか!
そして灘君の料理の腕は遂に他の柱たちの耳にまで…親方様の鶴の一声がここでも炸裂!やったね灘君、役職増えるよ!^o^

 次回、第五飯 鬼殺隊食堂開業!!ー胡蝶姉妹幸せ満腹定食ー(仮)
お楽しみに!!\\\\٩( 'ω' )و ////
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