次から平安時代だぜ、ヒャッハー!
最後のほうはちょっと下手かな? にやにやしながら見てくださいな。
「で、どういうことか説明してもらおうかしら。響?」
「……ぁー」
よっす、亮介だ。俺は響に言われた通りに、やってきたバルバトス家の兵隊たちをぶっ飛ばした後に、グランの家のグランの部屋に戻ってきたんだが、なぜかミニーアが響の喉元に『ダーインスグレイヴ』を向けている。
「何してんの?」
「亮介は少し黙ってって」
いきなり口封じされた。解せぬ。グランがいないのかと探してみると、ベッドの上に少し表情が優れないグランが寝ていた。……マジな方で何があった?
「俺も詳しくは知らない。俺はあくまであいつにバルバトス家に抵抗する手段を出しただけだ」
「ふざけないで!! 手段だけであんな力がどうやって手に入るの!? グランが顕現させた『ルキフグス』は魔王! 一吸血鬼、しかも妖力を扱えないグランが顕現させるってどういうことなのよ!?」
おいおい、『ルキフグス』ってなんだよ。かっこいいなぁ、それ。つーか、お前らだけで話進めてんじゃねえよ。
「どういうことか、説明求むぞ。響」
「……お前は先にこれを見とけ」
響が一枚の鏡をこっちに飛ばしてきた。片面が白いこの鏡は確か『
「わぁお」
わーまさにグラン無双。身長でかくなってるし、何この斧怖っ。つか強っ。吸血鬼食うとかどんな武器だよ。あっ、響出てきた。最後にグランが屋敷ごとフッ飛ばしながら、パズズ食った。
「……グランってこんなに強かった?」
「そんなわけないでしょ!! 響が何かしたんでしょ、違う!?」
あいかわらずグランが関わると性格変わるんだから。まったく出来たての恋人かよ、お前ら。
「わかったわかった。俺が分かる範囲で説明するよ」
響が肩をすくませてお手上げのポーズをした。女って怒らせると怖いもんな。
「昨夜、おれはある条件でグランと交渉したんだ。昨日のミニーアの晩のことを盗聴してたのを交渉材料にしてな」
ミニーアが眉を寄せた。あっ! 盗聴してたのって耳に指突っ込んでたあのときか!!
「おれが出したグランの利益は昨晩の身にあの様子を知れること。俺が出した俺の利益はある鏡の実験をすること。その鏡がある意味抵抗する手段だ」
「……その鏡の名は?」
「『
は? 響が創ったんなら響が創造主のはずだし、創られた側がそんなことするわけ……。
「どんなところにも
そんなことを平気で言った響に当然のように、つか絶対こうなると思っただろうけど響につかみかかった。
「なぜそんな危険なものをグランに!?」
「おれは一応忠告したぜ? 圧倒的な力を持つゆえか交渉内容に文字通り限界がない。だから力でも、名声でもなんでも交渉次第で手に入る。だが、命も今後も保証できない。そうグランに言った。グランは迷わず使ったぞ」
ミニーアは手を響から離した。少しシュンとした表情はなかなかかわいいな。ウエディングドレス着たまんまだけどきつくないのか、あれ。
「……その鏡は今どこに?」
「グランの中だ。現在進行形で交渉を続行してるんだろう」
その時だった。グランがいきなり飛び起きた。ほんとうに一瞬で。
「グラン、大丈夫!?」
おかしいな、目がうつろだ。……操られてるのか?
「交渉終了ヲ確認。原型ヘト変化シマス」
グランが片言でしゃべったあと、体の心臓あたりから紫色の塊が出てくる。それはどんどんと形を変えててかがみみたいになった。けど、外枠華美だなこれ。あと鏡そのものも真っ黒で像すら写らない。
「あれ、ここは?」
「グラン!!」
「ひゃぁ!? ミ、ミニーア、何してるの!?」
目が元に戻って言葉を発したらミニーアが思いっきりグランに抱きついた。うらやましいな。
「グラン、気分はどうだ?」
「悪くはないよ。少し変な気分。なんかまだ力が残ってる感じ」
「そりゃよかったな」
響は空中に浮いてる華美な黒鏡を自分の手に移し、手を少し振った。響の目の前に立体映像のような青い文字が浮かび上がる。それを見た響が表情を暗ませる。
「お前、とんでもないものかけたな」
「……今でも惜しいと思っているけど、後悔はしていない」
視線で何をかけたのか響に尋ねる。
「記憶。それもお前の有数の幸せな思い出。確かに供物としては最高の部類だな。これならお前の尋常じゃない強化も納得できる」
ミニーアの表情が変わる。忙しいやつだな。まぁ、咎めはしないが。
「なんでそんなに……」
「ミニーアを助けたかったから、と言いたいけどほんとうはバラムに取られたくなかったから、かな?」
「んにゅッ!?」
顔を真っ赤にいてミニーアが押し黙る。かわいい悲鳴だねぇ。
「グラン、一応聞いておこう。これで俺のほしかった権利はいただけるのか?」
「もちろんだよ。むしろもっと要求されてもいいのに」
「いや、俺はそれだけでいい」
あんな権利もらってどうするんだ? 原作知ってるなら確かにほしいものなんだろうけど。
「最後に説明しておくぜ、グラン。今回の
「何も説明することはないと思うけど、何?」
「あのゲームはパズズが若い時に提案されたものだったんだ。だから、バルバトス家の書庫を少しばかり調べてみたんだが、あいつが発行したルールブックに少々仕掛けがあった」
グランの家にあった本と多分パズズのところにあったであろう本を鏡から出す。んー、確かにちょっとなんか違うような……。
「グランの魔本にはパズズの持っている魔本からある程度の改編を行われるようになってる。それを怪しまれないような錯乱の魔法も仕込まれてる。これによってパズズが少しだけルールを改編してもばれないようになってる」
「なんですってッ!?」
あ~なるほど。それならあれだけ権力を持ってんのも理解できるな。
「今回変換されていたルールは〝権力譲渡〟について。グランが賭けた全権利を完全に自分のものにするために、『その家の跡取りがいなくなった場合、完全に吸収できる』というルールを追加している」
「響さん、別にルール変えても意味ないんじゃ……?」
「基本、
あの~、意味が分からないんですが、誰か分かりやすく説明してくれませんかね?
