東方雲狼劇   作:鏡狼 嵐星

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超遅れました。土下座します。マジすいません。
高校の初回テストの点数で心折れました。泣きそうです。
どなたか勉強を教えとくれ~~~~。


助けられ、会えないと思われていた自分の育て親

赤い紅葉の団扇が振るわれ、強風が巻き起こる。しかし、その風を黄色の龍を模倣した脚が叩き割る。地面に着地した龍の脚を持つ少年は、思いっきり地面に脚を叩きつける。

 

「『龍脚地変(りゅうきゃくちへん)ー!!」

 

地面がひび割れ、岩の柱が幾つも吹き出す。しかし、団扇を持つ青年は自らの真骨頂であるスピードを活かし、逃げ切る。

 

「なかなかやるねぇ。ここまで僕と戦っても耐えた人に会うのは久しぶりだよ」

 

「ふーん? じゃあ、ここの人たちは戦闘技術低いんでーすね。自分は能力で力を補足してるーだけですし」

 

じりじりと互いに間合いを測る。だが、戦いの初心者と熟練者とでは測るスピードも制度も違う。久遠のほうが先に動く。

 

「『風神一扇』」

 

風というよりカマイタチと言える斬れる突風。一歩で遅れたミライトは少し反応に遅れる。

 

「ッ!! 『龍眼魅抜(りゅうがんみばつ)』!!」

 

ミライトの両目の瞳孔が一気に細くなり、蛇のように変わる。蛇の鋭い洞察力により、最も有効なよける場所を見つける。そこに体の軸をわずかにずらし、致命傷を避ける。

 

「ぐーぁ!?」

 

そのまま吹っ飛ばされ、木々をなぎ倒しながら止まる。

 

「かふっ、けはっ、つらーいですねー、これ。痛いの嫌ですし、ちょろっと本気出しますか。『龍爪襲冷(りゅうそうしゅうれい)』!!」

 

ミライトの手の爪が水色に変色し、三十センチほどに伸びる。それに飛んでいる久遠に向け、跳び上がる。

 

「ていやー!!」

 

声の質はあまり真剣そうではないが、その動きは最初のころとは比べ物にならないぐらいに速い。

 

「まさか、鴉天狗最速の僕の動きについてくるなんて予想以上だねぇ!!」

 

「最速は天魔という人じゃないんでーすか?」

 

「速度だけは勝ってるだけさ!」

 

団扇と爪の乱闘が続く。すると、

 

「きゃぁぁぁぁぁ!!」

 

赤い物体が飛んできて、ミライトにクリーンヒット。

 

「わひゃぁぁぁぁ!?」

 

ミライトと一緒に地面に落ちた。

 

「いたたー、いったいなんですーか?」

 

ミライトは頭をさすりながら起き上がり、飛んできた赤い物体を見る。

 

「おやおや? 剛妙丸さんじゃないですか?」

 

赤い物体二見えたそれはくるまった着物で、そこから出てきた女性は疑問の目をミライトに向ける。

 

「あんたは?」

 

「ミライト・カオスっつーもんでーす。あなたと似たような境遇と考えてーいただけるといいかと」

 

「……つまり、あいつに巻き込まれたのか?」

 

「そーゆうことでーすね」

 

剛妙丸の手を取り、立ち上がらせる。久遠が空から降りてきて、一名の初老に届きそうな雰囲気を持つ白狼天狗の隣に胡坐をして浮き上がる。

 

「曙さんでしたか。相変わらずの鬼にも勝る剛腕で」

 

「お前も変わらない速さだな」

 

二名の妖怪と人外がにらみ合う。空気が重く圧し掛かる。傍にあった木の葉が落ち、地面にふれる。その瞬間に全員が動く。刀と扇子と龍の爪がぶつかり合うーーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆音、衝撃波、そして笑い声。普通は聞こえるはずのないものが聞こえる戦場。それもそうだろう、この地で力を持つ上位妖怪が三人暴れているのだから。

 

