鋼の魂と共に   作:宵月颯

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全てはここから。

真実を白日の元へ晒す。

憎しみの始まりは何処から?

戦うべき相手は別にいる。


柱合会議編
柱合会議と鬼の眼


那田蜘蛛山での戦闘から数刻後、夜明けを迎えた。

 

戦える隊士を引き連れた柱達が目的の場所に辿り着いた直後に見た光景。

 

それは焦土と銃撃の跡が残る戦場だった。

 

三十は存在しただろう巨躯の鬼の置き土産。

 

それらが切り裂かれ爆発四散し壊滅に陥っていた。

 

これらを一人で成し遂げた人物が階級・癸の隊士だった事にも在り得ない状況だった。

 

だが、目処前の惨状を見ればそうとしか言いようがない。

 

そして鎹鴉達が飛び交う。

 

 

「柱は癸の隊士・竈門炭治郎ならびにクジョウ・ハスミ両名を連れ、柱合会議に参列せよ。」

 

 

片言、濁声で発言する鎹鴉達。

 

皆、内容は同じ物。

 

これだけの大事をこなせば本部も黙って見ている訳にもいかないのだろう。

 

 

「…(ここからが修羅場か。」

「もしもーし。」

「はい、何でしょうか?」

「貴方がクジョウさんですね?」

「そうですが…?」

「鎹鴉達の指示は聞きましたか?」

「…ええ、貴方は柱ですか?」

「ええ、ご同行お願いますね?」

「判りました。」

 

 

大群を抑える為に弾薬を多く消費し補充の算段を考えていた私ことハスミ。

 

到着した柱の一人である蟲柱のしのぶに声を掛けられ指示通りに従った。

 

 

******

 

 

時刻は夜明けを過ぎて朝方を迎えようとしていた。

 

場所は鬼殺隊の本部。

 

無惨の放った鬼達すら発見する事が出来ずにいる場所。

 

それが自身の拠点エリアの郊外…そのとある場所に秘匿されていたとは思いもしなかっただろう。

 

木を隠すなら森の中と言った所だろうか?

 

 

「では、目隠しを外してください。」

 

 

隠に目元の布を外す様にと告げられる。

 

那田蜘蛛山での戦闘後、本部へ向かう手前ルートで位置が判らない様に目隠しをされていた。

 

本部到着まで外さない様にと念を押されている。

 

指示を受けて目隠しを外した後、周囲を確認すると…

 

 

「…(日本庭園か?鬼殺隊を動かしている以上、それなりの財力があっても可笑しくないか。」

 

 

手入れの行き届いた庭園、足元には庭園用の石が敷き詰められている。

 

私ことハスミと炭治郎君の両名は目元の布を外し、引き続きその場で待機していた。

 

 

「ハスミさん、この後の事ですが…」

「炭治郎君…大丈夫よ、成り行きに任せましょう。」

「は、はい。」

 

 

私は『感情に任せて話しても意味がない、頭に血が上った連中にはそれなりの正論を叩き付ける事。』と付け加えて置いた。

 

 

「…(柱の態度に怒って鉄砲を乱射しないといいんだけど。」

 

 

炭治郎は恐らく起こるであろう大乱闘を冷や汗を出しながら怯えていた。

 

二年前に自宅で起こりそうになった義勇に対する乱射未遂の事をトラウマの様に思い出す始末である。

 

 

「お館様の指示とは言え、癸の隊士を会議に参列させるって…派手に地味だな。」

「…」

「うむ、何か理由があって呼ばれたのだろう。」

「…(あの男の子可愛い、女の人は片目が眼帯…怪我かな?折角綺麗な顔しているのに。」

 

 

暫く待っているとザワザワと騒がしい話声が聞こえてきた。

 

恐らくは他の柱だろう。

 

ジャラジャラと派手な身なりの青年、数珠を持った大男、炎を彷彿させる髪色の青年、ピンクと緑のグラデーションカラーの女の子。

 

ぼーっとしている髪の長い炭治郎君位の少年、近くの松の木に寝そべっているオッドアイの青年、そしてしのぶと義勇。

 

計八人の柱と思われる人物達が集合したのだ。

 

 

