筆を走らせ三千里─物書き妖怪放浪旅   作:わはかす茶

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数日ぶりの投稿になりました!おまたせしましたー!


白黒の珍入者

「ふう……あんたはいい加減普通にノックすることを覚えなさい。」

 

「へへ、わりぃわりぃ。」

 

 

呆れた様子のアリスさんにたしなめられた魔理沙は口ではそういうものの、笑って誤魔化している。どうやらこのやり取りは日常茶飯事らしい。

 

 

「……お?」

「……ども。」

 

 

ずかずかと部屋に入ってきた魔理沙と目があった。今回はしっかり覚えているようで、すぐに「あー!」とまるで敵を前にしたような大声をあげた。

 

 

「お前、夜の時の!!」

 

 

いやまあ、朝にも会ってるんだけども。1日にまさか三回も会うことになるとはさすがに思ってなかった。

 

 

「...ちょっと魔理沙、怪我してるんだから休ませてあげて。」

 

 

騒ぎ立てる魔理沙の隣で彼女を押さえるアリスさん。いつも相当彼女には苦労させられている節が見受けられ、ちょっとばかり可哀想な気持ちになった。

 

 

 

「なんでお前がここに来てんだよ!休むにしたってアリスとの接点ないだろ!?」

 

「それは貴女にこっぴどくやられた事を告げたので。」

 

「いや、私とも勝負したじゃないの黒葉……。」

 

 

 

アリスさんのツッコミに何かを思い出したのか、首を傾けて考える素振りをする魔理沙。

 

 

「黒葉っておま、朝にも会った!間違いねえ!やっぱ人里での違和感は気のせいじゃなかったぜ!!」

 

「……やっとか。いくら擬態してたとはいえ鈍すぎるよ。」

 

 

魔理沙に気づかれてしまったので観念して身体を起こし、ゆっくりと立ち上がる。その後自分の身体を地面の影に同化させ、人里で出会った姿へと服装を中心に変化させて彼女達の前へ姿を現した。

 

 

「……ども、改めまして。黒葉です。」

 

 

挨拶も兼ねて、へりくだった態度でわざとらしく一礼してみせた。反応はあまりよろしくないが戸惑ってしまうのも無理はないかと繰り返すことはしなかった。

 

 

「そうやってわざとらしく丁寧に振る舞って、その実裏を隠してそうな振るまい……私が一番嫌いなタイプだぜ。」

 

「あの、本人の前で失礼すぎない?」

 

 

魔理沙がやれやれと両腕を広げて困った素振りを見せる。どうやらこのお嬢さん、思ったことをすぐに口走る性分らしい。面と向かって嫌いなタイプと言われることになるとは流石に思っていなかった。

建前のない純粋な少女……と聞けば聞こえが良いが、表裏がないというのは非常に怖いものである。

 

 

「でも、私には敬語を使わないのな。」

 

「使ってほしいですか?」

 

「いんや、不気味だからそのままでいいぜ。」

 

 

魔理沙に、彼女とアリスさんの間で口調が違うことを指摘される。私としてはどっちでもいいのだが、単純に先輩として長く生きている霖之助さんだったり、器用で達観した振るまいをみせるアリスさんには、慕っている心の表れからか、ですます口調で話している。

 

別に口調によって感情を逆転させたりだの人格を変えたり器用なことができる訳でもないが、魔理沙はあまり気を使わずとも良さそうな気がしたから呼び捨てにしているだけだ。特に深い意味はない。

 

 

 

 

……ないよ?

 

 

「なんか失礼な事考えてないか?」

 

「ないですよ……♪フフッやっぱ違うよな……」

 

「絶対失礼な事考えてた!絶対こいつ、おま、おい!」

 

 

何かを察した魔理沙がほれみろとばかりにまくし立ててくる。ルーミアの時にも思ったが、なにかと悟られやすい気がしている。そんなに顔に出てしまっているのだろうか?

 

 

「なんか感覚的に好かないぜこいつ、私とは違う世界に住んでる気がしてならない。」

 

「そりゃあ人間と妖怪、見えるものも物の感じかたもガラリと変わるでしょうね。」

 

「私はこっちの方がいいと思うけれど。貴女のようにがさつで騒がしくないし、とてもいい子じゃない?」

 

 

いつものなんとやら、魔理沙は首をすくめて「ううむ」と唸っていた。先程の珍事が日常茶飯事な辺り、きっとアリスさんには多大な迷惑が掛かっているのは容易に想像できる。

 

 

それでも放っておけない性分というか、単純にアリスさんがお人好しというか……。困った妹に手を焼く姉みたいなものか。

 

 

「なんだよ二人して……凄い仲良しじゃねえか……。」

 

「別に~?アンタがもっと大人しかったらまだ可愛いげがあったのに。どうして色々と適当なのかしら。」

 

 

魔理沙に対してアリスさんはあくまでも諭すように、かつ優しく針を刺すように鋭い発言をする。

 

 

 

 

いや……もしかして私、アリスさんに可愛がられてるのか?人間に可愛がられる妖怪というのもなにかとおかしい気はするが、馬鹿正直に手の内を明かして大人しく縮こまってる姿を見れば、彼女に限らず愚かだのなんだと言えるのだろう。

 

 

 

……実際私は浅はかで、愚かだ。易々と札を明かして、人間相手に“弱い“と格付けられたであろう。妖怪という身でありながら、目の前の人間に警戒心や恐怖を煽り立てることもできず、彼女達にこっぴどくやられた挙げ句にこのザマである。これを愚かといわずなんと言えようか。

 

 

「今日はもう遅いから、黒葉は泊まっていきなさい。魔理沙は用がすんだら帰って。」

 

「えー、泊めてくれたっていいじゃないかアリスぅ。」

 

「アンタが泊まると余計散らかるの。話を聞いてあげるだけ感謝しなさいよ?」

 

 

魔理沙が相当な問題児なのだろう、アリスさんがまるで腫れ物を見るかのような目を向けて魔理沙へそう言った。確かに彼女は色々と散らかしてそうだ。明らかに整理整頓等という言葉とは無縁な振るまいをしている。

 

 

「また失礼な事考えただろ。」

 

「いえ、別に。」

 

「お前が敬語になるときは大抵後ろめたいことがあるって気づいたからな。」

 

「……別になんでもねえよ。」

 

 

勘が鋭いのか私が気を抜いてるだけなのか、またしても魔理沙がこちらを睨んでくる。悟られやすい性分というのも何かと不便なものだな。

 

 

「とりあえず、お言葉に甘えさせていただきますね、アリスさん。」

 

「そうしなさい。無理に動いても傷が広がるだけだから。」

 

 

ひとまず家主であるアリスさんに泊まる許可と確認だけとってもらい、腰を落ち着けることにした。

 

 

 

 

 

「……アリスにさん付けしてるくせに私の事は呼び捨てかよ。」

 

 

 

 

 

魔理沙がそう愚痴垂れたが、無視した。

 

バトルシーンは一話に完結させた方が宜しいですか?それとも会話シーン終了後、戦闘描写を省略して次話に投稿し、見たい人だけ見るかたちにした方が宜しいですか?

  • 一話にまとめて書く
  • 今の形態(分離)でいい。
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