魔界の大魔王(笑)として転生したが、ドラクエ世界ではなく恋姫†無双の世界に転生したのはおかしいんじゃないかな!? 作:てへぺろん
それでは……
本編どうぞ!
「ガクガクぶるぶるガクガクぶるぶるガクガクぶるぶる……!!!」
布団の中で震える小さな少女……袁術は反董卓連合に参加したことを後悔した。
ギィィ……
「――ッひぃ!!?」
扉が開かれた音を聞いただけで布団の中で震える袁術は小さな悲鳴をあげる。
「お嬢様、七乃です!だから怖がらないでください」
「七乃……なのかえ……?」
「そうです。お嬢様の愛しい七乃ですよ」
「な"な"の"ぉ"お"お"お"お"お"お!!」
布団から飛び出して七乃にその震える体で抱き着いた。小さく振るえる体が密着すると七乃の魂は極楽浄土に連れて行かれそうになったが、極楽浄土よりも袁術の傍に居る方が幸せなのですぐに魂は元の体に宿る。
「うぅ……こわい……こわいのじゃ……!」
「大丈夫ですよ、私が傍にいますから」
幼き少女である袁術にはあの光景はトラウマを植え付けた。
人ならざる異形が空を大地を人々の心を闇で染め上げ、大陸最強と呼ばれた人間を完膚なきまでに叩きのめしたあの光景が鮮明に思い起こされる。忘れたいのに忘れられないその恐怖に何度おねしょを漏らしたことか……
その度に張勲が率先して取り換えに来たがおねしょした時の下着はどこに行ってしまったのか不明である。その行方を知るのは彼女だけであるが……聞かない方がいいだろう。
あの恐ろしき記憶は人々の記憶から消えることはない。袁術の兵士達もあれ以来軍の様子が大いに変わった。屋内へ引きこもったり、真夜中ブツブツと独り言を言う者や粗暴の悪かった者も大人しくなり、袁術のところの民たちは何があったのだろうかと噂するようになった。袁術自身も毎日蜂蜜を要求してこなくなり結果的に民たちにとっては良いことになったのだった。中でも袁術に忠誠を誓う張勲ならば愛しき主を恐怖させる対象を放って置くはずはない……普段の彼女ならば……しかし彼女も忘れはしない。恐怖そのものを形にした異形に手をあげるほど無能ではない……いいや、触らぬ神に祟りなしという風に本能が理解したのだろう。関わってはならないと……
「七乃……今日もわらわの傍にずっと居てたも……」
「勿論です美羽様♪」
だが張勲にとっては毎日が幸せで袁術の可愛さを独り占めできるならば満足であった。
「冥琳……大丈夫?」
「はい、私は大丈夫ですが……雪蓮が……」
「姉様……何があったの……?」
「雪蓮様は戻って来てから部屋から一歩も出て来ていません……噂に聞く『
「雪蓮さまばかりではありません。城の兵士達も何かに怯えた様子です……穏さまもあれ以来ビクビクしているようなのです」
「はひぃ……祭さまもお好きなお酒すらあまり手を付けていないご様子です」
孫呉では大変な騒ぎとなっていた。国のトップである孫策が部屋から一歩も出て来ず、出兵した兵士達は口々に
「皆も知っていると思うが……雪蓮……いや、我が孫呉は今までにない状況に追い詰められている」
「……と言うと?」
苦虫を嚙み潰したような顔をする周瑜の言う意味がわからない孫権……追い詰められているとはどういうことなのか?
