このぼっちな少女と狂戦士に祝福を!   作:一雪氏

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第7話

 

 

 

 俺はめぐみん、ゆんゆん、族長の3人の案内で、夜の『紅魔の里』の中を歩き、まだ灯りがついている場所に辿り着いた。

 

 

 その場所の至る所に、『服の絵』や『コーヒーカップに湯気が出ている絵』や『剣と盾の絵』などの看板が建物に掲げられていることから、どうやらここは、この里の商店街みたいな場所らしい。

 

 

 

 その一角にある、この里の門からこの場所への最短の道を歩けば、まず最初に目にするような場所に『人がキャリーケースを引きずって駆け込む様な絵』が描いてある看板のお店に入ると、

 

 

 

 「我が名はぺぷちど!『アークウィザード』にして、上級魔法を操るもの!紅魔族随一の旅先案内人にして、この里の外交的な雑務をこなすもの!いらっしゃい!族長、ゆんゆんにめぐみんも!おっ、彼が噂の大男かい?本当に噂通り、大きいねぇ〜!」

 

 

 と、なんだか一目見るだけでも面倒見の良さげな、黒髪をオールバックにした身長の高く、顔からして歳も若い男性が出迎えてくれた。

 

 

 ……こめっこも言っていたが、この里で流行っているのだろうか、この挨拶。

 

 ここに来るまでにも、他の里の住人にも似たような挨拶をされたし、もしかしてこれ、この里の一般常識なのか?

 

 

 

 そんなことを考えている間に、このお店の店主であろうぺぷちどが、店の奥から『冒険者カード』を作るための水晶の付いた専用の装置を持ってきて、俺にカードの作り方を教えてくれた。

 

 

 「ほら!まずこのカードに自分の名前を書きな。それから自分の身長と体重なんかも書いて、この魔道具のここにカードを置くんだ。で、最後にこの丸い球の上に手を乗せりゃあ、いい。あとは勝手に魔道具がステータスを記入してくれるぜ!分かったか?」

 

 「■■■!」(コクッ)

 

 「よしよし、分かったみたいだな!あ、身長と体重に関して、もし憶えていないなら言ってくれよ?こっちで測る魔道具があるからな!」

 

 「■■!」(コクッ)

 

 

 そうして、そのカードに名前を書こうとしたとき、俺は気が付いた。

 

 

 ……そういえば、この世界の言葉は女神様が分かるようにしてくれたが、文字までは分からないのだが……。

 

 日本語で名前を書いても、果たしてこの装置は、きちんと読み取って作動してくれるのだろうか。

 

 

 少しどうするか考え、まずは俺の身長と体重を測ってもらうことにした。

 

 今の俺は『魔獣化』のスキルの影響によって、どれだけ身体に変化があったのか、まずは見た目からどうなっているか知りたい。

 

 

 体重と身長を測る魔道具とやらは、前の世界でその2つを同時に測れる器具と形は全く同じだったので、特に戸惑うことなく測ることが出来た。

 

 

 「えっと…… 身長が約250cmで、体重が…… 300kgオーバー!?うわぁ、うちのこの魔道具じゃあ、これ以上は測れないぞ?……お前さん、本当に人間なのか??」

 

 

 ……なんだそれは。

 

 身長はまぁ、見た目からして高いとは思っていたのでそこまで驚きはないが、この7日間での俺の運動量からして、体重の重さのほとんどは筋肉なのでは?

 

 ……そりゃあ、モンスターをパンチ一撃で倒せる訳だ。パンチ一発で一体何kg出ていたのだろうか。

 

 

 

 「…………■■■」

 

 「ん?どうした?落ち込んで。ちょっと太っちまったか?大丈夫だよ!ここまでくれば誤差だよ、誤差!!」

 

 「■■」

 

 

 俺は数値に驚いていただけで、ぺぷちどの励ましは見当違いのものだったが、気さくに話しかけてくるこの人の態度が少し嬉しかった俺は、彼の話に合わせるように頷いておいた。

 

 

 そして俺は、さっきの身長と体重をカードに記入し、最後に名前の部分は考えても仕方ないと思い、そのまま日本語で名前を書き、ぺぷちどに渡した後は彼の指示通り魔道具の丸い球の上に手を置いた。

 

 魔道具が『冒険者カード』に何かを記入している光景は、まるで何処かの工場でレーザーカッターを使って作業しているみたいな、でもどこか神秘的な雰囲気を感じさせるようなもので。

 

 改めて異世界に来たという実感が持てた俺は、カードが出来上がるのを楽しみに待った。

 

 そして……

 

 

 「…………なんじゃ、こりゃ?」

 

 「ん?どうしたんだ、ぺぷちど。何か問題があったか?」

 

 「いや、問題っつうか……名前の部分だけが変な文字になっているんだが」

 

 

 「「「はっ???」」」

 

 ……は???

