鋼の魂と共に   作:宵月颯

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里に響く音。

早期の警告。

現れるは壺より現れた異形。


警告は鐘の音と共に

 

鋼柱の指示によって逃げた里の住人は急ぎ里長に里内に鬼が出現した事を報告。

 

里の人々を逃がす為に監視役の住人によって里の鐘が鳴り響いた。

 

少し早い里襲撃騒動の始まりの合図だ。

 

 

******

 

 

鐘の音が鳴り響く数時間前。

 

里にある二階建ての長屋の一室にて。

 

 

「えっ!ハスミさんが来ている!?」

「知らなかったのか?」

「う、うん、ずっと小鉄君と絡繰人形を使った修行していたから。」

 

 

煎餅を齧りながら話し合う炭治郎と玄弥。

 

ちなみに禰豆子は里から出立した蜜璃に貰った折り紙で遊んでいる。

 

 

「と、言う事はハスミさんも刀を研ぎに来たのかな?」

「いや、違うらしいぜ?」

「?」

「里長の護衛についていた隊士から聞いた話だと…」

 

 

玄弥から聞かされた話。

 

上弦の陸討伐後に鬼の動きに統率が見え始めた。

 

その活動によって任務中や帰還道中の隊士が狙われるようになった。

 

いずれ、本部や協力体制にある藤の家紋の家に刀鍛冶の里も発見される。

 

予防策として鋼柱の進言により、里の防衛強化の案が出された。

 

 

「里の防衛…」

「ああ、かなり深刻そうだったって…話してくれた奴も言っていた。」

 

 

ハスミさんがここに来ている。

 

俺が話した通りに事が起こる可能性からハスミさんは既に里の防衛に移っている。

 

 

『里に到着出来たら私は私個人で動く…炭治郎君も気を付けて行動してね。』

 

 

個人で動くって言ってたけど…

 

 

「玄弥、ハスミさんが来たって事は…」

「…訓練が地獄絵図で鬼が出ても地獄絵図だよな。」

 

 

青褪めた表情で二人は煎餅を齧るのだった。

 

 

「ム?」

 

 

そんな二人の心情に禰豆子は?を浮かべていた。

 

 

>>>>>>

 

 

時は戻り、上弦の伍・玉壺発見から数十分後。

 

 

「で?どうやってここを見つけたのかしら?」

「ひぃいい…」

「話さないなら舌を引っこ抜こうか?」

 

 

なんなら某黒い湾岸方式でお仕置きでもするけどね?

 

 

「ヒョヒョヒョッ…ワタシに構っていていいのか?」

「何が?」

「里にはワタシの配下を向かわせた、もうすぐ阿鼻叫喚の絵図が始まる。」

「へぇ?」

 

 

玉壺の発言に全く動じないハスミ。

 

言い方は汚いが、相手の話を耳をほじくりながら聞く様な態度と言うべきだろう。

 

 

「所で。」

「な、なんだ?」

「何か聞こえない?」

 

 

玉壺は里がある方角に耳を向ける。

 

聞こえてくるのは聞きなれない音。

 

それを知る者は誰もが口にするだろう。

 

銃声音だと…

 

 

「…まさか。」

「その配下さん達も尻尾巻いて逃げる前に仕留められちゃいました。」

「あ、ああ…」

「それと…こういった方がいいかしら?」

 

 

ハスミは告げた。

 

 

「罠に嵌ったのはそっちなのよね?」

 

 

と、冷ややかな眼で玉壺を睨み付けた。

 

 

~同時刻・里外部の森林~

 

 

玉壺は自身の血鬼術で分身を作り出し里を包囲する様に進軍させていた。

 

しかし…

 

 

 

チュイン。

 

 

 

分身の一体が赤い光線を通過したのと同時にハスミが仕掛けていた迎撃ドローンが作動したのである。

 

装備ついては一時的に相手の動きを鈍らせる程度、ある意味で挑発行為だ。

 

だが、一連の動きは想定済み。

 

その行動の先に必要な本命は既に待機していた。

 

 

 

ブォン。

 

 

 

林の中を素早く移動する物体。

 

ハスミが用意した武装バイク・疾駆のエンジン音である。

 