「思春が先ほど『
孫呉に残っていた孫権を含める4人は顔を見あわした。
「あれはこの世に……いや、あのような存在は過去にも未来永劫あってはならない!あれを何とかしなければ孫呉の……いいえ、この大陸に住む者達の未来がないのだ!!私達の未来が闇に、恐怖に支配されてしまう……我らの未来がかかっているのだ!!」
「冥琳どうしたのよ!?ちょ、ちょっと落ち着いて!!」
「気をしっかりお持ちください!」
「そ、そうです冥琳さま!深呼吸です、深呼吸しましょう!」
「はひぃ!?」
「――ッ!?す、すまない……感情的になってしまって……」
周瑜の荒々しい様子に驚きを隠せない。これほどの感情を露わにすることなど珍しい出来事なのだ。しかしそれほどに彼女は焦っていた。
「(あんなもの存在してはならない……私が生きている間にあれを何とかしないと孫呉は闇に覆われて雪蓮は……!!)」
胸の抑えて感情を抑え込む。胸に秘めたる
「……」
一人窓から差し込む太陽の光に照らされて佇むのは褐色肌の豊満な果実を見に宿す女性は空を呆然と眺めていた。
『「魔界の王にして王の中の王 ミルドラースとは私のことだ」』
異形が人間の言葉を話す……
『「我は大魔王ミルドラース……魔界の王にして王の中の王である。さぁ呂布よ、我にその恐怖と嘆きを捧げるがいい!!!」』
異形が姿を変え、人々の心の底に恐怖を撒き散らす……
そして彼女もまたその恐怖を植え付けられた者の一人……
「……ミルドラース……」
孫策はやる気が起こらなかった。孫呉に戻ると部屋に引きこもり、誰とも会おうとしなずに全ての意識が向くのはあの戦場に現れた大魔王なる存在だけ……
強き武を求めて意気揚々と戦場へと向かった彼女であってもあれほどの存在と出会うことは今までなかった。否血が戦いを求め争わせる母から受け継いだ気高き虎の血……だが、それでも大魔王にだけは気高き血も誇りを捨て去り不甲斐なく恐怖ですくんでしまっていた。
「……あんなのに……勝てるわけないじゃない……」
孫策は初めて心の底から敗北を知った……
「……でも私がいなければ軍備が回らない。蓮華達は今頃慌ただしく仕事をしているでしょうね。冥琳も胸に宿した
彼女はただ一人、友がひたすらに隠している事実に気づいていながらも何も聞こうとしなかった。聞けなかったのだ……それを真に理解してしまうことが。
「……母様が生きていたら今の私にお説教していたわねきっと……」
戦場で散った今は無き母を思いながら孫策は深呼吸をした。
「すぅ……はぁ……ミルドラース、私には私の意思を継いでくれる妹や支えてくれる仲間、そして私には冥琳がいる。
ここに小覇王立つ!虎は負けっぱなしでは終わらない……虎は再び牙を向けるために己を奮い立たせるのであった。
「華琳様の敵を生かしておくわけにはいかん!私が自ら引導を渡してやる!!」
「姉者無茶はよせ、足が震えている」
「なっ!?こ、これは……武者震いだ!」
混乱の極みに陥っていたのは袁術に孫策の孫呉だけではない。ここ曹操の陣営も今や大混乱の中にあった。
「やっぱり大魔王は迫力が違うな……ラスボス(笑)は伊達ではなかった。生で見るとあんなにも恐ろしかったのか……流石に俺も腰抜かしそうだったな」
「ってか隊長そんなこと言うけど……そんな様子には見えへんで?」
「そうか?」
「はい、その……隊長を守るはずの……わ、わたしでもあの化け物と対峙すれば……隊長を守れる気がしません……」
「沙和も同じなの……」
「まぁ仮にもラスボス(笑)だからな……迫力は凄かったな」
そんな混乱状態の中でも一人だけ浮いている男こと一刀は密かに感激していた。昔自分が貯金して貯めたお金で買ったゲームで登場する主人公達の最後の敵を拝見しただけでなく、男の子ならば誰でも憧れる変身を生で見れて気分が高揚していた。
「ちょ、ちょっとあんたなんでそんなに呑気なのよ!あり得ないんだから!」
