龍馬は、暇そうに、穂波と会話を楽しんでいた。
「なぁ、穂波」
「どうかしたの?龍馬くん?」
「また、聞きたいだろ?俺の中学時代の話?」
「そうだね、聞いてみたいなー
って、前から、そう思っていたんだ」
「よし、じゃあ、そうだな…
印象に残っている奴が、何人もいたな…」
「印象に残っている人?」
「昨日話した、部長の事、覚えているか?」
「ゾーンって、技が使える人?」
「その部長に勝った奴がいる」
「えっ?ゾーンを破られたの?」
「そうだ、そいつの使う技は、対戦相手の弱点を
見抜く、インサイトさ、
それを、駆使して、相手を徹底的に叩きのめす
その姿は、まさに、コートに君臨する、絶対君主。
帝王って、恐れられていたんだ。
他にも、神の子とか、皇帝とか、
妙な異名を持つ、練中もいたな…」
「そんなに、凄い選手がいたの?」
「あぁ、神の子の技は、特に厄介だったぜ
対戦する内に、五感を奪われ、
最後は、立ち上がる事すら、出来なくなるのさ」
「五感を!?」
「皇帝の技は、奥義、風林火山だったな
一度対戦した後、さらに、進化して、
真の奥義を習得したのは、驚いたぜ」
「テニスなのに…奥義?」
「まぁ、誰しもが、己の全てを賭けて戦い、
敗れ、その分、強くなっていく…
俺がいたのは、そういう世界だったんだ」
「テニスの領域超えていない?」
「自分だけの常識だけで、物事を語るなんて、
そりゃ、やっては、いけないことだぜ?」
「そ、そうだね…じゃあ、楽しかった?」
「なんで、そう思う?」
「だって、テニスの話をしている時の龍馬くんって、
楽しそうに話していたじゃん」
「そうだな、つまんねーとは、言えねーな
だが、終わった話なんだよ…」
「いつか、龍馬くんの試合観に行きたいな、
そう言えば、一度も観たことなっかんだよね、
龍馬くんが、テニスの試合をしている姿!」
「俺にまた、プレイしろって、事か?
それは、無理は相談だな」
「いや、その、龍馬くんの試合も、観たいけど、
他の選手の話を聞いていたら、
何だか、観戦したくなっちゃって!」
「まぁ、知り合いに、話を付けて、
見学できるように、話は、つけてやるよ
言っておくが、俺は、観に行かねーし、
やらねーぞ?」
「そ、そうなんだ…」
「どうだ?これが、俺の中学時代の内容だ。
穂波が、聞きたかったのは、そういう事だろ?」
「う、うん…」
「今は自分の生きる道を探さねーといけないが…
本来、そんな資格は俺にはねーがな…」
「そうかな?」
「どういうことだ?」
「だって、龍馬くん、また、テニスやりたいって、
顔に書いてあるじゃん」
「そういうことか、俺もまだまだだな…」
何がともあれ、龍馬の過去が、わかった気がする…