「お館様が末端の隊士を呼ぶ理由、あるとすれば重大な違反位だろう。」

「…(このオッドアイ糞蛇、理由も聞かずに悪者扱い?」

「違反って事は裁判か?」

「…(ジャラジャラ派手男よ、それを決めるのはお館様であって貴方じゃない。」

「ならば、お館様のお手を煩わせる事もあるまい。」

「…(坊さん…年長者?なのにまともと思ったら脳筋か!」

「うむ、ここで罪状を聞き斬首すればいい!」

「…(声、うるさ!?」

「お館様がいらっしゃらないのに勝手な事をしていいのかしら?」

「…(このピンクちゃんいい子過ぎる、お姉さん歓喜。」

「まあまあ、皆さん…事の次第はお館様が来てからでも良いのでは?」

「…(蟲柱さん、それがまともな発言よ。」

「俺もそれでいい。」

「…(水柱、毎度の事ながら主語と肝心な部分を抜かして話すな。」

 

 

炭治郎君から聞いてはいたけど、ここまで自己主張が強くて話を聞かない上司ってどんだけですか?

 

余りにも頭が痛くなってきた。

 

もう少し理解があると思ったけど、私の見当違いだったわ。

 

あー威嚇射撃位はしてもいいよね?

 

 

「…(ハスミさんの怒りが頂点に達している、このままじゃ柱と全面対決に。」

 

 

ハスミから極度の怒りの匂いを感じ取った炭治郎。

 

かつてハスミを頂点に怒らせ逆鱗に触れた伊之助へのお仕置き光景を見ている。

 

その光景を思い出し、冷や汗がダラダラと流れていた。

 

 

「何か面白れぇ事になってんな?」

 

 

最後の柱だろうか?

 

これまた鬼も逃げそうな人相の傷跡だらけの青年がやって来た。

 

 

「不死川、遅えぞ?」

「わりぃな。」

「いえ、お館様がお見えになっていないのでまだ遅刻ではないですよ?」

「そいつらは?」

「お館様の指示で呼ばれた末端の隊士達だ。」

「それで裁判って聞こえたが、こいつら隊律違反でもしたのか?」

「不明だ、だが…柱合会議に末端の隊士を呼ぶのなら裁判と思った。」

「なら、お館様の手を煩わせる事もねえ…ここで斬首すりゃあいいだろう?」

「…(お館様がいらっしゃる前なのに良いのかな?」

 

 

これは駄目だね。

 

貴方達にとっては隊律違反かもしれないが…

 

こっちにはこっちの事情があると言う事を弁明すら許さないのか?

 

色々と情報をかき集めて置いたけどもう教えない。

 

 

「…」

 

 

一通り様子見したけど…

 

柱全員がそれぞれ何かを抱え込んでいると言うのは理解できた。

 

例えとすれば、心の闇とかトラウマの様なモノ。

 

自分だけで一杯一杯だったり諦めや死に場所を求めている。

 

確かに末端の隊士の質が落ちるのも解るわ。

 

那田蜘蛛山で他の隊士の技量を見定めていたけど…

 

真剣に末端の隊士達への戦術指南や定期訓練をやらせていないもの。

 

鬼討伐で多忙とは言え、指南役を置くとか出来なかったのか?

 

今は良くてもちょっとの事で戦力は軒並み総崩れになるわね。

 

これ、中から色々と改革しないと無理ゲーだわ。

 

 

「あの、そこの隠さん…こちらの方達が全員柱の方達で?」

「ああ、そうだが?」

「成程、私達の兄弟子の冨岡さんと先の討伐先に赴いた胡蝶さん以外は初見だったので。」

 

 

ハスミは監視役で控えていたの隠の一人に質問した後。

 

納得の末、勝手に斬首すると会話している柱に対して反論した。

 

 

「会話に乱入させて頂きますが、そちらの方達が隊律違反を起こしているのでは?」

「何?」

「鎹鴉達から送られた本部の指示は柱合会議に私達を参列させる事とお聞きしました。」

「確かにそうですね。」

「本部の指示ではないのに勝手に罪状を決めて斬首する……それこそお館様への『反逆』にして隊律違反なのでは?」

「ならば、お館様のご命令にはない行動は慎むべきなのだろう。」

「んで、何でお前らが呼ばれた?」

「鬼殺隊にとって有益な情報を持っているからではないでしょうか?」

「情報だと?」

「鬼殺隊設立史上最悪の出来事に関する事と言えば解りますか?」

 

