東方雲狼劇   作:鏡狼 嵐星

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だぁいよぉんしょぉうかぅいしぃ。
テンションあがりにあがってま~す。

響を描いてみました。服は月の都あたりかなと。

【挿絵表示】



五章 飛鳥〜聖徳太子の兄〜
次に向かうは法隆寺 *


諏訪大戦から百と数十年が経過し、響と亮介は最高神が集まるとされる大和の国の最上位に属する三人の神にその存在を認めさせたとしていっきに有名になった。響は妖怪と神の中で剣と知最強『紫死雲外鏡』という異名がつき、亮介は拳と力最強とされ『紅黒零狼王』と呼ばれるようにになった。今現在、彼らはある山で食糧を探していた。

 

「響~、結構でかいやつしとめたぜ~」

 

「おう、お疲れ」

 

ある山の洞穴に巨大な熊を引きずる亮介と火を起こしている響がいた。響は手慣れた手つきで熊をさばくと肉を焼き始めて、皮を棒にかけて乾かし始めた。少し時間がたつと熊の肉から肉汁がが落ち、焦げ目がついて良い焼き具合になる。

 

「「いただきます」」

 

亮介は一番でかい肉をとって勢いよくかぶりつき、響は小ぶりなものをゆっくり楽しむ。亮介が彼の体ぐらいある巨大な肉を半分ほど食い終えたぐらいに、響は自らの近くに小さな円形上の鏡を浮かしていた。

 

「何してんだ?」

 

「情報を集めてんだよ……。ん? お、いいニュースがあるぞ」

 

肉を食べながら鏡を見ていた響がある情報を見たときに驚きの声と歓喜の声が混ざったような声を上げる。亮介が肉にかぶりつきながらその鏡をのぞくとそこにいたのは亮介もよく知る人物だった。

 

「卑弥呼に台与じゃん!! なんで?」

 

「半神化した二人が神奈子と諏訪子を見習って、二柱として神社を持ったことで完全に神になったらしい。やるじゃん、ふたりとも」

 

そこにのっていたのは大人となり、美貌もさることながら神力が鏡越しでもわかるようになった二人の姿であった。諏訪大国を出て十数年したころに卑弥呼も神力を持ち始めて台与とともに半神化したのだ。立派になった二人のそんな姿を見て響も亮介も笑った。

 

「……!! そろそろかね。亮介、その肉を食っていいから移動する準備をしてくれ」

 

ある情報欄を見たとき、響は持っていた肉をすべて食べて亮介に提案した。亮介は考えることを響に任せているので余っていた肉を一気に口に詰める。

 

「んぐんぐ……これから……んぐんぐ……どこへいくんだ?」

 

「行ってからのお楽しみさ」

 

響は棒ごと皮を鏡に入れて洞窟の外へ出る。亮介は今まで取ってきた獲物の皮を洞窟の奥から持ってきて響に渡す。響はその皮をさらに鏡にしまう。

 

「ちょっと遠いからお前は走れ」

 

響は翼を大きく広げて後ろに少し飛んだあと、目にもとまらぬスピードで空を飛んだ。それを見て、亮介は少し柔軟した後に四つん這いになり筋肉を収縮させて、一気に解き放つ。地面を風のごとく駆け抜ける。数分土煙が上がった後には二人とも見えなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○数時間後……。

 

二匹の妖怪は現在、ある町のすぐそばにある切り立った崖の上にいた。その町は活気であふれていて、村人たちは一生懸命に働いている。その町の中でも特に目立っているのは崖の全く逆に存在する寺だ。町に存在する場所の中でもずば抜けて広く、その中にいる人物の服装は村人に比べて随分豪華だ。特に中央に立つ五重塔と本殿であろう建物は神々しさまで感じられた。

 

「なんかすっげえ場所だな~」

 

「そりゃそうだろうな。向こうの世界では世界最古の木造建築とされてる建物だし」

 

この言葉を聞いてすでに分かった人は大勢いるだろうが分からない人物が一名ここにいるため、響はわざわざ名前を出して答える。

 

「『法隆寺』。俺の行きたかった場所でも有力候補。それに〝聖徳太子″にも会えるからな。楽しみだ」

 

響は翼を霧散させて人間と化す。亮介も力を込め、人間に化ける。響から案でお金を手に入れるために、熊などの獣の皮をもらって、二人で背中に背負う。

 

そのまま旅人のような状態で町の中へ入っていく。響の予想道理で、二人の背負う皮を見た行商人らしき人物が売ってくれと頼み込んできて、それを大金で売った。

 

「完全にお前の予想道理になったな。まったくお前頭どうなってんだよ」

 

「ただ仮定を考えるだけだ。誰でもできる」

 

「いや、そんな簡単にできねぇよ。……それにしても腹減った。なんか食うもんないのか?」

 

「そうだな。そこに売ってる焼き魚でも買おうか」

 

響と亮介は近くにある焼き魚を売る店に近づき、二尾の焼き魚を要求した時に店の店長と思われる人物が奇妙な声を上げる。

 

「……ん、亮さん? 亮さんじゃないかい!?」

 

「「……うぇ?」」

 

