魔界の大魔王(笑)として転生したが、ドラクエ世界ではなく恋姫†無双の世界に転生したのはおかしいんじゃないかな!? 作:てへぺろん
これから白蓮のキャラが少しずつ崩壊していきますのでご注意ください。
それでは……
本編どうぞ!
「……」
気を失った公孫賛を相手を両腕で抱え上げ、体の正面で抱えた状態……簡単に言えばお姫様抱っこの状態で地に足を付けずに地上から少し離れて低空飛行で移動していた。無表情で真っ白な髭を生やした老人ミルドラースだ。
ゆっくりとした低空飛行のままミルドラースは探していた。どこかに人がいるはずだと……しかし不安が残っている。人に出会えば確実に警戒されるのは間違いないはずだ。人に近いが人ではないその姿が恐怖を煽り、信用を失う形になる。何せこの世界は人と人との信頼が薄れて騙し騙されることもあり、後漢王朝の支配力はまったく失われ,各地に群雄が起こる程に治安が悪い。全てではないが、賊が横行している場所もあったりして危険だ。女性が夜道で一人で歩いていようものならば最悪な事態に陥ってしまう。そんなことが平然とある時代にイレギュラー過ぎる存在が果たして生きていけるのか……ミルドラースには不安しか残らない。
口数の少ないミルドラースは目だけを動かし辺りを見回す。誰もいない景色が広がるばかりで殺風景だった。しかしミルドラースは感じ取る。
ミルドラースは人ではない。魔王であり魔物に近い存在だ。故に人とは比べものにならない視力と聴覚、そして何よりも相手の気配を読むことができた。意識しなければ気配を読むことはできないが、人を探していたためにこちらへと向かって来る人の気配を読み取ることができた。その気配は一人二人ではない……何十……いや、何百もの気配だった。だが……ミルドラースにとってその気配は米粒のように小さく感じられた。あまりにも弱く脆い……そんな印象だった。
そんなちっぽけな気配はミルドラースが視線を向けている方向とは真逆の方向から向かって来ていた。意外に近づいて来るスピードが速い……馬であろうと推測する。馬に人が乗ってこちらに向かって来ているのだと……実際に推測通り無数の人が馬に乗ってこちらに向かって来ていた。今もミルドラースは背を向けている。見る必要などなかった。彼には耳に響いてくる音でその光景が脳裏に鮮明に映し出されていたからだ。そして音が急に激しい馬の鳴き声に変わり辺りを響かせており、ミルドラースの背後で人の混乱する声が聞こえてくる。ミルドラースはため息交じりに振り返る。
「「「「「――ッ!?」」」」」
その場に居た全員が驚愕の表情を浮かべたのが目に入って来た。それもそのはず、見たこともない人に似ているが間違いなく違うと言える容姿に人々は混乱した。そんな混乱している連中を放って置いてミルドラースは冷静に観察する。「やっぱり兵士か」とわかっていたようだった。この時代でこれ程の馬と共に移動する人など数が限られており、軍隊……兵士が束になって行動していると考えていた。その通りで白馬に乗った兵士達であった。
ヒヒーン!!!