「『怪獣鬼(かいじゅうき) 豪壊角極硬脚(デスデリモッシャー)』ァ!!」

 

空に跳び上がった黒き狼である亮介は、脚を地面にいる鬼二人に向けて蹴りかかる。しかし、鬼の少女たちは左右に身を躍らせる。

 

「『ミッシングパワー』!!」

 

自らの体に鎖が巻かれ、その端に球や三角錐などがくっついている少女は一気に巨大化。空にいる亮介に向けて手を振りおろす。

 

「うわ、やべっ」

 

空中で踏ん張ることは不可能。その状態で力を出すならば、勢いを無理やりに発生させてそいつを打ち込めばいい。

 

「そぉ、りゃっ!」

 

脚を横に振って体を回転させる。右足を振ったら左足、次は右とどんどんと交代で横に振る。独楽のように回転し、体をひねる。ある程度回転したら今度は脚や腕から妖力を放出。つまりは全方位に向けた断千霞是(タチカゼ)

 

「『殴伐衝(おうばつしょう) ()(クダ)クモノ狼皇帝(カイザー)』!!!!」

 

体をひねることによって型というものが存在しなくなるため、攻撃する場所を予測することはまず無理。拳の殴打、脚の斬撃が無差別に無慈悲に降り注ぐ。

 

「こりゃやばいね」

 

巨大化していた萃香は霧に、

 

「ハハッ、いいねぇ。こういうのは真正面から受けてこそだよッ!」

 

勇儀は拳に妖力を込め、亮介の打った殴打と斬撃を殴り壊す。

 

「『力』の名は伊達じゃないんだよ。『大江山颪(おおえやまおろし)』!!」

 

彼女の背後からも巨大な妖力の玉が出現して、亮介に向かい飛んでいく。しかし、途中で撃ち落とされる。

 

「ひょー、さすが。まだまだ楽しめそうだぜ」

 

回転していた方向とは逆の方向に向けて強めの妖力を飛ばす。そうすることにより回転を止めて地面へ降り立つ。

 

「あんたもなかなかだね。これじゃあ普通の鬼は敵わないはずだよ。まぁ、こっちは二人。違うかい、萃香!?」

 

「ああ、違わないねぇ」

 

亮介の周りに濃い霧が現れる。亮介はそれに反応し、後ろへ跳ぼうとしたが跳べない。

 

「うわ、めんどくさいやつだこれ」

 

「今だよ、勇儀!!」

 

「ああ!」

 

動けない亮介に対し、勇儀は右手を後ろに構えて走り出す。

 

「『怪力乱神』!!」

 

まともに亮介の顔面に決まるかと思われたその拳。しかし、そうそう甘くはない。亮介はニヤリと口をゆがませた。

 

「『零球(れいきゅう) 無環珠衝(リバーレス)』!!」

 

五メートルに及ぶ無に反す衝撃波が放たれる。勇儀はぎりぎりで気配に気づいて避けることができたが、亮介を抑え込んでいた萃香はまともにくらう。

 

「ぐあっぁあ!?」

 

萃香はそのまま気に叩きつけられ、気を失った。

 

「萃香!?」

 

名を叫ぶが反応しない。勇儀ですら少しかすっただけで肉をえぐり取られるような感覚があった。それを全身にくらっては立つことはできまい。

 

「大丈夫だ。ある程度加減はしてある。死んじゃいねえよ」

 

抑えられていたからだが自由になったからか、少し伸びをする。勇儀は改めて亮介に向き直る。

 

「それはありがたいね。でも、なぜだい?」

 

「もともと、誰も殺す気なんてないし。ただ楽しみたいだけだし」

 

それを聞いた勇儀は腹を抱えて大声で笑った。この仲間がやられた状況下で、だ。

 

「こんなに気の合う奴と会ったのは何年ぶりかねぇ? 母様と会った時以来だよ」

 

「母様? それってまさか鬼子母神のことか?」

 