 

ハスミは柱達の会話で正論を説き、柱達の勢いを相殺させた。

 

簡単と言う訳ではないが、柱達の話し方や雰囲気から性格と思考を分析。

 

それなりの回答をする事で有無を言わせない状況を作り上げてしまったのである。

 

この様子に炭治郎も心の中で『ええー!!柱達を一斉に黙らせてる!?』と顔芸を披露していた。

 

 

「数か月の間に発生した巨躯の鬼が正にそれではないですか?」

「巨躯の鬼…各地で発生している町や村の全民失踪事件の原因ですね。」

「それなりの巨体ですので人を喰らう量も普通の鬼より貪欲でしょうし。」

「成程、那田蜘蛛山で発生した三十と言う巨躯の鬼蜘蛛の大群を一人で倒した貴方だから答えられる考察なのですね。」

 

 

しのぶの発言に周囲の柱の表情と気配が変わった。

 

 

「はぁ!?」

「よもや!」

「…信じないぞ。」

「…(あんなに美人な人が巨躯の鬼を一人で一掃するなんて素敵でカッコいい!」

「事実ですよ?」

「ああ…」

 

 

他の柱達は在り得ないと答えるがしのぶと義勇は実際の現場を見ている為に真実であると告げる。

 

抉れた大地と銃撃の跡、硝煙の匂いが漂う場所に転がった巨躯の鬼だったもの。

 

あの光景は一生忘れる事はないだろう。

 

 

「柱二名の証言もある以上は有耶無耶に出来んだろう。」

「俺達でさえ手を焼いている奴らをたった一人でかよ…」

「その女の事は判った、問題はそっちの餓鬼だ。」

 

 

不死川と呼ばれた青年は他の柱の話を遮り、話題を変える。

 

その視線は炭治郎に向けられた。

 

 

「女の方は兎も角、その餓鬼まで呼ばれたのは何でだ?」

「鎹鴉達の話によれば、彼は那田蜘蛛山に潜んでいた下弦の鬼を切ったそうです。」

「それなら癸から階級を一つ上げられる程度の話だろう?」

「いえ、その他にも柱の条件である既定の五十の鬼も切っているとの事ですので…」

「だとしても階級は癸…良くて庚辺りに上がる位だろう?」

「まあ、その件はお館様の判断に任せましょう。」

 

 

会話が続く中でお館様こと産屋敷耀哉とご子息二名の案内で謁見場に到着した。

 

それに反応し、柱全員が謁見場の反対側の庭園で跪付いた。

 

私と炭治郎君もそれに倣い跪く。

 

お館様の様子から恐らくは盲目、ご子息や鎹鴉達から情報を得ているのだろう。

 

そして、お館様に纏わりつく不穏な思念。

 

…百年いや千年位は凝縮されているだろう。

 

正に呪詛と言っても不思議じゃない。

 

 

「私の可愛い隊士達、今日はいい天気なのだろうね。」

「お館様におかれましてもご壮健で何よりです、益々のご多幸をお祈り申し上げます。」

「ありがとう、実弥。」

「…(私が言いたかった、お館様へのご挨拶。」

「恐れながらお館様、柱合会議の前にこの隊士達をお呼びになられた理由をご説明頂きたく存じますが?」

「そうだね、驚くだろうが…ここに鬼が一人いる。」

 

 

「「「!?」」」」

 

 

「炭治郎、鬼となってしまった君の妹は君の持つ箱の中かな?」

「はい。」

「では、君の妹には人を襲わないと言う証明しなければならない…出来るね?」

「判りました!」

 

 

驚く柱を余所にお館様は柱達を静止させ、炭治郎に証明の証を立てる様に告げた。

 

炭治郎は箱を背負うと一度失礼してから日陰になっている座敷に上がり禰豆子を箱から出した。

 

 

「禰豆子、これから兄ちゃんが傷をつける…我慢できるね?」

「むー。」

 

 

炭治郎はまだ怪我の直りが遅い禰豆子に無理を承知で用件を告げると禰豆子は頷いた。

 

炭治郎は日輪刀で自分の腕を傷付け出血させると禰豆子の前に差し出した。

 

 

「…」

「…(頑張れ、禰豆子。」

 

 

禰豆子の加えている竹の隙間からボタボタと流れる唾液。

 