ドローンが相手の位置を各武装バイクに転送。

 

待機していた武装バイクの一つ疾駆がその場所へと移動したのだ。

 

 

 

ジャキッ。

 

 

 

人型に変形した疾駆に搭載されたマシンガンが炸裂。

 

日輪刀と同質素材の弾丸が上弦の伍の配下を文字通りの挽き肉へと変貌させる。

 

同時に早期に殲滅する為の弱点も捜索し配下の身体から出ている壺が弱点であると発見。

 

すぐさま、壺を中心に攻撃を集中させた。

 

壺を破壊された配下達は肉塊へと分解し消滅。

 

この疾駆が対処した配下は殲滅した。

 

だが、アラートの鳴った場所は数か所に及んでいる。

 

他のエリアに配置されたドローンの発信地点には別の武装バイクが移動し対処。

 

瞬く間に里を襲撃する配下は一掃されつつあった。

 

 

>>>>>>

 

 

同時刻、里内の二階建て長屋の一室。

 

眠っていた炭治郎の鼻を摘まんで起こす無一郎。

 

彼は鉄穴森さんを探していると告げた。

 

 

「鉄穴森さんなら鋼鐡塚さんと一緒にいると思うよ?」

 

 

事情をきいた炭治郎は一緒に探すと無一郎に告げる。

 

 

「なんでそんなに人に構うの?君には君のやるべきことがあるんじゃないの?」

「人の為にする事は結局…巡り巡って自分の為にもなっているものだよ?」

 

 

炭治郎は最後に『俺も行こうとしたから丁度いいんだよ。』と告げた。

 

その言葉に反応する無一郎。

 

 

「え…今なんて?」

 

 

その時だった。

 

外から聞こえ始めた聞きなれない音。

 

 

「今の音は?」

「今のは銃声の音…ハスミさんが戦っているのか!?」

 

 

同時にこの部屋に侵入する存在が訪れたのだった。

 

襖を開けてぬるりと這いずる様に現れた老人の鬼。

 

眼が裏返っており、刻まれた数字が見えなかったが独特の気配で二人は気づいた。

 

この鬼は上弦の鬼であると…

 

 

「霞の呼吸 肆の型・移流斬り。」

 

 

無一郎は刀を瞬時に抜き、畳の上でスライディングする様な形で上弦の鬼に斬りかかるが、天井に張り付き回避してしまう。

 

その隙を狙って炭治郎がヒノカミ神楽・陽華突で天井ごと刺そうとするが、それも回避された。

 

が、禰豆子が畳の上に着地した瞬間を狙って上弦の鬼に腹蹴りをかました。

 

そして漸く無一郎が頸を斬ったものの様子が一変した。

 

 

「!?」

 

 

頸を斬られた筈の鬼の頭と胴体が再び動き出し分裂したのだ。

 

頭の方の鬼が持った紅葉型の扇によって無一郎は外に吹き飛ばされてしまう。

 

 

「時透君!?」

 

 

扇を持った鬼は可楽、胴体から分裂した錫杖を持った鬼は積怒と名乗った。

 

 

「カカカ、よく吹き飛びおったわ。」

「貴様と一緒に分裂すると…」

 

 

積怒の錫杖から放たれた雷撃で炭治郎と禰豆子は一時昏倒するが…

 

鉄砲の音と共に積怒の頭部が何かによって粉砕された。

 

 

「炭治郎!禰豆子!無事か!?」

 

 

破壊された長屋の屋根の上から日輪銃を構える玄弥の姿があった。

 

 

「何とか!」

「ム!」

 

 

玄弥と合流し体制を立て直す炭治郎と禰豆子。

 

 

「カカカ、積怒よ油断したのう?」

「ふん、邪魔者は全て消し炭にしてしまえばよかろう。」

 

 

里内部での防衛戦が開始されたのだった。

 

 

=続=

刀鍛冶の里編後、新・上弦が引き起こした事件でどちらに向かいますか?

  • 木乃伊事件(不死川、伊黒)
  • 集団失踪事件(悲鳴嶼、胡蝶、栗花落)
  • 船舶沈没事件(宇随、煉獄)
  • 不在担当地区防衛(時透、甘露寺)
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