東方雲狼劇   作:鏡狼 嵐星

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25話でけた。感想がほしくなってきた今日この頃。では、どうぞ。


狼が攻め込む刻

「……暇だ」

 

今の時刻は朝食を食べて、少し過ぎたころ。米の収穫も終わり、ここら一帯は冬を迎えようとしていて、村の大人達は獲物を外に取りに言っている。そして、洩矢神社にて、暇すぎて縁側で逆さになって胡坐をかいている亮介。結構シュールである。

 

「亮介~、いる?」

 

「いるぞぉ、なにぃ?」

 

部屋の奥から、諏訪子がヒョコッと顔を出す。それに反応し、亮介は逆になった状態でくるりと向きを変える。

 

「卑弥呼の修行、少しばかし手伝ってくれないかい?」

 

「いいよ♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○ 洩矢神社の裏庭……。

 

ここ洩矢神社には裏手の奥に少し大きめの広場がある。ここは諏訪子の私有地のため、村人には神の土地とされ、近づく者はいない。ただし、昼食後から日が沈むまでは諏訪湖の言葉により自由に使えるようになっている。昼食前は卑弥呼の修行場となっている。

 

「ふぅ~!」

 

現在、卑弥呼と白い蛇が霊力強化と霊力操作の修行をしているところである。霊力を強化する場合、体の霊力を普通よりも速く流して体を循環させることによって、体の節々に霊力を宿らせることが必須となる。霊力を操作する場合、個人差があるが異例をのぞいたほとんどの人が物に霊力を流し込み、それを操ることによって精度を高める。亮介は卑弥呼の隣にいた、人ぐらいの大きさの白い蛇が気になった。

 

「諏訪子~、あの白い蛇はなんだ?」

 

「ミシャクジ様だよ」

 

「ミ、ミミャ。噛んだ、いてて。そのミシャなんたらってなんだ?」

 

「私の……そうだねぇ、友人であり、同僚みたいな感じかな? 私と同じ神様で、私と同じで祟り神だよ」

 

白い鱗に赤い目。舌は青く、睨まれたら普通の人間ならすくみあがりそうだ。ただ、ここにいる狼は神経が図太い。特にビビる様子もなく、近くに行く。

 

「よろしくな、ミシャクジ」

 

そんな彼の様子に白い蛇は驚く様子もなく、頭をペコリと下げる。そんなことをしているときに、諏訪子は卑弥呼の修行の手伝いを始めていた。先ほどと特に変わらない状況だったが、その修行の様子を亮介は顎に手を置き、珍しく考えていた。

 

「……なあなあ、二人とも。一つ提案があるんだけど」

 

「なにさ?」

 

「霊力強化ならいい修行法があるんだけど、どう?」

 

「どんなのですか!?」

 

卑弥呼のせがまれ、亮介は座禅をする。それをまねて、卑弥呼も座禅をする。

 

「そのまま目を閉じて、自分の能力の形をイメージするんだ」

 

卑弥呼は最近、能力を見つけたのである。それは『奇跡を呼び寄せる程度の能力』という能力で、彼女が念じた数だけ物体に奇跡を引き起こすことができるのである。ただし、どんな奇跡かはわからないし、いつ起こるかは分からないのである。

 

「形……ですか」

 

「簡単なんでいいから」

 

その言葉に疑問を持ちながらも彼女は瞑想を開始する。少しばかり霊力が集まったときに亮介は次の指示をする。

 

「次はそれをどんどんと複雑にしていく。そのあとその形をイメージしたままで、力じゃないなんかを体にまとわせろ」

 

忠実に指示を聞き、実行する彼女に濃い霊力がまとわれる。その様子に諏訪子は驚く。しかし、十分ほどで静寂はすぐに敗れる。

 

「ぷぁ!!」

 

いきなり汗だくになり、倒れる。諏訪子はさらに驚く。

 

「な、何をしたんだい亮介!?」

 

「特別な修行法だ。霊力の強化できる量はでかいが、疲労感が尋常じゃない。俺でもこれは二日続けられるかどうかだからな」

 

「相も変わらず規格外だね……」

 

「これを一時間やってたら結構霊力着くぞ。あと神力も」

 

その言葉に少し反応する諏訪子。

 

「ほんと?」

 

「おう」

 

「じゃ、卑弥呼。私もやるよ」

 

諏訪子の隣に座り、同じことを開始する。そんなとき、亮介は腹が減ってきたのを感じた。

 

「お~い、神社でなんか食っていいか?」

 

「握り飯を作ってあるから、それを食べて」

 

「あい~よ~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○ 洩矢神社内……。

 

神社の中にある台所へ歩みを進める亮介。しかし、その途中で何かの気配を感じる。

 

「……なにものだ?」

 

居間の障子を勢いよくあける。だが、何者かは逆側の障子から外に出ており、時すでに遅し。そして、机の上に置かれている手紙を見つける。

 

「手紙?」

 

そこには開けるとこう書いてあった。

 

《主ら、諏訪大国の信仰と人民、土地全てをを我ら大和に献上せよ。もし断るのなら我らの軍神や他の神たちが持つ全戦力を持って、貴公らの国に攻め込み、貴公らのもとにいる民たちが血で濡れるであろう》

 

「大和……」

 

その言葉は無知な亮介も聞いたことがあった。西の国々を統一しているという大国の名前だ。ここからもそう遠くない場所にあり、侵略の対象になりそうだったのは確かである。

 

「どうしたんだい、亮介!? 殺気を感じたけど!?」

 

諏訪子、卑弥呼、ミシャクジここに住んでいる者全員が神社に集まってきた。そして亮介は先ほどあった出来事を皆に話す。顔を苦そうにしたのは諏訪子である。

 

「ついに来たか……」

 

顔に覚悟の色が濃く見える。卑弥呼もことの大きさを分かっているのか、普通はしないような真剣な顔をしていた。

 

「どうする気だ、諏訪子。理不尽すぎる内容だが」

 

「受け入れる気なんてないよ。けど、ここが戦場になるのは好ましくないね」

 

「……なら俺が交渉に行こう。それが一番いいだろ」

 

亮介が提案がする。その言葉に反応したのは卑弥呼。

 

「危なくないですか!? 亮介さんに何かあったら……」

 

「簡単には死なねぇよ。久々に楽しめそうだ。キシシシシ」

 

珍しく全力の笑顔。その笑顔の奥に潜んでいる感情を感じ取ったのは諏訪子だけである。

 

「……!!」

 

背筋が凍るような感覚を受ける。狂気じみた戦闘の要求。そんな感情が湧きでる時点で、異常である。改めて彼が化けものだと感じた彼女であった。そんなことを考えているときに亮介は二話に出て、しゃがみ込む。

 

「早めに帰ってくるさ。『限破(げんは) 異常発達脚《アブホッパー》』!!」

 

足の筋肉の限界値をゼロにし、思いっきり大和の国がある、西に跳ぶ。卑弥呼たちはその蹴りから出た風圧で、目をかばって恐ろしいほどのスピードで跳んだ彼を見失った。

 

「待ってろよ、大和の国よぉ!!」




意見でも何でもいいので、感想を書いてくださ~い!!
では、また。
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