「ああ、そうさね。鬼をまとめる方であり、最強の四人の妖怪の一人さ。鬼の四天王全員でかかっても勝てない。それぐらいの強さを持つ人さ」

 

「ほ~、そりゃあってみたいな」

 

「母様に会いたいのならあたしを倒してから行くことだね。いくよ」

 

勇儀がゆっくりと歩き、亮介と間合いを詰める。拳を扱うものとしては少し遠めの位置。おおよそ大幅で歩いて三歩ほど(・・・・・・・・・・)

 

「一歩」

 

勇儀が右足を出す。その瞬間爆発的に妖力が増える。それを見て亮介は右手を後ろに下げる。空気が震え、彼の手に紅黒い妖力が見え始める。

 

「二歩」

 

勇儀が左足を前に出し、右拳を後ろにそらすように体をひねる。さらに妖力が膨れ上がる。亮介も手に宿っていた紅黒い妖力が焔へと変わる。

 

「吹き飛べ、『四天王奥義 三歩必殺』!!」

 

「楽しませろよ、勇儀。『魔獣鬼(まじゅうき) 剛牙爪鋼鉄拳(デストロイヤー)(ソル)』!!」

 

拳と拳が巨大な音と衝撃波と共にぶつかり合う。周りにあった環境そのものごと全てを吹っ飛ばした。

 

「んっ、あぐっ」

 

空中に投げ出された萃香はどうにか体勢を立て直し、地面に着地する。遠目に二人の人物が立っている。

 

「ひゅ~、まさかうち消されるなんて思ってなかったなぁ」

 

「はぁ、はぁ、はぁ……」

 

右手を払うように振るう亮介に対して、息が切れている勇儀。どちらが勝ったのかは明白。

 

「ここまで強いとは思ってなかった。これはお前らにとっての無礼だ。お礼に本気見せてやるか」

 

亮介が体を丸めて、獣そのものの体制になり、あらゆるところから血がにじみ出す。同時に紅黒い妖力が液体のように流れ、水にぬれた幽鬼を彷彿とさせる。

 

「『紅ク濡レルハ黒イ狼牙ヲモツ狂戦士(ハウルフ・オブ・バーサーカー)ァァァァ!!!!!』

 

妖力だけで地面が震える。妖怪ですら恐怖してしまうほどの圧倒的であり純粋な力。それを見て二人は察する。勝てないと。

 

「お前、まさか、紅黒零狼王、なのか……?」

 

「ご名答! 力と拳最強としてあんたの心意気にこたえて全力でやるとしようか」

 

地面に向けて拳を一撃。地面がひび割れ地割れが起きる。

 

「まぁ、俺の目的は元から最強の二人と戦うこと。こっから行くか」

 

「その必要はないで。あてから来たわ」

 

亮介が見上げた空にいたのは、普通の鴉天狗よりも巨大な漆黒の翼をもった一人の女性。長い灰色の髪を揺らしながら地面に降り立ち、キセルを吹かす。

 

「あてが天魔。個人名は灰神流(かいかんな) 天奈(あまな)や」

 

「超美人だな。すげえ」

 

「褒め言葉にしては単純すぎやしやせんかえ?」

 

亮介の言葉にうれしいのか笑いながら答える天魔。しかし、空気は張りつめたまま。

 

「確かにそうだな。んで、相手してくれんのかい?」

 

「いんや、停戦を持ちかけにきたんや。あてはあんたに勝てへんやろうしな。それに……」

 

キセルの煙が空へと上がる。それにつられて空を見上げた瞬間、全員が息をつまらせる。それもそうだろう、空中に自分たちが見上げている姿があったのだから。

 

「はぁ!? な、何がどうなってる!?」

 

「響の鏡か。でけぇな」

 

「この鏡見たら、あいつがかってに技を発生させたであろう奴のところへすっ飛んでったねん。あても何がおこっとるのかよう分からん」

 

〝あいつ〟というワードに反応したのは勇儀と萃香。

 

「か、母様が!?」

 

「という訳や。あては戦いの意思はない」

 