正気を取り戻し気分も良くなり自分を取り戻した荀彧。彼女は男が嫌いであった。自分の愛しい曹操の傍に一刀が居るだけで我慢ならないのに加えて、今回の件では軍師である自分が何もできなかった不甲斐なさもあり、その自分と比べて一刀は戦場でミルドラースを恐怖しなかった数少ない人間の一人であった。本人はネタにされがちな大魔王(笑)としての認識が強かった為にそれほど怖くなかっただけなのだが、荀彧は自分が初めて敗北感を味わったような気がして一刀を許せなかった。
「そんなこと言われてもな……それに魔王ならば他にも何体かいるしな」
「――ッはぁ!?あ、あんな奴が他にもいるの!?」
「ああ、それに魔王でなくても破壊神や竜の王や堕天使やら……外伝も入れると何体も存在しているぞ?」
「「「「「……」」」」」
場が凍りついた。戦場で見たあの光景は誰の記憶にも新しい……その中心に居た大魔王が一刀の世界では何体もいると聞かされて魏のメンバーは戦慄を隠しきれない。一刀はゲームの中の話をしていただけなのだが、気分が高まっている彼にはそこまで気が回っていない。
「ふむふむ……気になりますねそれは」
「私も華琳様ですら危険視する
「稟ちゃん相手の名前ぐらい憶えておくのは基本ですよぉ~」
「むむ、風は憶えているのですか?」
「憶えていますよ、
「いや、違うから」
いつも眠そうなジト目顔で、ひたすらのんびりとマイペースに話す少女は程昱(真名は風)の頭には『
この二人は幸いにも曹操から守備の命を受けていた為に、戦場に赴くことはなかったことがなかった。ミルドラースなる存在は噂や帰って来た夏侯惇達からの話でしか知らない。軍師としてそのミルドラースなる存在を知っておきたい興味を持つのは自然なことだが、実際にその姿を間近で見ればどう思うだろうかは謎だ。
「隊長の国って……どえらいところやねんな」
「そんなことないと思うけどな……それよりも華琳はどうしたんだ?」
「隊長、華琳様ならば……一人にしてほしいとのことでした……」
「沙和も見たけど……とても険しい表情だったの……」
「華琳様……くっ!」
「姉者……」
曹操の力になれぬ者達はただ自分の不甲斐なさに嫌気がさしていた。
「ミルドラース……この曹孟徳の前に立ち塞がる……か……」
曹操は自室で己の覇道に立ち塞がった障害を見定めていた。
「あなたの存在は全大陸に知れ渡るわね。そしてあなたの危険性も……私はあなたに恐れをなした。言い訳はしない……これほど体の底から誰かに恐怖心を抱くことなどなかったわ」
曹操の手に持つ入れ物の中には水が入っており、それが小刻みに波打っている。彼女の震えを現すかのように……
突如として曹操の前に現れた存在……大魔王は彼女すら眼中にないような態度を取っていた(本当は感激しておりました)それが気に入らなかった。相手が異形であろうとも弱ければ滅ぼし、使えるのであれば使うはずだった……しかしその目論見もあの光景を見せられれば嫌でも崩れ去ってしまった。
大陸最強の名を持つ呂布を一方的に赤子のように捻りつぶしたあの姿……世界そのものが恐怖したかのように暗く闇に包まれた戦場がそこにあった。ハッキリと曹操は絶対に勝てないと悟ってしまった。それが彼女のプライドが許さなかった。どんな相手が敵であろうとも彼女は覇道を止めることはしないと誓っていた。己が目指す世界の為に自らをいばらの道へと追い込んで敵を沢山作ろうと決めていたことなのに一瞬でも歩みを止めようとしてしまった自分を恥じた。己の覇道はここで終わりかと思っていたが、周りを見れば恐怖を感じながらも曹操を何としても支えようとしてくれる仲間達がいた。だから彼女は踏ん張れた……曹孟徳と言う少女はこんなところで折れるようなちっぽけな小枝ではない。
「あなたには到底勝てないかもしれないわ。だが私の覇道はここで終わりはしない!我が覇道に障害は付き物よミルドラース……あなたと言う壁を乗り越えて……私はこの世の覇者となってみせるわ!!」
曹操は手に持つ入れ物を投げ捨てて自室から飛び出した。次なる己の覇道への一歩を踏み出すために……!
