魔界の大魔王(笑)として転生したが、ドラクエ世界ではなく恋姫†無双の世界に転生したのはおかしいんじゃないかな!?   作:てへぺろん

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お久しぶりです。色々と投稿は鈍足更新ですが、やっと投稿出来ました。本当に久しぶりなので上手くイケているかな?それにほとんど進展がない回なのでガッカリするかも。それでもわたしは一向にかまわんッッっと言う方は……


それでは……


本編どうぞ!




眼鏡っ子との関係性改善を求める魔王でございます

 ヤッホーみんな見ているかー?みんなの心にイオナズン、ラスボス(笑)ことミルドラースだぜ!

 ……って、すいませんふざけましたごめんなさい。いや、俺の気持ちを理解してほしい。いきなり気持ちを理解とか訳のわからないことを言っているのかと思うだろうけど、こんな気分にもなるわ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「なぁぁぁぁんですってぇぇぇぇぇ!!?白蓮さんもう一度言ってごらんなさい!!!」

 

 「ああ、いいとも言ってやる。麗羽はバカだ。そしてお前のそのぶら下がっている醜悪な脂肪の塊が神聖なミルドラース様の領域を侵していると言ったんだ。ほら、わかっただろ?さっさとそこを……ど・け!!」

 

 「なぁぁぁぁんですってぇぇぇぇぇ!!?わたくしがバカですって!!?そんなことはあり得ませんわ、ミルドラースさんの隣に居ることの何がいけないと言うのですの?それにこの胸はあなたには無いものですのよ?あ・な・たには無いわたくしの魅力ですわ。そうですわよねミルドラースさん♪」

 

 「おまっ!?ミルドラース様に近づくな!!この豚!!!」

 

 「な、なぁぁぁぁんですってぇぇぇぇぇ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……俺の両隣で繰り広げられる聖戦(醜い争い)によってストレスがマッハ(限界)が原因なのです……

 

 

 いやね、麗羽と取り巻きコンビ(猪々子&斗詩)を養うことになったのは俺が許可したから居るのはおかしいことではない。でも麗羽の立ち位置は俺の部下ってことになるはずなんだけど馴れ馴れしくない?いや別に嫌じゃないからいいんだけど……俺には思うことがある。

 猪々子と斗詩の二人は何かと役になっているのは事実で星達との仲は良好やし反旗を翻すなど考えられない。大食いポジティブ娘の猪々子の影響で食料的に多少の浪費が増えたが、賊がいないこの場所では問題ないし、苦労人かつ常識人の斗詩が穴埋めに役立ってくれているので寧ろ来てくれてありがたかった。ただ問題がある。性格上やたらと浪費癖が多いのが難点の麗羽……いや、それだけならば問題なかったのだ。俺が物申せば素直に言うことを聞き入れてくれたのだから。しかしそこに何かと麗羽を敵視する白蓮の介入で現在進行形でこのざまである。

 

 

 ミルドラースの視線には公孫賛と袁紹がもみ合う姿が映し出されていた。

 

 

 「この無駄乳の何がいいんだ!!こんな脂肪分なんか握り潰してやる!!!」

 

 「ちょ、ちょっとそこは……ああん❤」

 

 「感じるな気持ち悪い!?豚はブヒィっと鳴いていればいいんだ!!!」

 

 「ブヒィですわん❤」

 

 「きもっ!!?」

 

 

 ……これはこれでいいかも……いやいやいやいや俺は何を見せられているんだ。眼前でたわわな果実を鷲掴みする白蓮の瞳に血涙が見えるし、果実を鷲掴みにされている麗羽の頬が赤い……感じるなよってかМに目覚め始めてね?と、とにかく俺に性欲は無いにせよこんな光景を繰り広げられていたらたまったものじゃない。その証拠に月と詠は顔を真っ赤にしているし、星は……おいお前なにニヤニヤしてんだ止めろよ。まったく白蓮と麗羽には困ったものだ。ちゃっかりと真名で呼び合っている辺り本当は仲がいいのでは?と思ってしまったりしちゃう俺なのだが……誰かこの場を収めてくれよ。

 

 

 ミルドラースは頭を悩ませている。袁紹達がわざわざ自国を去り(袁紹の独断)仕官して来た。名家であることを鼻にかけているあの袁紹がミルドラースの元に仕官したのだから天地がひっくり返る程の出来事であったことは確かである。確実に面倒ごとが発生する人物を受け入れなければ今のような光景はなかっただろう。しかし考えるのが面倒になったミルドラースが受け入れたことでこの時より城内は騒がしくなった。

