鋼の魂と共に   作:宵月颯

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里での休暇。

再会した仲間。

松茸ご飯に丼の山。

静かに時間は過ぎていく。


取り敢えず話そう

炭治郎は案内役の隠と別れた後、里長の家に向かった。

 

里長こと鉄地河原鉄珍と対面。

 

丁寧な挨拶をする炭治郎に対して鉄珍はかりんとうを上げたりして話が進められた。

 

炭治郎の刀の件と担当である鋼鎧塚が行方不明である事が告げられた。

 

炭治郎は自分が刀を折ってばかりいるからと責めたが…

 

 

「いや、違う。」

「?」

「折れるような鈍を作ったあの子が悪いのや。」

「…」

 

 

鉄珍の圧に押された炭治郎。

 

同じ事を何度も経験しているが慣れないものである。

 

その後、鋼鎧塚が現れない場合は別の担当を付ける事と体が疲れていると思うから温泉でもと勧められ話はお開きになった。

 

 

「…(毎度の事とは言え何とかしないと。」

 

 

と内心困りつつ里の人に温泉の場所を案内された。

 

 

「この上が温泉となります。」

「判りました、ありがとうございます。」

「では、私は夕餉の準備をしますのでごゆっくり。」

 

 

里の人を別れた炭治郎は温泉の階段を上がろうとした所…

 

 

「あーーーー!炭治郎君、炭治郎くーん!!」

「あっ、気を付けてください!!乳房が漏れ出ます!!?」

 

 

温泉の道から下ってくる浴衣姿の甘露寺蜜璃と合流。

 

炭治郎、その様子に吃驚と赤面状態。

 

この場に蛇柱・伊黒小芭内が居れば即座に切り捨てられていただろう。

 

 

「ねーねー、きいて、きいて!!」

「お、落ち着きましょう!危ないので!!」

 

 

甘露寺の話では温泉に来た隊士に声を掛けたものの無視された事に泣いていた。

 

特徴は鶏の様な頭と話している事から玄弥だろうと炭治郎は悟った。

 

炭治郎は今夜のご飯は松茸ご飯と告げると甘露寺は喜んでその場を去った。

 

そして…

 

 

「死ぬかと思った…」

「玄弥、お疲れ様。」

「おう///」

 

 

不死川玄弥、只今思春期真っ盛りの為に乙女な甘露寺の姿に眼も向けられなかったとの事。

 

 

「確かに乳房が浴衣から出そうになれば驚くよね。」

「言うな!思い出すからよ///」

「ごめん。」

 

 

温泉に浸かりながら互いの近状報告をしていた。

 

ちなみに禰豆子は炭治郎達から見えない位置で泳いでいる。

 

 

「そう言えば、ハスミさんや善逸達と一緒じゃないのか?」

「ハスミさんは別地区に現れた新手の鬼の討伐、善逸達は別の単独任務で不在なんだ。」

「新手の鬼?」

「俺…その鬼とやりあって刀を折っちゃって。」

「それでここに来たって事か。」

「うん、本当はハスミさんと一緒に行動する予定だったんだけど…」

「さっきの刀を折ったから別行動になった訳だな。」

「ハスミさん、火薬庫からいっぱい拳銃とか弾を準備してニコニコしながら『久々の大物狩りと炭治郎の刀の弔い合戦もしてくるわね…ウフフフ。』って出発前に言ってたよ。」

「…相変わらず怖いなあの人。」

「うん。」

 

 

玄弥と炭治郎は禍々しい気配を背に漂わせたハスミを想像していた。

 

知る人は『汚物は消毒』と言うフレーズが合っている表情だっただろう。

 

 

「「はぁ…」」

 

 

そんな二人の様子もつゆ知らず、禰豆子は楽しそうに温泉を泳いでいた。

 

 

「む?」

 

 

******

 

 

一方その夜。

 

新手の鬼『鉄鬼』の出現が確認された地区にて。

 

 

「諸君、準備はいいか?」

 

 

鉄鬼の集団が進軍している様子を伺える高台にてハスミは後方に控えた隊士達に告げた。

 

 

「「「イエス・マム!」」」

 

 

隊士達は準備万端と言う合図で答える。

 

 

「これより鉄鬼の掃討を始める、手順通りに行動せよ!!」

 

 

ハスミは指示を出し終えた後、自ら鉄鬼の前に立ちはだかった。

 

 

「あの時の様にはいかないわよ?」

 

 

ハスミは所持していたグレネードランチャーを構えると砲撃を開始。

 

攪乱を兼ねて敵のど真ん中で発砲し足止めをする為だ。

 

同時に高台からも武装バイクによる砲撃が開始された。

 

ハスミは着弾地点を感覚で割り出し上手く避けながら攪乱を続けた。

 

鉄鬼の超弾性金属を破壊する為の工程である急激な加熱と冷却による攻撃。

 

次第に鉄鬼らの装甲は赤く燃えては凍結し燃えては凍結を繰り返した後、脆くなった音を鳴らした。

 

 

 

「頃合いだ!全員突撃!!」

 

 

 

ハスミはタイミングを見計らい合図を出した。

 

 

 

「「「イエス・マム!!」」」

 

 

 

高台で待機していた隊士達は下へと下り、脆くなった鉄鬼の装甲を切り裂き頸を跳ねた。

 

 

「そのまま追い込んで切り続けろ!敵は混乱している!!好機を逃すな!!」

 

 

ハスミは引き続き隊士達に指示を出しながら攻撃を続ける。

 

 

「「「イエス・マム!!」」」

 

 

この光景に対し任務に参加していた村田とハスミの地獄の訓練によって軌道修正された獪岳は白目状態でこう思った。

 

 

「柱こぇええええ…」

「いや、柱云々の前にあの人自体が怖いんですけど…」

 

 

二人のボソリ声を聴いていたハスミは静かに言った。

 

 

「あらー二人とも訓練が足りなかったかしら?」

 

 

その言葉に対して二人は命からがらの即答を行った。

 

 

「「滅相もありませんっ!!!」」

 

 

二人も理解していた。

 

そんな愚痴を言えば通常の二倍三倍の訓練が待ち受けている事を…

 

それも他の柱がやっている訓練のその先位の過酷さである事を理解していた。

 

こうして鉄鬼の討伐は騒がしくも壊滅へと追い込んだのであった。

 

 

=続=

刀鍛冶の里編後、新・上弦が引き起こした事件でどちらに向かいますか?

  • 木乃伊事件(不死川、伊黒)
  • 集団失踪事件(悲鳴嶼、胡蝶、栗花落)
  • 船舶沈没事件(宇随、煉獄)
  • 不在担当地区防衛(時透、甘露寺)
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