天魔の意見に亮介はため息を漏らし、自らの強化状態を解除する。

 

「停戦だからな。あんたとはやってみたいもんだ」

 

「せやな、停戦や。言葉どおりな」

 

天奈と亮介は天を覆う鏡の発生地、つまり響がいるのであろう方向へ視線を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少しさかのぼる。山の中を目にもとまらぬ速度で移動しながら、自分の獲物をぶつけあう二人。一般的な金棒より細いものを全力で叩きつけるが、銀色の剣はそれを下から弾く。

 

「このスピードについてこれるのか。まぁ、ある程度の実力はありそうだな」

 

「逆にお前はこれだけのスピードしか出せないのか? それなら『速の鬼』が聞いてあきれる」

 

「ほざけッ!! 『風貫(ふうかん)〝群青〟』!!」

 

日向雅(ひゅうが)の周りに濃い青の妖力が現れ、スピードが上がる。それは響をも超えるスピードで。

 

「……ッ」

 

一瞬の加速に、響が『鏡の世界へと続く道(ミラーウィッシュ)』で逃げざるを得ない状態となった。しかし、逃げるだけの響ではない。鏡に入り込む直前に大量の妖力弾をまき散らす。

 

「そんなもんが夏箋(なつふだ)守界(しゅかい)に効くかよ」

 

しかし、日向雅はその加速状態のまま妖力弾の中へ突っ込む。爆発は起こったもの、彼の体は少し揺れただけで傷一つない。

 

「……硬いな」

 

日向雅から離れた場所で鏡から響が出てくる。そして、離れた場所に出た理由となる茨木夏箋を発見し、斬りかかる。

 

「無駄です。私の守界には通用しない」

 

夏箋の周りに存在する薄いピンク色の結界。日向雅の周りにあったそれと同じであり、響の魔剣ラグナシアの切れ味をもろともしない硬さを持ッている代物であった。

 

「本人を狙っても意味ないぜ!!」

 

背後に瞬時にあらわれた日向雅に金棒で殴られ、吹っ飛ばされる。しかし、吹き飛ばされた瞬間に体を立て直す。

 

「面倒な組み合わせだな、まったく」

 

「戦いにおいて速さと守りで上回れば負けはない。違うか?」

 

日向雅の一言にため息をついて、やれやれという雰囲気を出す響。鬼二人が眉をひそめると、響は言った。

 

「確かに負けはないだろうが、つまり勝ちという訳じゃない。それだけ言っておく」

 

「負け惜しみか? くだらん、夏箋、決めるぞ!!」

 

日向雅加速し、金棒で響の頭を振りかぶったその時、

 

「『模像倣(もぞうほう) 重力倍々化(ハイパーグラビティ)』」

 

刀を持たない左手を下方向に向けて振った。それにつられて、空中に跳び上がっていた日向雅が地面に叩きつけられる。夏箋も片膝をついている。

 

「がぁっ!?」

 

「重力を約四倍と化した。速さや守りに特化したお前らの体格じゃあさすがに耐えられないだろ?」

 

日向雅は立ちあがろうとするも、起き上がれない。

 

「これがお前らの弱点の一つ目。本来強いはずの物理的な力の場面でその力を出せないこと。まぁ、力の才能があまりなかったからこういう型になったんだろうが」

 

日向雅の前に響は立つ。そして、大げさといってもいいぐらいに深呼吸をする。

 

「『刑鎖妖断(けいさようだん) 無尽双(むじんそう)』」

 

剣を何度も何度も振るう。日向雅の結界に当たり、巨大な音を何度も響かせる。そのたびに夏箋の右手が何度も発行しているのが見える。

 

「弱点その二。この守界と呼ばれるこの結界は、妖力を補給し続けないと維持できない点と、結界そのものが受けたダメージをわずかに中にいる本人やこの結界を作っている本人に伝えてしまう点。これはすでに実証済みだ。攻撃を一か所に集中して続ければ、いつか割れる」

 