いきなり名前を呼ばれた亮介はもちろん、論理的に考える響ですら変な声をあげてしまう始末。そんな二人を置いてけぼりにしている店長はその店の中に入っていき、大声で亮介のことを話していて、そのことに先に気がついたのは響。

 

「ど、どうなってんだ……?」

 

考え込む響に亮介は数秒遅れて頭が追いついたらしく、あたふたし始める。亮介については店長から身内などいろいろなルートで鼠算式で広がったらしく、十数分で人々でごった返し始めて二人は茫然としていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから一時間たって亮介と響は大きな屋敷に引っ張られていくように連れてこられ、宴会に似たものが開催されていた。

 

「……なぁ、響さぁ、これどうすんの?」

 

「俺も考えられん。こんなこと初めてだからな……」

 

酒が継がれた盃や食べ物が並べられた皿に一切手を出さず、茫然としている二人に店長が詰め寄ってくる。

 

「どれだけ食ってもかまいませんで、お二人さん。どんどんいっちゃってくださいな」

 

そんな感じで持っていた酒の入ったとっくりを向けてくる店長に対して亮介は疑問に思っていたことを暴露した。

 

「なぁおい、聞きたい事があるんだけど」

 

「へい、何でしょうか?」

 

「俺さ、お前らのこと一切知らないんだけど」

 

その言葉を聞いて宴会で盛り上がっていた人たちが一気に静まり帰る。響は見ても分かるくらいに頭をうなだれている。だが、彼の場合は亮介の行動に呆れているだけなのだが。

 

「……あの、どういう……」

 

「いや、俺は今までここに来たことないし。俺は〝亮″は〝亮″でも〝亮介″だから」

 

「「「「「「……」」」」」」

 

その言葉を信じられないがごとく固まってしまった人々に対して、ため息をつきながらも亮介の行動に響が助け船を出す。

 

「こいつの名前は清水 亮介。俺は北川 響っていうものだが、俺とこいつはガキの頃から友人なんだ。俺たちははるか南東にある町から来たんだが、俺もこいつこんなに外に出るのは初めてで、君たちがこいつを知ってるわけないはずなんだが……そこについて説明してもらえるかい?

 

響の言葉でやっと理解できたのか店長の妻らしき人物が、自分たちの疑問が伝わるであろう響に質問をする。

 

「ほんとに亮さんじゃないのかい!?」

 

「あぁ、俺が補償しよう」

 

その言葉に周りの人々が見ても分かるぐらいの黒いオーラを出す。

 

「いや、すぐに言わなかったことは謝る。それは俺等にも非があったわけだし。後で金は出すから安心してくれ」

 

あっさりと言う響に顔を上げる人々。そして、店長とその妻と思われる人が二人に対して勘違いしたことについて謝罪してきたが、響は同じことを言って非はないとしてお金も払った。皆が少し落ち着いたところを見計らって、響は最も分からなかったことを聞く。

 

「一番分からなかったことなんだが、亮介と勘違いした〝亮″って人物は誰なんだ?」

 

「……俺等の言う〝亮さん″っていう人物は奥にある『法隆塔』の役人だった人でね。俺たち下級に位置する町人にも優しい人だったんだ。あの人が行政の半分以上を行ってくれたから、今の俺等があるんだよ」

 

店長が力説をしてくれたので響も亮介もまじめに聞き始めたがすぐに表情を暗くした。

 

「だけど四年前、丁未(ていび)の変で物部氏と蘇我氏が戦った後になぜか旅に出ちまって帰ってこないんだ。亮介さんは亮さんにすごくそっくりだからてっきり……」

 

亮介はそれなら仕方ねぇなぁと呟いていたのに対し、響はまだ心残りがあった。もしかしてその人が聖徳太子じゃなかったんじゃないかと。

 

「その人の役職は?」

 

「大徳だよ」

 

店長の妻らしい人の言葉で響は安堵する。聖徳太子が定めたとされる『冠位十二階』最上位に属する大徳でも聖徳太子は属さず、例外の皇太子の位置にいたはずなので〝亮″という人物は聖徳太子ではないということである。

 

「最後に。その人の名前は?」

 

「その人の名前は豊聡耳(とよさとみみの) (りょう)。豊かな(さと)い耳と書いて豊聡耳だよ」

 

その名前、漢字を聞いてひとつの可能性が浮かんだ。その可能性が誤解なら杞憂に終わるが、正解なら……。

 

「おい、亮介」

 

「なんだ?」

 

「今回、おっそろしく面倒な事になるかもしんない」

 

「……なんで?」

 

「この時代で〝豊聡耳″という名字がつく人物は一人しか思い当たらない。十人の言葉を同時に聞いてその言葉を全て聞きわけたあの人物しかな」

 

その言葉が終わらないかどうか分からないぐらいの時に屋敷の今の障子が勢いよくあけられる。中に入ってきたのは大きく息を荒げた少女。少女はベージュに近い色で二か所対照的にぴょこっと耳のように浮かんだ髪とピンクと紫を主調とした服、黒を基調とした金色の線で彩られたベルトと剣を腰につけ、片手には先が広がっていて持ち手は狭まっている木の棒を持っていた。

 

「……ハァ、杞憂じゃ終わらなかったぽいなぁ」

 

響がそうつぶやく。彼が予測した通りに店長たち町の人々が大声で叫ぶ。

 

「太子様!?」

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