 

 どういうことだと思っていると、ぺぷちどが俺に見せる前に族長達にカードを見せ、そして3人共同時にそこに書いてある名前の欄に驚いた後、俺のスキルについて盛り上がり始めた。

 

 

 

 …………

 

 「■■……■」

 

 「あ、ご、ごめんね?あなたも見たいよね、『冒険者カード』。ほら、みんな!彼にカードを渡してあげようよ!」

 

 

 

 俺が何とも言えない気持ちで彼等を眺めていると、こちらに気づいたゆんゆんが残り2人を説得してくれて、俺にカードを渡してくれた。

 

 そのカードの名前の欄を俺も見てみると

 

 

 

 『??? ?????』

 

 ……何だこれ?

 

 俺の名前が文字化けしていた。

 

 どういうことだ???

 

 やはり日本語で名前を書いてはいけなかったのだろうか?

 

 そう疑問に思いつつも、『まぁ、こうなったものは仕方ない』と思い、とりあえず今はレベルとスキルの確認が先だと、『冒険者カード』の名前の欄の下を見る。

 

 

 

 

ーーーーーー

 

< adventurous level (冒険者レベル):>

『8』

 

<the profession of an adventurer (職業) >

 

[リスト]ーーー

 

< Status (ステータス)>

 

・Strength (筋力):○○

 

・Health (生命力):○○

 

・intellectual power (知力):○○

 

・Magic pow (魔力):○○

 

・Dexterity (器用度):○○

 

・Agility:(敏捷性):○○

 

・Luck (幸運):○○

 

ーーー

 

< Passive Skills (パッシブスキル)>

 

・魔獣化

・怪力

・物理耐性(特大)

・魔法耐性(小)

・自己回復(微)

・毒耐性(微)

 

< Active Skills (アクティブスキル)>

 

・nothing(なし)

 

< learnable Skills (習得可能スキル) >

・緊急回避

・投擲

 

< History of subjugation (討伐履歴) >

 

・nothing(なし)

 

 

< Skill Points (スキルポイント) >

 『24』

ーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 そこには、これらのことが分かりやすく書かれていた。

 

 ……ん???

 

 ちょっと待て。これ、いろいろとツッコミ所が満載なのだが……

 

 

 まず、さっき族長達3人が騒いでいたステータスの方は、恐らく『魔獣化』のスキルによる影響だろうから、他の人達がどんな数値になっているのかの比較対象がいない為、今は考えないものとして。

 

 

 冒険者レベルが『8』になっているのも、まぁ、あれだけモンスターを倒せば上がるだろう。

 

 

 …… <パッシブスキル>に『毒耐性』があるのも、まぁ、森の中で木の実やキノコを食べられるものを探す中で、舌がピリピリしたものも一口が少しでも種類と量はかなり食べたので、納得は出来る。

 

 

 ……何故、<討伐履歴>の所には何も書いていないのだろうか?

 

 もしかして、『冒険者カード』を作った後じゃないと記録されないのか?冒険者レベルは上がるのに。

 

 それに。

 

 

 ーー俺が一番気になっているのは、『冒険者カード』に書かれていたこの世界の文字が、俺がカードを手に取った瞬間に「英語と日本語」に変わったことだ。

 

 

 このことから、このカードは使う人の母国語に自動的に変換されるのだろうことが推測できる。

 

 ……それなら、俺の名前を日本語で書いたときは何故、文字化けを起こしたのだろうか?

