テニス界に、ある超新星が、存在していた。
彼の名は、結城龍馬。
中学時代から世界で活躍し、
海外の大会でも優勝している、将来有望なテニス選手だったが、
テニス賭博に、巻き込まれてしまい、
もう“テニス選手”と呼ばれた自分は存在しない。
高校生と思えない冷静さを持ち、
自らを傷つけたり人が殺されたりといった事に
すら感情を動かされない。
刑務所で刑期を終え、仮出所が、決まり、
やがて、米国から追放を受けて、
日本に帰りざる負えなくなってしまう…
龍馬は、今 日本の空港行きの飛行機に乗っていた。
日本に帰る時、何かしようとしたい訳じゃない
ひとまず、帰るだけだった…
強いて言えば、飼っていたネコが、心配だ、
米国に旅立つ前に、飼っていた、ロシアンブルーのネコが
元気にしているか、どうかくらいである。
今のところ、日本にいる、友人に預けているが…
大丈夫だろうか…?
龍馬は、日本にある、ある空港に、やって来るのだった…
俺は、タクシーに乗り、
飼っていたネコと、将来を誓い合った恋人がいる、
シブヤに向かうのだった…
(ここが、トウキョウのシブヤか、
五年ぶりに、やってきたな、
にしても、ミケと、あの子達が、
元気にしているか、どうか、気になるところだが、
さて、どうするべきか)
ミケとは、龍馬が買っている、
ロシアンブルーのネコの名前である。
すると、龍馬は、一人の女の子を視線に捉えるのだった
「この子、どこかで、見たことがあるようで、
ないような…?」
龍馬の心の奥底から、懐かしい気持ちが、
急に溢れてきた。
(どうしてだ?急に、心臓がバクバクしてきた…
ひょっとして、アイツ…なのか?
望月穂波…そう、俺と将来を誓い合った恋人の名前。
穂波、居てくれたんだな)
穂波が、元気なのはわかったが…
問題なのは、ロシアンブルーのネコである。
龍馬は穂波に、気づかれないように、
そっと、この場から、去ろうとした、その瞬間だった。
「龍馬…くん?」
「!?」
龍馬は後ろを振り向いた…
確かに穂波の声だった。
彼女の姿が、龍馬の視線に入った。
小学生の時以来だが、にしても、一言言って、背が高くなって、
スタイルも良くなっている。
「龍馬くん…なの?」
「あぁ、そうだ」
「龍馬くん!心配していたのよ!
もう、すっごく、すっごく、心配したいのよ!
ニュースでも、見てたけど、
本当に、日本に帰って来たんだね!」
「おいおい、そんなに、驚くことか?」
「そうだよ!あぁ…龍馬くんに、会えて…
私、嬉しい…」
「そうか」
「ねぇ、龍馬くん、私の家に来ない?」
「まぁ、いいが?」
穂波は涙を流して、龍馬に抱き着いていた。
こうして、龍馬の恋人である、
穂波の家に、やって来るのだった…