禰豆子は手を血が出るまで握り締めた後、暫くしてからそっぽを向いた。

 

 

「どうなった?」

「鬼の女の子は兄の腕から流れた血に反応せずそっぽを向きました。」

「これであの子が人を襲わないと証明出来たかな?」

「お館様、少々失礼する。」

 

 

お館様が状況を尋ねるとご子息の一人が状況を伝えた。

 

他の柱達も疑心暗鬼に成りつつも認めなければならない状況に困惑していた。

 

だが、不死川だけは納得がいかず禰豆子の元へ行き同じ様に腕に傷を付けて差し出した。

 

しかし、結果は同じで禰豆子はその差し出された腕すらもそっぽを向いた。

 

 

「鬼の女の子は不死川様の血にも反応せずそっぽを向きました。」

「これで証明出来たと思う、禰豆子は人を襲わないと言う確かな証明をね。」

 

 

炭治郎は腕の止血を済ませると禰豆子に労いの言葉を掛けてから箱に戻し元居た場所へと戻った。

 

同じく不死川も腑に落ちない表情で元の位置に戻る。

 

その後、鱗滝師匠、冨岡義勇、竈門家の家族からの嘆願書の説明を受けた。

 

もしも鬼として暴走した場合は嘆願書に記載された人物全員の頸を斬る事と…

 

 

「まず、炭治郎と禰豆子、ハスミをここへ呼んだ理由…彼らは二年前に鬼舞辻無惨と遭遇している。」

「何ですと!?」

 

 

お館様の発言で更なる動揺を起こした柱達。

 

聞きたい事は山ほどあるが、お館様の静止で本題を続けた。

 

 

「そして炭治郎とハスミは一夜を掛けて炭治郎の家族を鬼舞辻無惨から守り切った筈だった。」

「お館様、発言をお許し頂いても宜しいですか?」

「正確な状況を知る君達が話した方が良さそうだね…炭治郎、ハスミ。」

「では、その時の状況をお話しします。」

 

 

私と炭治郎君は二年前に起きた竈門家襲撃の日の出来事を告げた。

 

日輪刀も無い状況で炭治郎君は斧、私は鉄砲で応戦。

 

夜明けを迎える頃、兄を心配し飛び出してきた禰豆子ちゃんを庇って私が負傷し守った筈の禰豆子ちゃんも額にかすり傷の負った事を。

 

 

「妹は鬼にされ…ハスミさんも鬼になった筈でした。」

「なった筈?」

 

 

炭治郎君の言葉に疑問を持ったしのぶ。

 

無惨の血を受けた人間は例外なく鬼にされる。

 

だが、鬼にされた筈のハスミは日差しの下に平然と立っていた。

 

 

「ハスミ、その眼帯の下の眼を皆に見せてくれるかな?」

「はい。」

 

 

お館様の指示の元、ハスミは立ち上がり左目を覆っている眼帯を外した。

 

閉じられた瞼を開き現れたのは鬼の眼。

 

だが、それは血の様に紅い眼ではなく蒼い眼だった。

 

 

「この事から私は何かの兆しではないかと思っている。」

「兆しですか?」

「そうだよ、禰豆子と同様に彼女も無惨の支配を跳ね除け鬼の力は残っているが人としても生きていける。」

「正確には禰豆子ちゃんは睡眠、私は日光浴と人と同じ食事…かなりの量を必要とします。」

 

 

私は『それだけで人を喰わずに居られるのなら奇跡と言えます。』と付け加えて置いた。

 

 

「もう一つ、炭治郎達は浅草で鬼舞辻無惨と再度遭遇し追手も差し向けられたと報告があるね。」

「人に擬態している鬼舞辻無惨と遭遇した炭治郎君達と当日行われた財閥同士の夜会に忍び込み無惨を発見した私に対する報復と思われます。」

「ハスミ、君は何処まで無惨の情報を手に入れている?」

「推測の部分も入りますが、無惨が配下を使って何を探し求めているのかは突き止めました。」

「判った、ありがとう。」

 

 

話す事は山ほどあるが、お館様の体調も考慮し一度お開きとなった。

 

続きは夜に行う柱合会議で話す事が決定した。

 

 

