東方雲狼劇   作:鏡狼 嵐星

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すいませんっ、少し遅れました!!
学年末試験があり、やる暇が……。はい、いい訳です。すいません。
では、また。


妖怪は敵か、味方か、それとも……

「水銀、ですか。聞いたことありませんが……」

 

「そりゃそうだ。これが発見されているのは西洋の有力な国や隋ぐらいなもんだ」

 

神子の疑問に軽く答える。青娥は予想道理というような顔で、その様子を見ていた。

 

「やはり知っておられたのですね。そうです、これは水銀。私たちは丹と呼んでおりますわ」

 

青娥は目の前の入れ物に入った液体を全員に見せるように持って中身を見せる。

 

「……これ飲めるのか?」

 

亮介が真っ当な質問を投げかける。

 

「普通に考えて飲めるわけないだろ。というか体を腐らせるって言ってるんだから、毒に決まってるだろ。…………元からの毒性も圧倒的に強い。素手で触るのすら駄目なほどだ。しかもそれに気を練ってあるんだろ? 痛みは尋常じゃないはずだ」

 

俺は睨みつけるように水銀の入っている入れ物を見る。効率優先ならこれを飲む以上に有効な手はない。だが、それを補って余りあるほどの危険が伴う。秦の王、始皇帝もその危険に飲まれた一人。水銀の毒牙にやられ、尸解する前に天に召された。

 

「心から尸解仙になりたいなら飲むといい。ただ、屠自古がいやならやめてやることだな。…………まぁ、あいつが怒っていた理由はあらかた俺等が原因だろうが」

 

もし、これを飲むのなら近くにいないほうが自分の身の為でもあるし、こいつらの為でもある。俺は立ち上がり、部屋を出ようとすると

 

「どこ行くんだ?」

 

「少しやることがある。隣で見ていてやるか、見ないでおくかはお前で決めろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響が言っていたこと、『屠自古がいやならやめておくんだな』。私はその言葉が気になって仕方がない。響と亮介が来てから、彼女は少し尖っている。しかたないと言えば仕方ないのだろうか。

 

「……太子様? 顔色が優れませんぞ?」

 

布都が心配そうに見上げてくる。一言謝ってから、自分の部屋に向かう。青娥と布都はそこに残っていましたが、亮介はついてくる。

 

「どうかしましたか?」

 

「いや、なんかキリキリしてんなぁって思ってさ。……屠自子のことか?」

 

私は頷く。

 

「そっか。たぶん俺らだろうなぁ、原因」

 

「そ、そんなことは「いい、気にしてないし」……」

 

亮介は頭を掻いて、頭をひねったりしているが、やがて一つの結論に至ったのか手を打つ。

 

「なぁ、屠自子が俺等を嫌う理由って何があるんだ?」

 

「…………簡単にいえばあの子の能力の能力の発現は、妖怪が大きくかかわっているんです。母親を殺されましてね……」

 

「……それじゃあ、俺はどうしようもねぇな~。どうせ、妖怪は意味嫌われてる存在だし、仕方ないか」

 

亮介はそういうと、手を挙げてきた道を戻っていく。その背中は少しさみしそうだった。

 

「私がなんとかしなくては…………」

 

ここをまとめる責任者として、四人の上司として、仲間として。

 

「よし!」

 

私は覚悟を決めると歩き出した。彼女は自分のいやなことがあると、決まってある場所に向かう。私にだけ教えてくれたあの場所に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「母様…………」

 

私がいるのは私の母の墓の前。法隆塔の真後ろにある森の一番奥にある、切り立った崖の前に立っているただの十字の木の棒。けど、私には何よりも大事な場所。ここの場所を知っているのは私と太子様だけ。

 

「私はどうしたらいいのだろうか……」

 

私の母を殺したのは妖怪。だが、私が忠誠を誓った人が信じようとしているのも妖怪。あいつらは確かに悪い奴ではないだろう。悪い奴なら一年も下につかないだろうし、町を救ったりしない。

 

「あいつらを本当に信じていいのだろうか……」

 

私が物思いに耽っていると、

 

「屠自古っ!!」

 

私の信頼する人の声が響く。太子様は私の前に汗だくの顔で走り寄る。膝に手をつき、息を整える。

 

「ど、どうされたのですか、太子様!?」

 

太子様は顔を上げると、胸に手を置き、深呼吸をする。

 

「屠自古。悩みがあるなら言ってください」

 

私の目を真っ直ぐ見て言う。その真剣な目に思わず言ってしまいそうになるが、太子様に変な心配をかけるわけにはいかない。

 

「いえ、何もなければここに来ないでしょう? あなたが何か考え事をするときは決まってここにいるじゃあありませんか」

 

「それは…………」

 

私は口ごもる。

 

「響と亮介のことでしょう? わかってます」

 

私は太子様の顔を見れずに顔をそらす。自分の考えていることを的確に当てられて、本当はうれしいはずなのに心の中に黒い塊が浮いているように気分が良くない。

 

「……二人をここに置いておくことは私が決めたことです。だから、あなたが悩むことはありません。私に遠慮なく言っていいんです。いえ、言ってもらいます。そのことについては私の責任でs」

 

「これは、私の問題です!! 太子様は関係ありません!!」

 

私がついに耐えられなくなった。しかし、すぐに自分の言いすぎたことに気づく。

 

「……やっと、悩みがあることを言ってくれましたね、屠自古」

 

怒ることもなく、むしろ満面の笑みで私に語りかけた。そして、私に抱きついてきた。

 

「あなただけで抱える必要はありません。私にも背負わせてください」

 

太子様の言葉を聞いた瞬間、私はもう耐えられなくなった。

 

「くうっ、くっくっ、ううううううぁぁぁぁぁああああ…………」

 

私はしばらくの間、太子様に泣きついていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

屠自子は何かを吐き出すように私に抱きつきながら泣いていた。

 

「ひぐっ、すびばせん……」

 

「いえ、気にしないでください」

 

鼻と目の下を真っ赤にして、謝ってくると屠自古は少しかわいかった。

 

「さて、そろそろ帰りましょう。日も暮れてきましたし」

 

私の言葉に屠自子は鼻水をすすりながら、頷く。

 

「……………………ん? 何か聞こえませんか?」

 

屠自子の言葉に耳をすませると誰かの話し声が聞こえる。

 

「……が……て…………お……かい……」

 

断片的にしか聞こえないが、その少し高めの男性声を聞いたことがあった。

 

「響?」

 

声を頼りに屠自子と歩いていく。すると、ある洞窟の前に響が座りこんで何かをしゃべっているようだった。

 

「あいつは何をしているんだ?」

 

「分かりませんが、誰かと会話している、のでしょうか?」

 

そんな会話を小声でしていると、いきなり響が笑いだし、洞窟の入口の中にいるだろうが響とそう遠くにいないであろう謎の人物の名前を呼ぶ。

 

「なぜ、あんたを見つけられたかだって? あんたが助言と証拠を残して行ってくれたからだろ? 亮さん(・・・)

 

「「……えっ?」」

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