兵士達が騎乗する馬がミルドラースと視線を交わした途端に暴れ出し、兵士達を振り払って逃げていく。振り落とされた兵士達は逃げ去っていく馬とミルドラースと戸惑いと混乱の中で見比べていたが、ミルドラースが兵士達を睨むとピクリと筋肉一つ動かせなくなった。彼から放つ威圧感に筋肉が屈して動くことを放棄したのだ。兵士達はミルドラースから視線を外せないままで中には意識を失う者までいた。
「皆の者落ち着け!!」
そんな中で一人の声が響いた。その者は暴れていたはずの馬を落ち着かせ一本の槍を手にした水色の短髪女性だった。
「……」
「……」
その女性は馬に騎乗したままミルドラースを睨んでいた。対するミルドラースも女性を睨んでいた。実際には睨んでいたわけではない。ミルドラースとなった
「趙子龍……」
その名をボソリと呟いた。すると女性の方は目を見開き先ほどの驚愕よりも驚いている様子だった。
「……何故私の名を……」
「……」
だがミルドラースは答えない。沈黙を貫き通す……その沈黙が周りの者達からしてみたらどれほど長く感じられただろうか……お互いに視線を逸らすこと無く相手の様子を窺っていた。人と人外がこうしてお互いに睨みを利かしていることなど誰もは想像は出来なかったであろう……
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公孫賛を抱えて(お姫様抱っこ)人間探索中のミルドラースです。いきなり気を失ったから焦ったわ。それほど体力の限界だったんだな。頑張った偉い!褒美に私自身がお前を家まで送ってやろう……って何を偉そうなこと言っているんだろうか。転生でミルドラースになったもののこれからどうしようかと悩みながら低空飛行していた時の事だった。
気配を感じた。とても小さくてちっぽけな気配が遠くの方からこちらに向かって来ている……それも大人数で。この時代で大人数、しかもなんか早い気がする。多分馬だ。そして馬に人が乗っている……おそらくだが兵士なのではないかと思う。この時代格差が激しく村人が大勢で移動するにしても馬なんて用意できるはずはない。流石の俺でもこれぐらいのことはわかって当然だ。しかし俺は気配まで読むことができるようになったのか……もう完全にドラゴ〇ボールに出て来てもおかしくない。それにしてもやはり魔王だけのことはあるなミルドラース。やっぱり大魔王だよあんたは……しかしこれだけで大魔王(笑)の称号は拭うことはできない。俺が頑張らないと一生俺自身大魔王(笑)として扱われてしまう……この世界に俺を大魔王(笑)と扱う人物がいるはずはないが、ヘマをして陰で笑われたくはない。俺は真の大魔王として生きていくのだから!
そう思っている間にも近づいて来る気配……その数多くの気配はミルドラースの背後で足を止める。しかし何やらひそひそと話声が聞こえてくる。その声は困惑しているような声だった。
……まあ困惑するわな。俺だってそうだもん……けどこのまま振り返らないわけもいかない……覚悟決めるか!
ミルドラースは振り返る。目が合った……兵士達がギョッとした目で驚愕している。馬が声を荒げて兵士達を投げ出して逃げて行ってしまった。残った兵士達の中には白目を向いて意識を失う者までいた。兵士全員が
ええ……人の顔みただけでこの反応とか……マジ凹む……ある程度わかっていた結果だが実際この目で見てみるとやっぱり凹むわ。ごめんなさい兵士さん達、馬達逃げちゃった……だが弁償はしない。そんな金持ってねぇし、俺は今は魔王だから弁償してと言われても突っぱねちゃう。しかしこのままだと公孫賛が放置状態になってしまう。この場に置いていく選択肢はあるがこれから彼女に振りかかる不幸を見過ごすなんてできなくなってしまった。同じ空気的存在にひかれてしまったのか見捨てる選択肢が俺の中から不思議なことに無くなってしまっていた。それに俺を養ってほしいです。こんな姿じゃ馬小屋にも泊めてくれないだろうから毎日野宿生活を送ることになったら嫌だもん。だがどうコミュニケーションを取ろうか……
ミルドラースが悩んでいる時だった。
「皆の者落ち着け!!」
そんな中で一人の声が響いた。凛とした声だったが、ミルドラースは嫌な予感がした。ひと際目立つ兵士とは異なる水色の短髪と一本の槍、そして更に目立つ胸を見て心の中で顔が引きつったに違いない。
「……」
「……」
その女性はミルドラースを睨み返していた。目と目が合いミルドラースはこの人物の正体を嫌でもわかってしまった。
「趙子龍……」
その名を呟けば女性は目を見開き驚いている様子だった。
やべぇよやべぇよ!趙雲じゃねぇかよ!歴史的にも知らない人はいないほどの有名人じゃないですか!!公孫賛はどうかって?察しろ。しかしやはりここは恋姫†無双の世界のようだ。もう容姿が恋姫に出てくる趙雲だもん!すっごい睨んでくる……戦って勝てる?こいつ強い……魔王と言えども勇者に負けているんだから決して負けない保障なんてないんだから。「俺には敵意なんてありません!ただ公孫賛を引き渡しに来ただけです!」そう伝えたかったが口は動いてくれず、代わりに睨み返す形となった……やめろ俺、誤解されるから!別にあなたに喧嘩売っているわけじゃないんですよ……この想い通じて!