結界を斬る手を止めない響。夏箋の右手は恐ろしいほど速く発行し始めた。限界が近いのだろうか。

 

「夏箋、自分の身を守れ!! お前は戦えない! 俺のことはいいから、結界をとけ!!」

 

日向雅が叫ぶ。しかし、夏箋は苦しみの表情を浮かべた後、自分の決壊を消し、(・・・・・・・・・)日向雅に結界を二枚張った。(・・・・・・・・・・・・・)

 

「弱点その三。今わかったことだが、その結界は二枚しか貼れないこと」

 

響は日向雅の元を去り、無尽双の構えを取った状態で夏箋の後ろに立つ。夏箋の顔が響を向く前に剣は夏箋に迫った。しかし、当たることはなかった。

 

「アアアアァァァッッッ!!!!!!!」

 

断末魔といってもいいぐらいの叫び声を上げながら、突っ込んできた赤色の日向雅により、響は風すら追い抜くスピードで吹き飛ばされた。

 

「……!! だめよ、日向雅! それは禁じ手でしょ!?」

 

「馬鹿はてめえだよッ!! 素直に俺の結界を解いときゃいいものを……」

 

梅に近い色に染まった日向雅が言い捨てる。しかし、夏箋は反抗を続ける。

 

「私はっ! あなたに傷ついてほしくないのよ!!」

 

涙目で言い切った夏箋に怒りをあらわにした日向雅が言い放つ。

 

「俺だって同じだよ!! 俺は毎回お前に守られてた!! だからたまには、たまには守らせろよ!?」

 

日向雅の言葉に夏箋は頬を紅潮させる。それを見て、日向雅も頬を紅潮させることになるのだが……。

 

「ここまでとは。はっきり言って舐めてたな」

 

腹を大きくえぐられた少年が出てくる。あまりのひどさに目をそむけたくなるが、それ以前にその怪我で立っていることが不思議である。

 

「おいおい、致命傷だろ。無茶済んな」

 

「ご忠告ありがとよ。だが、いらねえよ。『雲外明鏡紫死止水(うんがいめいきょうしししすい)』」

 

響の翼の付け根から黒紫色の煙が吹き出て、響の体を覆い始める。その煙が腹を覆い、背中から小ぶりの翼を生成し、髪を紫に染め上げて逆立たせる。

 

「紫死雲外鏡の名において、全力でお相手しよう」

 

「……ッ!? あなたが紫死雲外鏡、ですって!?」

 

響は左手を上にあげて、高らかと叫ぶ。

 

「我、鏡を創りだすもの。聖なる星が空に浮かぶ刻、天に舞い上がり堕ちろ。『鏡性考察卿(リフェクションイメージ)』」

 

左手から一つの紫色の玉が舞い上がる。その鏡は天に上がり、空を覆い尽くす。

 

「この技は自分が今、考えている技を実際に試して行う技。俺自身、どんな技か理解しきってない。どれだけこの技が使えるか、実験させてもらおう。いくぞ、杵鎚 日向雅、茨木夏箋」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんや、あれは!?」

 

妖焔山頂上付近に存在する屋敷。その縁側でキセルを吹かしていた天魔、天奈は思わず声を上げた。それもそのはずだ、空を鏡が覆っていたらそう思うだろう。

 

「鏡か? しかし、そんなもんがなんで……?」

 

その鏡の発生地と思わしき場所に目を向ける。その方角は鬼の四天王のうち、『速』と『守』を行かせたはずの場所。

 

「日向雅と夏箋の相手のとこか。あの二人なら一番安定すると思ったんやがなぁ」

 

改めてキセルを銜える。この状況では鬼の四天王も敗れかねない。『力』と『技』が行った場所も雲行きがあやしい。

 

「あての能力で援護するか? いや、あいつらはそんなこと望みやしやへん。さて、どうしたもんやろか?」

 

天奈が作を練り始めたその時、先ほどまで自分がいた部屋から物音が聞こえる。

 

「!!」

 

