鋼の魂と共に   作:宵月颯

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柱二名の消息。

告げられた緊急任務。

往くべき先は曰く付きの場所。

これはその道中の話である。


温泉で語ろう

お館様からのご命令で紅霧村へ向かっていた私達。

 

今回のメンバーは私ことハスミ、音柱、炎柱、炭治郎君、善逸君、伊之助君。

 

前回と同じメンバーだった。

 

恐らく、お館様は私が目覚めさせてしまった血鬼術の経過観察の為に任務を与えたのだろう。

 

お館様は私の血鬼術=DG細胞の危険性を薄々気付いている。

 

毒を以て毒を制すつもりなのだろうか?

 

今はただ目処前の任務に集中するしかない、か…

 

 

******

 

 

渓谷を沿って作られた旅路を移動する三台の単車。

 

天候は良好、程良い暖かさと四月後半の風が心地良い。

 

 

「しっかしド派手に速ぇえな!!」

「うむ、これのお陰で僅か三日で目的地に向かえるとは!」

「二人とも余所見しないで運転に集中。」

 

 

音柱と炎柱がはしゃぐのも無理はない。

 

遊郭事件後、私はジ・エーデルが本格的に介入する可能性がある事を予測。

 

かねてから移動兼戦闘バイクを数台程搬入する事にしたのだ。

 

で、風柱に続き…現在進行形で音柱と炎柱が乗り回している。

 

ジ・エーデルの介入時の戦闘は火力と戦力が必要。

 

だからこその措置としてお館様に許可を頂いた。

 

今回の任務先は長距離…最南端の地。

 

ちなみにバイクは三台で炭治郎君らかまぼこ隊は一人ずつ後部座席にしがみ付いて乗車して貰っている。

 

ちゃんと三人にはバイク搭乗時は騒がない様にと強ーく念を押して置いた。

 

 

「ハスミさん、紅霧村ってどんな所なんですか?」

「そうね、元は絡繰り人形作りを生業とする集落だったそうよ。」

 

 

私は音柱の後ろで相乗りしている善逸君の質問に対して答えた。

 

雛形の里と異名を持つ紅霧村は絡繰り人形作りを生業する村。

 

長い歴史の中でその技術力を買われて鉄砲や大砲を作る事もあった。

 

但し、紅霧村の奥にある鉱山を求めて集落は歴史上の中で自由を奪われる時代も存在した。

 

現在は帝都や京都の人形劇用や異国の人々が土産物として購入する程度の絡繰り人形を作っている。

 

お館様の話では数か月前から村の様子がおかしく、近隣の村々に死者を模した人形の化け物が出ると噂される様になった。

 

 

「絡繰り人形ってゼンマイで動くアレ?」

「基本はそうだけど、異国で造られていたのはそうではないわ。」

「どういう事ですか?」

「似た構造で製造された拷問用の道具があるのよ。」

「拷問!?」

「一例として鋼鉄の処女と呼ばれる犠牲者の全身の血を抜く道具がそれね。」

「具大的には…?」

「血管の太い所を目掛けて太い棘が全身に突き刺さって血抜きをするの…犠牲者は出血多量で確実に死亡する。」

「ちょっと!?なんちゅうもん作ってんだよ!!」

「作成されたのは戦時中だったし、捕虜に敵の居場所を吐かせる為に使用されていたのよ。」

「ヒデェ…」

「戦後は徐々に拷問器具は廃止されて、一部の技術は橋を上げる装置に使われたりと多用されているわ。」

 

 

戦いによって生み出された技術は数多くの利益を生んだ。

 

戦いこそが永遠に続く存続への道と言うシャドウミラーの様な思想にも似ているけど…

 

戦争云々は関係ない、道具は使う人次第で毒にも薬にも変わる。

 

ただそれだけの事。

 

 