 公孫賛と袁紹がいがみ合い『自分の方がミルドラース様に仕えるに相応しい!』とお互いの主張を譲らない。顔を合わせる度に何かと争いを起こすことで話題となり、いつの間にか名物となっていた。

 

 

 初めはいい噂を聞かぬ袁紹がやってきたこともあり、後々に登場したのにも関わらずミルドラースの傍に割り込む形となった彼女に対する不満は信者達から多くの反感をかった。しかし観察していると自分達と同じく崇拝する気持ちは本物であった為に彼らは強くは言えなかったし、同志を蔑ろにするなど信者としてあるまじき行為であるからだ。公孫賛もそのことに関しては頭ではわかっていても、心が認められなかった。文醜や顔良ならば何とも思わないが、袁紹がミルドラースと共にいると何故か胸の内がムカムカした。それに本能が彼女のことを敵視していたのだ。そして袁紹も同じだった。

 

 

 ミルドラースの素晴らしさを知る二人、しかしお互いに譲れないものがあり、それは信仰心とはまた別の何かだとは本人たちは気づいていない。

 傍に居るだけで安心できる……それが何を意味するのか。その答えが見つかるかはまだわからない。そして今この時も名物であるいがみ合い続けている。

 

 

 「――はっ!?白蓮さんあ、あなたって方は……!もしやわたくしの体が目当てだったのですの!!?」

 

 「そんな訳ないだろがバカ麗羽!!!」

 

 「……ううむ……」

 

 

 うるせぇ……誰かなんとかしてくれよ……

 

 

 幽州は今日も平和です。

 

 

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 「まったく……麗羽のやつミルドラース様にベタベタし過ぎではないか」

 

 「まぁまぁ、主も嫌がっていなかったであろう。白蓮殿もそれぐらいお分かりでは?」

 

 「それが嫌なのだ!!ミルドラース様が決めたことに逆らうつもりはないが、後々仕官して来た癖に……ミルドラース様の隣は私の場所なのに……星よ、私はどうしたらいいのだ?」

 

 「ふむ」

 

 

 窓から満月の光が差し込む一室でしおらしい姿を見せている一人の女性は公孫賛であった。対面しているは客将として元々彼女に召し抱えられていた趙雲だった。

 

 

 これは珍しい。主が現れてからと言うもの白蓮殿は輝いていたのに以前のような気迫が感じられませんな。麗羽殿はああ見えても主に対する信仰心は本物であるが故、白蓮殿もわかっていても気持ちが追い付いていないようですし無能……ゲフンゲフン、名族である彼女に哀れみを感じられたのでしょうな。主はお優しい方だから見捨ててはおけぬのであったのだろう。

 

 

 公孫賛は袁紹の態度が気に入らなかった。ミルドラースと初めて遭遇したのは彼女であり、一番尽くしたのは自分だと公孫賛は胸を張って主張できる自信がある。袁紹が自らの国を捨ててまで自身を売り込みに来たことはさほど驚くことでもない。ミルドラースの威光の前では名族などちっぽけなもので全ての者が跪かなければならぬ程の存在だからだった。だが、あろうことか袁紹が公孫賛の居場所を占領して来た。袁紹いわく「名族であるわたくしこそがミルドラースさんの傍にいることを許された者の証ですのよ!」これには黙っていることができず喧嘩の絶えぬ日々を送ることになった。

 今日も口論を仕出かし、自身が崇拝するミルドラースの前で醜態を晒したことを気に病み、将の中で一番付き合いの長い趙雲に相談しに来たのであった。

 

 

 しかし主も人……いや、魔王がわるい。白蓮殿が傍におりながら麗羽殿を拒まぬのは……それに二人は気づいておらぬ様子。主に向ける感情が信仰心だけで収まらぬものだと言うことを……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「麗羽……あの豚めぇ、みるどら~すしゃま()は……ぜったいに渡さないぞぉ……!」

 

 

  しばらくして時間が経った。公孫賛は袁紹に対する愚痴を永遠と繰り返している。彼女の手元にはストレスを吐き出したい時には必ずと言っていいお供()と酔いしれている。愚痴がBGM代わりとなり、それを静かに聞いている趙雲はミルドラースに会う前から公孫賛のストレス発散に度々付き合っていた(仕方なしで)ので慣れたものであった。

 

 

 「おいィ!!星はわらひのはなひ(私の話)を聞いているのかぁ!!?」

 

 「ええ、聞いていますとも」

 

