結城龍馬は星乃一歌にテニスを教えていた。
「龍馬くん!今日はよろしくお願いします!」
「いい返事だ。よし、咲希と練習試合をするためにも、
俺が口頭で説明する。
言っておくが、俺はもうテニスはしねーぞ?」
「はい!わかりました!」
龍馬は一歌にサーブとボールの打ち方、
スマッシュまで、教えるのだった。
「すごい!龍馬くんって、教えるの上手ですね…!
初心者の私でも、すぐにわかった!」
「一歌の呑み込みが早いからじゃねーのか?」
「そ、そうかな…?
私って、覚えるのって結構、苦手で…
でも、龍馬くんのテニスの指導は、とってもタメになる!」
「そんな大したことじゃねーよ…
何ていうか、喉が渇いたな…」
「龍馬くんって、グレープジュースが好きだったけ?」
「あぁ、グレープジュース、それも炭酸が好きだ。
俺が買ってきてやる」
「えっ?いいの?」
「あぁ、俺の方が一歌より早く生まれているからな」
「そっか」
龍馬は7月12日
一歌は8月11日
に、それぞれ生まれており、30日違いである。
「一歌は、好きなのあるか?」
「うーん、ジュースなら、何でもいいよ?」
「わかった」
龍馬はグレープジュースの炭酸飲料を二つ買った。
1つ100円で、トータル200円だった。
「美味しい?」
「あぁ、テニスでいいことが起きたら、これによく限っていたな」
「そっか」
すると、向こうから、声がした。
「おーい!いっちゃん!龍馬くん!」
「咲希」
「ほなちゃんと志歩ちゃんから、差し入れ、
持ってきてくれているよ!」
「あぁ、サンキューな」
「ねーねーいっちゃん!
いっちゃんが元気になるように、アタシがおまじないをかけるね!」
「おまじない?」
「うん!」
と、咲希は一歌にキスをした。
それも、頬に!
「さ、咲希!?」
「えへへ~キスしちゃった!
アタシ、いっちゃんのこと、大好きでケッコンしたいんだ!」
「もーう!咲希ったら!からかわないでよ…
付き合っているって、わかってはいるけど…
なんか、恥ずかしいな…」
「仲が良いんだな」
「うん!だって、いっちゃんとアタシは、
将来を共に歩むって誓っている、コイビトだから!」
「そうか…俺とは違うんだな」
「えっ?」
「俺は未来も希望も捨てた。
だが、咲希は違う。未来も希望も、それに夢だってある。
可能性だってある。
だが、俺は全てを失っているからな…」
「なんか…ごめん…」
「気にするな。昔の話だ。
そんなことより、俺がコーチをするんだから、
ビシビシといくから、覚悟しろよ?」
「はいっ!」
「それじゃあ、アタシも!」
「頑張ろうね!咲希!」
「うん!いっちゃんとなら、頑張れるよ!」
「随分と元気じゃねーか。嫌いじゃないぜ?」
と、龍馬のテニスの猛指導が入るのだった。