結城龍馬と星乃一歌が、一緒に出掛けていた時の話。
子どもが泣いている所を見かけた。
「あっ、子どもが泣いている!助けてあげないと!」
と、一歌が、その小さな女の子に話しかけるのだった。
「どうしたの?どうかしたの?」
「お…おねえちゃん…?」
「この子、一人の様だな」
「うん」
「おにいちゃん…おねえちゃん…
わたしね。まいごになっちゃったの…」
「迷子!?それは大変!早く、お母さんのところに、
行かせないと!」
「そうだな」
「ひょっとして、さがしてくれるの?」
「うん。私と龍馬くんが探すよ」
「ありがとう!わたし、さやっていうの!」
この子の名前は、小夜という様だ。
「小夜ちゃん。おかあさんは、どこにいるの?」
「うーん、家にいる!」
「一人で出かけているの?」
「うん。あそびにいくために、
いえをでて、あそんだあとに、まよっちゃって…」
「お母さんの連絡先は?」
「えっと…わからない。
あっ、さやは、土門小夜って、言うの!」
「そうか…困ったな…」
「ねぇねぇ!おねえちゃん!おにいちゃん!
さやとあそぼうよ!」
「わかった。お母さんを探しながらね」
「わーい!おねえちゃん、なんて、なまえ?」
「星乃一歌だよ」
「いちかおねーちゃん!」
と、小夜は一歌に何気に懐いていた。
「子どもに懐かれるってことは、キレイな心の持ち主なんだな。
一歌は」
「そ、そうかな…?」
「まぁ、俺みたいな奴には好かれないがな」
ということで、龍馬と一歌と小夜は、
三人で、小夜の母親を探しながら、遊びに行くのだった。
小夜は一歌と手を繋いでいた。
「おねーちゃんのて、いいかおりがする!」
「そ、そうかな…?」
「フワーッ!ってかんじ!」
「よく、咲希に言われていて…」
「ともだち?」
「うーん、コイビト!」
「コイビト!じゃあ、ケッコンするの?」
「た、たぶん…!たぶん!咲希とケッコンする!」
「じゃあ、そのときは、さやもよんで!」
「わかった」
「随分と子どもに好かれているな」
「何でだろう…」
「一歌の心が純粋無垢で、キレイだから、
子どもに好かれる性質じゃねーのか?」
「言われてみれば…?」
龍馬は思った。一歌も小夜も、このまま、いい子に、
素直でまっすぐな女の子に育って欲しい。
優しく凛々しい女性に育って欲しいと、
勝手ながら、思ってしまった。
「あっ!お母さんって、どんな顔?」
「おかあさんはね…これ!」
と、顔写真を見せた。
「いつも、おかあさんがもってなさいって、いわれているの!」
「何とか、掴めそうだな。俺に任せろ」
その後、警察で小夜の母の写真を見せてもらい、
警察官が、小夜と小夜の母を会すことが出来た。
「ばいばい!また、あそぼうね!」
「うん。バイバイ。また遊びたいな」
「一歌は、子どもが好きなのか?」
「たぶん、好きだと思う」
「まぁ、悪いことじゃねー
子どもを助けないと、守らないといけないって気持ちは、
案外、大切かもしれねーな」
それが、いつの時代、どこでも、どんな時でも、
いい意味を持って、必要かもしれない。