「……っと言うことで猪々子さんに斗詩さん、わたしくのこの気持ち……わかりましたか?」
「『わかりましたか?』じゃないっすよ麗羽様!?」
「文ちゃんの言う通りですよ麗羽さま……わけがわかりませんよ……」
ここ袁紹陣営も同じく混乱の極みである。しかし一番混乱の極みの中心部にいるのは他ならぬ袁紹その人であった。袁紹に呼び出された文醜と顔良の二人は相談事を受けていた。
「何故お二人にはわたくしの気持ちがわからないのですか?もしかしてこのわたくしの高貴な言葉がわからないとでも言いたいのですの?」
「いや……麗羽さまのお言葉はわかりますけど……その……」
「なんですの斗詩さん?言いたいことがあるならばハッキリ言いなさい!」
「は、はい!ええっと……私が言いたいのは……麗羽さまはその……ミルドラースさんに……恋を……しているのではないでしょうか……?」
「………………………………………………えっ?」
顔料が遠慮がちに言うと、袁紹は驚きの表情を浮かべた。
「――ッええ!?こ、このわたくしがですか!!?」
「斗詩の言うとおりっすよ。さっきから麗羽様から語られるあいつのことを聞いているあたい達からしたらただの恋する乙女でしたっすよ!」
「なっ!?わ、わたくしが……恋する……乙女……!?」
袁紹の相談事とは最近ミルドラースのことを思うと胸がはち切れんばかりに鼓動が高まり息切れや体温が高くなると言う悩みだった。しかもその兆候はミルドラースと共に董卓に濡れ衣を被せた輩を協力して捕らえたことに感謝を伝えられた時だった。あの時はもう少しで心臓が破れてしまうほどに鼓動が高まりをみせ、体温が沸騰したぐらいだった。反董卓連合は解散され、ミルドラースの背を見送る袁紹はどこか寂しそうであった……
そのことを聞かされた二人の答えが「恋する乙女」だった。
「そ、そんな……わ、わたくし如きがミルドラースさんに……こ、こいを……するなど……いけないこと……そうですわ!いけないことなのですわ!わたくしなど……ミルドラースさんには相応しくないのですから……」
顔を真っ赤にして動揺する袁紹であったが、次第にしおらしくなっていった。家柄を鼻にかけ、何かと高飛車な言動を繰り返す彼女であるのだが、今はそんなことなど感じさせない可憐な華に見えた。その姿は仕事の疲れから来る錯覚なのではないかと顔良と文醜は己の目を疑った。とにもかくにも今の袁紹を見ていられず、文醜がとりあえず袁紹を励まそうとする……
「そうっすよ!あいつなんて放っておけばいいっすよ!それに向こうにはあの公……公……なんだっけ?ともあれ幽州の太守のところに居るんだからもう忘れましょう!」
「幽州の太守……それは公孫賛さんのことですわよね?」
「そ、そうっすね(そんな名前だった……ような?)」
「……」
袁紹の頭の中にミルドラースの傍にいる赤毛の娘の姿を思い出す。あのミルドラースの傍で仕えることを許されており、一番ミルドラースの傍にいることができる存在……袁紹は知らず知らずのうちに歯を噛みしめていた。
「……羨ましいですわ……」
「麗羽様……ど、どうしたんっすか?」
「あの……麗羽さま?」
「……猪々子さんに斗詩さん、すぐに出発する準備をなさい今すぐに!」
「「は、はい(っす!)」」
この行動が袁紹を当主から離れることになるのである……
「目指すは……幽州ですわよ!お二人とも!わたくしの方が公孫賛さんよりも優れているということをミルドラースさんに認めてもらいますわ!ミルドラースさんが居ればそれ以外何も要りませんわよ♪おーほっほっほっほ!!!」
「……んなっ!?」
「……えっ……ええええええええええええええ!!?」
袁紹が目指しているのは幽州……そしてお供は文醜と顔良のみ。袁紹は己の治めていた土地を放棄して向かうのである。これにより実質袁紹は群雄割拠の勢力から脱落することになるのだが、一時的に彼女が治めていた土地はトップが消息を絶つという異例な事態に混乱するのだが、我が儘で事あるごとに迷惑をかけていた袁紹がいなくなったことにより、逆に喜びの声の方が大きかったとか……すぐに覇道をかける曹操の手によって統治されて以前よりも生活が良くなったことに民たちは大喜びすると言う事態になるのだが、そんなことなど知らない袁紹は戸惑うお供を二人を連れて意気揚々と幽州へと向かうのであった。
