将来を誓い合った恋人   作:アッシュクフォルダー

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第十二話 お弁当を食べよう

高く上げたボールに視線を合わせた。

 

「今だ!」

 

ラケットに溺れるボールの感覚の次には、

聞き慣れた軽快な音と共に、軌道に乗ったボールが、

コートを貫く。

 

「サービスエースだ!」

 

実況者の声と共に、試合終了のアイズが聞こえた。

 

 

「龍馬くん、これが、テニスの試合なんだね」

 

ふんわりと、包み込むような声に、

感じていた疲れの存在も消えていった。

 

「あぁ、そうだぜ、咲希、

だが、本物のテニスは、もっと高い次元で行われるんだ」

 

「高い次元?」

 

「あぁ、そうだ、ツイストサーブ、ドライブA、ドライブB、

ドライブc、ドライブD、無我の境地、天衣無縫の極み、

サムライドライブ、光る打球、全部、俺の得意技だ」

 

「なんかすごいね!龍馬くん!

でも、なんで、テニスしないの?

あんなに、上手なのに?」

 

「過去の栄光を捨てたのさ、後ろを見たくないんだ、

今は、前を向いて、歩きたいんだ」

 

「なんか、カッコいい!龍馬くんって、カッコいいよね?

背は小さいけど!」

 

「身長なんか、気にしたことねーぜ」

 

「えっ?そうなの?それは、なんか、意外…」

 

「意外か?別に身長がチビでも、こうやって、テニスができるんだ、

支障をきたすことは、一度もなかったな」

 

「へぇ~そうなんだね!

じゃあ、これからも、アタシに、テニス教えてくれないかな?」

 

「咲希の頼みならば、いくらでも、教えてやるさ

まぁ、実際やるのは、咲希自身だからな」

 

 

 

後日、テニスコートにて、

結城龍馬にしごかれながらも、天馬咲希は、

テニスの練習に励んでいた。

 

「でも、なんで、ソフトテニスなんて、始めたんだ?」

 

「えっ?なんか、青春っぽいじゃん!」

 

「おいおい、それだけかよ…」

 

 

すると、穂波がやって来て…

 

「あっ、咲希ちゃん!龍馬くん!お疲れ様!」

 

「あっ、ほなちゃん!」

 

「穂波か、どうした?」

 

「お弁当作って来たんだ、よかったら、食べない?」

 

「おっ、すまねーな、じゃあ、休憩にはいるか」

 

「はーい!」

 

穂波は龍馬にお弁当を食べさせようとしていた

 

「龍馬くーん!はい、あーん!」

 

「おいおい、よせよ、俺は子どもじゃねーんだから…」

 

「えーっ?いいじゃん!婚約者でしょう?」

 

「じゃあ、アタシからも、あーん!」

 

「咲希まで…」

 

龍馬は異常なまでに、モテモテハーレム状態だった。

 

 

「そう言えば、龍馬くんは、硬式テニスやっていたみたいだけど、

ソフトテニスもできるの?」

 

「まぁ、多少はな、飲み込みが早いだけだ」

 

「へぇ~龍馬くんって、何でも、出来るんだね」

 

「球技以外は、出来ねーんだよ、俺は」

 

「ふふっ、龍馬くんったら、

昔から、球技の才能があったんだよ?」

 

「今更、気づくのかよ…やれやれだな」

 

穂波と咲希は、龍馬にお弁当を食べさせるのだった…

龍馬自身は、嫌がっているが、

結局、最後は龍馬が一人で食べるのだった。

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