奴隷騎士は再び魔剣を握る   作:青い灰

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投稿クソ遅くなりました。(半年振り!?
あと書き方変えました。読みにくいかな?




魔物の襲撃

 

 

 

傘は無料で借りることが出来るらしく、ありがたく借りて店から出る。しばらく、ルシアと村を歩きながら話していると、彼女は顎に手を当てて考え込むように言う。

 

 

「それにしても、この雨………

 かなり薄くだけど魔力が混ざってるわ。

 おそらく人為的なものだと思う」

 

「天候を変える魔法もあるのか?」

 

「あるけど………かなり難しいわよ。

 魔法陣を何重にも村中に張り巡らせて

 触媒も必要になってくるし……

 そもそも術式を組み上げるのが複雑すぎるのよ。

 人の頭じゃ処理に耐えきれないわ」

 

 

聞いた側だが、俺は魔法の才能は皆無なので聞き流す。白騎士は魔法も剣も得意だったが、そのせいか剣の腕では俺が上だった。魔法も込みの試合は基本相討ちだったが速度で圧倒されると厄介だった。

 

そんな昔のことを思い出していると、ルシアが何かに気付いたのか立ち止まる。

 

 

「どうした」

 

「この感じ……もしかしたら土も……?

 雨の魔力で気付かなかったけど、

 まさか土地自体を魔法の触媒にしてる……

 ねぇセト、この辺に魔力の元になるような

 ……それもかなり強力なものってあったかしら?」

 

「そんなものは………いや……

 だとしたら森の魔物とやら、まさか───」

 

 

その時。

 

村の入口辺り、背後から聞こえた悲鳴に俺たちは振り返るが、村の人々は傘も差さずにこちらを走り抜けていく。その中にはマスターの姿もあった。俺は彼の肩を掴むと、一度驚き、慌てた表情で彼は言う。

 

 

「何事だ」

 

「森から魔物が溢れだして来たんだ!

 冒険者たちは出払ってる、

 あんたたちも急いで村から逃げろ!」

 

 

そう言って走り去っていくマスター。そしてルシアはこちらを見上げる。

 

 

「どうもキナ臭いわね。

 行くわよ、まずは魔物を撃退しないと」

 

「分かった」

 

 

俺たちは村人たちとは逆方向に走り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………予想以上の大群。

 これは一大事ね、でも1人で十分かしら?」

 

「任せておけ、この程度は肩慣らしだ」

 

「冗談に聞こえないの、安心感が凄いわね………」

 

 

数多くの魔物たちがこちらに向かって駆けてくる。だが、何か様子がおかしい。どこか、敵意が感じられないような感覚がある。

 

 

「こちらを襲おうとする様子はないが……

 まぁいい、悪く思うなよ────!」

 

「……!」

 

 

兎に角、一掃する。

わざわざ的からこちらへ寄ってきてくれるのだ。これを逃さない手はない。剣を抜き、下段に構えて魔力を込める。

 

こちらに魔物たちが最接近するのを待ち。

 

 

「灰になれ」

 

 

小さな黒雷を纏った剣を、強く振り上げる。

 

剣から放たれた黒い雷の魔力が密集する魔物たちを伝い、一度に全ての魔物たちを、欠片も残さず灰へ還す。撃ち漏らしがいなければ、こんなものだろうか。

 

 

「終わったが」

 

「……………魔剣なしで黒雷って撃てるの?」

 

「魔剣の魔力がまだ身体に残っててな。

 まぁ、一匹ずつ斬り伏せるより楽だろう。

 剣もまだ3回は持ってくれる筈だ」

 

「そりゃそうだけど………最強……ね。

 これがもう1人いるんだから恐ろしいわ」

 

「世界は広い。探せば強者はまだまだいるだろう」

 

「世界って怖いわね………

 でも確かに、これほどなら………」

 

 

げんなりする彼女の呟いた、これほどなら、という言葉が気になるが、この魔物たち、何が狙いだったのか。逃げるように……というか、完全に何かから逃げているような様子だった。森で何かが起こっているのは確かなようだ。

 

剣の灰を払い、鞘に納める。

 

 

「そうそう、今回は見られてないから良いけど、

 黒雷を使うなら出来るだけ人がいない所でね。

 流石に勘づかれると弁明のしようがないわ」

 

「分かった。気をつけよう。

 それにしても、やはり森の様子がおかしいな」

 

「えぇ、けど不用意に動くと危険ね。

 もし私たちが森に入ったとして、

 また魔物が出てきたら村の人たちが危険だわ」

 

「………………………」

 

「ん?どうしたの、急に黙っちゃって」

 

「いや……言い方が悪いが、

 魔族が人間の民を心配するのが少し違和感がな。

 偏見を持っている訳じゃないんだ、すまない」

 

 

前にも考えたことだが、人間と魔族は今まで仲良くはなかった。昔から人間族と魔族は対立ばかりしていたらしく、戦争もしていたという記録まであった筈だ………姫が他種族と交易して友好を結ぼうとしていたが、それが上手くいったのだろうか。

 

ルシアは一度きょとん、として、クスクスと笑い出す。

 

 

「あぁ、牢にいたから知らないんだったわね。

 ……魔王が亡くなったから、

 今は後継者争いで他国には極力頼りたいのよ。

 これからも続けるかは、真の後継者次第ね」

 

「……魔王が死んだのか?

 確かに老年だと聞いたことはあるが………」

 

「えぇ、つい3年前の話よ。

 こっちに伝わるのも早かったみたいね」

 

 

魔王領へ向かっている訳だが、そこで何をするのだろうか。……まぁ、ただ主の命には従うだけだ。考えずとも良いか、と頷く。彼女、おそらく何かを隠しているが………それは、いずれ分かるだろう。答えを急く必要はない。

 

彼女も言いたくないのか、苦い顔をするのが一瞬見えた。

 

 

「さて、今重要なのは森の中よ。

 あれだけの魔物が出てきたんだもの、

 おそらく冒険者ギルドの連中が来る筈だわ。

 彼等に村を任せましょうか」

 

「あぁ、村の者たちにも魔物を

 掃討したことを教えて安心させるとしよう」

 

「一撃だったけどね…………」

 

 

 


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