「最後に炭治郎、ハスミ、君達には柱見習いと柱となって貰えないだろうか?」

「えっ?」

「お館様、それは…」

「君達は証を立てた、そして鬼を規定数以上討伐している…炭治郎に関しては周りの眼もあるから表向きはハスミの継子にしておいたよ。」

 

 

お館様の発言に他の柱も驚愕していたが、お館様本人からの拝命で在る以上は覆せない。

 

認めさせる為に今後も実力と証を立てなければならないだろう。

 

 

「判りました、クジョウ・ハスミ…柱就任を拝命致します。」

「同じく竈門炭治郎、柱見習いを拝命致します。」

 

 

お館様直々の拝命を私達は受けた。

 

未来を変える為には致し方ない事とは言え回りくどい手を少々使わせてもらった。

 

 

「では、休憩を挟んでから会議の続きをしよう。」

 

 

お館様はそう答えるとご子息と共に屋敷の中へ戻って行った。

 

 

「炭治郎君、腕の傷もあるし次の会議までに治療してくる?」

「はい、そうします。」

「では、私の屋敷に連れて行ってください。」

「え?」

 

 

しのぶの指示で有無言わずに炭治郎は禰豆子ちゃんの箱ごと控えていた隠達にドナドナされていった。

 

 

「…(あらら。」

「ハスミさんでしたね…急展開な事が多すぎたと思いますが柱就任おめでとうございます。」

「いえ、こちらこそよろしくお願いします…しのぶさん。」

 

 

表面上は笑っているけど、鬼を嫌悪する感じはひしひしと伝わってくる。

 

 

「本当に片目だけ鬼の眼なのですね…後で血を取らせて貰ってもいいですか?」

「ああ、いいですけど…何に使うので?」

「今後の研究にと思いまして。」

 

 

こう言う所が何となく珠世さんとデジャヴを感じるのは気のせいだろうか?

 

気にしないで置こう。

 

 

「そう言えば、ハスミさんの呼吸は水の呼吸ですか?冨岡さんに炭治郎君と兄妹弟子同士ですし。」

「炭治郎君は水の呼吸ですが私の呼吸は鋼の呼吸です、何処の派生かは不明ですが…」

「鋼ですか?」

 

 

聞いた事のない呼吸に混乱するしのぶ。

 

 

「文字道理に鋼のごとく強固で鋭く一撃必殺の重点とした呼吸です。」

 

 

私は背負っている琴箱を指差し『日輪刀もそれに相まってかなり巨大なんです。』と付け加えた。

 

 

「胡蝶、自分ばっか喋ってねえで俺らも紹介させてくれよ。」

「すみませんね宇髄さん、色々と気になる事が多かったので。」

 

 

宇髄と呼んだジャラジャラ青年を始めとした他の柱の自己紹介を受けた後。

 

聞きたいと言っていた無惨の姿に関して軽く説明して置いた。

 

そこである事が判明した。

 

二年前に冨岡さんに預けたカメラが本人の不注意で紛失したとの事だ。

 

しかも無惨の姿を写したネガが日光に当たってしまい使い物にならなくなってしまったと言うオチ。

 

 

 

「冨岡さん、私…あの時云いましたよね?大事な物なので扱いにご注意くださいと?」

「すまん。」

「だから、炭治郎君もしなくていい怪我をしたと言う訳ですね?」

「!?」

 

 

はーい、もうストレスマックス限界点突破です。

 

私は刀を地面に置いた後、冨岡さんに対して知り得る限りの関節技を披露し最後にアルゼンチンバックブリーガーを死なない程度に決めてあげました。

 

 

「毎回言いますけど主語と肝心の部分を抜かしての会話をしないでください、ややこしい!」

「…」

「あれマジで死んでねえか?」

「大丈夫ですよ、痛い内は死んだに入りませんので?」

 

 

関節技をこれでもかと言う位に締め上げられた義勇は地面に伏せていた。

 

その光景に宇髄も唖然としていたが、ハスミの発言に対して心の中でボソリと呟いた。

 

 

「…(胡蝶がもう一人増えやがった。」

 

 

=続=

 

刀鍛冶の里編後、新・上弦が引き起こした事件でどちらに向かいますか?

  • 木乃伊事件(不死川、伊黒)
  • 集団失踪事件(悲鳴嶼、胡蝶、栗花落)
  • 船舶沈没事件(宇随、煉獄)
  • 不在担当地区防衛(時透、甘露寺)
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