将来を誓い合った恋人   作:アッシュクフォルダー

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第二十一話 志歩と憧れの存在

結城龍馬は日野森志歩と一緒に、ガールズバンドのライブを観に行った。

 

「本当は穂波たちも誘いたかったけど…

一歌は咲希とデートだし、穂波はバイトだったから…」

 

「それで、俺を…まぁ、いいぜ?

そう言えば、志歩が憧れているバンドだったな?」

 

「うん。ポッピン・パーティーって言ってね。

私がベースを本格的にやりだすきっかけを作ったんだ」

 

「それは、スゲーな」

 

「ポッピン・パーティーは、Leo/needと方向性は違うけど、

でも、タメになるんだ。全てが」

 

「そんなに気にっているのか?」

 

「うん。とっても」

 

龍馬と志歩は、早速、ライブハウスの中へ

 

熱い歓声が響き渡った!

 

「私たちのバンドと大違い。

こんなに、沢山のお客さんが来ている」

 

「そうか。その…志歩は穂波たちとプロを目指すのか?」

 

「そのつもりでいる」

 

「あぁ、俺もまだまだだな…

穂波たちは希望を持って生きているのに、俺はもう…」

 

と、龍馬はどこかで、後ろめたさを感じた。

 

「そろそろ、ライブが始まるみたい」

 

「そうだな」

 

と、志歩と龍馬は一緒に、ポッピン・パーティーのライブを観賞した。

 

ライブが終わった後…

近くの公園のベンチで二人が座っていた。

 

「龍馬が、バンドを観に行くって言うなんて、

逆に珍しかったな」

 

「一応、幼馴染だからな」

 

「そっか」

 

「志歩はポッピン・パーティーを目指しているのか?

何ていうか…そういう、バンドって言うか…

何ていうか」

 

「アフターグロウやロゼリアも私の憧れ。

特にロゼリアのリサさんのベースは、

私でも真似が出来ない」

 

と、志歩がリサさんについて、熱弁した。

 

「ベーシストとして、リサさんのベース技術は、

いくら経験者の私でも、真似が出来ないって思っている。

それくらい、私にとっては、届かない星のような存在」

 

「星のような存在、か」

 

「龍馬はどうして、テニスを?」

 

「親父の影響が強いな、強いて言うならな」

 

「そう言えば、龍馬くんのお父さんって、テニス選手だったね」

 

「あぁ。サムライって異名を持っていたな。

それも、連日、メディアやマスコミが、ずっと、

親父のことを特集していた時期があったとか、無かったとかだ。

だが、その親父ももういねー。この世には」

 

「えっ?」

 

「死んだんだよ。俺が捕まったことがショックでな」

 

「そうだったんだ…」

 

「お袋もその後を追うようにな。

だから、俺は15歳で天涯孤独。

大切な人もダチもテニスも、これからの未来も、

全て、捨てたんだ。捨てざる負えなかったんだ…」

 

「辛くないの?」

 

「辛くない訳じゃねーただ、俺はこれからの人生、

どうでもいいし、ただただ、死を待つだけだ」

 

「…それって、本当に辛くないの?」

 

「何?」

 

「龍馬だって、咲希にテニスを教えている時、

キラキラしていた。普段よりもずっと」

 

「アンタがそんなこと言うとはな…

俺も、まだまだだな…まぁ、一歌も咲希も穂波も、

俺が必要なのかも知れねーな」

 

「きっとそうだよ」

 

「そうかもな」

 

と、龍馬は少しだけ前向きになったかもしれない。

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