「だが、今回跡取りがいなくなったのはバルバトス家のほう。結果、スカーレット家はグランが要求したもの以外にバルバトス家の権力も完全吸収したってわけだ」
俺の頭の要領超えてるのを分かってるのか、響は微笑をこっちに向けた。わかってんなら説明しろよ。ちくせう。グランとミニーアは顔を固めてる。なんかこの光景何度も見てる気がしてならない。
「本当はここに似たような状況にするのが俺の筋書きだった。だが今回は『
響が虚空に消えた。『
「後遺症かはよくわからん。グラン、お前、力が残ってる感じがするって言ったな」
「う、うん」
「これ見てみろ」
響はグランの頭に置いている手と逆の手を開く。すると、弱小妖怪並の小さな妖力の玉が一個浮いた。ちっさい。
「今、俺は一切妖力を使ってない。これの意味は単純だ。グランに妖力が宿り続けてるということだ」
い!? マジかよ。それって拒力症を克服してるってことかよ!?
「どうゆうことなの?」
「正直俺にも分からない。この鏡は分からないことが多すぎる。拒力症もおれ自身完全に分かっているわけじゃないが、『
なんで疑問形なの? お前が珍しい。
「全てまとめると、グラン・スカーレットはバルバトス家の権力を吸収し、四王貴族より上に近い権力を手にした。さらには妖力を扱えない体から妖力を使える体になったというわけだ。たった一日の人生逆転劇、どこの物語だよ、まったく」
まとめてくれたおかげである程度分かった。……本当にどこのスーパーマンだよ。
「さて、ほしいものは手に入れた。ここにいる理由はない。短い間だったが世話になった」
響が人と同じサイズぐらいの姿見を創りだす。こちらに手を向け、動かす。こっちへ来い、か。へいへい。
「お礼すらさせてもらえないのかい?」
「また、来るときに。とだけ言っておくさ」
響はグランに向くことなく、左手を上げ、鏡の中へはいって行った。さて、俺も行くか。
「あっ、ひとついい忘れたぜ、グラン」
これは言っとかないと閉まらないな。
「告白するなら男からだぜ?」
おーおー、真っ赤になってるなぁ。これだから純情いじりはやめられないな。
○
りょ、亮介さん、いきなり過ぎだよッ! ミニーアも顔真っ赤だし……。
「あ、えっと、ミニーア、その」
言葉がつながらない! どうしよう~。
「グラン……?」
ミニーア、そんな赤い顔で見つめてこないで! 恥ずかしいよぉ。け、けど、亮介さんがチャンスをくれたわけだし、やるしかない!
「ミ、ミニーア! 聞いてほしことが、あるんだ」
「な、なに……?」
「ぼ、僕とけ、結婚、いやそこまで言わない! けど、付き合ってもらえますか……?」
思わず下を向いてしまう。これでふられたらって思うと、う~、考えたくない~。
「グラン、こっち向いて」
「は、はムグッ!?」
顔をあげたらキスされた!? ちょ、ミニーア、舌を入れないで! 力じゃ負けるから、うわっ!?
「ハァハァ……/// グラン、私はあなたのことが好き。約束をしたあの時からずっと」
息を荒げたミニーアの顔が色っぽい。馬乗りになってるから顔が近い……。
「僕も好きだよ。いつからかは分からないけど、長い間」
ミニーアが唇を重ねてきた。舌を重ね合い、何度も熱いキスをした。
「グラン、あなたの愛が欲しい。熱いのが欲しいわ///」
「……や、優しくしてね///?」
僕はその一日、ずっとミニーアと愛を育んだ。これほど幸せだと感じたことはなかった。もし、響さんと亮介さんが来なかったら、こうはならなかっただろう。次に来たときはもう勘弁してくれといわれるまでもてなしてあげるから、覚悟しておいてね?