ミルドラースは想いを込めて睨み返した。
「……何故私の名を……」
「……」
はいこれは無理ですね。知らない相手からいきなり名前を呼ばれて警戒しない方がおかしい。しかも相手はあの趙雲だから警戒しないわけはないし、俺の想いは届かなかった……ど、どうすればいい?お口が言う事聞いてくれない状態でどうにか警戒を解いてくれないだろうか……?
何分経っただろうか?体感的には何時間と睨み合っていた気がするが、実際には何分程度しか睨み合っていない。それでもこの場にいる全員が沈黙している時を長く感じたのは確かだろう。このまま時間だけが過ぎていくと思われていた……
「うぅ……」
ミルドラースの腕の中で公孫賛が目を覚ました。まだ覚醒していないのか半目でボケっとした表情である。
「白蓮殿!!」
趙雲が気がついた公孫賛の名を呼ぶ。馬から飛び降りたがそれ以上近づくことはしなかった。ミルドラースのことを警戒しているのだろう。
そして公孫賛の名前だが、趙雲が呼んだのは真名の方だ。真名を呼ぶことが許されるのは本人が心を許した証だ。公孫賛は趙雲に心を許していると言う事だ。名を呼ばれた公孫賛は今度はハッキリと意識を取り戻した。
「星!?そ、それにみんなも……こ、ここは……!?」
辺りを見回した公孫賛の目に飛び込んできたのは客将扱いではあるものの何かと役立ってくれている(文官の仕事以外)そして自分の部下達だが様子がおかしいと公孫賛は気づく。視線をみんな一点に集中していた。何を見ているのだと思ったが自分が置かれている状況を理解したのはすぐの事だった。
誰かに抱かれていた。両腕で抱え上げられ、体の正面で抱えられた状態だった。白い髭に緑色の肌……そして忘れるはずもない自分を助けてくれた老人……
「ミルドラース様!!?」
あまりの衝撃で両腕から転げ落ちそうになったが、グイっとミルドラースの胸に抱きしめられる形で落ちることはなかった。
危ないな、驚くのは無理もないが怪我でもされたら大変だ。しかしこれで事情を説明してもらえるだろう。俺への警戒を解いてくれ!
俺は公孫賛をゆっくりと地面へと下ろした。少しよろめいたが眠っていたこともあって体力は全回復ではないにせよある程度は戻ったことだろう。公孫賛に趙雲を説得してもらわないとこのままバトルなんてご勘弁。この人はある意味で戦闘狂だから関わりたくない。だが、この肉体がどれほどのものか調べてみたいと言うものはある。試合と言う形でならばいいかもな……それにしても公孫賛が先ほどからこちらを見ている。肌が火照っているようで顔が赤い気がするが……瞳が怖い。公孫賛の瞳ってハイライトなかったっけ……気のせいか?