「お前たち!まずここの責任者は私だが、全ては主の為にあると思え!私達の命も存在も塵一つ全ての者が主の為だけに生き、そして死ぬことを忘れるな!!」
「な、なんやねんあれ!?噂に聞いていた趙子龍はんと別人とちゃうか!!?」
「私もそんなこと知らん!それよりもなんだこの崇拝じみた洗礼行為は!!?」
「うちも知るかいな!ここの連中おかしいで!?軍と言うより宗教団体やないか!?」
「そこ!お喋りするな!主の為に一心不乱にお祈りを捧げるのだ!!!」
「そ、そんなぁ……かんにんやで!?」
「くっ!?誰か援軍をよこしてくれー!!!」
趙雲監視の下、公孫賛に保護された張遼と華雄は武勇が認められてミルドラースの親衛隊に入ることになったのだが……二人は白いローブを身に纏う集団と共に黄金でできたミルドラース像に祈りを捧げる練習であった。熱の入った厳しい趙雲の指導の下で先ほどから何度も繰り返される祈りに根を上げていた。
そして一方では……
「月、詠よ……ミルドラース様は食事を必要としない。だが、私達はミルドラース様への貢物と感謝を忘れてはならないのだ。そしてミルドラース様に直接渡してもお優しいミルドラース様はそれを受け取ろうとはしない……しかしミルドラース様のお優しき心を無駄にせぬように密かに私や星達と共に作り上げたミルドラース様の黄金像に貢物と感謝をお渡しするのだ。お前達にはその貢物を捧げる偉大な役目を受け持ってほしい」
「へ、へぅ……」
「………………………………………………」
公孫賛に連れられてやって来た董卓と賈駆であったが、連れて来られたのは怪しい白いローブの集団が何やら黄金でできたミルドラース像に一心不乱にお祈りをする光景が目に飛び込んできた。そしてその中に見覚えのある人物がおり、熱血指導されていた。時より聞こえてくる二人からの救いの要請を聞こえぬフリをしてでも今は赤の他人として接しようと思った。あれには関わりたくなかったから……それはともかく、公孫賛に何故こんな怪しい場所に連れて来られたのか理由は今本人が話した通りだ。董卓は困っており、賈駆は言葉も出ずに唖然とするしかなかった。
「なんだ?お前達、私が言ったことがわからなかったのか?ならばもう一度初めから話してやるからよく聞いておけよ」
「ちょ、ちょっと待って!」
「なんだ詠?」
「言っていることはわかるけど……言っている意味がまるでわからないわよ!白蓮はここを治める太守よね?!」
「そうだがそれがどうした?」
「ミルドラース……『様をつけろ!』ひぃ!?ミ、ミルドラース様の為と言ってるけど……ミルドラース様は白蓮の部下じゃないの……?」
「ふっ」
質問に対して鼻で笑った公孫賛をぶちのめしたい気分になったが我慢した。賈駆は董卓達と共に保護された身である為に強く出ることはできない。それに呂布を倒したミルドラースがいるのだから反旗を翻そうなどと思わないし、彼女はそんなことをするような人柄ではない。だが、彼女は思う……
ここは宗教国家なのではないだろうかと……
「私などミルドラース様の前では塵にも等しい存在だ。ミルドラース様こそこの世の全ての頂点であり、全ての生き物を従える万物の王……王の中の王たる存在なのだ。私はミルドラース様の慈悲により、ここの太守を任せてもらっている立場に過ぎないのだ」
公孫賛は自慢げにミルドラースの良さを語っていく。
「ああ……ミルドラース様の優しさを直接言葉で伝えられた時のあの時の喜びを忘れることはできない!やはりミルドラース様は素晴らしい存在であり、この世の宝!!私は永遠にお傍でお仕えさせていただけると思うと光栄の極みです!ああ……ミルドラース様……♪」
「「……」」
絶頂に浸る公孫賛を眺めて二人はこう思った……
「詠ちゃん、ミルドラースさんのところに居る人たちって個性豊かだね。もしかしたらこれから楽しい人生を送れるかもしれないね」
「月……流石にボクでもそれには賛成しないよ……」
董卓達の新たな快適な(?)生活がスタートしたのであった。
「(そう言えば白蓮と星は今頃なにしているんだ?)」
事情を知らないミルドラースはのんびりと空を眺めながらそんなことを思っていたそうだ。