結城龍馬は今日も天馬咲希にテニスを教えていた。
「よーし!コーチ!今日も、よろしくお願いいたしまーす!」
「フッ、元気だな。咲希は。俺と違って」
「だって!青春を謳歌したいから!
元気じゃないと何でも出来ないよ!」
「そうか。咲希も元気になったんだな。
俺とは大違いだ」
「もーう!龍馬くんもアタシと同い年でしょう?
もっと、フレッシュに行かないと!」
「俺は生憎、そんなのは柄じゃねぇ。
ただ、朽ち果てて、消えるのを待つだけだが、
妙な事だが、テニスを教えて、不思議と…
悪い気はしねぇな」
「龍馬くんがテニスの指導をしている時、
すっごく、生き生きしていた!」
「おいおい、よせよ。
俺はもう、生きる道はもうねぇんだ」
「でも!何だかんだで、教えているじゃん!」
「そりゃ、流石に、ズルズル引きずる訳にも、いかねぇからな。
後悔が無いように、生きているだけだけさ」
「おーっ!」
「にしても、咲希。もう一人、誘うとか言っていなかったか?」
「そろそろ、来ると思うけど…」
「お待たせしました!花里みのりですっ!
龍馬くん!今日は、よろしくお願いしますっ!」
と、みのりが急いでやって来て、龍馬にお辞儀をした。
「おう。来たか」
「結城龍馬さんって、あの世界的に有名なテニス選手の、
結城龍馬さんですよね!?
よく、テレビで観ていました!」
「昔の話だ。今は違う。
ただの天馬咲希のテニスコーチだよ。
それも、専属のな」
「龍馬コーチ!今日はよろしくお願いしますっ!
トレーニングの方法!ぜひ、伝授してくださいっ!」
「元気なのは良い。
ただ、結構、厳しいぞ?
テニスってのは、もっと高い次元で行なわれる。
トレーニングやストレッチは、中学の先輩から伝授されいるのを、
俺が教えてやる」
と、結城龍馬は天馬咲希と花里みのりに対して、
ストレッチとトレーニングの指導を行っていた。
その後
「練習試合だ。みのりもラケットで打てるだろ?」
「はいっ!」
こうして、みのりと咲希の練習試合が始まった!
天馬咲希は結城龍馬から伝授された、テニスの技を、
早速披露した。
(咲希も俺が伝授した技を使いこなしているな。
俺が実例を一度もしていないのに、
見事な再現度。それに、完成度は粗削りだが、
これなら、俺を超えてもおかしくねぇな)
一本足スプリットステップ
片足でのスプリットステップ。片足で着地することで、
通常よりも一歩半速く跳び込むことができる。
天性の打球への嗅覚があってこそ成せる技。
咲希はこの技を、何時間もかけて習得した。
ツイストサーブ
右手で打てば右に、左手で打てば左にボールが急角度でバウンドするサーブ。
ツイストスマッシュ
ツイストサーブを応用したスマッシュ。
ツイストサーブ同様、打球が利き腕方向に急角度でバウンドする。
みのりは思った。
(すごい!咲希ちゃん!龍馬くんに鍛えられているからかな?
すっごく、凛々しくて、カッコイイ!
こんな技、わたしには真似できないよ~!)
その後、みのりは完敗した。
「お疲れ様だな。飲んでみるか?
穂波特製の栄養ドリンクだ」
「ほなちゃんのだ!みのりちゃんのもあるよ!」
「うわっ!穂波ちゃんのだね!いただきまーす!」
(和むな…俺もアイツ等と違って、まだまだだな…)
と、龍馬は、咲希とみのりを観て、
俺は何て…と、思いつつ、前を向こうと感じるのだった。
「美味しい!」
「ほなちゃんが、試行錯誤して、
レシピを改良させたの!」
「元は俺の先輩の栄養ドリンクだ。
あれは、ゲテモノだぜ?」
「ゲテモノ!?」
「あぁ。だが、疲労回復効果は抜群だぜ?」
「飲みたくない…!」
「想像するだけでも、ゾッとするよ!」
「あぁ。飲まねぇ方が身のためだぜ?」
と、龍馬は言うのだった。