「あの……白蓮殿?」
「……星か」
振り返った公孫賛を見た時の趙雲がギョッとしていたがすぐに鋭い視線をこちらに向けてくる……
「大丈夫だ星、ミルドラース様は私を助けてくれたんだ」
その言葉に趙雲は信じられないといった表情をした。兵士達も同じくあり得ないとまでこぼれる始末で俺の精神はボロボロだ……魔王だから趙雲達の方が合っているんだがな。公孫賛の中では俺は様付けなんだな……まあ嫌な気分ではないし良しとしよう。
「……ミルドラース殿と言うのか……おぬしは何者なんだ……?」
相手の本質を見抜くように、鋭い眼光を宿した挑戦的な瞳がミルドラースを睨む。
「魔界の王にして王の中の王 ミルドラースとは私のことだ」
自己紹介をした瞬間に趙雲が膝を付いた。肩を震わせて呼吸が荒々しい様子だった。彼女の体中からは汗が流れ落ち、片手に握りしめられている長槍に力が込められたのがわかる。
大丈夫ですかと言いたいがやっぱり言わせてもらえないお口のようだ。自己紹介しただけなのに解せぬ。趙雲の馬も震えて身を縮こませているし、兵士達も顔面蒼白でガタガタと鎧が震えて音が鳴っていた。初めに会ったイノシシも怯えていたし威圧感とかそれのせいか?今はまだ爺さんの姿なんですけど……俺初めてミルドラースと出会った時は「ドラゴ〇ボールじゃんwww」って草生やしてしまったぐらいです。
しかし悪い事している気がする……ごめんなさい趙雲、いつかメンマ奢ってあげるから。
肩で息をする趙雲に申し訳なさを感じている一方でその隣には……
「ミルドラース様……♪」
公孫賛がいたが、とろけた表情をしていたのを横目でチラリと見た時の衝撃を忘れない……悪寒がした。今だけは関わらないでおこうと俺は決めた。
「し、しつれい……した。みるどらーす殿……」
「……構わぬ」
趙雲は長槍を支えにして立ち上がる。今も若干顔色が悪いがそれでも公孫賛を救った相手に無礼がないように振舞っている様子だ。
流石趙雲、威圧に耐えたようだ。優れた武勇を持ち蜀を支えた武将……そう言えば今はどの辺りなのだ?先ほどの男達は頭に黄色い布を巻いていたし黄巾賊だとわかるが……その前に一度落ち着いて話し合える場所が欲しい。趙雲ですらこの様子、そして兵士達は腰を抜かして役に立たないし公孫賛は……ナンデモナイ。
「そうだミルドラース様!是非とも私の居城へ来て欲しい!いや、来てください!!」
公孫賛の言葉に兵士も趙雲も一斉に視線を向ける。言葉に出さないが心の中では「本気か!?」と言いたいはずだろう。人外を招き入れるなど何を考えているのかと……だが俺はあえてこう言う……
「……よいぞ」
断ったらヤバい目をしていた……だから俺は了承するしかなかったんだ……
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「趙雲様!公孫賛様が……!」
「わかっている!!」
私は早々と馬を走らせて背後には白馬に乗った部下を引き連れている。私は趙子龍……今は白蓮殿の元で客将として留まっている。仕えるべき主を探している途中で白蓮殿を品定めしている最中だった。各地で黄巾賊の残党が狩られその規模は小さくなっていった。だが白蓮殿の幽州辺りでは未だに黄巾賊が見受けられる。張角という人物は討たれたがそれでも賊共は懲りぬようだ。あの二人を防衛に回したがそれが痛手となってしまったか……いや、これも白蓮殿の失態でしょうな。森に誘い込まれてしまうとは……不甲斐ない。
趙雲は部下と共に馬を走らせて公孫賛を探していた。
賊を追撃するために森へ入って行ったが戻って来ないことを心配した部下が森を捜索したところ仲間と賊の死体があった。ここで交戦したものと思われ同時に賊の数が多かったこと、公孫賛の姿が無かったことなどから急いで森を抜け、趙雲の元へと伝えに来た。すぐに状況を理解した趙雲の行動は早かった。部下を引き連れ馬を走らせて捜索を開始した。だがあれから時間が経っているため最悪の事態を想定する……苦虫を嚙み潰したように握られている直刀槍「
客将として扱ってほしいと願い出たのは自分だが、それでもひと時とは言え共に過ごした者同士であり、太守だが、いじりがいのある相手であった。彼女の事は嫌いではなかったし、客将と置いてもらうよう我が儘まで聞いてもらった相手である公孫賛を見捨てるという選択肢は趙雲自身避けたかった。彼女もまた武人であるが、一人の人間なのだから。
「趙雲様!」
部下の一人が別の方向から馬を走らせ合流した。そのまま止まることなく趙雲は問う。
「見つかってはいない様子だな……」
「……はい」
兵士の顔色は悪い。公孫賛は幽州の太守なのだ。その公孫賛を失えば一気に混乱が広がり、最悪その混乱に乗じて黄巾賊に攻められる可能性もある。何よりも公孫賛は良くも悪くも平均的ではあるが、民を思う優しさと厳しさをほどほどに持ち合わせていた。少なからず彼女を慕う者はいる。それでも現実は厳しいもの、死ぬときは簡単に死んでしまう。賊に捕まれば死ぬよりも辛い現実が待っている……趙雲は舌打ちした。
諦めるしかないのか……!