 「らったら(だったら)……わらひ()は一体どうすればいいのらぁ!?」

 

 

 酒に溺れ舌も回らぬ姿を晒していており、対応が非常に面倒くさい。幽州の太守とはなんなのか考えさせられるが、もはや兵士や民が皆揃えてミルドラースが実質トップに立っているのは疑うことのない事実であるのは誰もが知っていることなので大したことではない。そんな酔いしれる公孫賛を眺めている趙雲……実はこの状況を楽しんでいた。

 

 

 面白い。実に面白い人生だ。

 

 

 主に出会ってから私は考えを改めた。私は少なからず己の武に酔いしれていたのだ。しかし主に完膚なきまでの差を見せつけられ己がどれほど弱き存在だったかを思い知らされ、失意に暮れる私を主はお救いになった。このお方ならば地の果てのそのまた先へ行こうともどこまでもお供しようと誓った。この武は主のモノであり、主に尽くすことが私の幸福となった。仕える主人を探して放浪の旅をしていたが、これも運命であり、白蓮殿もこうなってしまうのも無理はないだろう。麗羽殿も主と言う運命に導かれたのであろうが、採用したのも主……ならば責任を取ってもらうのが一番かもしれぬ。いやはや、罪つくりなお方に仕えることができて私は本当に幸福ですな♪

 

 

 「そうですな……そうだ。ならば主に直接どうして欲しいか聞いてみたらよろしいのでは?」

 

 「みるどら~すしゃま()にぃ?」

 

 「そうです。主は口数が少ないですから会話も数えることのできる程度であります。我らは主の信者でありますが、この機会に主との交流をもっと増やしてみてはいかがでしょうか?」

 

 「しょれはよいかんがえだぬぁ(それは良い考えだな)!!!」

 

 

 出された提案に机の上から身を乗り出して食いつく。拍子に酒がひっくり返るが難なく趙雲が掴み自然な流れで自身のお猪口に継ぎ足していく。

 

 

 「早速みるどら~すしゃま()に謁見しゅにいってくりゅ!!」

 

 

 ドタドタと部屋を飛び出していく背中を見送りながらため息をついた。

 

 

 「やれやれ慌ただしいものですな。白蓮殿は主のことになると少々危なっかしい……しかし主の元には面白いことばかり集まってくれるようで私は満足ですぞ。最強の武人である恋殿を打ち負かしただけでなく、賊は恐れおののき、他の諸侯らは主の威光に気づかぬ始末で愚か者ばかりで嘆かわしい。それに白蓮殿と麗羽殿には何故互いに嫌悪感が生まれるのか自覚なし……っか。もし主の世継ぎが生まれるのであるならば誰の子であるか、はたまた両方か、それともまた別の誰かか……実に、実に面白いことだらけでありますな主よ♪」

 

 

 これからの乱世に想像もできない楽しみに舌鼓を鳴らしながら酒を一杯煽る武人がいた。

 

 

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 ……ふぅ、肉体的に問題ないが精神的に疲れた。魔王でもやっぱり疲れるんだよあの口論は、無駄に声がでかい麗羽が特に。白蓮も何かと食って掛かるから激しさが増していくから間に割り込んで止める側の華雄と霞が巻き込まれて哀れな目に遭う。えっ、星はどうしたのかって?あいつが面白いことを止めようなんて真似しねぇよ。ちくしょう今度メンマ抜きの刑に処してやろうか。そして取り巻き組みの猪々子と斗詩は麗羽のご機嫌取りに役立っている。そして……

 

 

 「あの、お水は要りませんかご主人様?」

 

 

 そっと水を差し出す手は肌白く、柔らかそうなメイド服を着た少女がミルドラースの視界に映る。

 

 

 月はまるで天使のようだ。見ているだけで癒されるわぁ~♪俺のことを心配してこうして付き添ってくれているのよねぇ。気が利くし、民にも人気があり、傍に居てくれるだけでアロマ効果付き、更には守ってあげたくなる小動物的な魅力が素晴らしい!おや?これなら白蓮と麗羽……要らなくね?だが、言えぬ。言えば二人の嫉妬を買って闇討ちされる……かも。流石にそこまではしないと思うが……しないよね?

