鋼の魂と共に   作:宵月颯

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言葉通りの現象。

天才は天災であり。

理不尽で無尽に力を振るう。


天災は忘れた頃にやってくる

 

お館様の指示で紅霧村への捜索隊が組まれ、ハスミら第一陣が本部から出立した頃。

 

ここ紅霧村のある場所ではある人物達は危機に落ちていた。

 

 

******

 

 

「…」

「…」

「そんなに睨まなくても、別に取って喰うつもりないんだけどね。」

 

 

紅霧村の地下坑道のの更に最下層にある空間。

 

そこには今の技術では到底製造する事が不可能な施設が建造されていた。

 

知る者が居れば、そこが兵器の生産プラントである事が判明しただろう。

 

 

「自己紹介がまだだったね、ワシの名はジエー・ベイベル、ジエー博士って呼んでちょ♪」

「んな事はどうでもいい!!さっさとこれ外せや!この糞ジジイ…っ!?」

「不死川!?」

「あんまり口が過ぎると~電気ビリビリで痛った~い思いをしちゃうけど?」

 

 

状況からジエーに捕らえられた風柱の不死川実弥と蛇柱の伊黒小芭内。

 

ジエーの生産プラント内部の一室にて、天井から下げられた手錠に繋がれた二名とその下でコンソールを弄るジエーの姿があった。

 

不死川に関してはジエーの気に障る事を言った為に電気ショックを受けていた。

 

その状況に伊黒はジエーに叫んだ。

 

 

「ジエーと言ったな!俺達を捕らえてどうするつもりだ?」

「そうだね……君は顔がいいからオジサンと良い事しちゃうとか?」

「…(オエ。」

 

 

ジエーの発言に顔を青褪めさせる伊黒。

 

奴のキモイ表情と下種な発言で嫌悪感MAXの気持ち悪さが全身を伝ったのだろう。

 

伊黒の首元に隠れている白蛇の鏑丸も主人と同じ表情をしていた。

 

 

「ま、冗談はさておき……君達鬼狩りならあの子から事情は聞いているんじゃない?」

「あの子?」

「そりゃ勿論、クジョウ・ハスミって子だよ。」

「彼女とお前に何の関係が?」

「んーとね、切っても切れない御縁って言うか?殺し合う仲とか?そんな感じ?」

「てぇ事は、テメェはあの半鬼女の言っていた糞ひじき芋か?」

「いやん、すっごい罵倒♪もっと言ってもいいのよw」

 

 

「「…」」

 

 

「何で黙っちゃうの?もしかして放置プレイって奴?」

「知るかっ!!!」

「…(クジョウがしきりに奴に風穴開けたいと言っていた意味が分かった。」

 

 

相変わらずのテンションに不死川は怒り、伊黒は心の中で顔芸をしつつある意味で察した。

 

 

「そういう事で君達はハスミたんを誘き寄せる為の餌になって貰いまーすw」

 

 

ジエーの目的たる発言に対して驚く二名。

 

 

「「!?」」

 

 

状況から見るに只の捕虜程度と思ったが、別の目的があった事を知る事となった。

 

 

「最も爆撃した遊郭でぶっ倒れたあの子から出て来たアレに用があるのよ。」

「…半鬼女の血鬼術の事か?」

 

 

ジエーは血鬼術?と頸を傾げたが何かを察して話を続けた。

 

 

「そ、多分使い方は未知数だけど、ワシが改造すれば面白い能力になるのよね?」

「何だと?」

「それは秘密ー♪」

「…この糞ジジイ。」

「だって、調べないとまだ確証がないもんw」

 

 

人を煽り人に不快な発言を続けるジエー。

 

彼は二人に残酷な行為を行う事を告げた。

 

 

「ついでに言うと君らにも協力して貰うけど?」

「んだと!?」

「ふざけるな!」

「もっちー拒否権もへったくれもないよw」

 

 

ジエーは引き続きコンソールを動かして天井から伸びる手錠を上に上昇させた。

 

どうやら別室に送られる模様である。

 

 

「テメェ!!ふざけんな!細切れにすんぞ!この糞ジジイ!!」

「不死川の言う通りだ、覚えておけ!!」

 

 

抵抗と言う抵抗も出来ずに二人は別室へと移された。

 

 

「はふ~すっごーく騒がしい連中だったね。」

 

 

ジエーも似合わない溜息をついた後にメインモニターのコンソールに移動しカタカタと打ち出した。

 

 

「さってと、二人は後でいくらでも弄れるし……こっちの作業を終わらせちゃおう。」

 

 

モニターの先に映し出されているのは無数の対人兵器の製造エリアと得体の知れない何かが培養槽で改造を受けていた。

 

 

「にょほほほほほほ~ハスミたん、この世界の制約がある以上はいつもの戦闘は出来ないけど…これだけの兵器群を君だけで止められるかな?」

 

 

ジエー・ベイベル…真の名をジ・エーデル・ベルナル。

 

この愉快犯は放置すれば、いずれ世界を混乱させるだろう。

 

史実通りの戦乱ではなく人類抹殺と言える滅亡すら惹き起こせる。

 

鬼狩りと無惨の鬼との争いが篝火ならば、奴の行動は核弾頭による焦土を生み出す。

 

危険極まりない存在が彼だ。

 

 

>>>>>>

 

 

その頃、紅霧村の外では。

 

 

「兄貴に蛇柱…連絡が遅いな。」

 

 

近くの集落で本部との連絡役として残っていた不死川玄弥。

 

鎹鴉を通した定期連絡の時間も過ぎており、不安を感じ取っていた。

 

暫く待機していると開けられた窓から鎹鴉がやってくる。

 

 

「やっと来たか、随分と遅かったな。」

 

 

玄弥は鎹鴉に労いの言葉を掛けるが、状況を一変させる発言をしたのだ。

 

 

「緊急!緊急!風柱と蛇柱が紅霧村へ侵入後に消息不明!消息不明!」

「何だって!?」

「紅霧村周辺に人を襲う動く人形が出現、現在この集落への侵攻は無し。」

「急いで本部に知らせねえと!」

 

 

玄弥は自身の鎹鴉を呼ぶとこれまでの調査報告と柱が行方不明と言う緊急事態を本部に連絡を送らせた。

 

 

「頼んだぞ!」

 

 

一羽の鎹鴉が危機を知らせる為に飛び立った。

 

だが、この時玄弥は知らなかった。

 

紅霧村では既に兄達の身に危険が生じていた事を…

 

それは最悪の形で遭遇する事となる。

 

 

=続=

 

刀鍛冶の里編後、新・上弦が引き起こした事件でどちらに向かいますか?

  • 木乃伊事件(不死川、伊黒)
  • 集団失踪事件(悲鳴嶼、胡蝶、栗花落)
  • 船舶沈没事件(宇随、煉獄)
  • 不在担当地区防衛(時透、甘露寺)
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