現実は非情であり、時として見捨てなければならない……そうするしかないのかと考えがよぎった時に
辿り着いた。こちらに背中を向けているが間違いなく
――ッ!!?
その瞬間趙雲の体中に電撃が走った。今までに感じたこともない衝撃を受け危うく「
白い髭を生やした老人だが、緑色の肌で変わった服装に頭は兜のような形をしていた。しかし3つの角が生えていた。妖魔の類だと脳が判断しようとした……しかしそれ以上の得体の知れない威圧感が伝わって来た。心臓を掴まれたように苦しくなったのを感じてしまう。
そして混乱したのは人だけではない。馬も
……なんて……威圧感なのだ!?
趙雲は今までに感じたことのない威圧感を受けて屈しそうになった。自ら跪いてしまうような圧力が伝わって来た。しかし趙雲は屈しない。視線の先には
勝てるのか……私は……?
ついそんなことを思ってしまった。趙子龍が目の前の
「皆の者落ち着け!!」
それでも私は屈してはならない……混乱する者達に喝を入れるために声を張り上げた。自分自身にも喝を入れるためにもそうしなければいけなかった。それでも目の前の……謎の老人は私達を平然と睨みを利かせているいるだけだった。それだけでも私の体から汗が流れるのを感じる……何者なんだ……?
場が静まり返りお互いに警戒を緩めない……何者かわからない実力も不明な相手……両腕には白蓮殿が……私があれこれ考えている時だった。
「趙子龍……」
それは私の名だった……名が出た瞬間に私は飛び出してしまいそうだったが無理やりその衝動を抑え込んだ。真名を呼ばれたわけではない。しかしそれでも目の前の
「……何故私の名を……」
「……」
振り絞る思いで発したが、それから黙ってしまった。このまま時間が過ぎていくだけなのかと体が緊張している時だった。
「うぅ……」
白蓮殿が目を覚ました。私は
「白蓮殿!!」
馬から飛び降りて駆け寄ろうと一瞬行動した……がそれ以上私の体は動かなくなった。動けなくなってしまったと言った方が正しい……私は
すぐに白蓮殿が意識を取り戻した……そこから驚きの連続だった。
「……ミルドラース殿と言うのか……おぬしは何者なんだ……?」
恩人であるが……どうしても拭えないこの体の震え……その正体を知りたく私は聞いた……
「魔界の王にして王の中の王 ミルドラースとは私のことだ」
私は死んだかと思った……
言葉がまるで巨大な炎となり私に降り注いだ感覚だった。鷲掴みにされていた心臓が握り潰されたような……そんな錯覚さえ見えた。私は堪らず膝をついた。息も苦しく震えが止まらず、汗が全身から流れ出たのを感じた。手元に「
だが、それでも私の弱みを見せたくなかった。見せれば私が壊れてしまいそうだったから……残る力を振り絞り震える足を立たせるがそれでもよろめく。「
「し、しつれい……した。みるどらーす殿……」
精一杯に出せた言葉がこれだった。いつものおちゃらけた性格などどこかに消え失せてしまっていた。だが、この時はそれで良かったと心からそう思った。
私は早くこの場から立ち去りたい思いだった……しかし白蓮殿が余計なことを放った……
「そうだミルドラース様!是非とも私の居城へ来て欲しい!いや、来てください!!」
耳を疑った……この時ほど白蓮殿を恨んだことはなかった。そして……
「……よいぞ」
その場で腰を抜かしてしまったのを私自身一生忘れることはないだろう……
質問です。魔王は一匹で十分ですか?
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もう一匹で十分だ!
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最低もう一匹仲間が欲しいぜ!
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そんなことよりも次話投降しろ!