将来を誓い合った恋人   作:アッシュクフォルダー

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第二十三話 テニスを教えて

お弁当を食べている最中だった。

 

「結城さんって、テニスをやっていた時、

そんなに凄い選手だったの?」

 

と、奏が龍馬に質問した。

 

「あぁ。そりゃ、そうだ。眩しい位には」

 

「中学時代は、アメリカに住んでいて、

全米のテニス大会、総なめしていた位の実力者だったって、

雑誌で書かれていた」

 

「昔の話だろ?だが、今の俺には、そんな栄光に浸りたくねーし。

だが、嫌でも無かったな」

 

「龍馬くんのテニスの先輩は、よく特製ドリンクを作っていたんだよね?」

 

「あれは、ヤバいぞ?味の中には、ゲテモノまであった」

 

「ゲ、ゲテモノ…!?」

 

と、奏が怯えていた。

 

「だが、栄養価がたっぷりで、間違いなく疲労回復には、

役に立つがな」

 

「それなら、飲んでみたいかも」

 

「止めとけ。まず、あの先輩の特性ドリンクは、

死を覚悟しねーといけねーくらい、マズイ」

 

「そんなに、マズイの…?」

 

「あぁ。本当にだ。命を懸けて、覚悟がねーと飲めたもんじゃねー」

 

「そうなんだ…でも、いつか飲んでみたいかも…」

 

「奏…」

 

「そう言えば、結城さんって、テニスを始めたきっかけは?」

 

「親父だな。俺の親父もテニス選手で、

それなりに活躍していた。だが、今は親父もお袋も、

病で倒れて、もういねーんだ。俺は失ったんだ。

大切な人も。大切な存在も」

 

「大切な人…?」

 

「それに、ネコもだ」

 

「あっ、龍馬くんの飼い猫の、ペロちゃん?」

 

「あぁ、最近は俺のところで遊ぶようになった。

あの黒い飼い猫、ペロ、俺は可愛いと思う」

 

「いるじゃん。大切な人も存在も、それに猫も」

 

「俺もまだまだだな」

 

「龍馬くんは、テニス以外に何趣味とか、ある…かな?」

 

「そうだな…テニスのアニメを観ることだな。

あのテニスのアニメはタメになる。

アニメからテニスの技を習得して、

実践して、スゲー目で見られたことなら、何度もあったとやら…」

 

「テニスのアニメがあるんだ…知らなかった」

 

「あのアニメの原作はマンガだから、マンガでも案外、タメになるぜ?」

 

「そっか。いつか、読んでみたいな」

 

「あぁ、いつかは…な」

 

「それじゃあ、休憩したら、練習再開しましょうか」

 

「そうだね」

 

「水分はしっかりとするんだ。

それに、汗は必ず拭くんだ。頑張るのは良い事だが、

やり過ぎは、よせよな」

 

「龍馬くん、心配しすぎなんじゃないかな…?

 

「そ、そうか…?」

 

「昔の龍馬くんだったら、そんなこと、絶対に言わなかったのに、

人の事、心配するようにしている、龍馬くんって珍しいなって」

 

「そうか」

 

こうして、練習試合を再開した。

 

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