 

 

 不安要素はなるべく口に出さない方がいいこともある。口は災いの元とも言い、ワザと黙っていることも必要だって世の中にはあるのだから。

 

 

 「月、ミルドラース()は飲食は必要ないって言われてたよね?」

 

 「へぅ、そ、そうでした。す、すみませんご主人様」

 

 「よい」 

 

 

 董卓の行動を咎める者はこの場にいない。幽州一の絶対的なる存在であるミルドラースがお許しになったのだから当然であるが、この場にはミルドラースと董卓そして警戒心を隠しきれていない賈駆の三人だけだ。

 

 

 眼鏡をかけたボク娘こと詠にはまだ心を許されていない。無理に()呼ばわりしている感じが伝わって来るしな。月が居るから自分も仕方なしにここに居るといった感じで、本当は居たくないのだろう。まぁ、詠は軍師だから賢いし俺の存在がどれほど規格外なのか理解しているから親友の月に危害が及ばないか気が気ではないみたいだ。そりゃ、魔王が村人の目の前に現れたら誰だって警戒するに決まっている。うん、まともな反応されたことに安心した俺がいた。ここ(幽州)がおかしいだけだ。そうホイホイ魔王受け入れちゃ勇者涙目になっちゃうからな?しかし個人的には仲良くなりたいものの、言うことを聞かない肉体だからな……どうしたものか。

 

 

 ミルドラースが人間関係を気にしているとそれはやってきた。

 

 

 「みるどら~すしゃまぁあああああああああああああああああああ!!!」

 

 「へぅ!?」

 

 「な、なんなの!?」

 

 

 酔っ払い太守の公孫瓚が現れた!

 

 

 白蓮!?どうしたんだ……って臭っ!?酒臭すぎだろどんだけ飲んでたんだ!!?この臭いはきつい……だが、徐々に臭いが緩和されていく。おぅ、もうすっかり臭いに不快感がなくなった。魔王の肉体が臭いに逆らい不快感を消滅させたんだな。流石魔王の肉体と褒めてやりたいところだ。

 しかし何故白蓮がここに?しかもすっかり酔いしれてただの酔っ払いが絡んできたにしか見えないんだが?

 

 

 「……どうした白蓮?」

 

 

 よくぞ口が動いてくれたと本人は肉体に感謝しつつ、何か用かと尋ねると返って来た流暢な言葉ながらも翻訳すれば「麗羽のせいで自分の居場所が奪われつつある。負けたくないので何かできることがあるならば何でも言ってください!!」と熱く語っていた。小一時間程も熱弁された。まぁ……小一時間程で済んでよかったと思いたい。その間、月と詠はずっと白蓮の酒臭さに鼻をつまんで顔をしかめていたからな。部屋から逃げればいいものを俺の身に危険が及ぶことはないが、心配して月が残ってくれていたと後に聞かされて感激することになる。当然親友の詠が離れる訳もいかず、二人して酒臭い酔っ払いの熱弁を聞かされる羽目になったのだ。

 

 

 「どうじょ!!このわらひにぃ!!なんにゃりと!!ごめいれいをぉ!!!」

 

 

 勢い余って頭を地面に衝突する。その衝撃で床に亀裂が入る……圧倒的土下座を披露する酔っ払い(公孫瓚)。頭蓋骨大丈夫かと疑いたくなる鈍い音を立てたが本人は変わらず土下座して動かない。ミルドラース達は突如としてやってきた酔っ払いの扱いに困り果てていた。

 

 

 「ど、どうしますミルドラースさん?白蓮さんずっと土下座のままですけど……」

 

 「うむ……」

 

 

 どうするって言われてもなぁ……白蓮にして欲しいことなんてあるのか?俺自体最近何もしてないって言うか何かしたら崇拝者が増えてしまいそうで怖いし、周りの教信者からの信仰度が更に上昇してしまうやも……それは嫌だぁ……!

 

 

 どうしたものか酔っ払いの対応に脳内で四苦八苦していると視線に映る賈駆と目が合ってしまった。向こうは視線を逸らしてしまうがミルドラースはこの時閃いた。

 

 

 「……白蓮よ」

 

 「――っは!!」

 

 

 崇拝する神からの命を授かる期待に胸躍る公孫瓚にお告げが告げられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「私は……詠と月と出かける。白蓮はその間ここで留守番しておれ」

 

 「「……えっ?」」

 

 「ご主人様……?」

 

 

 賈駆と公孫瓚の間抜けな声を上げ、意味がわからなく呆然とする。それとは裏腹にミルドラースの内面では一つの考えがあった。

 

 

 詠との関係性の改善は必須である。ならば俺達は交流を深めることが必要だ。故に遊びに行って来るから留守番任せられる白蓮が丁度いいところに来てくれてありがたいっと。 

 

 


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