「恨みの矛先が噂の根源か…或いは。」

「鬼か、お前が追っている奴か、だろ?」

「そのどちらかだったら…こちらでも収拾出来るけど、逆に人が起こした騒動だったら?」

「俺達の介入は出来ない領域、潔く去るしかなるだろう。」

「だが、不死川と伊黒が姿と消した……俺達の目的は二人の奪還だ。」

「判っているわ、もしも…ジ・エーデルの介入だったら私が奴のひじき芋頭に風穴開けてやるけど。」

「…ハスミさん、相当根に持っているみたいだ。」

「発言が怖ぇええ。」

「ウン。」

 

 

移動道中での話は目的地へ中継する予定の場所まで継続。

 

その夕刻に中継地点にある藤の花の家紋の家へと辿り着いた。

 

バイクは目立つので空いている馬小屋へ隠して一行はここで一泊。

 

人気のない早朝に出発する事となった。

 

 

 

>>>>>>

 

 

カポーン。

 

 

「「「はぁ~」」」

 

 

引き続き、藤の花の家紋の家にて。

 

この家は旅館を経営しており、一行は夕食前に露天風呂で一息ついていた。

 

ちなみに某顔文字の様な声を上げているのは炭治郎君らかまぼこ隊。

 

横で水も滴る良い野郎状態で入っている宇髄と煉獄の二名。

 

念の為に言うが露天風呂は仕切りがされて男女別である。

 

 

 

残念ながら!!!

 

 

 

男女別である!!!

 

 

 

以上!!

 

 

 

「ムー♪ムー♪」

「禰豆子ちゃん、気持ちがいいね。」

 

 

ハスミは禰豆子の面倒を見ながら一緒に女湯の露天風呂で入浴中である。

 

同時に入浴前には男衆にはある事を告げていた。

 

 

 

『もしも覗いたら…六連式ガトリング砲で全身に風穴開けるからそのつもりで。』

 

 

ある意味で処刑宣告を喰らった男衆は顔芸込みで『あ、ハイ。』で締めくくった。

 

 

「こっちはもう桜は全部散ったと思っていたんだけどよ…」

「まだ少し名残があるのだな。」

 

 

四月終わりの名残風で何処からか舞って来た桜の花びらを見ながら宇髄と煉獄は答える。

 

 

「音柱、炎柱、食事が終わったら会議でいいかしら?」

「そうするか?」

「うむ、ならば…寝酒は程々にしないとな。」

 

 

仕切り越しで大人組は食事後に紅霧村についての対策を練る事に決定。

 

 

「…(無惨とジ・エーデル、どちらが出てこようとも同じ様に殲滅するだけよ。」

 

 

大掛かりになりそうな任務の前、今は少し熱めの温泉を堪能する事にしよう。

 

ハスミはそう思いながら半月の夜空を見上げた。

 

 

=続=




※武装可変バイク・疾駆(しっく)、紅蓮(ぐれん)、轟天(ごうてん)。

過去に主人公が白兵戦で使用していたバイク。
主に巨躯の鬼の大群と交戦時に使用。
疾駆の基本武装はミサイルランチャーと機関銃、各二丁。

各バイクの各所にアーミーナイフ数本と手榴弾、使用重火器の弾倉が仕込まれている。
自動追尾モードと操縦モードがあるので故障がなければ誰でも運転は可能。
本人は通常マニュアルで動かしている。
電動式でバッテリーは三日分の日光で完全充電が可能。
定員は操縦者を含めて二名まで。

紅蓮は実弾砲を積んだ砲撃型、轟天は牽引用アンカーと巨大化させた暗器を積んだ対空型。

車体色は疾駆が白、紅蓮が赤、轟天が黒。
主人公は今回の任務で同行したメンバーに伝えていないが三台とも自立モードに移行すると人型に変形が可能。
ジ・エーデルの本格的な介入によって戦力増加を余儀なくされた苦肉の策である。

刀鍛冶の里編後、新・上弦が引き起こした事件でどちらに向かいますか?

  • 木乃伊事件(不死川、伊黒)
  • 集団失踪事件(悲鳴嶼、胡蝶、栗花落)
  • 船舶沈没事件(宇随、煉獄)
  • 不在担当地区防衛(時透、甘露寺)
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