思わず振り向くが、そこには部屋の奥にあった簾が揺れているだけ。そして、天奈の横に一人の少女が立つ。腰まで伸ばした水色と藍色の中間に位置するような髪、そして額に生える青というより黒に近い角を一本生やした彼女は天奈すら一目置く存在、鬼子母神である。

 

「まさか……」

 

天奈の方を見向きもせずに一直線に空に浮かぶ鏡を見上げる少女。独り言をつぶやくや否や、地面を蹴り、とてつもないスピードで発生地へと向かう。

 

「ちょっ、どこ行くんや!! 千秋ィ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日向雅は勘で夏箋を抱えて、響から離れた。それはほぼ恐怖と危機感と言っていいのかもしれない。刹那、空から星が降り注ぐ。

 

「『仮題 聖なる星の降る夜(レニュエトンヴィジレイション)』」

 

空に浮いた鏡から雫が垂れるように、銀色の妖力が落ちる。それも雨のように。

 

「『光斬 〝真紅〟』!!」

 

日向雅は自分の最も早いスピードを出して、破滅の雨から逃れようとする。しかし、今の響に逃げの一手は通用しない。

 

「『鏡の世界(ミラルバ)』」

 

響がそうつぶやいた瞬間、大量の鏡が空中に創りだされて浮かぶ。そして、そこから槍のように鏡の面が突き出る。それをよけるのは今の日向雅には他愛もないことだが、なにぶん数が多い。

 

「ふざけんな、こんなもん避けられるかよ!?」

 

空から降り注ぐ破壊の雨と、鏡の槍。夏箋の防御壁があるとはいえ、無傷では済まない。

 

「クソッォォ!?」

 

限界を超えたスピードを操りきれていない日向雅は次第に攻撃に当たり始め、最終的には叩き落とされる。

 

「日向雅!?」

 

夏箋が自分と日向雅を守るように二重で結界を張る。すると、雨がやみ、響が降りてくる。

 

「素晴らしいな。深い絆だ」

 

響が剣を上に振りかぶり、二人を狙う。先ほどの剣とは比べ物にならないそれを。

 

「その絆を信じてみろ。その力は最も強い」

 

剣を振りおろす。その時だった。数メートルほど離れたところに一人の鬼が降り立つ。その場にいた三人全員がそちらの方へ向く。

 

「あぁ、やっぱり、やっぱり……!!」

 

女性でいえば平均的な身長の青色の髪を持つ少女。その姿を見て言葉を失う鬼二人と眉にしわを寄せる少年。その少女は響の方へ走り始め、

 

「会いたかったです……!!」

 

その少女は響に抱きついた。響も日向雅も夏箋も驚愕の表情で固まり、夏箋が叫ぶ。

 

「何をなさっているんですか!? 母様!!」

 

その言葉も耳に届いていないのか、嗚咽を漏らしながら響に更にしっかり抱きつく。響は彼女の髪を見て、何かを察したのか、その少女と思わしき名を呼ぶ。

 

「お前、千秋、か?」

 

「はいっ!! 本当にお会いしたかった、ししょぉ」

 

「「はぁ!?」」

 

響に泣きつく少女、千秋。日向雅たちの反応から彼女が鬼子母神であることは明らか。

 

「俺は極度に面倒事に巻き込まれる体質なのかね、まったく」




作「お久しぶりの後書きラジオ。現実では精神が死にかけております。作者です」
亮「あれ、響は?」
作「あいつは後で。んで、ゲストの神奈子さんです」
神「ここはどこなんだい?」
亮「気にしちゃだめだぜ」
作「では、そろそろ響に出てきてもらうか。ほい」
響「のわっ!?」
亮「なぜ空から、ってなんだその服!?」
響「……笑えよ」
作「前の話の罰ゲーム。メイド服着せてみた」
神「な、そんな、か、かわい///」
響「……笑えよ」
作「こんども何かほかの着る?」
響「着るかっ!!」
作「またなんか考えとくか。次のゲストは台与予定でございまーす」
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