ここらではなかなかの大きさを持つ村である〝諏訪大国″。規模はそこまでないこの村が発展した理由は豊かな自然にある。川は一切止まったことや汚れつづけたこともなく、見渡してもはての見えることのないほどの広さを持つ森が近くに生い茂っており、実りが貧しかったこともない。条件がとてもよく、発展してきた理由の一つとして含まれていた。そんな中、その村の中心にある村の規模に比べて大きな神社がある。
「ふぅ~、食った、食った。御馳走さん」
「「……」」
諏訪子と卑弥呼の家にて飯を食うことになった亮介であったが、なぜか腹が満たされなかった彼は恐ろしい量の飯を食い、机の上には大きな皿が山のように積まれていた。
「……軽く十人前は食べたね」
「……すごいですね~」
あまりの食いっぷりに感心するしかない二人は、諏訪子はあきれ顔で、卑弥呼は苦笑いで彼の膨れた腹と満足そうな顔を見ていた。
「こんなに食って悪いな~」
「まったくだよ」
完全に頭を抱えた様子の諏訪子。
「うまかったぜ、卑弥呼。ありがとよ」
「ありがとうございますっ///」
赤くした顔で笑顔を作る卑弥呼に、亮介は笑顔で返す。
「諏訪子、いきなりで悪いんだがよ」
その笑顔が嘘のように、いきなり真剣な様子に代わる。
「なに?」
「ここに住み込んでもいいか?」
「……はい?」
諏訪子は思わず固まる。卑弥呼もポカンとした顔で固まる。そんな彼女たちに亮介はやっちまったかなと、頬を掻く。
「ど、どうゆうことさ?」
「いや~、俺住む所なくてな。働くからここに居させてくれ」
「……なんでないの?」
「俺さ、月の都が地上に会った時に妖怪と戦争してたんだけど、友人の能力で巨大な爆発から守られたんだ。そんで、ついさっき起きたもんで家がないんで、ここに住まわしてください」
頭を下げる亮介を卑弥呼は少しばかり悲しそうな顔で見ていたが、諏訪子は彼が言ったある言葉を聞き、いきなり笑いだした。
「ハハハッ、君も、フフッ、面白い、クッ、冗談言うね」
腹を抱えて笑って悶絶する彼女を卑弥呼も亮介もポカンとした顔で固まっている。そして笑いすぎた彼女はヒィーヒィーと息を整えた後言った。
「二人ともよく聞いてね。月の都っていうのはね、数億年も前にあった伝説の都のことなんだよ。今よりずっと発展していたと言われているんだけど、あくまで私たち神様の中で有名なおとぎ話だよ。そんな話をどうして知っているのかは知らないけどさ、嘘をつくならもっとましな嘘をつきなよ」
さっき笑い死にそうだった彼女はまた笑いだす。卑弥呼はどう反応していいかわから、少しあたふたしているが、亮介だけは変な感じに顔をゆがめていた。
「数億年前……、う、うそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!??」
いきなり驚愕の顔で叫んだ亮介を何事かと二人は亮介を見た。
「ど、どうしたんですか!?」
「俺、数億年も寝てたのか……?」
「何の話をしてるのさ? 本当に月の都にいたとか言わないよね?」
亮介の反応を単純に驚いた卑弥呼と、反応を見て嘘じゃないのかと思い始めた諏訪子。
「そのまさかだと思う……」
「いやいやいやいや、君人間じゃないか。私ですら数百年しか生きてないのに、人間がそんなに生きれると思うかい? おもいっきり頭でも打った?」
諏訪子はそんなことを信じられはずがなく、納得がいく考えを出すが亮介は黙ったまま固まる。そんなとき諏訪子が卑弥呼を見るとひきつった笑顔で視線をそらす。明らかに何か知っている顔である。
「……何か知ってるね、卑弥呼」
「!!」
体を震わせる卑弥呼を見て、諏訪子は確信する。卑弥呼は何かを隠していると。
「何を知ってるんだい? 卑弥呼?」
「え、えっとですね」
卑弥呼は少し怖眼の顔をする諏訪子に少し驚きたじろぐ。しかし、
「いいよ、卑弥呼。俺が言うからさ」
亮介がさえぎる。諏訪子は最も謎の男に同じ顔で視線を向ける。
「教えてくれるかい? 君が何なのか?」
彼は少しため息をついた後、両手を合わせる。フゥーと息を吸い、吐くを数回繰り返した後に妖力がにじみ出始める。そして、髪が少しばかり盛りあがったと思うと犬のような耳が生える。
「はっ?」
彼の背後から黒い毛の塊が盛り上がってくる。その毛は一方向に伸びているのではなく、ボサボサで、とてもさわり心地がよさそうだった。
「俺は純血の狼の妖怪さ。隠して手悪かったな、諏訪子」
今回、会話が多いですかね? では、また。