 

 

 考えれば考えるほど謎が深まるが、焦ってもしょうがない。

 

 

 

 せっかくだし、「ゲームみたいな世界」に来たからにはRPGの醍醐味である『キャラクターの成長』をやってしまおうか。

 

 

 そう思い、書いてある『スキル』や『職業のリスト』の文字を触ってみると、本当にゲームみたいな操作パネルみたいなものが、文字から浮かび上がった。

 

 女神様が確か、「あっちの世界で冒険者として活躍すれば、スキルの強化や新たにスキルを習得出来たりもするわ!」とか言っていた。

 

 とりあえず、俺はモンスターとの戦闘を積極的にはやらない方針にしたが、この異世界では何が起こるか分からない。

 

 ……それと、これからもあのオークどもみたいな奴に襲われる可能性も捨てきれないし、強くなるに越したことはないだろう。

 

 そうして1人であれやこれやと考えた結果、俺の『冒険者カード』の中身はこうなった。

 

 

 

 

 

ーーーーーー

 

< adventurous level (冒険者レベル):>

『8』

 

<the profession of an adventurer (職業) >

 

『バーサーカー』

 

 

< Status (ステータス)>

 

・Strength (筋力):○○

 

・Health (生命力):○○

 

・intellectual power (知力):○○

 

・Magic pow (魔力):○○

 

・Dexterity (器用度):○○

 

・Agility:(敏捷性):○○

 

・Luck (幸運):○○

 

ーーー

 

< Passive Skills (パッシブスキル)>

 

・魔獣化

・怪力

・物理耐性(特大)

・魔法耐性(中)

・自己回復(小)

・毒耐性(微)

 

< Active Skills (アクティブスキル)>

 

・緊急回避

 

< learnable Skills (習得可能スキル) >

 

・投擲

 

< History of subjugation (討伐履歴) >

 

・nothing(なし)

 

 

< Skill Points (スキルポイント) >

 『0』

ーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 あの銀狼との戦闘で『魔法耐性』と『自己回復』は今後も必要になるだろうということで、その2つの強化をこれからは最優先にするのと、『緊急回避』というスキル名に惹かれて、そのスキルをスキルポイントを使って習得した。

 

 

 『緊急回避』はこれからずっと戦闘をしていけばいつか覚えそうだったが、生存率を高めるものは早めに習得するべきという判断である。

 

 

 

 冒険者カードの設定が終わったので、未だに俺のことについて話し合っている族長達に声をかけ、俺のカードについての感想をあれこれと言ってくる。

 

 

 ……『職業:バーサーカー』は失敗だったか。

 

 でも、森での俺の戦い方からして一番しっくりくると思ったのだが。

 

 それに、他の職業は今一ピンっとくるものがなかった。

 

 ……というか、『職業:冒険者』って意味が分からないのだが。

 

 

 

 

 そんなことを考えていると、今度は俺の名前の話になり、今日から俺は『バーサーカー』という名前になった。

 

 ……うん、まぁ、『バーサーカー』と『らんらん』の二択なら仕方ない……よな?

 

 

 

 『これじゃあ、さっきの『職業:冒険者』はもう馬鹿に出来ないな』と思いながら、俺はぺぷちどとめぐみんに別れを告げ、今晩はゆんゆんの家に泊まらせてもらうことになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、久しぶりに暖かい毛布に包まって、熟睡して疲れをとった後、朝食を食べながら、族長にこう言われた。

 

 「明日にはキミの仮住まいの家が建つから、そっちで暮らしてくれ。大丈夫!困ったことがあったら手を貸すよ!」

 

 

 ……まぁ、行く当てもないからな。

 

 

 『家なんて魔法で1日で出来る』と豪語する族長に、俺は今日からこんな凄い人達が住む場所で暮らすことを考えて。

 

 

 この里の住人の人柄や、既に『ゆんゆん』や『めぐみん』と言った知り合い、何より友達である『こめっこ』が暮らすこの里での生活も、『悪くはないのかもしれない』と俺は思った。

 

 

 

 




これにて、『始まり』の章は終了です!

次回から、第1章に入りたいと思います。



……本当は、この7日間の『こめっこ』視点なるものを、1〜2話ほど考えていたのですが、後回しにしました。


いつか、しれっと番外編として載せようと思います。

……いつになるかは未定ですが(汗)

・追記
『バーサーカー』のステータスの「○○」の部分には数値が入ります。
この辺はアニメでもあんまり言ってなかったですし、何よりここを細かく設定すると、それこそ何かしらの矛盾が出て来そうなので。

この辺は『敢えてボカして誤魔化す』ことにしました!

許してください……

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