筆を走らせ三千里─物書き妖怪放浪旅   作:わはかす茶

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プライドが高いと言うのは何かと生きづらいものである。

「ふう。」

 

 

それにしても結構派手にやったらしい。近くの木々は折れ、地面は焼け焦げたように黒ずんでいる。妖精とは言え三匹相手にしていれば、多少手元が狂ってしまうもの。仕方ないと割りきることにしよう。

 

 

 

──しかし中々興味深いものだった。姿を消して逃げようとするサニーに、音を消して逃げようとするルナ。そして攻撃の予測をして回避に専念するスターとそれなりに骨が折れたと同時に、魔理沙との戦闘では不完全燃焼だった能力をぶつけるいい機会でもあった。

 

空中にいる相手とはやはり相性が悪い。今朝戦った魔理沙もそうだが、速い、空を飛ぶというのはそれだけで強いアドバンテージになる。

 

 

 

別に私が飛べない、とは一言もいってないが。能力の仕様上、飛ぶとどうしても不利になってしまうだけ。飛ばずに跳んで、地に足付けてる方が何かと生に合ってるやつさ。

 

 

 

シュッ!

 

「お……?」

 

 

 

再び考え事に耽ろうとしていた矢先、私のすぐ横を小さい何かがすり抜けるように飛んでいった。

 

 

 

それは両脇に抱えるくらいの大きさをした人形であり、よく目を凝らすと細い糸のようなもので遠くから飛ばされてきたものだということがわかる。

 

 

 

青いシンプルな服に身を包んだ金髪の少女……の形をした人形であり、頭に着いた赤いリボンと両手に持つ長い銀の槍が特徴である。

 

 

 

「見ない顔ね。さっきの爆発なんだけど、煩く敵わないわ。」

 

「……これはこれは、魔女という奴ですな?」

 

 

森の中からこんにちは。そう言って姿を現したのは、なんと人間だった。先行して飛んできた人形をそのまま大きくしたような容姿の少女。頭のリボンがカチューシャになっていたりと変更点はあるものの、間違いなく先ほどの人形は彼女がモチーフとなってつくられている。

 

身長は魔理沙より高く、私とほぼ変わらないくらいだ。彼女もまた操る人形のように精巧で色白な肌をしている。

 

 

 

だが普通の人間、というにはかなり異様な気配を感じる。

 

 

「……これはこれは、魔法使いという奴ですな?」

 

「ええ、そうよ。私は魔法の森に住んでいるアリス・マーガトロイド。」

 

「わざわざご丁寧にどうも。物書き妖怪の夜爛黒葉と申します。」

 

 

初対面なのもあってお互いに名を名乗り、一定の距離を保ちながら会話を続ける。

 

 

 

「……ええと、すみません。先程妖精の毒牙に掛けられて、危うく野垂れ死ぬ所でした。」

 

「貴女、そこいらの妖精に負ける程弱くないでしょ。」

 

「いえいえ、それはそれは大変苦労させられたもので。なんとか追い払えはしたのですが……」

 

「いや、そもそもさっきの爆発貴女のでしょ?黒葉。」

 

「「……。」」

 

 

どうやら完全に実力を測られているみたいだ。先程の妖★精★虐★殺がこんな結果を招くなんて。確かに魔法使いを探していたとはいえ、こんな結果で遭うことになるなんて考えてなかった。

 

 

「まあ取り合えず、話が出来る妖怪で助かったわ。牙を向いてきたらどうしようと仕掛けたのだけれど、ごめんなさいね。」

 

「ああいえ、気になさらないでください。」

 

 

アリスさんは手元に人形を手繰り寄せると、先ほどの非礼を詫びた。私も同じ状況になったら、流石に刺しはしないけど警戒はするからまあ、わからなくもない。

 

 

にしても……彼女の操る人形が、アリスの能力だったりするのだろうか。人形をわざわざ手繰り寄せて自在にコントロールすることが出来るのだろうが、不便でならない気がするのだが。

 

 

「その人形、アリスさんのもので?」

 

「ええ。たまに人里に出向いては、これで人形劇をしているの。」

 

 

劇が出来るという辺り、一度に複数の人形を操れるということだろう。両手で抱え持つくらいのそれなりのサイズにも関わらず、これらを複数体動かせるとなれば最早人間業ではない。

 

 

 

「それでいて箒に跨がったりしてると思うと、凄く器用な方なんですね。」

 

「うん?ごめん待って何の話?」

 

 

 

 

あ、この人箒使わない人だ。

 

 

 

 

・・・・

 

「はあぁ、魔理沙に会ったのねぇ。」

 

 

それからアリスさんに、魔理沙に会ったことを話した。表情からしてアリスさんはあまり魔理沙のことをよく思っていないらしく、何処か気に食わないところがあるようだ。

 

 

「いい黒葉、魔理沙はイレギュラーなの。あれは大した学もない行き当たりばったりの脳筋魔法使い。私たちのような一般の魔法使いには到底理解できない、いや理解したら負けなくらいに頭がぶっ飛んだ奴なのよ。」

 

「は、はあ。」

 

 

寡黙な印象だったアリスさんが「あいつと一緒にするな」とばかりにくどくど説教のように愚痴を垂れ続けている。魔理沙の方がおかしいのな、うん、何となくわかってた。

 

 

けれども、私は一般的な魔法使いというのがどういうものかを知らない。魔理沙がおかしいと聞いていても、学のない私たちからすれば、どっちも同じじゃないかという結論に至る可能性もないとは言えない。

 

 

 

 

……ここは一旦、鎌を掛けてみますか。

 

 

「いやでも、私普通の魔法使いがよくわからなくて。結局本筋は同じなのですから……」

 

「.……はい?」

 

 

わざと語尾を濁らせて反応を煽ってみると、面白いように食いついてくる。やはり魔法使いというだけあってプライドはかなり高いな。

 

 

 

「いやまあ、その、私的にはアリスさんと魔理沙さんの違いがわからないのですよ。勿論外見や性格、能力に差異はあるでしょうけど。」

 

「えっ……私そんなに感情的に見える?」

 

 

アリスさんは魔理沙と同じ扱いをされていることに、動揺を隠せないようだ。自分で聞いておきながら感情が揺さぶられてる姿が何とも滑稽だな。

 

 

「うーん、正直わからないんですけど、貴女の言う魔法使いというのがどういうものか知りたいんですよねぇ。」

 

 

極限まで煽りをいれて、食い付きを確かめてみる。理詰めで話すのも嫌いじゃないけれど、実際に勝負した方が相手の能力や性格、本質諸々見えてくるものだ。それが魔理沙と同じような感情を抱いたらそれまでと言うこと。

 

 

 

 

「知らしめてやるわよ……アイツとの違い、嫌と言うまで味わいなさい。」

 

 

眉間にシワを寄せてこちらを睨み付けるアリスさん。完全に怒ってるじゃないですかやだー。望んでいたこととは言え、流石にここまで怒らせるつもりは無かったんだほんと。

 




アリスや三妖精の戦闘シーンを挿入していかなければ……

バトルシーンは一話に完結させた方が宜しいですか?それとも会話シーン終了後、戦闘描写を省略して次話に投稿し、見たい人だけ見るかたちにした方が宜しいですか?

  • 一話にまとめて書く
  • 今の形態(分離)でいい。
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